【リレー小説】ボクカノ 作:リレー小説実行委員会
ファッションショー
その歴史は古く紀元前にまで遡る。
古代の戦士達は互いに死地に赴く衣装を拵え、それらを用いて戦場に赴き戦ったとされる。
その余りにも壮絶かつ華やかな戦いは現代までも語り継がれており時折こうして若者達が己の維新と命を賭けて死力を尽くし合う戦いの事を指す。
尚、彼らの凄絶な戦いぶりを世に残す強者を世間では【ファッションデザイナー】と呼んでいたようで、彼らの助力、及び協力の下、年々ファッションの出来栄えは向上していく流れとなっていたのだそうだ。
【民○書房
『ぼくらのたのしいおきがえ大全集』
より抜粋】
「さぁっ、そんな訳で始まってしまったファッションショー! 司会はお馴染み甘いマスクで魔界の視線を独り占め! ソロモン72柱が28番目の地獄の公爵ベリト! 解説にはその辺にいた人間・・・失礼、なんか如何にも負のオーラ全開放出中の幸薄そうな青年でお送りしておりまっす!」
「名前呼ばれないんだ。そうだよね、僕なんてどうせ居てもいなくても変わらないもんね。だったらいっそもう何処か遠い国にでも行こうかな? そしてそこで静かに余生を過ごして一人でひっそりと人生に幕をーーー」
「さぁ、場の空気も盛り上がってきたところで今回のルールを説明しましょう! 今回のお題は【大和撫子】これを挑戦者二名がどれほど再現できるかを競ってもらいます! それでは、挑戦者の御二方、用意はよろしいでしょうか?」
「ーーーそれで僕の眠った後の地には菊の花が咲いてそれが一面に広がって【あぁ、此処で誰かが死んだんだな】って思われるようなそんな幸薄い生涯を送る事になるんだ! そうだ、それがいい、それが一番だ! それこそ僕の人生の幕引きに相応しいーーー」
「それでは挑戦者達の様子を見に行って見ましょう!」
終始無視される可哀想な巌でした。
ところ変わって此処は会場、その壇上にて、今回挑戦するであろうハルキとブリトニーの両者が互いに睨み合っていた。
「フフフ、この勝負・・・私のWINは揺るぎないdestinyですねぇ」
「はぁ? 何やる前から勝った気でいんだよ?」
「ハン、当然の事でゴザルよ。何故なら私は身も心もJapan boy(日本男児)なのですから。身も心も中途半端なハルキくぅん⤴︎には到底できない領域なのですよぉ」
「人の名前を右肩上がりに言うな! 大体てめぇこそ生まれはアメリカンな上に女だろうが! 日本男児要素擦りもしてねぇじゃねぇか!」
既に一触即発な空気を醸し出してる有様だった。
それに呼応するかのように場の空気はすっかり盛り上がりだしてきていた。
何故かいつのまにか周囲にはベリトが召喚したらしい悪魔達が観客感覚で盛り上がってる様子だった。
会場の空気が最高潮にまでテンションアップした中、両者のお色直しタイムが開始された。
因みにお着替えの時はそれぞれ個室を用意されて其処で各々ご用意した衣装を見に纏い勝負に赴く算段になっている模様。
尚、個室内には隠しカメラなどの如何わしい代物は一切置いてないのでご安心をーーー
「さぁて、会場のボルテージも最高潮に達してる中両者のお着替えが終了した模様のようです」
「あれ、もうなの? 何か早くない?!」
「いつの時代もスピードアップが求められるものなのさ。無駄な要素は出来る限り省くに限るんだよ。特にここみたいなリレー小説ではね」
「急にメタい事言い始めた! このまま僕の個人情報まで暴露されて日の目を浴びることも出来ずに薄暗い小部屋の中でひっそりとその生涯を終えるしかないんだ。それで僕の亡骸が発見される頃には肉とかも削げ落ちてて骨だけになってて遺体の判別とかに結構時間とかかかってそれでーーー」
「おぉっとぉ! まず最初に現れたのはハルキ選手の方だーーー!」
ここでも巌の話は無視されるのであった。
満を辞して現れたハルキの姿は、俗に言う和服美人と言える姿だった。
桜色の茜色の袴。髪はわざわざ長髪のカツラを被り、真っ赤な髪結びのアクセントもバッチリ。
ここまで来ると完全に和服美人だと思われがちだがそこに爆弾が待っていた。
なんと、ハルキが履いている履き物は草履などではなく洋物のロングブーツであった。
これには会場中の悪魔達も思わず驚愕の声をあげるのだった。
「なななんと! 全身和服でコーディネートしたかと思わせといてその実、靴だけは洋物と言う何という憎いコラボレーション! まるでその姿は例えるならば90年代に若者達を虜にした某ゲームのヒロインの如しーーーー!」
「それ、ほぼネタバレしてるよね?」
ハルキの後になってブリトニーが現れた。
彼女の姿はといえば・・・何と、【魔法少女】であった。
フリフリのミニスカート、ピンクを基調としたポップなデザイン、手に持ったステッキ、間違いなくそれは魔法少女のそれであった。
その余りにも場違いな格好に会場の悪魔達は勿論さっきまで白熱の実況をしていたベリトでさえ思わず【え?なにあれ?!】と言いたげな顔をするのであった。
このまま行けば間違いなくハルキの勝利で幕を閉じる事になるだろう。
しかし、突如として巻き起こった突風がブリトニーの無防備なミニスカートを捲り上げてしまったのだった。
「オー! とてもHなwindさんデェス」
咄嗟に彼女は捲り上がったスカートを手で押さえて事なきを得たつもりのようだが、その一瞬を悪魔達は、そしてベリトは見逃さなかった。
「ふ、褌だとぉぉぉぉーーーーー!」
そう、彼女が履いてきたのは普段のパンツでもなければパンティーでもなく、なんと褌だったのだ。
これに気付いた悪魔達は再び大盛況となった。
見た目は魔法少女と大和撫子とは偉くミスマッチなのに履いているのが褌と言うだけで一気に大和撫子感が五段階くらいアップしてしまったのであった。
「な、何というハイレベルな駆け引き! 普通ならば大和撫子を競う場で魔法少女だなんて普通ならば勝負を投げ捨てたと錯覚するも必定。しかし、そこに褌を取り入れたことにより一気に大和撫子=魔法少女と言う図式を取り入れた! この勝負、間違いなく荒れることになる。今日この場で死人が出るやもしれない」
「出るの!? ただのファッションショーで!?」
緊張の面持ちを持つベリトとは対照的に今回全く場の空気に乗れてない巌くんであった。
「ま、まさか褌で攻めてくるとは・・・」
「フフフ、勝負ありですね。日本男児の魂と言えばこの褌! これを履けば例えネグリジェだろうと真紅のドレスであろうと大和撫子たり得るのですよ! それに対して、ハルキboy。ユーはただ服を着ただけ。見てくれだけを変えただけに過ぎない。そんなのは大和撫子とは呼ばない! ただのコスプレイヤーなのでゴザルよ!!」
ズガガーーーーーーン!!!
この時、ハルキの脳裏に稲妻が直下した。彼は今まで持てる魅力と服のセンスで多くの男を魅了してきた。
しかし、それに慢心してしまったが故に真の着飾ると言う事が分からなくなってしまい、このような結果となってしまった。
「お・・・俺の・・・俺の、負けだ・・・くっ!」
「フフフ、ようやく認めたようですね。ではこの勝負、私のWINという事でーーー」
"ちょぉぉぉっとまったぁぁぁぁぁ!!"
正に、勝利を確信しようとしていたブリトニーを遮るかのように怒号が響き渡った。
何事かと皆の視線が其処に向かう。
其処にいたのは、一言で言い表すならば【白】であった。
それもただの白なのではなく、純粋な白。いわば【純白】と言えた。
その、純白の花嫁衣装に身を包んだ一人の女性が二人の前へと歩み寄っていく。
「ハルキくん・・・」
「あ・・・愛・・・叶・・・」
そう、純白の花嫁衣装に身を包んだのは愛叶だった。
その愛叶が、敗北を喫し膝を折るハルキの前へと歩み寄った。
そして、その両の手をそっと掴み取り、その温かな温もりが冷え切ったハルキの心を優しく温めていき。
「ハルキくん・・・私を、貰って下さい」
「・・・は・・・はい・・・」
それしか答えられなかった。
しかし、その瞬間会場中の悪魔達が一斉にスタンディングオベーション+号泣しながら拍手にて祝福していた。
そして、それは熱い実況をしていたベリトもまた同類であったと言う。
「えっと・・・・・・なにこれ?」
そんな中、やっぱり一人場の空気に乗り切れない巌くんなのであったとさ。
ラー油さま、執筆お疲れ様でした♪
今回は諸事情により、本来は三番手であったヒアデスさまと、四番手であるラー油さまの手番が、一時的に入れ替わっております。
ゆえに次回のバトンはヒアデスさまとなりますので、ご注意くださいませ♪
そして今回は、いつも私の方でやらせて頂いていた、作品に対する【誤字脱字などの修正】を、全くおこなっておりません。
ラー油様より送って頂いた【原文そのままの状態】での投稿です。ごめん今日時間が無いの!
もし何か修正箇所がありましたら、またご一報いただけると幸いです。
(管理人)
どうも、今回の話ですが、ぶっちゃけ色々とやらかしまくった気がします。
正におふざけのオンパレード。こりゃもう怒られても仕方ないなと腹を括る所存です。
はてさて、正規のファッション対決の最中に飛び入り➕告白なんていうとんでもイベントを起こした愛叶ちゃんの恋は果たして実るのか?
その答えは・・・後の人にお任せって事でw
(お通しラー油)