かなり遅れてしまいました。
カルナージ
アルピーノ家・書庫
本にかじりつくように見るトウゴ。
「かつて邪神と呼ばれた存在に戦いを挑んだ15人の仮面ライダーと呼ばれた戦士・・・・」
「あれ? 戦神物語に興味があるの?」
「あ、アルピーノさん!?」
トウゴは後ろから抱きついてきたルーテシア、更には背中に感じるふくよかな感触に顔を赤くする。
「ちょ、ちょっと離れてくれませんか?」
「ふふ〜〜〜ん。お姉さんの大サービスを嫌がるなんて贅沢だね〜〜〜♪ 戦神物語が気になるの?」
「は、はぁ・・・」
ルーテシアから解放されたトウゴ。
「ルーテシアさん、戦神物語って・・・」
「フィクションって話が鮮明でそう言われてるの。なんせ今から数十世紀前に人間を改造する技術があるなんてフィクションにもほどがあるでしょ?」
「人間を改造?」
(それって父さんの改造人間にも関係あるのか?)
「にしても意外だね」
「え?」
「トウゴ、やたら大人しいからもっと大人なジャンルが好きかと思ってたけどこういうお話系も好きなんだね」
「へ、変ですか?」
「いいんじゃない? ギャップ萌えってやつかもしれないよ?」
「は、はぁ・・・」
笑うルーテシアに調子が狂うトウゴ。
「でもホントにフィクションなんでしょうかこれ・・・」
「なんで?」
「・・・・・いや、なんとなく・・・・」
本を見つめるトウゴ。
その後昼食に向かった二人だったがトウゴの内心ではやはり戦神伝説が引っ掛かっていた。
───────────
ミッド海辺の砂浜
「・・・・・」
海を眺める葵ジンブ。
右手には赤いロックシードとサクラハリケーンが握られていた。
「なんで俺の元にロックビークルが・・・・、恐らくこれはイニシャルだろうな・・・」
懐から出した何も書かれていない手紙には斜め下にSとだけ書かれていた。
「今更ヘルヘイムに行った所であの現実を思い出すだけだ・・・」
ジンブは2つの錠前をしまうと振り向き立ち去ろうとする。
その時足元にビーチボールが転がってきた。
「?」
「すいませ〜〜〜ん」
ボールを拾ったジンブの元にボールの持ち主らしき女性が走ってきた。
「あっ・・・」
「!」
すると女性は砂に足をとられ前に転びかけるがジンブは素早く懐に潜り込み女性をキャッチする。
「砂は足をとられて力を吸収されやすい。ましてや砂浜のじゃ余計です。気をつけてください」
「す、すいません。ありがとうございますぅ」
独特な喋り方の女性の手を取り立たせるジンブ。
「あなたはなにしとるんです? 海を見て黄昏れるなんてなんか悩みでもあるんですか?」
「・・・・・まぁ少しはね。君みたいに人生すんなりいかないさ八神さん」
「えっと・・・、どこかで?」
「四年前のJS事件を納めた機動六課の部隊長とあらば知らないやつはいないよ」
「そないなこと言われても照れますよぉ。私よりも他の皆が優秀だったからですぅ」
「そんな優秀な方々を指揮していたあなたの手腕も相当とは思いますが?」
「そないに誉めんでください。照れますぅ」
「・・・・・」
(こういう風に素直に生きれたらどれだけ幸せだろうなぁ)
照れて赤くなるはやてにジンブは内心羨ましくなる。
「はやて〜〜〜〜」
すると一人、赤いお下げの少女がはやてを探しに来たように駆け寄ってきた。
「あ、ヴィータ。ちょっとボールをとってもらったついでにお話してな?」
「こんにちは」
頭を下げるジンブに【ヴィータ】と呼ばれた少女も軽く頭を下げる。
「なんだなんだ? はやてをナンパか? まぁはやては美人だし料理もギガうま、ただしいいやつがいなかったからこの歳でもまだ彼氏いたことないしまだ処z「あーあーあー! 余計なことまで言わんといて〜〜なヴィータ。ほななえ〜〜〜っと・・・」
「自己紹介が遅れた。自分は葵ジンブと言います。また機会があればまた・・・・、!」
軽く会釈をし、背中を見せ立ち去ろうとしたジンブ。
しかしその瞬間海の中から一体の改造人間【ソーフィッシュロイド】が現れた。
「! 怪物!?」
「はやて!」
「シャハハハハハ・・・」
ジンブの前に立ちデバイスを構えるはやてとヴィータ。
「・・・・・」
(なんで改造人間が? 父さんがけしかけたのか? なんで・・・)
「見つけたぞ八神はやてぇ・・・。よくも俺をブタ箱に突っ込んでくれたな」
「!」
(ブタ箱? こいつには記憶があるのか? なんでだ? 父さんの話じゃ・・・・、なんだろうがこいつには話を聞く必要があるな)
ジンブはソーフィッシュロイドを睨みながらはやて達を他所に前に出る。
「危ないですよ葵さん。下がっててください」
「必要ない」
『ブラッドオレンジ!』
ジンブははやての忠告を一言で一蹴し戦極ドライバーを装着し、ブラッドオレンジのロックシードを解錠する。
「変身」
『ロックオン!』
『ブラッドオレンジアームズ! 邪の道オンステージ!』
ジンブはロックシードをドライバーに装填しブレードを下ろす。
そしてブラッドオレンジアームズを頭に纏い展開、武神鎧武・ブラッドオレンジアームズに変身する。
「ジンブさんもアーマードライダー?」
はやてに少し振り向く武神鎧武。
その瞬間ソーフィッシュロイドが襲いかかるが武神鎧武は手にした赤い大橙丸【赤橙丸】で切り捨てる。
「後ろからとは汚いことをする。まぁキャラに合ってはいるだろうがな」
「何だ貴様ぁ!」
手をノコギリのような武器に変えたソーフィッシュロイドが斬りかかり武神鎧武は受け止めると、数度ぶつけ合いそのままつばぜり合いに。
「邪魔をするな! この女は俺の人生を台無しにしたんだ! 滅多斬りにでもしなければ気がすまん!」
「・・・・・因果応報と言う言葉を知ってるか? 悪事を働けばその報いが自分に返ってくる」
「だったらなんだ!」
「局に捕まったならお前には因果がある。なら後は応報・・・」
武神鎧武は突き放すと回し蹴りを打ち赤橙丸で切り刻む。
「ぎゃが・・・・」
「ならその応報、俺が引き受けてやる・・・」
「ふ、ざけるなぁ!」
ソーフィッシュロイドは口から水の弾丸を武神鎧武に放つが、難なく避けられる。
「くっ・・・」
「人様に唾はくとは・・・。マナーから叩き込んでやるか!」
武神鎧武はそのまま接近し赤橙丸でソーフィッシュロイドを切り裂く。
「終わりにしよう・・・」
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ・・・。やられてたまるかよ・・・。ならせめてあのくそ女くらいはぁ!」
「!」
ソーフィッシュロイドは視線をはやてに移す。
「ふっ!」
ソーフィッシュロイドははやてに向け水の弾丸を放つ。
「くっ! ヘンテコな攻撃やなもう!」
魔法障壁を作り防御するはやて。
しかし水の弾丸は魔法障壁をすり抜けはやての肩を貫く。
「きゃ!」
「はやて!」
肩から血を流すはやてに寄り添うヴィータ。
「知らないようだな。改造人間の身体の中には魔力を一時的に完全に消滅できる特殊回路が埋め込まれている。それさえあれば貴様ら魔導師など!」
ソーフィッシュロイドは再び水の弾丸をはやてに放つが、寸前で武神鎧武が無双セイバーで弾く。
「!」
「オイタが過ぎたな魚野郎・・・」
「ならもう一発!」
「遅い!」
ソーフィッシュロイドが攻撃したところに武神鎧武は無双セイバーで銃撃し怯ませる。
武神鎧武はそのまま駆けながら無双セイバーをナギナタモードに。
『ロックオン! イチ! ジュウ! ヒャク! セン! マン!』
『ブラッドオレンジチャージ!』
「でえりゃああああ!」
そのまますれ違い様にナギナタ無双スライサーを叩き込む。
「そんな・・・、こんな・・・」
ソーフィッシュは静かに倒れ爆発、武神鎧武は亡骸を見ながら変身を解く。
「・・・・・」
(話が違う・・・・、どうして父さんは嘘をついた!)
爆発の後を睨み拳を握りしめるジンブだったが、切り替えて肩から血を流すはやてに駆け寄る。
「八神さん! 怪我の具合は!」
「大丈夫やよ。気にせんで」
「大丈夫って・・・。肩に穴空いてて説得力の欠片もないんですが・・・」
「大丈夫ですぅ。今さっきヴィータが治療の専門家呼びに行ってくれましたんで」
「・・・・・申し訳ない。出来るならこの後もご同行したいところだが少し野暮用ができてしまいました」
「気にせんでください。また会えますか?」
「・・・・・おそらくは。ではまた」
ジンブははやてに一礼するとそのまま走って立ち去った。
「・・・・・ジンブさん・・・・、なんであんな・・・」
「はやて! 大丈夫か? あれ? アイツは?」
(なんであんな怒ってたんですか?)
ヴィータが戻ってきたにも関わらずはやては立ち去るジンブの背中を眺め続けた。
───────────
葵家
「どういうことだ父さん!」
父が座る机に怒り心頭で手を叩きつけるジンブ。
「なんの話だ?」
「とぼける気か! 父さんは言ってたな! 改造人間に使う人間はあくまで人間の人格をベースにしてるだけで人造だって! じゃあなんでそれに記憶がある!」
「それよりお前に仕事を頼みたい。あの森に行って果実を数個とってきてほしい」
「俺の質問に答えろ! 第一どうやってヘルヘイムの森に行けっていうんだ!」
「行けるだろう? 今のお前なら」
「!」
ジンブは懐にしまってあるロックビークルを思い出す。
「理由は果実と引き換えに話そう。果実をとってこなければ話さん」
「・・・・・忘れるなよ!」
ジンブは父を睨むとドアを強く閉めて出てった。
「・・・・・まさかデータ取りに野放しにしたらアイツが・・・。まぁいい・・・」
見るモニターには手術台に縛られる一人の男性の姿が。
『やめろ! やめてくれ!』
『もう社会的には死んでる死刑囚の分際で命乞いなどやる資格はない』
『やめろおおおおおおおお!』
そんな父が外を見るとサクラハリケーンにまたがる武神鎧武が睨んでいた。
しかし武神鎧武はアクセルを捻り裂け目の中に入って行った。
アーマードライダー達がヘルヘイムの森によるバトルロイヤルが始まってから僅か数十分後のことだった。