転生者が〝V〟になった。   作:とくめいぃぃぃ

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プロローグ

プロローグ

 

ただ真っ白な空間の中で意識が急に覚醒した俺は左右をキョロキョロと見渡していると耳に透き通るような声が聞こえて来た。その声がする方向に身体を向けると人型の輪郭しかない不気味な影.....と言ってもいいのだろうか?分かりやすく例えるならばハガレンの真理の番人みたいなものだと想像してくれればいい。

 

「やぁ、意識はっきりしているかい?」

 

自分に向けて話し掛けられたので返事を戸惑いながら返す。

 

「.....あ、ぅん」

「戸惑っているのはいいけど、僕の話を聞いててね」

 

平常な状態に戻るまでの間目の前にいるこいつは俺の事を気にせずにひたすらに話を進めていた。自分なりに解釈して言うと『俺がいた世界が蒸発して行き場のない魂を他の世界へと飛ばそう』との事。その際に幾つかの何かを付与して飛ばした方が暇な時の余興になるじゃないかと声があがり、今は一人一人に事の説明と〝何か〟を付与する作業を行っている所だそうだ。

 

「それでね。付与するものをどれくらい与えるのかはポイント制で君に決めてもらうよ。一々君なんかの為に思考を割くのは無駄だしね」

 

そう言って懐から取り出したタブレットと電話帳ぐらいの分厚い本を俺に手渡した後は何処かへ姿を消した。会って数分の人間?に寂しさを感じる事もなく、今置かれた情報を脳内で整理し始める。

 

「えっと、此処に来る前は何をやっていたっけ?」

 

頭を振り絞っても此処に来る前の直前の記憶がすっぽりと抜け落ちており、自分が何をしていたのかが思い出せなかった。気を取り直して付与する特典を選ぶ為に与えられたポイントを確認する。俺に与えられたポイント数は『所持ポイント:8,400,000,000』という絶対に余るであろうポイントが右手の甲に記されていた。

 

「これって、多い方なのか?.....多いだろうな」

 

余りの数字にビビりながらも特典がまとめられている分厚い本を開く。

 

「俺としては先ずは汎用性が超高いものを選んでから、容姿やら何やらを決めて行こう」

 

そう言いながらじっくりと一ページ一ずつ舐めまわすように読んでいった。捲って数ページ程で良さげなモノを見つける。それは『豪運』というもので、説明文には『幸運の上位互換』としか書かれていなかった。

 

「うん、これにしよう。どんな事にも運が絡んでくるし、あった方が色々と役に立ちそうだしね」

 

そう言って渡されたタブレットに豪運を打ち込んで、他のモノを選ぶ為にまた分厚い本の続きを読み始める。次に欲しいのが容姿と性別関連のモノがいい。どうせ転生するんだから整った容姿やら今とは違う性別になってみたいと思うのは誰にだってあるだろう。

 

「ん?『境遇』はなんだ?」

 

容姿と性別関連の特典を探していると『境遇』の特典に目が留まった。書かれている説明文は『転生時の自身を取り囲む全ての関係性。身の上』というものがあった。これはズバリ転生時の親の有無や生まれた時の環境等を決めれるという事でいいのか?よく分からないけどとって損はなさそうだな。ちゃんと『境遇』を打ち込んで次のページを開くと探していた容姿と性別関連の特典があった。

 

「『転生時の性別、容姿の選択が可能』か。まぁ、性別は女性で容姿は......どうしよ」

 

特典を打ち込んだ際に選択画面へ飛ばされ性別自体はサクッと決まったけど容姿はどうしたものだろう。これといったこだわりがないので、ランダムにしてもいいけどブサイクになるのが嫌だからちゃんと決めなければならない。

「推してたキャラクターで、いいかな」

 

そう言って『Fate/GrandOrder』に登場するジャンヌダルク・オルタの名を打ち込んで、まだまだ余っているだろうポイントを消費すると共に必要そうなものを考えるながらページを捲っていく。

 

「ん~.....そういえばセンスがあっても理解力や適応力がないと意味がないって聞いた事があったな」

 

何処で聞いたかは思い出せないがそんな話を耳にしたのは覚えている。一応あるかどうかを確認する為に少し捲るスピードを上げていくと同じページに『理解力』『適応力』の特典が載ってあったのを確認してタブレットに打ち込む。

 

「これで最低限やっていけそうなものになったけど.....」

 

どれくらいポイントが残っているかを右甲へ視線を落とすと84億ポイントから67億と減っており使用したポイントは17億ポイントで思ったよりもポイントが残っていたので、さらに付与する特典を何にするかを考え始める。

 

「先ずは切り捨てた『センス』を入れといて、他には.....」

 

此処でとある事に気が付く。自分が選ぶ事が出来る特典の中にはアニメや漫画等のキャラクターが持っている能力が一切載っていなかった。そう気づいてみれば確かにとある魔術の禁書目録のインデックスが持つ完全記憶能力は見かけはしたけど、それは他の人間でも持っているから当然載ってはいる。.....まぁ、別にいっか。転生する世界(作品)は選べないし、仮に転生した際に主人公特有の能力を持っていたら使えづらい......いや、使えなくなってしまうしね。

 

「この『無限転生』ってのはなんだ?」

 

説明文には『何度も転生する事が出来る』としか記載されてないが一体どういう事だ?何を持って再度転生する事が出来るのかな。死んだら?もしくは口にした瞬間に?......こういうどのタイミングで発動するのが読めないのはノータッチで次のページへ捲りたいけど......うーん、どうしよ。

 

「.....一旦入れとくか後は転生先を選べるようなモノと転生する世界(作品)にあった才能を持つみたいな特典があれば、ポイントを余らしても別に構わないだけどなぁ」

 

って言ってたらあったわ。それもそうか.....こんなに分厚いだからない方がよっぽどだな。この二つを打ち込んでどれくらいになったかを確認すると、132.5億と所持しているポイントより48.5億もオーバーしていた。今まで入れてきた特典のポイントを確認してみた所、最後に入れた二つが50億ポイントも使用する程の特典でどちらかを抜かないといけなくなった。

 

「まぁ転生先を選べる奴を外せばいいか。これから先何度も転生するし、いつかは行きたい作品の世界へいけるだろう」

 

そういった打算的な考え込みで転生先を選ぶ特典を抜いて、タブレット画面下に表示されている完了ボタンを押した瞬間最終確認画面が脳内に浮かび上がったのを、最後に真っ白な空間が黒に染まり意識が飛んだ。

 

 

【最終確認】

豪運:5億

境遇:10億

容姿〝ジャンヌダルク・オルタ〟&性別〝女性〟:1億

理解力:5000万

適応力:5000万

センス:5000万

無限転生:15億

世界(作品)にあった才能:50億

 

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