巨人の村の娘は人間   作:UMI0123

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新世界

 ――魚人島。

 

 二人の“ルーキー”がぶつかっていた。

 一方はロジャーやシキが表舞台から消えた今“海賊最強”の名を背負う“白ひげ海賊団”。その中でも若手筆頭である“不死鳥マルコ”。

 もう一方は今は亡きロジャーが率いた少数精鋭のロジャー海賊団で見習いをやり、今では海賊の船長をやっている“巨腕のディアンヌ”。

 双方共に見習いを卒業して間もないにも関わらず“前半の海”の船長クラスであり、新世界でも十分通用する実力者だった。

 そんな二人が魚人島でぶつかろうとしているのだ。この国の王はきっと騎士たちを連れて様子を見に来るだろう。しかしそれでも二人は戦うことは辞めないだろう。それはマルコの1番隊隊長への昇格を掛けているから……いや違う。男?のプライドを掛けた勝負だからだ!

 

 

「“創造(クリエイション)”!」

 

 ディアンヌが地面に触れて創り出したのは巨人化したディアンヌの身長を越すほど大きい大槌だった。ディアンヌはその大槌を持ち、振り上げた。

 

「そんな武器じゃ、おれは倒せないよい!」

 

「これで直接攻撃するわけじゃないよ。大地の怒号(マザー・カタストロフィ)”!!

 

 ディアンヌは創り出した大槌で地面を叩き付けた。

 それによって砕け散った地面は空へと巻き上げられて、空で巨大な一つの大岩となった。

 

「こりゃあ、少しやばそうだ……」

 

「行けぇ!!」

 

 上空に佇む大岩はディアンヌの合図とともにマルコへと落ちていった。空を飛べるマルコでも相当な速度で落ちてくる大岩から逃れることは出来ず、大岩の下敷きになってしまった。

 今までディアンヌの本気で戦う姿を見たことがなかったテゾーロとステラは体を動かすことが出来なかった。テゾーロはディアンヌとの圧倒的な力の差を感じて、ステラは自分とそう歳の変わらない少女がここまで強くなれたことに……キャンドラーは少し考え事をしているのか俯いていた。

 

「危なかっ――ッ」

 

 マルコは人獣型となって岩を突き破り空へと出てきた。しかしディアンヌはマルコの実力を認めていたので、岩から出てくることを読んでいた。

 マルコの動きを読んでいたディアンヌは岩から出て来た瞬間に手を組んで叩き落とした。その攻撃はディアンヌの“武装色”の覇気によって“不死鳥”と名高いマルコにダメージを与えていた。

 

「はぁはぁ……今の威力は覇気だけじゃないだろ」

 

「あれ?よく分かったね。私の能力を使ってたからね」

 

「幻獣種ってのはホント便利だよい。……おれの力みたいに

 

 マルコの体の青い炎が燃え上がり、ボロボロだった体を元の状態へと戻していた。この能力こそが彼が“不死鳥”と呼ばれる理由である。トリトリの実幻獣種“不死鳥(フェニックス)”は青い炎による驚異的な回復力を持つ。

 

「不死鳥の相手は骨が折れるよ。でも強い相手は嫌いじゃないよ!

 

 そこから二人の戦闘は熾烈を極めた。それもそうだろう。普通の動物(ゾオン)系は自分の肉体(フィジカル)が重要なのだ、そこを一番に鍛えるだろう。

 それにもし二人が覚醒してるとしたら異常なタフネスさと回復力を持っている。そんな二人が全力で戦ったとしたら一日程度では終わらないだろう。

 

「はぁはぁ……そろそろ倒れたらどうだディアンヌ」

 

「なに言ってるの……戦いはこれからだよ」

 

 二人が戦い始めて二日が経った。二人はボロボロだったがまだ戦いを辞めるつもりはなかったらしい。

 

「おいおいまだ戦闘を続けるのかよ」

 

「流石“動物系(ゾオン)”だな!!」

 

 テゾーロとキャンドラーはディアンヌの普通に見たら異常とも言える体力に驚いていた。

 反対側に居る白ひげも驚いてはいたが、彼は違うところに驚いていた。それは同じ見習いだったジョズを含めて同世代の中でもマルコは優秀だと思っていた。しかしここまで実力が拮抗する者がロジャーのところに新人見習いとして居たことが……何故若い少女がここまでの力を得るに至ったのかを……。

 

「時間を掛けすぎたよい」

 

「終わらせよう。嫉妬の大槌(ギデオン)”!!

 

「終わるのはそっちだよい。鳳凰印(ほうおういん)”!!

 

 ディアンヌは創り出した大槌をマルコに向かって振りかぶった。大槌は“武装色”を纏っているので、“不死鳥”と呼ばれるマルコでも体力を大きく削られた今では致命傷となりうる攻撃になるだろう。

 それはマルコの攻撃も同じだった。人獣型となっているマルコの蹴りはディアンヌの体を吹き飛ばす程の威力を持つ。それの攻撃に“武装色”を纏っているとすれば、まともに当たれば体力お化けのディアンヌですら行動不能にする攻撃となる。

 

「これは勝負着いたな……」

 

 ふと誰かが呟いた。その言葉の後二人の攻撃の衝撃波が止んで煙も晴れた。そこで立っていたのは傷だらけで満身創痍のマルコだった。

 

「これで1番隊の隊長はおれだよい」

 

 しかしマルコもそう言った後に倒れた。

 白ひげは倒れたマルコを抱えてキャンドラーの方へと近付いてきた。

 

「キャンドラー」

 

「ニューゲート」

 

「―――」

 

「―――」

 

「―――っ!?」

 

 二人は何か話していたが、近くに居たテゾーロやネプチューン王にさえ届かない程の声の大きさで話していたので何を話していたのかは分からないが、二人が赤の他人であるようには見えなかった。

 話し終えたキャンドラーは倒れているディアンヌを背負って船の方へ帰ってきた。

 

「テゾーロ。船長が起きるまで船で待機だ。一応白ひげと話を付けたからリュウグウ王国に入国は出来るがどうする?」

 

「……船で待つ」

 

「そうか」

 

 キャンドラーはそう言って船に入って行った。テゾーロの頭には白ひげ相手に話を付けることの出来るキャンドラーのことしかなかった。

 

 

 ディアンヌが起きるまでは一日を有した。気絶するまで戦闘していたのに一日で起きるなど普通の人間では不可能だろう。だが彼女は一日で起きたのだ、これで彼女が普通ではないことが証明されたのだ。

 

「私復活ぅ!!」

 

「――っ!急に起き上がらないで」

 

「ご、ごめんなさい」

 

 ディアンヌの看病をしていたステラが急に立ち上がったディアンヌに対して怒るとディアンヌはすぐに謝った。この船の船長は誰なのだろうか……。

 

「ねえ私どれくらい寝てた?」

 

「一日くらいかしら?」

 

「一日かぁ……キャンドラー達は居る?」

 

「船の外でテゾーロに修行をつけてると思うわよ」

 

「へぇ〜たのし「貴女は安静にして下さい」でも治っ「ダメです」「ダメです」「ダメです」はい」

 

 マルコと戦っていた格好良いディアンヌは何処へ行ってしまったのだろう。ここに居たのは看病の鬼と化したステラにビビりまくっている少女だけだった。

 

「はぁ……久しぶりに負けたなぁ。それにしてもマルコ強くなりすぎでしょ」

 

「あの面白あた……いえ鳥人間の人と知り合いだったの?」

 

「『()()()()()で言ってたらほぼ言ってるようなものだから、それに鳥人間”って言うのもどうかと思うよ……。マルコとは私が見習いやってる時に白ひげ海賊団との抗争があったからその時にね」

 

 あの時は私もまだ覇気すら使えなくて弱かったなぁ……まあ今でもマルコに負けちゃったし弱いままか……なんか調子乗ってたかな?ロジャー海賊団の解散からマルコと戦うまで1度も負けたこと無かったから、ちょっと自分の力を過信してたよ……。

 でもまあこんな小さな戦いでへこたれてたら、この先、生きていけないよね!!ロジャー船長や副船長だって弱かった時期はきっとあるんだから!!!

 

「起きたか船長」

 

「体の傷は癒えたからもう出発しよう!」

 

「えっ?」

 

「白ひげに挨拶しなくていいのか?」

 

「別に大丈夫でしょ。白ひげとはまたいつか会うだろうしね」

 

 白ひげ海賊団は新世界を生きる人間なのでディアンヌ達が新世界入りを果たしたらまた出会うことは確実だった。

 

「傷が癒えたってまだ一日しか経ってないのに!?」

 

「まあ動物(ゾオン)系だからね」

 

動物系(ゾオン)だしな」

 

動物系(ゾオン)動物系(ゾオン)ってなんのことですか!?」

 

 ステラは父がギャンブル狂いだったのでろくな教育を受けていなかったので、動物(ゾオン)系どころか“悪魔の実”のことなど知るわけがなかった。

 

「そっか“悪魔の実”のことあんまり知らないんだったっけ?なら私が教えてあげる。悪魔の実は大きく3種類に別れる。私と同じで特定の動物の力を得ることが出来る“動物(ゾオン)系”、自身の体を自然物やエネルギーそのものに変化させたり、自在に操ることが出来る“自然(ロギア)系”、それ以外は全て“超人(パラミシア)系”に分類される。それで“動物(ゾオン)系”は更に別れる。今存在している動物に変化するのは普通の“動物(ゾオン)系”、今では存在しない動物たちをモデルとした“古代種”、そして私やマルコが食した普通の動物とは違い特殊な力を持つ幻の動物に変化することを可能とさせる“幻獣種”があるよ」

 

「……いいな」

 

「あれ?ステラは能力者になりたいの?」

 

「いや能力者になりたい訳では無いけど、力が欲しいなって思っただけ」

 

「私が手に入れてあげようか?今は無理だけどいつかは買えるよ?」

 

「ただでさえ私は買われてるんだから、これ以上お金をかけてもらう訳にはいかないよ」

 

「そう思うなら私としてはいいんだけど」

 

「ガハハハ!!ステラは無欲すぎるな!海賊なんて強欲でいいんだぜ!!」

 

 うーん、ステラはいらないって言ってるけど実力的には心配なんだよね。テゾーロにはあの悪魔の実を与えるとして、ステラはどうしよう……癖の強い物が多い“超人系(パラミシア)”だとステラにはちょっと難しいかな……。でも“動物系(ゾオン)”は大前提として肉体の強さが必要だからステラには向いて無さそうだし、でも“自然系(ロギア)”は珍しくて数も少ないから手に入るか分からないからなぁ〜……まあ手に入れてから考えるか。

 

「出発するってどこを行くんだ?」

 

「目指す先はキャンドラーの地元でもある……ドレスローザ!!!

 

 私達は魚人島を後にして新世界入りを果たした。きっと私達みたいな戦力の少ない海賊は“新世界”の荒波には耐えられないからドレスローザをナワバリとしてキャンドラーの“夢”を叶えるついでに戦力増強を図ろうと思ってるけど、リク王が私達を認めてくれるとは限らないんだよなぁ〜……まあ着いてから考えればいいか。

 

 

 ――海軍本部、会議室

 

「あの“ルーキー”が白ひげとぶつかっただと!!?その情報は確かなのかガープ!!」

 

「たまたま魚人島に居た海兵から聞いたが、白ひげと直接ぶつかった訳ではないぞ。“不死鳥”マルコとぶつかっただけじゃわい」

 

それでも大事だ!!!はぁ……決着はどうなった?」

 

「先に倒れたのはディアンヌらしいが、その後すぐにマルコも倒れたらしいぞ」

 

「相打ちか……やつの懸賞金を見直さなければならなそうだ」

 

 まだ若いにも関わらず既に億超えの海賊であるマルコとほぼ相打ちで終わったディアンヌを3500万程度でとどめて置く訳にはいかず、ディアンヌの懸賞金は大幅に上げられることになるのだった。

 

「それにしても何故ロジャーの元見習い達はこうも強いのか……やはり強いやつの周りには強い奴が集まるのか?」

 

 そう話すセンゴクの手元には二枚の手配書があった。

 

『白ひげ海賊団戦闘員“不死鳥マルコ”懸賞金1億740万ベリー』

 

『赤髪海賊団船長“赤髪のシャンクス”懸賞金9400万ベリー』

 

 シャンクスは大きく暴れていたためロジャー海賊団の元見習いということがバレているが、バギーは見習いの頃から目立つようなことはしてなかったので、海軍にはロジャー海賊団の見習いという事実はまだバレていなかった。そのため見習い3人組の中でバギーだけが唯一懸賞金が掛けられていなかった。

 

「はぁ……ロジャーと“金獅子”を捕らえることが出来て残りはビッグマムとは白ひげだけだと思っていたが、なぜ急に“ルーキー”共は台頭しだしたのだ。海賊共は私の胃に穴を開けたいのか……」

 

「わっはっはっは!!まだ歳でもないのに胃に穴が空くのか」

 

「一番の原因はお前じゃわい」

 

「ぶわっはっはっは!!そうカリカリするなセンゴク。お前もおかき食うか?」

 

「食わぬわ!!」

 

 

 ――魚人島、リュウグウ王国

 

 白ひげは竜宮城の会議室でネプチューン王と話していた。話の内容としては魚人島のこれからについてだった。

 

「今この海は“大海賊時代”と呼ばれて多くの海賊が新世界入りを目指してこの島を通る。だからおれのナワバリとさせて貰えないか?」

 

「海賊が増えて何故ナワバリにならなければならないじゃもん?」

 

「ロジャーのような気のいい海賊は滅多に居ない。普通海賊ってのは自分の欲のために動いてるからな。高く売れる人魚や魚人は格好の的だ」

 

「……それは知ってるじゃもん」

 

「ナワバリなったからと言って何をしろと言うわけじゃない。おれはダチを助けてェだけだ」

 

「……よろしく頼む」

 

「ああ」

 

 白ひげとネプチューン王は握手をした。こうして海賊たちに狙われ続けていた“魚人島”は白ひげのナワバリとなることで平和を手にすることが出来たのだ。

 

 

 




 今回はディアンヌとマルコの戦闘がメインでした。今の元見習い組の実力はマルコ=シャンクス>=ディアンヌ>>>>バギーって感じでマルコとシャンクスは同じぐらいでディアンヌはそこに少し劣るか同じぐらいです。バギーは……もっと頑張ってください。
 次回は新世界入りした後の話となります。ドレスローザに入るかどうかはまだ決めていません。

評価と感想を良ければしていってください。お待ちしています。

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