仮面ライダー鎧武 〜禁断の果実と魔法〜   作:オレンジタロス

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4話/バナナぁ? バロンだ!

「元気そうだったねイクス」

 

「うん!」

 

街を歩く少女ら一同。

保護者らしき女性の前を三人の少女が歩く。年齢は10歳程度。

 

緑と赤のオッドアイの金髪の少女【高町ヴィヴィオ】、黒髪とリボンに八重歯の【リオ・ウェズリー】、薄茶のツインテールの少女【コロナ・ティミル】だ。

 

少女ら三人は皆Stヒルデの初等部4年生だ。

 

五人は聖王教会の帰りであり、そこで眠る冥王イクスヴェリアのお見舞いを終えジムに向かっていた。

 

 

 

その彼女の目の前を一人の少年と男性が歩く。

 

「私は納得できかねますトウゴ様。あなたはいずれバダンを束ねる一人。あのような低俗な連中と付き合うなど!」

 

「声がでかいぞ黄龍。もう決まったことだ」

 

「ですが・・・・」

 

「アーマードライダーと繋がりがあればいざというとき役に立つかもしれない。それに邪魔になれば殺るだけだ」

 

「しかしそうなれば個人的な感情が芽生えかねm「あり得ないことを言うな!」

 

「も、申し訳ありません」

 

トウゴら二人がヴィヴィオ達とすれ違う。

その時一人の男性が走ってくる。

 

「どけてめぇら!」

 

バックを抱え息切れしている。まさに典型的な強盗である。

 

「あいつ」

 

管理局の関係者であるせいかヴィヴィオ達と一緒にいた【ノーヴェ・ナカジマ】がヴィヴィオ達を下げ前に立つ。

 

しかしそんなノーヴェと強盗の間をトウゴが遮る。

 

「おい君、危ねぇぞ!」

 

「トウゴ様! 危険です!」

 

「邪魔だガキぃ!」

 

ノーヴェ、黄龍が叫ぶ中強盗がナイフを手にトウゴに斬りかかる。

しかしトウゴはその手を受け流すと飛び膝蹴りを叩き込み掌低を打ち込む。

 

「すごい・・・」

 

のけ反る強盗に反しヴィヴィオ達はその動きに唖然となる。

 

「くそ、ガキがぁ!」

 

ナイフを落とした強盗はメリケンサックをつけると再びトウゴに殴りかかった。

 

「・・・・・寝てろ」

 

トウゴは強盗のパンチが加速しきる前に掌で受け止めるとそのままドラゴンスクリューを放ち、強盗を空中で回す。

そして回る強盗にかかと落としを打ち地面に叩きつける。

 

気絶したのか強盗は動かなくなり、周りからは拍手が。

 

「・・・・ふん・・・」

 

「すっごぉ〜〜〜い!」

 

「?」

 

服を整え黄龍と立ち去ろうとするトウゴだが目を輝かせるヴィヴィオに足を止める。

 

「すごいです! あんなに無駄がない動き! 私とそんなに歳が変わらないのに!」

 

「・・・・・ありがとう・・・」

 

振り向き様礼をいいながらトウゴは黄龍とその場を立ち去る。

 

 

その後ろで少女三人のトウゴの動きを称賛する声を聞きながら。

 

 

───────────

 

 

街外れ

 

『オレンジスカッシュ!』

 

「せいはあああああ!」

 

鎧武の大橙丸による強力な斬撃がインベスを切り裂き爆発。

 

 

変身を解除したコウタは辺りを見渡す。

 

「こいつら多分あの連中とは別だとは思うけどなぁ」

 

バダンとインベス、二つが繋がっていれば何か痕跡があると思ったのだ。

しかしそういったものはないと判断したコウタはそのまま後を去ろうとした。

 

「カッコいい!」

 

その時物陰から聞こえた声にコウタが振り向くと、そこにはトウゴが目を輝かせていた。

 

 

「かっこよかったですアーマードライダー鎧武!」

 

「そ、そうかなぁ?」

 

照れるコウタ。やたら単純なコウタはお世辞も真に受けるほどで、トウゴの演技に全く気づかない。

 

「あの僕、チームの・・・、じゃなくてコウタさんのファンなんです。どうかダンスを教えてください!」

 

「えっ? 照れるなぁ。まぁチームの年齢制限で君はまだ入れないけどまぁダンスを教えるくらいならぁ」

 

「ありがとうございます! 頑張ります! 僕葵トウゴと言います」

(バカかこいつ・・・。こんな手に引っ掛かるなんて)

 

「ああ。よろしくなトウゴ」

 

内心嘲笑われているのに気づかないコウタは笑顔でトウゴの肩を叩く。

こうしてトウゴの忍び込みはいとも容易く成し遂げられた。

 

 

───────────

 

 

国立神樹高校

 

ミッドチルダ全体が首都クラナガンに作ったエリート校であり、偏差値90に匹敵する天才が多く在学している。

 

「ねぇ、聞いた? なんか変わった姿で戦う魔導師が現れたんですって」

 

「呑気でいいわよね暇な人達は」

 

そんな神樹高校の1クラス内で女子同士が会話している前方では呉島ミツザネが勉学に励みながら耳を傾けていた。

 

アーマードライダーはニュースで流れた際、『鎧型の新型デバイスを纏った管理局員』とユグドラシル側の情報操作により民間人にはそう伝わっていた。

 

無論ミツザネはチームの関係者であるため、それが真実でないことはまるわかりだった。

 

(馬鹿だなぁ。あんな情報操作に騙されるなんて)

 

内心笑うミツザネ。

 

 

その後ミツザネはその日の午前中授業を終え校門を出る。

 

 

───────────

 

 

「この度はご協力感謝します。ええ、では自分はこれで」

 

リムジンの後部座席で電話を切るタカトラ。

 

(まさかクラックがあんなところに・・・。見つからなかったのが唯一の幸いか・・・)

 

久々に休暇を取ったタカトラはテレビ局への電話を終え、自分の部屋で本を読んでいた。

 

(・・・・・久々の休暇か・・・。とはいえ仕事人間な俺が何に時間を使えというのだ)

 

「まぁいい・・・。久々に日光浴でもするか」

 

タカトラは寝間着を脱ぎハンガリーにかける。

 

しかし全身は傷だらけ、特に右肩と腹部には大きな切り傷が痛々しく刻まれていた。

 

 

───────────

 

 

神樹高校を後に街を歩くミツザネ。しかし服装はチームの青いパーカー服である。

 

「よぉミッチ!」

 

するとコウタが笑顔で現れ、トウゴもついてくる。

 

「コウタさん! 彼は一体・・・・」

 

「おう。葵トウゴっていうんだ。ダンスを習いたいって言うからチームの皆に紹介しようと思ってな」

 

「よ、よろしくお願いします」

 

「よろしくねトウゴ君」

 

三人は共にチームのガレージに歩き始める。

 

 

〜〜〜〜数分後〜〜〜〜

 

 

ガレージ前についた三人。

 

「? スバルさん?」

 

「え?」

 

ガレージの前ではスバルが待っていた。

 

「コウタ。ちょっといい?」

 

「あ、おう・・・」

 

「僕達は席をはずそうかトウゴ君」

 

「はぁ・・・」

 

ミツザネとトウゴは一足先にガレージ内に。その場にはコウタとスバルのみが残る。

 

「ねぇコウタ。あの時ははしゃいじゃったけどあのアーマードライダーってデバイスじゃないんでしょ?」

 

「! なんでそう思うんだよ。ニュースで言ってたろ? 新型デバイスだって」

 

「嘘。コウタ、とっくに管理局辞めてる。それにあの事件でコウタのリンカーコアは・・・」

 

「・・・・・そうだ・・・。あれはデバイスじゃない。俺自身よくわかってない」

 

「それじゃあコウタが危ないよ。あたしに一旦預けt「悪いけどそれは出来ない」

 

「なんで・・・」

 

「昨日他のやつがつけようとしたけど反応がなかった。つまりこいつは俺しか使えない。もう魔法が使えない俺があの怪物からこの街を守るためにはこいつが必要なんだ」

 

「でも・・・」

 

「安心しろよ。お前は俺が必ず守るって。お前は大切な幼なじみで友達だからな」

 

「・・・・・」

 

スバルの頭をなでるコウタ。

 

 

 

 

「アーマードライダーには女といちゃつく趣味があるのか?」

 

するとその場に駆紋カイトが現れる。

 

「あんた、あのパフォーマンスチームの」

 

「駆紋カイトだ。そんなことはどうでもいい。アーマードライダー鎧武。お前はその力を何に使うつもりだ」

 

「何にって・・・。街を守るためだ」

 

「下らんな」

 

「何!」

 

「あれほどの力があればより高見にたどり着ける。力とは奪い取り踏みにじる。そのために使うものだ」

 

「守るために戦うことの何が悪いんだよ!」

 

「貴様は他人に憎まれるのが怖いだけだ。腰抜けが・・・」

 

「言わせておけば!」

 

「ちょっとコウタ! あなたもやめてください! コウタの言ってることは正しいです!」

 

掴みかかろうとするコウタをスバルはたしなめる。

 

「だったらどちらの正義が正しいか試してみるか?」

「何?」

 

互いに睨み会う二人。そんな二人をスバルは止めることが出来ず縮こまっていた。

 

 

───────────

 

 

「これは大変だ」

 

大声を聞いたミツザネとトウゴ、メンバー達がガレージから出る。

(アーマードライダー同士の戦いか・・・。見る価値はありそうだな・・・)

 

ミツザネ他メンバーがこの状況に焦る。

但しトウゴを除いて。

 

 

───────────

 

 

街の広場

 

周りには野次馬が集まる。今街の人々の関心の多くはアーマードライダーに浴びられている。そんなアーマードライダーに喧嘩を挑むとなれば注目を集めない訳がなかった。

 

「あんた、どうして俺にこだわるんだ? それに今の俺に並の魔法は効かないぜ。謝るんだったら・・・」

 

「ふん。魔法などというお遊びとは違う」

 

カイトは懐に手をいれる。そして懐から戦極ドライバーを取り出した。

 

「それは!」

 

驚くコウタに反しカイトは戦極ドライバーを装着、ディスプレイに騎士の横顔が浮かぶ。

 

 

「変身・・・」

 

『バナーナ!』

 

 

バナナロックシードを解錠するカイトの上空にクラックが開きバナナアームズが現れる。カイトはそのままロックシードを戦極ドライバーに装填、ラッパのような音楽が響き渡る。

 

『ロックオン!』

 

「あれってチームバロンのリーダーだよな!」

「じゃあアーマードライダー、バロンってことか?」

 

『カモン! バナナアームズ! ナイトオブスーピアー!』

 

野次馬が騒ぐ中カイトがブレードを下ろすとバナナロックシードが開き、バナナアームズがカイトの頭部を包みライドウェアが展開される。

そして頭がバナナのままゆっくりと歩き出す。

 

「え、バナナ! バナナ? バナナぁ!?」

 

「バロンだ!」

 

野次馬の一人だったザックが錯乱するもバナナ人間は叫び静める。

 

そのままバナナアームズが展開、【アーマードライダーバロン・バナナアームズ】に変身を遂げる。

 

「お前もアーマードライダーに!?」

 

「今から俺が本当の強さと言うものを見せてやる」

 

「ちょ、調子に乗るな! 変身!」

 

『オレンジ!』

 

『ソイヤッ! オレンジアームズ! 花道オンステージ!』

 

コウタも戦極ドライバーにセットしブレードを下ろし鎧武に変身する。

 

そんな鎧武にバロンはゆっくりと近寄る。

 

 

 

「ちょっと待ったぁ〜〜〜!」

 

「「!」」

 

そんな両者を止めるような声。声の先にはシドが。

 

「水を指す気かシド」

 

「シド?」

 

「はじめましてだなぁ葛葉コウタ。シドだ。ちょっとばっかしアーマードライダーを担当してる。自己紹介はこのくらいにしてアーマードライダー同士が戦うとなると街への被害が半端ない。お前らには被害のない場所で戦ってもらう。そのためにも・・・」

 

シドは懐から2つのロックシードを取り出す。しかし両者のものと異なりより機械的かつ桜とバラのような模様がある。

 

「この錠前を使う。今回は特別にプレゼントだ。開けてみろよ」

 

シドに投げられたロックシードを受け取ると二人はすぐに解錠する。

するとロックシードは宙に浮くと巨大化しながら変形、それぞれがバイクに変形する。

「すっげぇ!」

「これは・・・」

 

「ロックビークル、サクラハリケーンとローズアタッカーだ。まだ試作品だがどうだ? 使いこなせる自身はあるかい?」

 

「面白い!」

「上等だ! やってやるぜ!」

 

二人はそれぞれロックビークルに跨がるとエンジンをふかし始める。

 

「さぁ・・・・・スタートだ!」

 

周りも静まる中シドの一言で両者は同時にアクセルを捻り疾走し、あっという間にその場を走り去った。

 

 

───────────

 

 

「コウタ・・・」

 

「コウタさん・・・」

 

トウゴのiPadを見るスバルやミツザネ、他のメンバー。

 

(バットロイドをつけさせておいて正解だったな・・・)

 

内心トウゴは自分の用心に感謝する。

 

 

───────────

 

 

【バットロイド】はバダンが作った改造人間の一体。戦闘以外にも内臓するカメラによる情報収集力、レーダーは無論光学迷彩によるステルス性能等バダンにとって貴重な存在だった。

 

 

そんなバットロイドが追跡しているのも知らず二人のアーマードライダーは公道を走る。圧倒的な性能を誇る2台のロックビークルはいとも簡単に一般車を追い抜いていく。

そしてお互いの負けん気からか二人は移動が目的ということを忘れ、いつの間にレースをしていた。

 

「一気に決めてやるぜ!」

 

鎧武はアクセルを捻りサクラハリケーンを加速、先頭を走っていたバロンのローズアタッカーに並ぶ。

 

「へっへ〜〜〜。ん?」

 

「何!」

 

勝ち誇る鎧武とイラつくバロン。しかし両者は気がつく。

 

ロックビークルにスピードメーターがないことを。

そして互いのビークルのディスプレイの数字が999を示した途端、彼らの周りを桜吹雪とバラの花びらが舞う。

 

そして二人を乗せたロックビークルは回転し始める。

 

「うおおおお! なんだこれ!」

「何だと! 一体何が!」

 

慌てる二人だったがロックビークルは構わずに現れた空間の裂け目の中へ入っていった。

 

 

 

そして広場では突如消えた二人にスバル達は慌てるしかなかった。

 

 

───────────

 

 

謎の森

 

周りには奇妙な果実や植物が生る。いくらミッドが魔法の世界とはいえこの森の雰囲気はそれとは一線を画していた。

 

「な、なんだここ!」

「・・・・・」

 

見渡しながら走る二人。すると空から下級インベスが現れる。

 

「な、こいつらはあのときの!」

 

そのまま駆け抜けようとした鎧武に対し、バロンはブレーキをかけ舞い降りた下級インベスに対峙する。

 

「おい、あぶねぇぞ! 早く逃げろ!」

「逃げろ? だから貴様は腰抜けなんだ。言っただろう。本当の強さを見せてやると」

 

バロンは武器【バナスピアー】を伸ばし下級インベスと交戦する。

バナスピアーを振り回すバロン。下級インベスの打撃を防御しつつ隙をついて突きを繰り出す。

 

 

「あんにゃろ〜〜〜! ってあぶねぇなぁ!」

 

鎧武もサクラハリケーンを止め下級インベスと戦い始める。

 

無双セイバーと大橙丸の二刀流で下級インベスに斬りかかる。

下級インベスも器用に避けるが、鎧武に蹴り飛ばされバロンに近寄る。

 

『バナーナスカッシュ!』

 

下級インベスが接近したのを確認したバロンはドライバーのブレードを一回下ろしエネルギーをバナスピアーに込める。

 

「はぁ!」

 

そして突きと共にバナナの幻影が2体の下級インベスを貫く。バロンの技の一つ【スピアビクトリー】だ。

そのままスピアーを引き抜き回すとバナナの幻影の皮が向けるのと同時にインベスが爆発する。

 

「これが・・・・・俺の力!」

 

バロンは掌を見つめアーマードライダーの力を確かめる。しかし力に裏切られ、人一倍力に憧れるようになったカイトにとってはまさに念願を叶えた瞬間だった。

 





近日中に特別編投稿します。

後個人的に宇宙刑事のSS書きたいなぁとちょっと思い始めたり・・・。
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