――五つのマフィアによって裏から支配されている海、“
この国は昔から八宝水軍というギャングを随伴戦力として扱って来たため、他のギャンググループに対して優位に立っていた。しかし八宝水軍の中でも最強であった
そこに助けとして入ったのが、創造海賊団だ。創造海賊団は八宝水軍に勝利し、傘下に置いた。首領・チンジャオは棟梁に舞い戻り、以前の五大ファミリーの座に舞い戻っていた。
「創造の部下がこの海に来ているのか……ひやホホこの連絡は我々で試練を出せってことかのう」
「いいのか?モレルファミリーがきなクセェ動きを見せてるぞ」
「あんな連絡を貰ってしまったら我らは動かなければ不義理というものじゃ」
ガープに敗れてから隠居人として生きてきたチンジャオは雰囲気だけは好々爺のようだったが、判断力等の基礎能力は衰えてはおらず、チンジャオの後任として棟梁になっていたサイはチンジャオの判断を信じ、六傑に試練を出すことに決めた。
六傑と八宝水軍とでは実力に格差があるように感じられるが、チンジャオとサイだけで言えば六傑クラスの実力があることは確かだ。更に六傑は皆足でまといである子供を連れているため、六傑に試練を出すことは難しくなかった。
「それにモレルの方はまだ武器を集め始めてる段階じゃ。動きがあるとしてもまだ先だろう」
「ならいいんだ……じゃあ向かうか」
「西の海に入ったか……酒の流通を支配しているマフィアはどこだ?」
「確か……モレルファミリーです!」
「……なら早いところ酒を盗んで帰ろうか」
いち早く西の海に到着したのはモンピートだ。そして彼は西の海生まれの部下を連れているため、事前準備も完璧だった。
他の六傑と違う点はもう一つある。それは六傑クラスの実力者であるデルエリを部下に連れている事だ。六傑が二人居るのと変わらないモンピートは西の海には過剰戦力とも言える。
しかしそんなモンピートでも警戒する相手がいる。それが西の五大ファミリーだ。西の海を支配するファミリーたちはトップの実力は四皇に比べれば足元にも及ばないが、その勢力だけなら四皇に近いものを持っているからだ。
「盗むですか?」
「ケツから言って四皇と変わらないからな」
「あいつらはトップの実力こそ四皇の足元にも及ばないが、その勢力だけは四皇と変わらないってことだ」
そう言うモンピートだったが、攻撃したのがバレたら面倒だ程度にしか思っていなかった。モンピートとデルエリは対面性能は高いのだが、雑魚たちを一掃するような攻撃手段を持ち合わせていない。四皇と変わらぬ勢力を持つマフィアを相手取るのは時間がかかってしまう。
「なら戦いたい!!」
「マロナ嬢、我々は競っているので……って言っても聞かなそうだ……どうしたものかね」
「ケツから言って気絶させて連れていけばいい」
「デルエリ、そんなことは出来るわけないだろう。我々は団長の下に付いたんだ。それなのに団長の娘を気絶なんてさせたら、我々の処分されてしまうよ」
モンピートたちが孤児院から連れて来たのは、ディアンヌの娘、マロナだ。マロナを連れて来た理由は二つ。まず一つ目は才能の塊だったからだ。マロナは覇王色と見聞色の覇気の片鱗を見せつけていた。そして幼いながらも剣に興味を持ち、子供とは思えぬ膂力を持ち合わせている。
そして二つ目は顔を覚えてもらうためだ。マロナの才能を感じ取ったモンピートは将来マロナは団長、副団長クラスまで成長すると考えて、重役に就いた際に自分たちを重宝してもらえるようにマロナを選んだ。
しかしマロナには欠点があった。まだ幼い少女であるマロナは好奇心旺盛で、面倒事に首を突っ込みたくなる病気であるかのように面倒事に巻き込まれる。三大機関襲撃と同時刻に起こった事件もマロナが原因で起こったことだ。
「きゃははは!!向こうに海賊だぁ!!」
「ちょっ!マロナ嬢!!?
そんなマロナは遠くに居る海賊の気配を見聞色の覇気によって感知し、誰が教えたのか、月歩を使い空を駆けて行ってしまった。
しかしこの船の船長がモンピートだったのが幸いした。モンピートは能力を使い、船内から持ってきた酒樽とマロナの位置を交換した。
「あれ?モンピート……?双子?」
「全く、とんだお転婆娘だ。そして私は双子ではないよ。ここは創造海賊団の船だからね」
「ん?……海賊の船に向かって歩いた筈……まあいいや」
「随分アッサリしてんな」
デルエリはアッサリしているマロナにツッコミを入れたが、他の者はスルーしていた。下っ端たちはマロナにツッコミを入れる勇気はなく、モンピートはマロナが過ぎたことを一切気にしない
空を駆けていたマロナに気付いた海賊船はモンピートの船へと向かって来ていた。やがて大砲の射程範囲内に入るとモンピートの船へと砲撃が開始された。
「気付かれたなら仕方ないか……デルエリ任せていいかい?」
「ケツから言って10秒で終わらせてやる!」
「流石に10秒は無理だと思うけどね……ってもういないし」
デルエリは宣言と同時に敵船へと跳んだ。月歩によって船の上空に向かったデルエリは覇気によって黒く染まった拳を甲板へと叩き込んだ。デルエリの拳によって甲板は真っ二つに割れ、船は沈没することとなった。
デルエリは強い海賊、海軍が蔓延る新世界で航海出来る海賊を率いていた。そんなデルエリに西の海に残留している海賊が束になったところで、勝てるわけないだろう。
デルエリは宣言通り10秒で船を沈没させたので、モンピートは多少驚き、マロナは声を上げて喜んでいた。
「……ふむ、10秒で終わったのならそこまでタイムロスではないか。……だが、急いで向かうぞ」
「はい!!」
――ハチノス
「港に侵入者です!!あ――」
「言わなくても大丈夫だよ。誰が来たかは、分かってるから」
ディアンヌは侵入者が居ることを伝えに来た男の声を遮った。ディアンヌの見聞色の範囲は創造海賊団の中でもトップであるため、誰が侵入してきたのかは分かっていた。
「久しぶりに会えるね。……シャンクス」
ハチノスの港を占拠している赤髪海賊団を迎えに行った。ロジャー海賊団解散後に初めて会ったシャンクスは以前の子供っぽさは消え、大人の男性になっていた。
ディアンヌとそう変わらなかった体は、ディアンヌの倍近く筋肉はつき、身長も能力使用前のディアンヌを遥かに超えていた。仲間に連れている男たちも皆ディアンヌを超える体躯の持ち主だった。……一人?猿が居たが気にしないことにした。
「久しぶりだねシャンクス」
「ああ、そうだなディアンヌ。十数年ぶりか?」
「久しぶりの再会を喜びたいところだけど……アポもなしに人の本拠地に来るのはどうなのかと思うんだけど?」
「――っ!?お頭と同じ覇王色か!!」
いくら旧知の仲であるシャンクスが礼儀もなくアポ無しで島に来たことに少しイラついていたディアンヌは、覇王色の覇気を発した。
それを打ち消すようにシャンクスも覇王色の覇気をぶつけた。二人の強力な覇気は近くの者たちを気絶させた。それに耐えるのは赤髪海賊団の幹部たちのみであり、戦力差が大きく出来てしまった。
「やはり持っていたかディアンヌ」
「まあね。でもシャンクスには劣ると思うよ。試してみる?」
「……以前のままなら試したかもしれないが、今では海賊団を率いる船長、おれらが一戦交えればそれは戦争になるはずだ」
「でも、君たちがここにアポ無し出来た時点で戦争が起こってもおかしくないでしょ?」
……まあシャンクスとは短いけど濃い時間を過ごしたから戦争はあまりしたくないけど、そっちがその気なら仕方ないよね。
でも今戦争をするとしたら圧倒的に僕が不利だよね。六傑はみんな僕の命令で西の海に行ってるし、三英はマーリンがドレスローザでドフラミンゴと交渉してて、レオちゃんもそれに着いて行って里帰り中だし、テゾーロは新世界中の客を集めるために新世界を放浪中だし、キャンドラーに至っては何処にいるか知らないし……あれ?僕はなんでここに居るの?これじゃあ僕がニートみたいじゃん!!
「その件は謝る、済まなかったな。だが、おれとしては一つ忠告しに来たんだ。……ディアンヌはどこを目指しているんだ。もし政府を潰す為に動いているとしたら……船長の言葉は何も響かなかったのか」
「あはは……聴かれてたんだ……僕は聞かないようにしてたのに……酷いもんだね。まあ船長の言葉は響いたよ。あの時は船長の夢を叶えようと思ってたもん……でもさ、やっぱり世界ってのは残酷だよね。一人前の海賊になってさ、旅してて思ったけど……人ってのは醜いもんだよね。自分の力で手に入れてもない権力を振りかざして弱者を潰す……権力と実力どっちが上だと思う?……権力だよ!実力を持つ強者ですら権力には跪く。でも唯一実力を持ち、権力には従わない者たちが居る……そう!!海賊だよ!!!……だから僕は権力なんかに強者が跪くことの無い世界を創る!!!これは実力を持ちながらも権力に跪いた強者によって殺された家族みたいなのが生まれないようにするんだ!!!!」
「――っ!!おいおい、それって」
「ディアンヌ!それはカイドウと同じ思想になるぞ!!!もしそうだとしたら……おれは親友を殺さなければならない!!!」
「きゃは……僕に勝てると思ってるの?海の上ならまだしも……陸上でさ!!」
ディアンヌは港を崩した。能力によって港は隆起と沈降を繰り返す凸凹の地面になった。足元を崩された赤髪海賊団は、能力を知っていたシャンクスとベン・ベックマンを除いて皆、倒れてしまった。
倒れた者たちは皆うねる地面に呑まれ、身動きを封じられてしまっていた。シャンクスが旅をして来た仲間がやわでは無いことを知っているため仲間を放置しようとしたが、覇王色によって気絶した船員たちも地面に呑み込まれてしまったため、助けるために動いた。
「別に殺すつもりは無いんだから僕から目を離さないでよ!」
「お頭の邪魔はさせねェ」
シャンクスに気を取られていたディアンヌの真横に移動し、ベックマンは、ディアンヌの側頭部へと銃を突きつけた。
流石のディアンヌでも突きつけられた銃から放たれる弾丸を避けられる程、動きが速い訳では無いので、仕方なく両腕を上げようとした。
両腕を上げた瞬間ディアンヌの居る部分のみ地面が持ち上がった。ディアンヌのいる場所が上がったことによりベックマンの銃の射線からは外れていた。ディアンヌが射線から外れたことによってベックマンは主だった攻撃手段を失ってしまった。覇気を纏った打撃攻撃をやろうと思えば出来ないこともないが、警戒されてしまった今、近付くことすら難しい。そのためベックマンは少し後ろに下がり、シャンクスと交代することとした。
「あいつらは任せるぞベック」
「ああ……気を付けろ。奴は強いぞ」
「それはおれが一番知っている。ディアンヌ、お前がこの十数年で何を経験してきたか知らないが……目を覚まさせてやる!!」
「片腕になった今、私に勝てるのかな!!」
シャンクスは地面がせり上がった場所に立つディアンヌ目掛けて跳んだ。ディアンヌより高い位置に行くと空中を蹴り、愛刀“グリフォン”を振り下ろした。
ディアンヌも対抗するように拳に覇気を纏ってぶつけた。しかし二人の攻撃が物理的にぶつかることは無かった。ディアンヌは勿論だが、シャンクスも覇王色の覇気を纏う技術を身に付けていた。覇王色の覇気のぶつかり合いによって生まれた衝撃波は天をも割った。
「能力者の搦手は案外強力だよ」
ディアンヌが逆の手の拳を握り締めると大地が触手となり、シャンクスを襲った。シャンクスは触手を破壊するために空中で体を捻り、グリフォンを横に薙ぎ払い触手たちを破壊した。グリフォンを振った際に生まれた飛ぶ斬撃は割れた天へと吸い込まれて行った。
「このまま本気で戦争するつもりなのか!!」
「戦争するつもりはないよ。ただ……シャンクスとの戦いが楽しいだけだよ!!」
ディアンヌは
「私は……能力者だからね。何日楽しめるかな!!」
そこからディアンヌとシャンクスは一週間戦い続けた。最初のうちはシャンクスは嫌々やっている感が滲み出ていたが、最後の二日はシャンクスも口角を上げて戦闘を楽しんでいた。
シャンクスの部下はベックマンによって解放されていたが、二人の圧倒的な戦いに手を出すことが出来ず、二人の戦闘を眺めているだけだった。
戦闘が終わると二人は和解して話をしていた。ここまでにどんな旅をしていただとか……自分の子供の話だとか……若い海賊候補の話だとか……二人の話は弾んでいたが、長居していると海軍に変に勘繰られる可能性が出てくるため、赤髪海賊団はハチノスを去って行った。
「団長!副団長がお帰りです!!」
「げっ!グチャグチャの港どうしよう……よし!!君!!!キャンドラーに僕は旅に出たと、伝えて置いてくれよ」
僕は動かすのは得意だけど、綺麗に整えるのは苦手なんだよね。だから僕が能力使った後の島は自分たちの手で直さなきゃいけなくなるから、キャンドラーに本拠地で能力を使うは最後の手段だって言われてたんだった。
まあ僕が団長だから気にしなくていいよね。きっと六傑がやってくれるはず………って僕の命令で居ないんだった!!!さっきの下っ端君が叫んでる気がするけど気の所為だよね。何処の島に逃げようかな……シャンクスが言ってた娘に会いに行こうかな?それとも海賊候補の居る“東の海”にでも行こうかな……
「ディアンヌ!逃げるな!!!」
やっば!だいぶ早いよ!!?着いたの反対側の港じゃなかったの……変な勘が働いたんだろうなぁ。でもまあ船を出したし、追い掛けて来ないでしょ……って空歩いて来てる!!?速度は船と変わらないから追い付かれないけど……まさか最後まで着いてこないよね。
「能力使ったなら自分で直せ!!」
ディアンヌの読みは外れ、キャンドラーは沖まで行っても追いかけて来ていた。キャンドラーを撒くのは難しいと思ったディアンヌは一度船を停め、キャンドラーを乗せることにした。
「はぁ……赤髪が来て、戦闘を起こしたと……アホなんか!!赤髪なんかと戦争が起こったら四皇に介入されて、またナワバリを持っていかれるぞ!!学習してないのかよ!!!」
「学習してない訳じゃないよ!!ただ戦闘のことになると忘れちゃうだけだよ!!」
「それが学習してねェって言ってんだよ!!」
キャンドラーは酷いこと言うなぁ。まるで僕が直ぐに忘れるお馬鹿さんみたいに言うんだから……お馬鹿さんなのはキャンドラーの方なのに……
「おれは馬鹿じゃねェ」
「しれっと心の声を読むのに見聞色使わないでよ!!」
「使ってねェよ!!ディアンヌが顔に出やすいだけだ!」
「あ、あの団長、何処に向かわれるのですか?」
「目的地を伝えてなかったね。僕が向かうのは音楽の都と呼ばれていた島、エレジアだよ!!」
エレジアとは音楽の都として世界中の音楽家たちが集まり、栄えていた島。そんな島も今では誰も居ない廃虚と化していた。栄えていたエレジアはとある事件によって、一夜にして長年積み重ねて来た歴史と共に消滅してしまったのだ。
その事件の首謀者が赤髪海賊団だと世界経済新聞で発表されていたため、ディアンヌもある程度の知識を持っていた。しかしシャンクスと直接会い、事件の真実を知ったことで、ディアンヌはエレジアに行ってみたい思った。
「赤髪が滅ぼしたとか言う島だったか?」
「そう!その事件で生き残ったのが二人居るらしいんだけど……そのうちの一人がシャンクスの娘らしいんだよね」
「自分で滅ぼした島に娘を置いてくるとかどんな神経してんだ赤髪は!」
「まあ、いろいろあるんだよ。……その子はどんな闇を抱えているのか……楽しみだな♡」
「……変わっちまったな」
――西の海、ヴェルゴ船
「子供を連れて行けと言われたが……お前は子供だったのか?」
「……私も思っていたけど……院長が卒業させてくれないのよ。自分の娘と生き別れたからか、子供を大事にし過ぎてるのよね」
「こちらとしては別に構わないんだがな……自衛程度はしてくれよモネ」
海軍船に似た船に乗るのは、正義を掲げていない軍服を身に付けて、サングラスを付けた、2m越えの巨漢の男。元海軍で現六傑という異例の経歴を持つヴェルゴ。
ヴェルゴが選んだ孤児は孤児院の中で最年長で、孤児たちのリーダー的存在であるモネだった。モネは戦闘センスはマロナだったり、小紫だったりと強力な遺伝子を持つ子供には勝てないが、他に比べたら光るものがあり、事務仕事だけを言えば、彼女の右に出る者はいない。現役の秘書であるステラにも迫る技術を持っている。
「あの先にいるのは……モンピートの船か……迎撃する。沈没させろ」
「ち、沈没ですか?一応味方の船なんですが……」
「……我々は西の海の酒の争奪戦をしている……敵同士だ。敵に容赦などは要らない。それは海軍だろうと海賊だろうと変わらないはずだ」
「厳しいこと言うのね。まあ敵に容赦なんか要らないのは賛成だけど……一応味方でもあるから半壊程度で済ませてあげて」
ヴェルゴは海軍の頃、部下思いの海兵で部下たちには良き上司として慕われていたが、海賊相手には容赦せず、呼ばれた異名は“鬼竹ヴェルゴ”。その性格は海賊になっても変わっておらず、部下たちには厳しくも優しい性格から慕われているが、敵対するものには容赦しなかった。それが仲間だったとしても、敵対すれば容赦はしない。
そこのブレーキとなるのがモネであった。一応仲間であるモンピートの船を破壊するのは、創造海賊団としての損失になるため、半壊までに収めるように指示した。ヴェルゴの部下たちは年下の女に命令されたのに難色を示したが、ヴェルゴが何も言わなかったため、仕方なく了承した。
「あん時のお礼だ!!」
「お前が向かって来るのは性格から見るに分かっていた。準備は万全だ」
空を蹴って、ヴェルゴに拳をぶつけようとしたのはモンピートの元船長であり、今では部下のデルエリだ。デルエリは拳に武装色の覇気を流して、ヴェルゴの顔を殴ろうとした。
ヴェルゴはデルエリと六傑杯で戦っているためデルエリの性格は把握していた。そのためデルエリが先行して攻撃してくるのは覇気を使う必要も無い程確実なので、デルエリが見えた瞬間に一歩後ろに下がり、自身の武器である竹竿を横に振るった。
「お前より私の方がデルエリのことは知っているんだ。デルエリが一度負けた相手を目の前にして待っていることが出来ないのは昔からのことなんだ。その相手は私なんだけどね」
「――っ!場所を入れ替える能力か……それだけなら驚異にはならない」
目の前に居たデルエリがモンピートになったのに一瞬は驚いたものの、覇気による攻撃は誰にでも効くので、そのまま竹竿を横に薙ぎ払った。
モンピートも腕に覇気を流して対抗した。武装色の練度で言えばヴェルゴの方が格上なのだが、彼の武装色は全身に行き渡らせるのに特化しているため一部分の強さで言うと拮抗していた。
「モンピート!!!」
「“
モンピートの後ろに現れたデルエリはヴェルゴの竹竿に耐えているため動けないモンピートのことを殴ろうとした。刹那、モンピートはデルエリの意図を理解して能力を行使した。モンピートとヴェルゴの位置は入れ替わり、ガラ空きの鳩尾へとデルエリの拳がめり込んだ。
念の為武装色を全身に流していたため、ダメージを軽減出来たが、ガラ空きになった鳩尾への攻撃は重く吹き飛ばされてしまった。
「ヴェルゴの部下たちは、消化の準備しておけ」
「“
マジマジの実の能力の一部である生き物の形をした炎を生み出す力で、巨大な炎の鳥を生み出して吹き飛んだヴェルゴへと飛ばした。炎の鳥は木造の甲板に火の粉を落としながら飛んでいたため甲板は発火し始めた。
「舐めているのか。おれはこの程度の炎では火傷すらしない」
「お前がしなくても部下たちはするでしょう」
「……この程度の火で火傷になる部下はいらない」
「厳しいこと言うわね。まあ私もそう思うけど……熱いお茶くらいかしら?」
船の中から現れたモネは、燃えている甲板に触れて温度を測った。モネは熱いお茶だと言っているが、燃えている炎が100度以下のお茶と一緒な訳が無い。そう感じる理由は彼女の皮膚が小さい頃から行われた修行によって分厚くなっているからだ。
ディアンヌから子供たちを死なせるなと命令されているので、モンピートたちは攻撃するのを止めた。しかし空気を読まないものが一人居た。それは船に置いて来たはずの幼女、マロナだった。マロナは空を走って来て、その体躯に見合わない剣をモネへと振り下ろした。
「――っ!!やっぱり貴女の攻撃は重いわね……少しおいたが過ぎるわよ!」
「あはは……!!やっぱり強いねモネちゃん!!」
モネはマロナがやって来ることを見聞色の覇気によって事前に感知していたため、振り下ろされる剣を受け止めることが出来た。そのまま受け止めた剣ごとマロナのことを投げ飛ばした。
投げ飛ばされたマロナはモンピートの能力によって彼の腕の中に連れ戻された。ディアンヌの娘であるマロナを危険な目に合わす訳にもいかず、モンピートは自身の船へと戻って行った。逃げるモンピートにヴェルゴは追撃を仕掛けようとしたが、デルエリによって邪魔をされてしまった。
「モンピートの邪魔はさせねェよ」
「一度負けたヤツが……止められるか?“
邪魔してきたデルエリを吹き飛ばすために武装色によって黒く染まった竹竿を振り抜いた。振り回すことにより遠心力の力も加わり、生まれた衝撃波は空を駆けるモンピートにまで届いた。
しかしモンピートは体を捻ることにより、飛んでくる衝撃波を避けて、船に到着した。
「ケツから言って試合終了だ」
そう言ってデルエリはモンピートの能力によって大きな樽と入れ替わった。
「他の六傑たちは今も探してるんだから早く向かいましょ」
「……ああ、そうだな」
花ノ国→表向きでは八方水軍が傘下に入っていますが、花ノ国も創造海賊団との結び付きが強くなっています。
エレジア→映画通りの道を歩んでいます。ディアンヌがウタと会うことで何が起こるか……
ディアンヌ→ロジャーの処刑だったり、ドレスローザ市民の手のひら返しだったりと人の醜いところを見て思想が歪みました。
モンピート→移動の能力はオペオペと似たようなものです。ですが、大きさか質量が近いもの同士しか動かせないので、そこだけを言うと下位互換です。
モネ→子供を連れていくミッションなのにJKくらいのモネが連れ出されてます。
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