アルトリア+キャストリア=最強アカデミア   作:天神茶々

5 / 11
 UA3万人突破!
 お気に入り1300件突破!
 総合評価2500pt突破!

 そして何より、日刊総合ランキング最高6位達成!

 ランキング上位に載るなんて経験初めてだったので、本当に驚きました。
 これもすべて、本作を応援していただいている皆さんのおかげです!
 ですので、これからもどうか応援よろしくおねがいします!

 追記:この話を書くなかで、エクスカリバーを使える5歳児はさすがに最強ってレベルではないと判断し、第1話のエクスカリバーを使った時期に関するセリフを修正しています。

 変更前:10年前→変更後:5年前


ヒーロー基礎学編
開幕 屋内対人戦闘訓練


 ――初めてその聖剣を使ったのは、わたしが小学4年生の頃だった。

 

 その前に少し、わたしが個性を発現させた時の話をしようと思う。

 わたしが初めて個性で作り出したのはあの剣ではなく、聖剣なのに何も特殊な力を持っていなかったシャスティフォル。

 だから周りのみんなは、わたしの個性は剣を出す個性だって言ってたけどそうは思わなかった。

 

 きっと、もっと凄いことができる。わたしの個性はこんなものじゃない。

 

 それからは、ひたすら自分の個性を磨く日々。

 当時はまだ全然魔力を体内に貯められなくて、1日に1本だけシャスティフォルを生み出すのが精一杯だったけど。

 地道な訓練の日々は、やがて新たな聖剣として形になる。

 

 ――その一振りこそが、約束された勝利の剣(エクスカリバー)

 

 予感が的中したことが嬉しくて、家族や友だちを集めてエクスカリバーのお披露目会をしたときのことは、今ではすっかり地元の語り草となっている。

 入試の時よりは威力が低かったけれども、それでも凄まじい力を見せた聖剣。

 爆音とともに光の柱が出現するという突然の出来事に、地元の人たち全員が何事かと駆けつけてきたらしい。

 

 そして、これ以降エクスカリバーを使うのを禁止にされた。

 

 今から思えば、当然の対応だった。

 当時まだ小学生だったわたしが使っても、あの剣は何棟ものビルを同時に倒壊させかねない力を発揮した。

 そんな被害をもたらしかねない聖剣――しかもわたしが成長すればこれ以上の力を発揮しかねないこの剣は、町の人達にとってまさに百害あって一利なしだった。

 

 だから、わたしはあれ以来エクスカリバーを使ったことがない。

 入試の時は、初めて使ったときの感覚を思い出しながら、とにかく全力で魔力を注ぎ込んで無事に成功させた。

 

 これは例えばの話だが、もしも実家がお金持ちで、専用の練習場所でも建てることができれば話は別だったかもしれない。

 それとも、あるいは――。

 

 

  ☆

 

 

 入学初日からしばらく経ち、雄英高校1年A組では通常授業が始まっている。

 それぞれの科目で先生のみなさんが真剣に授業をしていて、勉強することが苦手なわたしは心のなかでちょっと嫌だなぁと思っていた。

 

 しかし、これから始まろうとしている授業を嫌だと思う人は雄英高校に誰ひとりとしていない。

 

 やがて予鈴が鳴り、近くの席の人同士で興奮冷めやまぬ気持ちを共有していると、あっという間に時間が過ぎてしまう。

 そして、ついに待望の人物が教室にやって来た。

 

「ワーターシーが……普通にドアから来たぁぁ!!」

 

「オールマイトだ……!」

「すげえや、本当に先生やってるんだな!」

 

 決め台詞と共に扉が開かれ、A組の教室が歓声に包まれる。

 それを軽く受け流すと教卓の前に立ち、

 

「ヒーロー基礎学! ヒーローの素地を作る為様々な訓練を行う科目だ!」

 

 そう、これがA組にとって初めてのオールマイトの授業。

 事前に合格通知のときに、あの彼が雄英高校で教鞭を執ると知らされてから、どれほど楽しみにしていただろう。

 

 A組全員が、オールマイトの教えをたった一言でも聞き逃してなるまいと、真剣に耳を傾ける。

 だが、オールマイトはヒーローとしてなにか大事なことを伝えるのではなく、

 

「早速だが今日はこれ! 戦闘訓練! そしてそいつに伴ってこちら! 入学前に送ってもらった『個性届け』と『要望』に沿ってあつらえた……戦闘服(コスチューム)!! 着替えたら、順次グラウンドβに集まるんだ!」

 

 battleと書かれたプレートを教卓の上に置いて、壁から出現させたのは数字の振られた箱。

 箱は1から21まで番号が存在し、おそらくそれぞれの出席番号に対応しているのだろう。

 オールマイトの指示に従い、A組のみんなは自分の箱を持って更衣室へと向かう。

 

「……そういえば、あんまり詳しく要望を書かなかったけど、どんなコスチュームに仕上がってるんだろう?」

 

 わたしが戦闘服の要望に書いたのは、防御力と機動力の両立。

 実はと言っていいかはわからないが、わたしの場合コスチュームで戦うときというのはかなり限られてくる。

 

 理由は、個性把握テストでも大活躍だったマルミアドワーズの存在だ。

 

 使うだけでほぼノーリスクの戦力上昇が狙えるこの剣を使わない理由は、正直ほとんど無い。

 そのときにはマルミアドワーズの白装束に服が変わってしまうので、コスチュームの意味がほとんどないのだ。

 

 あるとすれば、魔力消費をどうしても抑えないといけないときか、約束された勝利の剣(エクスカリバー)を使うときくらい。

 

 前者の時は、マルミアドワーズの加護がなくても戦えるよう機動力を。

 後者の時は、相手の攻撃をある程度防ぐことができる防御力を。

 そう考えて戦闘服の要望を出した結果、

 

「正直言って、わたしのコスチューム凄い!」

「凄く似合ってるよアルトリアちゃん! 騎士って感じで個性ともバッチリ! ウチなんかちゃんと要望書かんかったから、パツパツスーツになってもうた……」

「そんな事ない! 麗日さんもすっごく似合ってるよ!」

 

 わたしに用意されたコスチュームは、ドレスと甲冑を組み合わせたもの。

 首から胴、そして両手と青を基調としたドレスの左右につけられた防具は丁度いい重さで、スカートだけど足が動かしやすくて着心地も良い。

 用紙には、本当に防御力と機動力の両立という曖昧な文章くらいしかなかったのに、こんなにしっくり来るとは思ってもみなかった。

 

 一方で、逆にうまく行かなかったと口にする麗日さんは、体のラインがくっきり出るピンク色のスーツがコスチュームになっている。

 咄嗟に返事をしちゃったし素直に似合っているとは思っているけれども、やっぱり麗日さんのコスチュームは着るのが恥ずかしいと思う。

 

 ……更衣室で一緒に話しながら着替えていたときから思っていたが、麗日さんちょっとスタイル良いし。

 

 いえ、別に羨ましくなんかありません。

 えぇ、決して。

 

 ちなみにだが、遅れてやってきた緑谷君に麗日さんが声をかけ、緑谷君が麗日さんのコスチュームを見て赤面するという1幕があった。

 わたしは、とても格好いいと褒められた。

 

 ……いや、確かにわたしのコスチュームは、どちらかというと格好いい部類のものだということは分かっている。

 けれど、この流れでそう褒められると、わたしは女性としての魅力的でないと言われているようでちょっと納得がいかない。

 その不満を素直に緑谷君に伝えようとして、丁度そのタイミングでオールマイトが生徒全員に声をかける。

 

「良いじゃないか皆、カッコイイぜ!」

「先生! ここは入試の演習場ですがまた市街地演習を行うのでしょうか!?」

「いいや! もう2歩先に踏み込む! 屋内での対人戦闘訓練さ!

 敵退治は主に屋外で見られるが、統計で言えば屋内のほうが凶悪敵出現率は高いんだ。

 監禁、軟禁、裏商売……このヒーロー飽和社会で真に賢しい敵は屋内にひそむ!

 なので……君らにはこれから『敵組』と『ヒーロー組』に分かれて、2対2の屋内戦を行ってもらう!」

 

「あれ? このクラスは21人だから1人余ることなるんじゃ……」

「それは1組だけ3人組を作ってもらうことになっている! 詳しい設定はこう!」

 

 ・状況設定は、敵がアジトに核兵器を隠していてヒーローはそれを処理しようとしている。

 ・ヒーロー側の勝利条件は、制限時間内に敵を捕まえるか核兵器を回収すること。

 ・敵側の勝利条件は、制限時間内にヒーローを捕まえるか核兵器を守り切ること。

 ・コンビ及び対戦相手は、この後行うくじで決める。

 

 ・3人組がヒーロー側の時、制限時間は通常よりも少し短くなる。

 ・3人組が敵側の時、制限時間は通常よりも少し長くなる。

 ・どちら側であっても、3人組は2人捕まえられた時点で敗北となる。

 

「ルールは分かったけど……基礎訓練もなしにいきなりするのかしら?」

「その基礎を知るための実践さ! じゃあくじ引きを始めるぜ!」

 

 そう言うと事前に用意されていた箱からくじを取り出していき、順番に組分けが始まっていく。

 わたしは何と、3人組のJチーム。

 同じメンバーになったのは、

 

「アルトリアちゃん! 一緒のチームになれて嬉しいよ!」

「葉隠さん、こっちもよろしくね。それと、尾白さんもよろしくお願いします」

「あ、名前覚えててくれたんだ……うん、ペンドラゴンさんに葉隠さんもよろしく」

 

 透明の個性を持っている葉隠さんと、尻尾の個性を持つ尾白君。

 2人と軽く挨拶をすませたところで、オールマイトが今度は別の箱に両手を入れて、それぞれの手に1つずつ――つまり2つのボールを取り出した。

 

 HERO、そしてVILLAINと書かれた箱から取り出されたのは、

 

「敵チームがわたしたちか……わたし、敵の役ってすっごく苦手なんだけど……」

「アルトリアちゃん、どうかしたの?」

「あ、ごめんね変なこと言っちゃって。とりあえず、相手のチームが誰か確認しよう」

「ヒーロー側はBチームだって、確かBチームの2人は――」

 

 

  ☆

 

 

「黙ってビルの方を見てどうしたんだ、轟?」

「……悪ぃ、少し考え事してた」

「何か、作戦に引っかかるところでもあったのか?」

「いや、それはない。このままさっき決めた通りに行く」

 

 いつの間にか隣に立っていた同級生、障子目蔵に声を掛けられて思考の海から戻ってきた俺は、もう一度目の前にそびえ立つビルを睨みつける。

 

 屋内対人戦闘訓練、第1試合。

 ヒーローチーム轟&障子。

 敵チーム尾白&葉隠&ペンドラゴン。

 

 その戦いの火蓋が、もう間もなく切られようとしていた。

 

 

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