霧となった少年は最悪の世代に数えられるようです。 作:地支 辰巳
幕間 三人での日常
船の上で日記を書くのは初めてだけど、やっとあの子が目覚めて、アデル・バスクードという名前だと言うことが分かったので、アデルの様子も兼ねて日記をつけていこうと思う。
I月J日
アデルが目覚めてから数日経ったけど、名前とか事情を説明してから、ろくに会話が出来ていなかった。だから未だに僕たちとアデルの間には距離があるように感じた。それを改善しようと今日からマグーが一緒にお風呂に入ったり、僕も合わせた三人で一緒に寝たりして絆を深めたりした。その過程で少しは笑顔を見せてくれた。嬉しかったな。
K月L日
一ヶ月ほど経って、僕らとアデルは結構仲良くなったと思う。僕が料理を作った時なんかはおいしいと言いながら、幸せそうな顔をしてくれたり、お風呂もアデルの方からマグーに入ろうと言ってくれて、良い日常が送れるようになったと思う。僕らが海賊だと言うことにも忌避感を抱いてくれないことも嬉しかった。
M月N日
半年ほど経った。アデルは最初に来た頃よりもよく喋るようになって、僕のことをルー兄と、マグーのことをマグー姐と呼ぶようになった。僕には兄弟がいなかったから、こんな妹が出来たかと思うと少しだけ顔が綻んでしまっていた。
O月P日
アデルのことばかり書いてばかりの日記だったから、近況なんかも書いて見ることにする。今日は島に上陸した。人もそれなりに居て発展している島だったから、色々と必要な物の買い物を済ました。これから連絡をする手段ぐらいは必要かなと思ったから、その中で初めて電伝虫を買ってみた。相手が信用出来る海賊なら海賊同盟なんかも組んでみたいな。
Q月R日
今日は初めて海軍の軍艦と交戦した。僕らが普通に海の上を進んでいただけで、大砲を撃ってきたから最初は普通にびっくりした。でも、頑丈に作ってもらったおかげか全然傷が付かなかった。攻撃されたら、反撃しないのは海賊の名折れなのかなと思ったから、大砲を撃ったりしたり、軍艦に直接乗り込んだりして制圧した。そこから色々奪ってとっとと逃げた。
S月T日
僕らが船の上で日課である修行をしていたら、アデルが自分も修行がしたいと言い出した。それが、僕らが毎日修行をしていたからか、海賊や海軍と戦ったりしているからかは分からないけど、僕らが守れなかった時のために戦い方を教えることにした。
U月V日
何日か前から、活気あふれる島に滞在していた。そこで、アデルの6歳の誕生日が今日なので、マグーと共にお祝いをすることにした。ケーキを一緒に食べたり、僕は似合うかなと思って茶色のキャスケットって種類の帽子を、マグーはお揃いの服を買ってプレゼントした。泣くほど嬉しかったみたいで、僕らまでつられて嬉しくなった。
このまま育つとアデルの性格は映画と変わると思います。