巨人の村の娘は人間   作:UMI0123

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大災害

 創造海賊団が襲撃の制圧に向かって無地のはずのコリーダコロシアムではある人影があった。

 その人影があった場所は六傑杯の優勝賞品であった悪魔の実が保管されている金庫前だった。

 高価な悪魔の実を保管している金庫は全てが黄金によって作られているため破壊した場合にはテゾーロの意思に関係なく反撃が来るようになっている。

 

「やっぱり黄金で出来てやがるか……まあバレても逃げればいいだけだ波動(ハニー)プレ――”

 

「何やっているんですか」

 

「――幹部も含め全員出払っているんじゃねェのかよ」

 

「ええ。ですが私は()()構成員じゃないので」

 

「まだっててめェ子供じゃねェか」

 

 侵入者が振り返った先に居たのはまだ幼い顔立ちの少女が立っていた。その背中にはその背に見合わない名刀とも言える刀を背負っていた。

 

「間違ってはいませんが……一応修行を始めて六年程が経っていますのである程度は戦えますよ」

 

「ガキが何言ってやがる。波動(ハニー)プ――”!!

 

「“ヘッドクラッシュ”!!」

 

「やっぱりいるじゃねェかよ!!」

 

 侵入者の攻撃が放たれることはなかった。侵入者の攻撃を邪魔するように頭突きを放った男が居た。その男は六傑杯で予選敗北の結果に終わったがテゾーロにその実力を評価されて“グラン・テゾーロ”への就職が決まった男“ダイス”だった。

 その攻撃を侵入者は避けたが、金庫からは離されてしまった。

 

「避けんなよ。気持ちよくなれねェじゃねェかァ!!」

 

「気持ち悪ィな!!バレねェように生身で来たのに鎧作らねェと痛いじゃねェか……一つ叩くと二つに増えて……もう一つ叩くと三つに増える」

 

「――っ!その能力は!!ダイスさんこれは想定外の相手です。下がった方がいいです」

 

「あァ!?ならこの欲求を誰が満たしてくれる!!お前じゃあ気持ちよくなれねェよ!!」

 

「……はぁ。ならテゾーロさんに金庫を動かしてもらいますね」

 

 侵入者が手を叩くとその身体から巨大なビスケットが生成されていった。そのビスケットは人の体に組み立てられていき本体を隠す鎧となった。その姿は手配書に載るビッグマム海賊団“スイーツ四将星”が一人“千手のクラッカー”その人だった。

 

「おれの本当の姿を見たんだ。死んでもらうぞ」

 

「なら気持ちよくしてくれェ!!」

 

『プルルルル……プルルガチャ。どうしたんだね小紫。こちらも少々忙しいのだが』

 

 ダイスとクラッカーが戦っているなか小紫は電伝虫を使ってテゾーロに連絡をとっていた。

 

「金庫に襲撃です」

 

『そちらにはダイスが居ると思うのだが?』

 

「相手は将星です」

 

『……ならしょうがないか。見えないから正確なことは出来ないが……“ゴールド・スライス”

 

 黄金で出来た金庫が鋭い刃となってダイスとクラッカーへと襲いかかった。この場にテゾーロは居ないので正確な攻撃は放てないので無差別攻撃となってしまった。

 しかしこの攻撃をテゾーロが放つことをダイスは知っていたので避けることは出来た。だがクラッカーは避けることが出来ずビスケットで出来た鎧を切り裂かれ、本体にも傷を負ってしまった。

 

「ウ……クソが……引くしかねェか」

 

『こちらはペロスペローを逃がしてしまった……そちらはきちんと捕らえてくれよ』

 

「なっ!?ペロス兄がやられたのか」

 

「そうみたいですね」

 

 不意の攻撃で傷を負ったクラッカーはダイスと小紫によって捕えられるかと思われた。しかしとある何か巨大な物が落ちる音によって二人の攻撃は中断されてクラッカーが捕えられることは無かった。

 

『これはだいぶ劣勢になりそうだ……』

 

 

 残りの六傑であるアーサーとミークが向かった先には襲撃に参加した海賊団の下っ端しか居なかったためあまり苦戦せず鎮圧することに成功していた。

 仕事を終えた二人は他の場所の援護へと向かおうとしていたが海から向かってくる巨大な龍に気を取られ高熱の炎によって吹き飛ばされてしまった。致命傷になるほどに強力な攻撃ではなかったため直ぐに動くことは出来るがドレスローザの建物に引火してしまったため建物の消火に動くこととなってしまった。

 

「あの龍は……何故四皇直々に襲撃しに来たのだ……」

 

「あの姿は……確かカイドウとか言っとたニャ」

 

 

 

「痛ったぁ〜〜〜。やっぱり難しいなぁ」

 

「何故団長が……」

 

「いやぁ〜、相手がね。ちょっと厳しいんだよね。ねぇカイドウ」

 

 ディアンヌが見た先に居たのは青い鱗に包まれた巨大な龍。ウオウオの実“幻獣種”モデル“青龍”の力をその身に宿した四皇の一人カイドウの姿だった。

 カイドウは吹き飛ばしたディアンヌを追いかけている途中で高熱の炎を吹き散らしていた。高熱の炎は建物へと引火してドレスローザは火の海と化してしまった。その姿はまるで大災害。二人の災害を纏める総督に相応しい姿だった。

 

「ウオロロロ!!そうだなお前じゃあおれは倒せねェ!!!熱息(ボロブレス)”!!!

 

「周りに被害が出る攻撃はやめて欲しいんだけど……まあ防げればいいんだけどね。金剛の盾(ダイヤモンド・シールド)”!!!

 

 カイドウが放った高熱の炎はディアンヌが能力で地面から生み出した超強固な巨大な建物によって掻き消された。

 この技は守りに関しては強力な技となるが一つ弱点があった。それは巨大過ぎるのでディアンヌの視界が塞がれてしまう事だった。ある程度は見聞色の覇気で相手の動きは分かるが自分と同等もしくは格上だった場合は勘で動くしか無かった。

 

「“降三世”!!」

 

「前回みたく一撃で気絶する訳にはいかないよ!」

 

「“(ラグ)奈落(ならく)”!!!」

 

 カイドウは人型に戻り、前回と同じように覇気を纏った金棒をディアンヌへと振り下ろした。ディアンヌは腕に覇気を纏い交差して受け止める体制を取った。

 しかし金棒と腕がぶつかることは無かった。何かに遮られるようにカイドウの金棒は止まり周りへと強力な覇王色の覇気が走った。近くに居た創造海賊団の船員は気絶して、天は二人の覇気によって裂かれた。

 

「お前も出来るようになったのか!!……だがまだ足りねェぞ!!!」

 

「ウ……やっぱり練度は実践じゃないと成長しないか」

 

 覇気の練度でカイドウには勝てないディアンヌは金棒を止めることは出来ずに振り下ろされてしまった。しかし前回と違う点は覇気で勝てないのが分かっていたので、頭に覇気を流して辛うじて受け止めることが出来た。

 しかし“覇王色の覇気”を纏った攻撃は武装色の覇気による護りでは受け止めるのがやっとでありダメージは大きかった。

 

「“硬化攻羅(コカコーラ)”!!」

 

「ウ……邪魔すんじゃねェ!!“壊風”!!ハッ!!!」

 

 不意打ちで上から殴りつけたキャンドラーだった。しかし武装色の覇気を纏った攻撃では大きなダメージにはならず、カイドウの反撃によって吹き飛ばされてしまった。

 

「……てめェはキャンドラーか!!?」

 

「無視しないでよ!」

 

 キャンドラーへと意識が向いたカイドウをディアンヌは覇王色の覇気を纏った拳で殴りつけた。

 ノーガードだったカイドウは表向きの港がある場所まで吹き飛ばされた。その場所には百獣海賊団の船が停まっていた。船からで出来た来ていた百獣海賊団の船員達はカイドウが飛んできた衝撃で海へと落ちていった。

 

「そのまま海に落ちて!!」

 

「海に落ちろカイドウ!!」

 

「ウォロロロそんなのつまらねェじゃねェか!!“雷鳴八卦”!!!」

 港ギリギリまで飛ばされたカイドウを海に落として無力化しようとディアンヌとキャンドラーは力を合わせて殴り飛ばそうとした。

 しかしこれまでのカイドウは本気を出してはいなかった。カイドウは一番力を発揮出来る人獣型に変化した。龍と人の中間の姿になったカイドウは自身の金棒“八斎戒”を雷の如く二人の拳にぶつけた。

 覇気の練度で劣っている二人は力負けして逆に吹き飛ばされてしまった。二人に勝利したことを確信したカイドウはドレスローザを荒らそうと動こうとした。

 

『勝者カイドウ』

 

「カイドウ!お前カタギに手を出すつもりじゃねェよなァ!!」

 

「――っ!?てめェがどうしてここに居やがる……ニューゲート!!!」

 

「……」

 

 カイドウの視線の先に居たのはカイドウと同じ四皇であり、ロジャーなき今最も海賊王に近い海賊王“白ひげ”エドワード・ニューゲートが愛刀のむら雲切を構えて立っていた。

 

 

 

 “金獅子”の側近ザイスと海軍本部“大将”青キジの戦いは青キジの有利で進んでいた。ザイスがいくら泡を生み出そうと青キジが即凍らせるためザイスが攻撃出来ずにいたからだ。

 

「今のお前じゃあおれには勝てねェよ。大人しく捕まってくれ」

 

「海賊が自分から捕まるわけないだろ。泡雲」

 

 泡に変化したドレスローザの建物たちは二人から太陽を隠すように空を覆った。その空模様はまるで曇天であり、今にも雨が降りそうだった。

 

「海軍が海賊の味方をするなんて……今日は槍が降りそうだな

 

「何言ってるんだ?」

 

「“槍雨(ソーウ)”」

 

 二人の上空を覆う泡で出来た雲から石鹸で出来た槍が降り出した。空から降る槍はザイスの能力によって生み出される物なので武装色の覇気を纏っているので青キジでもダメージを受ける攻撃だった。

 二人の上空を覆う雲からの攻撃だがザイスに降るのは泡の雨なのでダメージを受けないどころか泡によってその姿が隠されていた。

 

「青キジが負けたのか!?」

 

「NO〜!!バカ言っちゃいけねェよ」

 

 青キジは自身に突き刺さろうとする武装色を纏った石鹸の槍を氷の体を流動させて避けることによって武装色の攻撃を回避していた。こんなことが出来るのは青キジが見聞色の覇気によって数秒先の未来を視ているからだ。

 

「“泡龍(バブリュウ)”」

 

「無駄だって言ってるでしょうが」

 

 ザイスの身体から生み出される泡で出来た龍を青キジは動き出す前に手を振りかざして凍らせた。

 青キジはそのまま攻撃を仕掛けようと地面に手を付けると……

 

「そろそろ潮時だ。氷河時代(アイス・エイジ)

 

 青キジを中心に広範囲が凍って行った。その攻撃は遠くに居た百獣の兵たちを凍らして、そこらの雑魚とは比べ物にならない実力を持つザイスも凍ってしまっていた。

 

「……」

 

「あ〜、センゴクさんを呼び戻さなきゃいけねェじゃん……めんどくさいな」

 

『勝者クザン』

 

 




クラッカー→素顔がバレていないのでスパイとしては向いてますよね
テゾーロ→こちらもカイドウの襲来に気を取られてペロスに逃げられました
アーサー&ミーク→活躍の場は与えられませんでした
ディアンヌ&キャンドラー対カイドウ→二人がかりでもカイドウには勝てません。ちなみにキャンドラーとカイドウには面識があります
白ひげ→これで借りは返済終了です
クザン対ザイス→全てを凍らす能力と泡だと相性が悪過ぎます。例え覚醒してようと勝てませんでした

基本的に相手の幹部は確保出来てません。ほとんどはカイドウの襲撃に気を取られたせいなので……カイドウは大災害ですね。ドレスローザの居住区の大半が凍ってしまったのでクザンも大災害クラスですね。
次回はマーリンとジャックの戦いがあります。

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