【リレー小説】ボクカノ 作:リレー小説実行委員会
ハルキ達の目の前に現れたのは三体の女性型悪魔達だった。
何故悪魔と断言できたのか?
それは、彼女達の外見がそう物語っていたからだ。
三体とも上半身は人間の女性のそれだったのだが、他が異質すぎていた。
蛇の下半身を持つ悪魔【ラミア】
蜘蛛の下半身を持つ悪魔【アラクネ】
鳥の手足を持つ悪魔【ハーピー】
それら三体の悪魔がハルキ達の前に立ちはだかっていたのだった。
「あら、随分と元気そうな人間がいるじゃない」
「ご主人様ったらこんな美味しそうな獲物をくださるなんて」
「今日はついてるわね」
三体の悪魔達は皆獲物を前にして不気味な笑みを浮かべていた。
彼女達にとって人間の肉はとても美味なもの。ましてや生きた人間の肉などそうそう手に入るものではない。
「くそ! 厄介な奴を置いていきやがったなあのブス」
「しかもあいつら上位悪魔だよ……。今まで出会ってきた悪魔とは強さの桁が違いすぎるよ……」
「だから何だ! 俺はなんとしてもあのブスの顔に一発入れてやらなきゃ気がすまねぇんだよ!」
三体の上位悪魔を前にしても、ハルキの激昂は治らなかった。
普通であれば彼女らを前にすれば泣いて命乞いをするかその場で失禁して気絶するかくらいしかない。
にも関わらずハルキは激昂していた。
そこが彼女達には余計に興味をそそられる結果となってしまっていた。
「あらあら、元気ねぇ」
「まずは貴方から食べちゃおうかしら」
「ウフフ、さぞかし美味しいんでしょうねぇ」
「いい加減その口を閉じろ雌豚どもがぁ!」
怒号をあげ、ハルキが飛び掛かった。
だが、そんなハルキの体にラミアの蛇の体が巻きついてきた。
「んぐあぁ!」
「フフフ、おいたはいけないわよぉ坊や。そんな悪い子は全部の骨を折ってあげちゃう」
バキッ!バキィッ!
蛇の体がキツく締め付けられた。それにより、ハルキの両腕の骨が砕かれた。
痛みにハルキの顔が苦悶に歪んでいく。
引き剥がそうにも人間の力ではどうにも出来ない。それが上位悪魔と人間との差であった。
「ハルキ君ッ……!」
「今オタスケしますヨォ!」
急ぎハルキを救おうと駆け寄っていく巌とブリトニーの二人。
しかし、そんな二人の元にも上位悪魔が迫っていた。
「あらあら、元気な男の子。それじゃ貴方は私の物よ」
上空からハーピーが巌目掛けて襲いかかって来た。
咄嗟に避けようとしたがハーピーの方が明らかに早く、巌の両肩にハーピーの鋭い鉤爪が深く突き刺さった。
「あぐっ……! ぐあぁっ!!」
「んふふ、いいわいいわぁ。若い男の肉の裂ける感触。溜まらないわぁ。早く引き裂いて食べちゃいたい」
「ハルキ=クン! イワオ=クン!」
「心配しなくても貴方の相手はあたしがしてあげるわよぉん」
「!!!」
気づいた時には既に手遅れだった。
アラクネの腹から出てきた蜘蛛の糸にブリトニーは絡め取られ、一切の身動きが取れない状態にされてしまった。
「んぐっ! んぐぐぅっ!」
「うふふ、そんなに暴れても駄目よぉ。私の糸は人間が千切れるほど柔じゃないのぉん」
アラクネの言う通り、見た目こそ細い糸の束に過ぎないのにその強度は信じられないほど強固な硬さを持っていた。
そんな硬さを持つ糸に絡め取られてしまえば後はアラクネの好きなように嬲られるだけの未来しか残されていない。
「安心しなさい。私はあそこの二人とは違って肉を引き裂いたりはしないわ。貴方の美しい体を残したままその血肉を溶かして食べるだけだから」
「んん! んぐっ! ぐぅぅぅ!」
これから自身に起こりうる最悪の結末にブリトニーは抗おうとするが、アラクネの張った糸を引き裂くには力不足だった。
寧ろ逆にアラクネの食欲を刺激するだけに過ぎなかった。
「あらあら、元気なこと。さぞかし美味なのでしょうねぇ。それじゃーーー」
アラクネの口が大きく開かれると、そこから鋭く尖った牙の羅列が顔を出してきた。
その牙の生えた口をブリトニーの首筋に押し当てる。
鋭く尖った牙が彼女の柔肌に突き刺さり肉を抉り血が噴き出してくる。
激しい痛みにのたうち回るもそれすらアラクネには児戯にすらならず、女性の形をした両腕と蜘蛛の形をした前脚でしっかりと固定され、後は彼女の中に毒液を流し込み肉を全て中から溶かして吸い尽くすだけだった。
「は、ハルキ・・・くん・・・みんな・・・」
愛叶は一人立ち上がれずにいた。
そして、目の前で行われている惨状をまじまじと見せつけられていた。
アラクネに首筋を噛みつかれ、麻痺毒を流されてビクビクと痙攣することしか出来なくなったブリトニー。
ハーピーの鋭い鉤爪により肩の肉を抉られその肉を食われている巌。
そして、ラミアの蛇の体によって締め付けられ骨を砕かれてるハルキ。
三人とも愛叶の大事な人達だった。
その大事な人たちが上位悪魔の手により引き裂かれ、嬲られ、殺され、そして食い尽くされる。
彼女達はサキュバスとは違い力付くで人間を捕食出来る力を持った上位悪魔たちだ。
どう足掻いたところで下級悪魔に過ぎない愛叶が勝てる相手ではなかった。
争う気すら起きなかった。
悪魔である愛叶には分かってしまうのだ。彼女達との圧倒的な力の差が。
楯突いてはいけない絶対的強者のオーラが、愛叶には肌で、体で、そして魂で感じ取れてしまったのだ。
「いやだ・・・イヤだイヤだイヤだ!」
例え本能がそう告げていたとしても、愛叶は争う事を選択した。
大切な仲間を救う為。それもあるだろう。
だが、それだけじゃなかった。
「ハルキ! ハルキィィィ!」
咄嗟に愛叶は叫んでいた。
男を魅了するサキュバス。そのサキュバスにとって男とは糧を得るための餌でしかない。
だが、異端児でもある愛叶は感じてしまった。
本来糧であるはずの男でもあるハルキに抱いてはいけない感情を抱いてしまった。
本来、悪魔が絶対に抱かない感情を、愛叶は抱いてしまった。
その感情とはーーー
「わたしの・・・わたしのだいじなハルキをっ、ころさせるもんかぁぁぁぁ!」
それは・・・【愛】だった・・・
お通しラー油さま、執筆お疲れ様でした♪
――――つか予想を外したよ! ぜったい途中で「ハルキくぅ~ん!」とか言って教授が乱入して来ると思ってたのに!(笑)
てっきり私、ホモネタ全開で、シリアスブレイクをしてくれるものだとばかりっ!!www
でも……今回も良かったですラー油さま♪ 私こういう熱い展開が大好きDAッ!!
また次の方々が、これをどういう風に盛り上げていってくれるのか? 一緒に楽しみにして待ちましょう☆
それでは! 4番手お見事でしたっ! ラー油さまありがとぉぉーーう♪
(管理人)
◆ ◆ ◆
遅れてしまい申し訳ないです。仕事と私情が重なり中々執筆する時間が取れずここまでもつれこんでしまいました。
今回悪魔を超える悪魔として【上位悪魔】のフレーズを出してみました。
また、サキュバスでもある愛叶をその下の【下級悪魔】ってな感じの単語も出してみました。
この単語が後にどう利用されるのか今から楽しみだったりします。
この後を書いてくれる方には結構山場的な場面でしょうが頑張ってください。
今後の展開を楽しみにしつつここで失礼します。
(お通しラー油)