アルトリア+キャストリア=最強アカデミア   作:天神茶々

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 今回の話は、キャストリアの設定に対する独自解釈やこの小説のオリジナル設定などが含まれています。
 そういった要素が苦手な方も楽しめるようにがんばりますので、是非読んでいってもらえると嬉しいです。



楽園の妖精

『面白い、ねぇ……、お前らこの3年間そんな心づもりでいるつもりか?

 なら、トータル成績最下位は見込み無しと判断し、除籍処分としよう』

 

「……みんな、全力を出し過ぎじゃない?」

 

 個性把握テスト。

 突如通達されたそれは、簡単に説明すると個性ありの体力テスト。

 小中学校では個性の使用を禁じられていたが、雄英高校では8種目をその縛りを撤廃して行うという。

 

 そんなヒーロー科らしい取り組みに、誰かが言った面白そうという言葉に相澤先生は反応した。

 

 そして告げられたのが、先程の除籍処分。

 入学初日で高校を去ることになるかもしれないという危機に、当然の反応だとは思うが、他の人たちは全力で取り組み、超人めいた記録を次々と叩き出していた。

 

「足についたエンジンで全力疾走、爆発の勢いを使って高速飛翔。どれをとっても高い出力で、しかも練度もある。

 高い倍率を乗り越えて入ってきた人たちだって分かっていたけど、改めて凄いって実感しちゃうなぁ」

 

 今行われている競技の50m走は、平均が大体8秒台で速い人は7秒台というイメージがあるが、個性ありだと話はまるで変わってくる。

 5秒台や4秒台が大半で、最速はなんと3.04秒。

 もちろん、競技に向かない個性の持ち主は平均的な記録を出していたが、向き不向きがあるのは当然のこと。

 そんな人たちは、きっとこの後の競技で驚異的な記録を叩き出してくれる。

 

「でも、緑谷君がそこまで速くなかったのはなんでだろう? 跳躍力もあったって言ってたから、てっきり増強系の個性かなって思ってたんだけど、違うのかな?」

 

 今回の体力テストにおいて、おそらく1番有利になれる個性は間違いなく増強形の個性だ。

 そもそも体力テストとは基礎能力を測るものなのだから、それらをまんべんなく強化できることで得られるアドバンテージは大きい。

 

 少なくとも、緑谷君は腕と足を強化できることは証言から確定している。

 それなのに個性を使わないということは、何か理由があるのだろうか。

 

「次、ペンドラゴン。最後だから1人で走れ」

 

 と、色々考察しながら待っていたら、いつの間にか自分の番が来てしまったらしい。

 ちなみに、クラスの人数はなぜか21人というキリの悪い人数なので、どうしても余りが1人出てしまう。

 いや、これが終わると1人消えて20人になるので逆にキリが良いのかもしれない。

 

「さてと、わたしも頑張らないと! 除籍なんてまっぴらごめんだもんね!」

 

 頬を両手でペチペチ叩いて気合を入れ、一歩ずつしっかりと足に力を入れて測定場所に向かう。

 相澤先生が、速く来ないと除籍にするぞという目でこちらを睨んでいたけれども、それは気にしないことにする。

 焦っていては、自分の実力を出し切ることは出来ない。

 

(って、うわーみんなこっち見てる……自分の番が終わって余裕が出てきんだろうなぁ……)

 

 特に、さっきの50m走で優秀な成績を残せた人たちはさっきまでわたしがしていたように、こちらの様子をじっくりと観察している。

 そりゃそうだ。

 わたしたちはこれから1年を共に過ごす仲間で、同じ夢を目指すライバル同士。

 そんな人がどんな個性を持っているのか、それが気になってわたしは観察をしていたのだから。

 

「でも、あんまり注目しすぎないでほしいなぁ……せめて、もう1人走ってくれる人がいれば注目が分散したのに」

 

 ――もう間もなく、わたしはスタート位置に着いてテストを始める。

 

 しかし、このままテストを受けようとすると1つの重大な問題が起きてしまう。

 それは、わたしの個性を普通に使ったとしても、決して他の人のような好成績を残せないということだ。

 

 わたしの個性である聖剣作成は、最も単純に能力を伝えようとすると、剣を作る能力という説明になる。

 しかし、ただ単に剣を作ったところでこのテストでは全く役に立たない。

 むしろ、剣を持っていたところでほとんどの競技で荷物にしかならず、個性がハンデになるという最悪の結果を生む始末。

 

 そう、聖剣作成がもしもただ剣を作る個性であるのならば、わたしはきっと個性把握テストで最下位となって除籍処分を受けていたであろう。

 

「――魔力、装填」

 

 わたしの個性で生み出される剣は、魔力というエネルギーを編んで特殊な力を持つ聖剣。

 そして、一言に聖剣といっても、わたしの作れる聖剣にはいくつかの種類がある。

 

 圧倒的な破壊力を持つ、エクスカリバー。

 威力は劣るものの、連続で生成しやすいカリバーン。

 使用に制限があるが、条件を満たせば少ない魔力で火力を出せるセクエンス。

 持っていればあらゆる影に潜むことのできる、カルンウェナン。

 移動手段にも使える剣馬、スピュメイダ―。

 逆に何も能力がないので峰打ち用として使っている、シャスティフォル。

 

 わたしが今の所扱える聖剣は、これらを含めて合計7種類。

 そして、最後の1つはあのエクスカリバー並に強力で、しかも汎用性が非常に高いという優れもの。

 

「――開放、聖剣マルミアドワーズ」

 

 直後、人の背丈ほどある大剣が現れ、それと同時に眩い光がわたしを包む。

 この光の正体は、聖剣を生み出す際にも使われる魔力が1つの形になろうとする前の姿。

 やがて光は、わたしを異なる姿へと変貌させる。

 

 白を貴重とした、神聖さすら感じられる衣装。

 胸と腰の部分に最低限の防具がついていて、黒と青の紋章入りの装飾が見る者に荘厳な印象を与える。

 

 ……ただ、できることなら頭の上に乗っている王冠は過剰な気がするので無い方がいいと個人的に思う。

 

 まぁ、この王冠も含めて『聖剣マルミアドワーズ』なのだから、仕方ないことではあるのだが。

 

「うおぉ!? 何だありゃ! あの金髪女子、何かいきなり変身したんだけど!」

「スッゲェ! めちゃくちゃロマンある感じでスッゲェ!」

 

 聖剣マルミアドワーズ。

 この聖剣は、剣本体とこの荘厳な衣装がセットで聖剣であるという特徴を持つ。

 そんな聖剣が持つ力は、この聖剣がある間、わたしの身体能力や魔力の放出量を飛躍的に上昇させるというもの。

 実技試験のときも、最初からマルミアドワーズの力を使って試験会場を全力で駆け抜けたのはいい思い出だ。

 

 能力はシンプルだが強力で、ただやはりその分の魔力消費は激しい。

 だから長時間――大体1日で1時間が上限――の使用は出来ないし、凄まじく魔力を消費するエクスカリバーとの同時使用は不可能。

 

 けれども、個性把握テストでエクスカリバーは使わないので問題はない。

 

 聖剣の準備が完了したところで、わたしはスタート位置に立つ。

 するとすぐにロボットが自動で合図をし、同時に全力で走り出す。

 果たして、計測ロボットが示した記録は、

 

「4.02秒……いや、マジか……」

「嘘!? あんな重そうな剣を持ってたのにすっごく速い!」

「確か教室で、あの0ポイントの巨大ロボットを倒したって言ってたよな!? 女の子だしちょっと嘘なんかなって思っちまったけど本当だったんだな! ちくしょう、疑ったの申し訳ねぇ……!」

 

(――よし! 1種目目はちゃんと記録が出せた!)

 

 わたしが出した記録を見て、改めてわたしの個性の強さを確信する。

 これなら、きっと届くだろう。

 

(この個性把握テストで1位を取る。せっかくの全力を出せる機会がなんだから、絶対に取りに行く!!)

 

 

 

 

 

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