それと、返信はしておりませんが感想の方も全てありがたく読ませていただいています。
ところで、感想欄でよくオリ主の個性について質問が来ます。
アルトリア+キャストリアというコンセプトにしては、個性が足りないのではあるいは少し違うのではなどなど。
詳しく話すと本作のネタバレになってしまうので非常に答えにくいのですが、少なくとも今言えることは以下の2つです。
この作品にはオリジナル設定や独自解釈などが含まれているということ。
そして、ヒーローというのは試練を乗り越えて強くなっていくということ。
後、今回の話は少し文字数多めです。それではどうぞ!
「それじゃあ、早速だけど作戦会議を始めよっか。といっても時間は5分しかないから……」
「なるべく手短に、だね」
「核を隠す場所とか、色々決めないといけないのに5分は短いよねー」
ひとまず、核兵器(ハリボテ)が置かれていた4階中央の部屋に来たわたしたちは、今後の方針を立てるべく話し合いの場を設けていた。
訓練の制限時間は18分。
その時間内で相手チームである轟君と障子君を捕まえる、あるいは2人から核兵器を守り切るためにはどうすれば良いのかを決めるために。
その議題について、まず話を始めたのは尾白くんだった。
「とりあえず、最優先で決めないといけないことから片付けよう。まず最初はやっぱり、どっちの勝利条件を目指すかじゃないかな」
「積極的に戦うか、守りに徹するかどっちにするかってこと?」
「うん、その違いだけで作戦が大きく変わってくるからさ。その上で俺は核兵器を守りきることを目指すべきだと思う」
勝利条件の選択は、尾白君の言う通りこの演習の勝敗を決める重要な要素だ。
戦闘手段である個性は人によって大きく異なり、個性によってどんな戦い方が向いているかも当然変わってくる。
「尾白君はどうしてそっちを目指そうって思ったの?」
「それは一旦後にしてもいいかな? 先にアルトリアさんに確認しておきたいことがあってさ」
「わたしに?」
「うん、アルトリアさんは障子君や轟君を捕まえることってできる?」
……多分だけど、尾白君の質問の意図はこうだと思う。
わたしの個性は、剣を生み出す個性。
だから必然的に、わたしの戦闘スタイルは剣を使って戦うものだ。
そして、剣をそのまま対人戦に使えば相手を殺してしまう可能性が発生する。
当然、人を殺すことなんてあってはならない。
だから、そんな個性を使うわたしは相手を殺さずに捕まえられるのかという意味で質問したのだろう。
「捕まえることは無理でも、相手が攻めてくるのなら戦うことはできるかな。
障子君があの腕の個性を使って攻撃してくるなら剣を盾にして守ればいいし、轟君が氷を使うならいくらでも剣で壊せるし。
だけど、2人が核の回収か尾白君と葉隠さんの確保を優先して、戦闘を避けたら厳しいかも」
「わかった。それも含めて俺が守る方向で行こうと考えた理由は大体2つ。
1つ目は、相手の個性が2人ともかなり強力だってこと。
障子くんの個性は間違いなく攻撃性能が高いし、轟くんはそれ以上の脅威になると思う。
氷を出す個性だと思うけど、テストの時はまだ余裕がある感じだった気がするんだ。
だから、予想だけど轟くんの個性はかなり高い出力で氷を出せるとても強い個性なんじゃないかって」
「確かにねー、それでもう1つは?」
「逆に、俺たちの個性がそこまで戦闘向きじゃない。
葉隠さんは言わずもがな、俺は戦えるけど2人に正面から勝つのは難しい。
それに、アルトリアさんも追撃が出来ないって分かったから、なおさらそう思う」
確かに、尾白君の言う通りだ。
この3人であの2人に立ち向かうのは、まず間違いなく非常に困難。
――けれど、だからこそ。
「わたしは逆の意見。わたしたちが目指すべき勝利条件は2人を捕まえることだと思う」
「!? でも、アルトリアさんはさっき2人を捕まえられないって」
「捕まえて勝つのは難しいけど、それ以上に核を守って勝つほうがもっと難しいって思うんだ」
「んー、どうしてそう思うのアルトリアちゃん?」
尾白君の逆を意見を主張したわたしに、疑念を口に出したのは葉隠さん。
そんな葉隠さんには申し訳ないが、こう言った理由はたった1つで。
「守る方針で動くと、葉隠さんがただのハンデにしかならないから……」
「まさかの足手まとい宣言!? 酷いよアルトリアちゃん!」
「葉隠さんが弱いってわけじゃないよ!? 葉隠さんと防衛戦が合ってないってだけだから!」
手袋を動かして怒りの感情を訴える葉隠さんに一生懸命謝ってから、わたしがそう判断した理由を説明する。
「まず葉隠さんの強みは奇襲と偵察ができることとだと思うんだけど、偵察は今回絶対できない。
相手も事前に作戦を決めてくるから、情報を盗むこともできない。
それに、もし移動中に確認してるのを聞けたとしても、伝えようとして声を出せば障子君の個性に引っかかってすぐに捕まえられちゃうと思う。
ほら、前のファミレスで障子君は個性で腕に耳も複製できるって言ってこと覚えてる?」
「あ、うん。みんなで自己紹介がてらお互いの個性の話をしたときだよね。
それで、アルトリアさんが言いたいのは、声とか足音とかで葉隠さんの場所が特定される可能性が高いってことか?」
「うん。それに葉隠さんは轟くんとの相性もすっごく悪い。
近くに居るって感づかれたら、場所がわからなくても氷の範囲攻撃を使えば葉隠さんに攻撃が当たる可能性が高いでしょ?
後、もしも体の一部だけでも凍らされたら、それが目印になって居場所がいつでもわかるようになっちゃうから……」
「……あれ、もしかして私全く活躍できない?」
「一応、視認できないって利点は奇襲をする上でとってもアドバンテージになるとは思うよ」
「ただ、相手もそれを分かっているだろうから当然警戒してくるはず」
「だから、もしも葉隠さんが活躍できるとしたら、相手がよっぽど油断したときに奇襲を――しかもたった1撃で決めないといけないってことになるかなぁ……」
「条件厳しすぎじゃない!? どっちでもわたしの力で捕まえるのは厳しいと思うよ!?」
全く同じ感想だが、それは時の運としか言いようがないと思う。
きっと、葉隠さんには今後水を得た魚のように活躍できる場面が来るだろうから、そのときには是非八面六臂の活躍をしてほしい。
「とにかく、防衛戦を仕掛けるなら葉隠さんはずっと逃げる選択を迫られることになるの。
しかも、それを18分間も。
逃げに徹すれば葉隠さんは基本捕まらないと思うけど、障子君が個性の全部を索敵に回すとわからないし、轟君がもしも……」
「もしも?」
「もしも、わたしと尾白君が離れている間にビルごと葉隠さんを氷漬けにしたら、氷を壊せないから行動不能になって捕まった判定になるかも」
「ビルごと!? いや、いくらなんでもそれは無理だろ!?」
「でも、尾白君も轟君の個性はかなりの出力を出せるって思ったんでしょ? わたしは、そこまで出来ても不思議じゃないと思うな」
それに、確定はできてはいないけれども、轟君は推薦枠で雄英高校に合格している。
年に4人しか合格しない、全国の受験生の中でも本当にトップの人しか通れないその内の1人。
「ファミレスの時にたくさんの人がいたけど、その中に推薦入試の話をしてた人はいなかった。
それに、参加してなかった緑谷君と麗日さんに飯田君、爆豪君も緑谷君から推薦枠じゃないって聞いたから――」
「――残ってる人の中だったら、轟くんは推薦枠の可能性が高いってことか。
凄いねアルトリアさん、俺は常闇くんがアルトリアさんの個性についていっぱい話してたことが印象的すぎてそこまで考えてなかったよ」
「う、今その話は思い出さないでください……褒め殺しにされて恥ずかしかったんですよ……!」
常闇君は、どうしてかはわからないけど、わたしの個性のことをすごく気に入っている。
ファミレス以降もときどき話しかけてくるし……いや、別に嫌いだから話しかけないでほしいってわけではないんだけれども。
「……じゃあさ、開始直後にビルごと凍らされたら全員行動不能になって即負けちゃうんじゃ……?」
「そこは、わたしの剣で氷を破壊すれば2人とも動けるようになるから大丈夫だと思う。
でも、轟君に有利なフィールドができるから相当不利になるかな」
「私なんか、服を着てないから寒さでまともに動けなくなると思うもんねー」
「「え、服着てなかったんですか(なかったの)!?」」
ここで明かされる衝撃の真実。
てっきり透明な服を着てて、味方から見失われないように手袋と靴だけは見える素材を使っているのかと思っていた。
更衣室ではずっと麗日さんと話をしていたから、葉隠さんのことを全然見てなかったのだ。
そして、男の子には少々刺激が強すぎた真実に、尾白君が顔を赤くしている。
あれ? さっき似たような展開を緑谷君で見たような気がするような……。
「女の子としてちょっと悔しい――じゃなくて、ここでわたしからこの問題を解決する方法を1つ提案したいんだけど、良いかな?」
「今の所問題なのは、わたしが防衛に向いてないのと轟君がビルを全部凍らせてくる可能性があるってことだよね?」
「後は、尾白くんが言ってたけどわたしは迎撃しか出来ないってことも問題だと思う。
核のある部屋で戦えば間違いなく戦闘に持ち込めるとは思うけど、不意をつかれて核を回収される可能性があるからあまりやりたくないのが正直な気持ち」
けど、これら全てをクリアできる考えがわたしにはある。
葉隠さんが足手まといにならず、轟君がビルを氷漬けにするのを防ぎ、2人を捕まえる上でわたしが避けられるというのを避ける方法が。
「良い? これがわたしの作戦なんだけど――」
☆
「最終確認だが、俺たちの作戦はまずビル内に侵入して、すぐに俺が個性で相手の居場所を索敵。
初期位置だけ把握してから轟がビル全体ごと3人を凍らせる」
「……それで全員の動きが止まれば御の字だが、多分ペンドラゴンが個性で氷を壊すだろうな。
その内に、俺たちは索敵結果を元に核のある場所へ向かう。
多分相手は俺たちを捕まえるよりも核を守る方を優先するだろうから、あいつらが最初に陣取る階や場所に核がある可能性が高い。
後は、核の回収と3人の内2人――まぁ尾白と葉隠になると思うが、どちらかやりやすそうな方を状況を見て選ぼう」
「――それでは、屋内対人戦闘訓練開始!!」
敵チームが建物内に入ってから5分が経ち、オールマイトの掛け声とともに演習が始まる。
今回使われているビルは入り口がなく、壁につけられている窓のうちのどこかから侵入しなければならない。
俺は障子と共にどこか適当な窓から内部に入るべく走り出そうとして。
「――頭上注意ですよ障子君、轟君!!」
その声が聞こえたのは、俺達がいる場所の正面からではなく上空からだった。
反射的に顔を上げると、そこには先端をこちらに向けて剣が何十本も浮遊していて、
「動かないでください。もしもビルに近づけば、この剣全てが矢のようにあなた達に襲いかかりますから」
まるでスナイパーのように屋上からこちらを狙う女子生徒――個性把握テストで見せた姿のアルトリア・ペンドラゴンを睨みつけて、用意してた作戦が半壊したことを悟る。
氷を出すだけなら一瞬だが、建物全体を氷漬けにするにはある程度の時間が必要。
そして、その隙をあいつは絶対に逃さない。
剣を生み出す個性とは聞いていたが、まさか遠距離からの攻撃が出来て、始まってすぐに屋上から狙ってくるとは思わなかった。
「障子、予定変更だ。俺があいつを相手する間にお前は核を回収するか残りの2人を捕まえるかしてくれ」
「相手をするって、ここからアルトリアまで距離があるしビルの中から屋上に向かおうとしてもそもそも入れない――」
「直接屋上に向かえば問題ない!」
足元に氷の足場を生成し、そこから上に向けて氷を追加で作ることで一瞬で屋上へ到達する。
その間にペンドラゴンが攻撃してこないか警戒はしていたが、剣が放たれることはなかった。
「……轟君って凄いんですね。予想はしてたんですけど、本当にここまで移動できるなんて」
「こっちも、まさか屋上から狙われるとは思ってなかったよ。おかげで予定が崩れた」
「そうですか、ならよかったです」
注意深く様子を観察するが、ペンドラゴンに動揺している気配は感じられない。
ということは、あいつは元から俺たちを侵入させないようにするのが狙いではなく、
「俺と障子、少なくともどっちか1人の相手をする。それが目的か」
「さぁどうでしょうか」
「どっちにしろ、ここで戦いは避けられないのは確かだろうから……さっさとお前を倒して勝ちに行く」
「そうですか。ならわたしも、全力であなたを倒しに行きます」
お互いに宣戦布告を終わらせると、ペンドラゴンは剣を構えて戦闘態勢に入る。
睨み合うこと数秒間、お互いにどちらから仕掛けるかの探り合いがあって、
「――そっちが来ないならこっちから行くぞ!!」
「――その程度の氷壁なら障害にもなりません!!」
放たれた氷壁はこのビルの全長よりも高く厚く、しかしそれをペンドラゴンはたった一撃で切り捨てる。
切られて氷塊となったそれらは、大地に落ちて大きな音とともに地響きを生む。
こうして、A組の中でも特に実力者の2人の戦いが幕を開けた。
オリ主はマーリンなどに教えてもらったりしていないので魔術を使えません。
一応、王の財宝みたいに聖剣を射出する程度ならできるんですが、剣を出す個性の延長かなくらいに思ってます。
後、こういう作戦を立てるシーンは、論理的に組み立てられてるのか不安でちょっと苦手です。
もしかしたら気になる点もあるかもしれませんが、そこはご了承を。