霧となった少年は最悪の世代に数えられるようです。   作:地支 辰巳

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 本当にお待たせして申し訳ありません! 最終章開幕です!!

 この最終章のタイトルは結構気に入ってます


FILM Zipangri
始まるのは歴史に残らない意地の張り合い


 

 ダグラス・バレットとの戦闘を終えてから数週間後、傷も完治したミスト海賊団はワノ国近郊の海で待機していた。その理由としてはルーファスの持っている新聞にあった。

 

「やっぱり、彼は特別だね」

 

「まさか、四皇にまでなってしまうなんて驚きですね」

 

 その新聞にはワノ国にて、モンキー・D・ルフィ、トラファルガー・ロー、ユースタス・キッドの手によって四皇百獣のカイドウとビッグマムが撃破されたということが大々的に報じられていた。

 

「でも、あたしたちの新しい手配書もありますよ」

 

「それは素直に嬉しいね。少しでもルフィさんに近づけたのは」

 

 四皇を倒した3人の賞金は30億となっており、その額は前までは逆立ちしても届かない数字だったが、ルーファスたちもダグラス・バレットのことが新聞に報じられることはないままに懸賞金は上がっていた。

 

『霧の支配者 エルドリッチ・ルーファス 25億5000万ベリー』

 

『悪運を招く者 マグメル 19億2000万ベリー』

 

『獅子帝 エレカ 12億9900万ベリー』

 

『革命呼び フレデリック・ユーシス 12億3300万ベリー』

 

『凶鳥 シオン 8億ベリー』

 

『黒縄 ルッカ 6億ベリー』

 

『隠し手 ヴィレム 6億6200万ベリー』

 

『複製者 アデル・バスクード 3億8000万ベリー』

 

『女狐 カリーナ 3億1500万ベリー』

 

 各々が大幅な懸賞金アップしており、総額懸賞金だけで言えば、四皇たちと遜色は無かった。しかし、ルーファスたちは傘下の海賊や戦力というもので言えば、四皇というにはまだまだ遠かった。

 

「てか、わたしの苗字が何でバレてるのー? 言ってないのに」

 

「このくらいになれば、情報がバレるんだろうね。僕たちの生まれとかも」

 

「ケッ、バレても問題なんかねぇだろ。そんなことより、何で俺よりてめぇらの方が高いんだよ!!」

 

「何だったらここで相手しましょうか?」

 

 エレカはその三種類の覇気を器用に扱うことから、マグメルやルーファスと比べてその実力にほとんど差は無かった。しかし、ルーファスとマグメルもプライドがあり、本気で勝負して負けることは無かった。

 

「賞金のことより、本当にここに麦わらのルフィとかが来るのか?」

 

「その予定だと思うよ。さっきまで近くにも色んな人が居たみたいだし」

 

「この辺の海が荒れてなかったら、殺しに行ってたぜ」

 

 ルーファスたちは覇気ぐらいでしか感じれなかったが、先ほどまでワノ国近くには大将緑牛と赤髪のシャンクスがおり、停めている場所が違えば、カチあっていた恐れすらもあった。

 

「ですが、今は近くに気配はしません。降りてきたところが狙い目です兄様」

 

 ワノ国から出航して別の島に行こうとすれば、高確率でルーファスたちのいるところを通ることになる。それを狙ってこの場所に停泊しているが、本当にルフィたちが来るからは半々ぐらいであり、最後は運命がルフィたちとルーファスたちを会わせるかというところだった。

 

 

 運命はルーファスに微笑んだ

 

 

★ ★ ★

 

 

 ユースタス・キッドとトラファルガー・ローと別の方向に進んだ麦わらの一味は新しく更新された自分たちの手配書を見ながら、一喜一憂していた。そんな一味の向かうところは決まっていなかったが、航路に従い、次の島へと向かっていた。

 

「おー!! 見えたぞー!!」

 

 船首に座っていたルフィが前に発見したのは黄金で作られた巨大な船のようなもの。昼ということもあって、内部は見えないものの、その黄金の壁を見る限り、中もそれなりのものだろうとは見た人から分かることだった。

 

「黄!?金!? 乗り込むわよ!!」

 

「おう! 上陸だー!」

 

 断片的に見えた黄金に惹かれるナミの号令に合意し、ルフィの号令でサウザンド・サニー号はその黄金で作られた巨大な船へと入っていくが、ロビンだけは何か引っかかりを覚えていた。そして、段々と周囲を大きな霧が覆っていく。

 

「段々と霧が濃くなってねぇかこれ」

 

「ヨホホホ、スリラーバークを思い出しますね」

 

 船を止め、黄金の船に降り立った麦わらの一味を待っていたのは人っこ一人いないような場所だった。しかし、素材などは豪勢であり、それと比較すると人がいないのは不気味に感じられるもので、スリラーバークを思い起こすのも無理ないものだった。

 

「ゾロは置いていってええんか?」

 

「オレも残ってやるからゾロとサニーのことは心配するな!」

 

 ゾロとフランキーを残して探索を始める一向。しかし、探索をしてもしても、生活していた痕跡が多少見られる通りで、それ以上の収穫は得られていなかった。その間にも霧は晴れることは無く、さらにさらに深くなっていく。それに気づいた時には既に手の触れる場所に居ないと位置を把握出来ないほどだった。

 

「ちょっと!! みんなどこいったの?!」

 

「大きな声出すなって。変なやつに襲われたたらどうするだよ」

 

「あら、賢いじゃない。変なやつではないけど」

 

 そんかウソップ、ナミの耳に聞こえるは聞き覚えのない声。それに気づき、声の方向を向いた2人は人影を見かけ、ビビり声を出したが、ナミは晴れていく霧の中、その人影に見覚えがあった。

 

「もしかして、カリーナ?」

 

「正解。分からないかと思ってヒヤヒヤしちゃった」

 

「何でこんなところにいるの?」

 

「あんたたちを倒す為よ!」

 

 急に薙刀を振り払ったカリーナだったが、その刃はナミに届く前に何処からかきた細身の剣に受け止められてしまう。

 

「ちょっといきなりなんて、野蛮じゃありませんお嬢さん」

 

「確かにそうね。ヴィレム説明してあげて」

 

「はいはい、説明してやるよ。まず、ここは元グラン・テゾーロ。お前らはここに閉じ込められた。お前らは俺たち全員を倒さないとここから出られない。さぁ、始めるか」

 

 ブルックが来てくれたおかげで一安心した2人の目の前に新たに現れたのは長身の男。その長身の男からの説明に困惑しか感じなかった3人だが、そのカリーナとヴィレムの目から本気を感じたナミは2人の体を持ち、一歩かけ出す。

 

「逃げるわよ。ルフィたちと合流しないと。ここは相手のフィールドだから」

 

「どこにいるかも分かんねーだぞ?!」

 

「おいおい、無駄だぜ無駄。他の奴も俺らと戦っているんだからよ」

 

 ナミに振るわれるヴィレムからのサーベルをブルックがその剣で防ぐ。その内にナミもウソップも覚悟を決めたのか、カリーナやヴィレムの方を向き合い、各々が武器を構える。

 

「あたしはナミとやるから、お願いねヴィレム」

 

「俺に2人相手にしろってか? まっ、出来ないことはけどな」

 

「ウソップ。男見せてよね!」

 

「おう! って! お前も立ち向かえよ!」

 

 

 泥棒猫ナミ 懸賞金3億6600万ベリー

      VS

 女狐カリーナ 懸賞金3億1500万ベリー

 

 

 

 ゴッド・ウソップ 懸賞金5億ベリー

 ソウルキング ブルック 懸賞金3億8300万ベリー

       VS

 隠し手ヴィレム 懸賞金6億6200万ベリー

 

 

 何が何か分からない状況だったが、そこはいくつもの試練を乗り越えてきた麦わらの一味。直ぐにその状況に適応していき、素早く覚悟を決めていく。これにはカリーナとヴィレムと言えども、素直な感心を示し、同じように覚悟の目を見せる。

 

 

★ ★ ★

 

 

 その頃、霧が濃くなった辺りからあえてその場を動かなかったロビンとサンジは霧が晴れていったことで、やっと動こうとしたのだが、2人の目の前に立つ人物がいた。

 

「アデル!!」

 

「久しぶりだねロビンさん。でも、今は……敵同士だね」

 

「ロビンちゃん。あの子って」

 

「ええ。ミスト海賊団アデルよ。デッドエンドで会ったあの子よ」

 

 ロビンが久しぶりに見たアデルは片目に眼帯をしていたり、2年の間に身長がそこそこ伸びていたりと、嬉しさと悲しさをどちらも感じるような変化を遂げていた。サンジも相手が飯を振る舞った女性ということで手出しも何もしずらい状況なっていると、何処からかアデルの隣へ青年が現れる。

 

「俺らの正念場だ。手加減は無しだ」

 

「アデル。どうして私たちが戦うことになるの?」

 

「ルー兄が決めたことだもん。麦わらのルフィに挑んで勝つって。だから、私たちも全力を尽くす! だから! ロビンさん、私が勝ったら、こっちに来て!!」

 

 心からの叫びを行動に表すようにアデルは心の赴くまま物を増やし、投げていく。それをロビンに当たる前に壊そうとしたサンジだったが、そのサンジの行動を阻止するようにユーシスが妨害に入る。

 

「あんたの相手は俺だぜ。ジェルマの王子様よ」

 

「何処の誰かは知らねぇが、俺とロビンちゃんの2人旅を邪魔するやろうに容赦出来ないな」

 

 ようやく相手は自分たちを敵視している相手だということを理解したサンジは靴を鳴らしながら整え、ユーシスのことを見据える。

 

 

 黒足ヴィンスモーク・サンジ 懸賞金10億3200万ベリー

         VS

 革命呼びフレデリック・ユーシス 懸賞金12億3300万ベリー

 

 

「アデル。貴方と戦いたくないわ」

 

「私だってロビンさんと戦うのは嫌だよ。でも、ロビンさんを引き戻すチャンスなんだって思えたら、やる気しか出ない!」

 

 アデルの攻撃に対して防戦一方なロビン。いや、攻撃することが出来ないロビン。そんなロビンの態度にイライラが募っていくアデル。アデルにしてみれば、もっと全力でぶつかり合った末に納得した答えが欲しかった。こんな勝負はアデルの望むところじゃなかった。

 

「ロビンさん! 私、こんな勝負は嫌だ。もっと納得したい。ロビンさんのことを引き込めるような勝ち方がしたい!」

 

 それはまるで親に対してぐずっている子どものようだったが、アデルはそれほどまでにロビンに対して、大きな感情を寄せていた。自分のことを大切にして欲しかった時期に大切にしてくれた人の1人。それこそ、ルーファスやマグメルと同じぐらいの尊敬と愛をアデルはロビンに持っていた。

 

「……分かった。アデルの気持ちに答えるわ。私も本気でやらしてもらうわ」

 

 アデルの気持ちを蔑ろになんか出来ないということの現れのようにロビンはアデルから投げられた建物を受け止める。そのロビンの決意を見届けたアデルはうっすら笑う。

 

「ロビンさん! 油断はしないから!」

 

 

 悪魔の子ニコ・ロビン 懸賞金9億3000万ベリー

          VS

 複製者アデル・バスクード 懸賞金3億8000万ベリー

 

 

 いよいよ麦わらの一味とミスト海賊団の対決が始まった。誰の為でもない、ただの意地の張り合いとも言える勝負がここに始まった。奇しくもその戦いはキッドがシャンクスと、ローが黒ひげと戦い始めた時と同時刻だった。




 この章は戦いがメインなので前置きは省いていきます

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