霧となった少年は最悪の世代に数えられるようです。   作:地支 辰巳

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相対したのなら負けることは許されない

 

 次々とグラン・テゾーロの至る所で戦いを始める麦わらの一味とミスト海賊団。その嫌な気配ときな臭い匂いを感じ取ったジンベエは一味の逃亡の要であるサニー号に戻ろうとするも、通せんぼうするようにニヤニヤ笑っている金髪の二刀流の女性が立ち塞がる。

 

「よぉ! 元七武海なんだろ。俺と戦えよ」

 

「金獅子の娘さんか。わしは船に戻らなならん。通してもらえんか」

 

「クソジジイのこと知ってるのか?! ハッ、なら好都合だぜ。俺とあいつのどっちが強いか測ってくれよ!!」

 

 出来れば戦いを回避した上でジンベエの意向を完全に無視するようにエレカがかかってくる。エレカの刀はジンベエの見立てでは名刀と言えるものであり、生半可な覚悟で受け止めることははばかわれた。

 

「獅子開幕刃!!」

 

「鮫肌掌底!」

 

「チッ! あいつのよりも強えじゃねぇか!!」

 

 刀すらもジンベエは生身で弾き返す。しかし、そのことも当然織り込む済みということか、エレカは一度下がっていき、ある考えを巡らせる。果たして、自分はこのままジンベエと戦うべきなのか。

 

「まっ、やりながらやれば問題ねぇだろ」

 

「お前さんは絶対に通さないようじゃな」

 

「ああ、てめぇとの戦いが満足するまではどく気はねぇよ。さぁ! 俺を満足させてみやがれよ!!」

 

 こんなにもジンベエとの戦いを所望するような人間はこれまでのジンベエの人生ではほとんどいなかった。そのことを思うと、ジンベエは少し嬉しくなってしまった。ジンベエの内に秘めたものがこの戦いを楽しめと言っているからこそ。

 

「麦わらの一味操舵手ジンベエじゃ。正々堂々始めようか」

 

「面白ぇじゃねぇか。ミスト海賊団第六席突撃隊長エレカだ! いざ、尋常に勝負といこうとねぇじゃねぇか!!」

 

 魚人たちに伝わる魚人空手と金獅子のシキ直伝の太刀筋がここに相対する。まさにそれは空と海を制するものたちの代表戦といっても良く、2人は周りのことなど忘れ、互いにぶつかり合う。

 

 

 海俠のジンベエ 懸賞金11億ベリー

       VS

 獅子帝エレカ 懸賞金12億9900万ベリー

 

 

★ ★ ★

 

 

「みんな何処行ったんだよー。ここは不気味だしよ」

 

 未だに敵と巡り合っていないチョッパーは仲間たちを探して行く。しかし、人がいるように見えないのに何十個も人が住むような家などがあるこの辺りはチョッパーの恐怖心を駆り立て、歩くスピードを落としていた。そんなチョッパーが出会ったのは三つ目の巨大な黒鳥。その黒鳥もチョッパーを見つけると、その鉤爪を使い、襲いかかってくる。

 

「あっー!! 何なんだよ!!」

 

「何なんだよとは失礼ですね。さぁ、私と戦いましょうか」

 

 逃げ惑う準備をしていたチョッパーだったが、その黒鳥は人型に変身すると、チョッパーの前に立つ。それは三つ目族のシオンであり、チョッパーは急に現れた彼女を不思議に思うと同時に警戒する。

 

「なんだよ、意味わかんねぇよ」

 

「貴方たち麦わらの一味は私たちミスト海賊団を倒さないとここから出れません。だから、私と戦うんです。他の方々も戦っていますから」

 

 シオンの言葉を聞き、チョッパーが耳を澄ますと、聞こえてくるのは戦闘音と他の仲間たちの戦っていると思われる声。そうしたことで状況をやっと理解したのかカンフーポイントへと姿を変える。

 

「みんなの元へ行かせてもらうからな!!」

 

「私がそう簡単に通すような人に見えますか。いえ、無駄な問答でした」

 

「ただ私は兄様の障害を取り除くだけです」

 

 シオンも徐々に調子を上げていくように人型から人獣型へと変身する。まだ動く気配のないチョッパーに先手をくらわすようにシオンは2本の小刀を躊躇なく振るっていく。しかし、チョッパーはそれを武装色も纏っていない腕で受け切り、シオンの驚きを誘う。

 

「貴方のその奇妙な姿といい、何ものなんですか?」

 

「俺はモンスターだ!!」

 

 その言葉に偽りは無いのか、逸らすことのないチョッパーの視線にシオンは感心する。果たして自分がモンスターだと嬉しそうに言い切る人はそんなにもいるのだろうかと。

 

「私はどんな相手だろうと負けません」

 

「鳶掛り!!」

 

 瞬間的に獣型へと変身したシオンはチョッパーも対応出来ないだろう箇所へと攻撃を仕掛ける。しかし、動物系の変身に関してはチョッパーの右に出るものはいない。シオンと変わらぬスピードで角が大きく伸びた形態へと変身し、シオンの攻撃を受けきった上でもう一度カンフーが得意な形態へと変身し、シオンの脳天に一撃を喰らわせる。

 

「私の命をそう簡単に狩れると思わないことです」

 

「俺のことも簡単に倒せないぞ!」

 

 

 わたあめ大好きチョッパー 懸賞金1000ベリー

       VS

 凶鳥シオン 懸賞金8億ベリー

 

 

★ ★ ★

 

 

 グラン・テゾーロ内が戦い始めたことで騒がしくなってきた頃、船に残っていたゾロとフランキーも奇妙な胸騒ぎを覚え初める。そして、そんな2人の胸騒ぎを体現するように空中から長い長い縄が振り下ろされる。

 

「さっすが、麦わらの一味のNo.2ですね。ルッカの縄に気づいて切るなんて」

 

「……てめぇはパンクハザードとドレスローザの」

 

 しかし、その縄は直前に気づいたゾロによって切られ、サニー号が傷つくことは無かった。それすらも想定したのか、空中から降り立ったマグメルとルッカは取り乱した様子も無く、船の様子を見ながら、相手を見据える。

 

「改めて自己紹介はしておきますか。私はマグメル。ミスト海賊団の副艦長兼艦長代理です。今回は麦わらの一味に勝つためにここに招待しました。さっ、始めましょうか」

 

「面白え。上等じゃねぇか」

 

 船の上で半分眠っていたゾロは前回勝ち逃げされたマグメルの登場に、内に眠っていた好戦的な思いを解放するように三刀流を構える。そのゾロのやる気にマグメルはルッカに目線でそっちの人は任せるということを送る。それを受け取ったルッカは何も言わなかったが、ゆっくりと縄を出す。

 

「お前の相手は俺だ。ブリキ野郎」

 

「アオ! オレはブリキじゃねぇ、サイボーグだ。それにサニーを壊そうとした落とし前もつけてもらうぜ!」

 

 虎の拳と三刀流がぶつかった隣でフランキーの伸びた腕とルッカの縄もぶつかり合う。それは隣よりも圧倒的に見劣りするようなぶつかり合いだったが、器用にルッカは縄でフランキーの腕を掴むと、マストへと投げ飛ばす。

 

「すまねぇサニー! 避けんじゃねぇぞ!!」

 

「フランキーラディカルビーム!!」

 

「本当にサイボーグかよ」

 

 その鉄をも溶かしてしまうレーザーにルッカは自分の腕が焼かれてしまうことも承知で腕に縄を何重に纏った拳で応戦する。もちろん、黄猿のレーザーに劣ることもないレーザー相手に止め切れることは敵わず、ルッカの拳は少し焼けてしまう。しかし、これでも儲けものというようにルッカはまた縄を生成し始める。

 

「悪惡縄 小魂(こだま)!!」

 

「悪惡縄 日狩(ひかり)!!」

 

「悪惡縄 臨廻(のぞみ)!!」

 

 どんどんと早くなっていく縄の応酬にフランキーはあえてそれに拳をぶつけることはせずにルッカ本体に届くような拳ばかりを打っていく。それは互いに互いを殴り合う漢の殴り合いのようで、大昔に生まれた島のスラムで似たようなことをしていたルッカはこの打ち合いに少しだけ昔のことを思い出す。

 

「何なんだよお前」

 

「オレはこの船の船大工フランキーーだ!」

 

「そういうことじゃないんだけどな」

 

 

 鉄人フランキー 懸賞金3億9400万ベリー

       VS

 黒縄ルッカ 懸賞金6億ベリー

 

 

 そんな隣で良い勝負を繰り広げている中、ゾロとマグメルはお互いに攻めきらず、守り切らないといって様子で意図的にそうしているのだと周りから見えるものであり、お互いに機を見極めている達人の間合いといったものだった。

 

「俺は負けらんねぇんだよ。どんな奴にもな」

 

「それは私もですよ。ルーが負けていないのに負けるなんて許されませんから。どうですか、ルーと貴方のとこの船長だったら、どちらが勝つと思いますか?」

 

「勝つのはうちのところの船長だ」

 

 ゾロの確信しているような口ぶりと目にマグメルは『ですよね』と口にしながら、自分だって自分の艦長が勝つと確信していた。そんな分かりきった問答をしたのはこの戦いが意地の張り合いで、弱気になった方が負けると改めて確かめかったからかもしれない。

 

 

 海賊狩りのゾロ 懸賞金11億1100万ベリー

        VS

 悪運を招く者マグメル 懸賞金19億2000万ベリー

 

 

「さぁ、No.2対決といきましょうか」

 

「てめぇは俺がをぶった斬る」

 

 

★ ★ ★

 

 

 ミスト海賊団と麦わらの一味の全員が戦闘を始めた頃、グラン・テゾーロのメインステージで互いの船長たちは相対していた。互いに多くは語らない。皆が戦い始めたことを分かっていたからこそ。

 

「おまえ、何でこんなことするんだ?」

 

「僕は勝ちたいだけです。ルフィさん貴方に」

 

「ししし、いいぜ。やろう!!」

 

「……やっぱり。そんな貴方だから僕は惹かれたです」

 

 ルーファスが作り出した一見巻き込まれた方は憤っても仕方ないような状況。しかし、そんな中でもルフィは必要最低限の言葉しか交わさずともルーファスの希望を叶えるように笑う。そんなルフィのまるで物語の主人公のような姿にルーファスは憧れ、それを超えたいとも思うようになっていた。

 

「では、いきます!」

 

「おう! こい!!」

 

 ルーファスの黒さが際立った晴嵐とルフィの黒さが目立つ拳がぶつかり合い、お互いに譲ることはせずに弾き飛ばされる。ルフィはそんな自分と実力が変わらない相手に笑い、ルーファスも何の憂いも恨みもない相手にここまで戦えることを嬉しく思い、笑みを浮かべる。

 

「おまえ、強いだろ?」

 

「自分でも言うのは何ですけど、僕は強いですよ」

 

「霧細工 大名賤ヶ岳」

 

 何本もの巨大な槍が生成され、打ち出されるも、それをルフィは容易く避けていく。それもしっかり折り込み済みだったのか、ルーファスは次の攻撃に対するカウンターとして居合の構えを取る。

 

「けむりんみたいな能力してんな」

 

「ゴムゴムの鷹ライフル!!」

 

「居合い 雷鳥一閃・超」

 

 ビリッという音とともにルーファスの姿が消え、一瞬の内にルフィの近くまで迫って、その高速に重きを置いた刀を振るう。しかし、それはちょうどルフィの腕とぶつかり、余波でルフィの体に切り傷をいくつもつけた後に地面に叩きつけられる。

 

「僕はこの程度ではやられませんよ」

 

「分かってる! お前、強いもんな!」

 

 

 麦わらのルフィ 懸賞金30億ベリー

       VS

 霧の支配者ルーファス 懸賞金25億5000万ベリー




 最終章ですがそこまで長くないです
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