【リレー小説】ボクカノ 作:リレー小説実行委員会
現在、ダンジョン23階。
21階からバベルを順調に(当人たちからしたら不幸なことに)登りつめたハルキ達は現在、魔法組織ミストラルの冒険者と対峙していた。
「はなわの奴から『Oh Baby… サキュバスの一味に騙されて荷物全部盗られちゃったよ…』と連絡があった…」
重厚な輝きを持つ鎧。
宝石らしき物が埋め込まれた美しい剣。
岩のような身体には無数の傷跡。
目の前の男はまさに百戦錬磨の武人と呼べるだろう。
男は鷹のような眼光でハルキ達を見据える。
そこには一切の警戒はない。
「それを聞いたとき、俺はたまげたよ…あいつは成金だが、ダンジョン20階まで上がって来れる実力者だからな…。それを容易く騙せるとは思いもしなかった…。だが、それも納得だ」
男はハルキの方を向く
「溢れ出る魔力…そしてその美貌…。貴様が
男は静かに、だが確信をもって問う。
「 貴様らの正体はあのロリコン大統領さえ欺いた淫魔の集団。"
そう問いかけられた彼らは何も言葉を返さない…
「…その沈黙、肯定と取るぞ。いいか。これから、俺が言うことは一つ。このことを祖国に報告されたく無かったら…この俺を触手から開放し…ンホオオオオオオオオオオオオオ!!」
ハルキは触手のスイッチを押した!!
「長えよ!! ぽっと出のてめえのセリフだけで何文字かかるんだ!!」
「ふざけるな!!ふざけるな…アッー!!」
現在ダンジョン23階。
ハルキ達の眼前には、触手に絡め取られながらも御大層な口上を述べる、よく分からん冒険者の姿があった。
ここまでの経緯を軽く説明すると、ダンジョンの21階についたハルキはトラップを踏んでしまい、仲間たちとはぐれてしまった。
荷物も仲間も失い、危険地帯に放りこまれたハルキは、偶然拾ったゴスロリを身に纏いそこらへんにほっつき歩いていた冒険者を誘惑。
数日間もの間、行動をともにした後、「飽きたから」という理由で、彼を触手トラップのあるところに突き飛ばす。
そこで偶然、仲間たちと合流し、今に至るのだった。
「おのれ…人の純情をもて遊びやがって…」
「"ダンジョンに誘拐された名家の令嬢"というあり得ない設定を愚直に信じて御守りいただいたこと、本当に助かりました♪ これも貴方が簡単にコロッと騙される愚かな男であるおかけです☆ 数日間ありがとう御座いました……という訳でテメェは♪用済み♪お疲れさん☆death♪」m9(^Д^)プギャー
「グアああああああああああああああ」
いままで目の前の男が信じた"ダンジョンに誘拐された名家の令嬢"の演技を交えつつ追い打ちをかけるハルキ。生まれてからずっと"女の子みたい"、"美人"、"男の子のはずがない"だと言われ続けた顔は、隠された表情筋をフル活用して彼の邪悪なる悦びを表現する。
瀬川ハルキが最も生の実感を得る瞬間は、振った男の心を徹底的に蹂躪するこの瞬間なのである。
自分よりも優れた男が屈辱に歪んだ反応を隅々まで愉しむことこそが彼の生きがいなのだ。
そのあり方はまさしく下衆の極み
「クッ…殺せええええええええ!!」
「殺せ……? そうか! 君は誰かに殺してもらうタイプの自殺が好みのなんだね? 高瀬舟とかに代表されるように……誰かに頼んで殺して貰うと言うのは格調高い自殺方法でいいよね……。誰かに殺してもらうタイプの自殺は自分で自殺できない状況に陥った人への救済という側面もあってね……普通の自殺にはない美が感じられていいと思うよ……*1そうだ……僕も自殺願望あるから……
「潔く死を目指すは武士のカガミ! さあ、短刀を用意シマシタから、切腹ドウゾ♪ カイシャクはマカセテクダサーイ!!」
「この悪魔どもめ……!!」
まさにその通りである。
「……ハッ! 綺麗な花には棘がある…恨むなら簡単に騙されるテメェの愚かさを恨みな…って。どうした愛叶? 風邪でも引いてるのか? 」
ひときしり、冒険者のプライドをズタズタに引き裂いて満足したハルキはふと、自分の左腕にしがみついた妹分の様子がおかしいことに気づいた。
「…!? ううん? 何でもないよ」
「…そうか。…しっかし、巌のやつすっげぇイキイキしながら自殺語りしてやがる…」
急に元気を失った愛叶とは対象的に元気過ぎる巌を見る。
「……薬物とか使ってしっとりと(中略)……建物に火を放って派手な彩りを(中略)……凍死するのも美しく(中略)ああそうだ……"虹の谷"って知ってるかい……?」
「さぁ、大和男子なら潔く!! そぉれハラキリ、ハラキリ!」
「クソがあああああああ!!」
同好の士を見つけた巌の反応は、同好の士を見つけたオタクのそれであった。
更に、ハラキリハラスメントにいそしむブリトニーと相まって、そこらへんの悪魔よりも悪魔的な光景が繰り広げられていた。
「…………」
「…ハハン?さては数日俺に会えなくて寂しかったのか…」イテテ…
「…………」
しがみつく手の力が強まる。
買い物袋すら持ち上げられないハルキの腕は女の子の感情を受け止めるにはあまりに貧弱であった。
「
「……ハルキ君って、サキュバスよりサキュバスしてるよね」
「ハハッ確かに! 実際にサキュバスとかいたとしても、俺よりまともな奴らかもしんねぇな!」
サキュバス。それは男を騙してその精を奪う淫魔である。
確かに、サキュバスは伝承で語られる通り
だが、そのイメージをサキュバス当人はどう感じるものだろうか? "俺よりはまとも"だと言われることにどう反応するのだろうか?
「……フフッ。そーかもね。」
少し表情がよくなった妹分の頭を軽く撫でてながら、ハルキは仲間たちに声をかける。
「…おーい! もうそいつ煽るの飽きたし、荷物かっぱらって行くぞ」
しがみつく妹分を"邪魔だなぁ…"とおもいながら、ハルキは仲間達のところへと向かった。
少しした後、現場には半裸で触手に絡みつかれた男が一人。怨嗟のこもった喘ぎ声を上げるのみとなった。
ンホオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!
…汚い。
砂原さま、執筆お疲れさまでした♪
はいバッチリ―☆ わーいハルキくん躍動してるぅ~♪ おもしれぇぇーーッッ!!!!
やっぱハルキくんは、男を騙している時が一番輝いているゼ☆ 流石は俺達のハルキくんだぁ~!(笑)
そして個人的に「これ良いな!」と思って大好きだったのが、巌くんの自殺マメ知識の入れ方。いわゆる“注訳”の使い方の上手さですっ!
あー私これ踏襲していこw この手法を巌くんの個性として、どんどん使っていこう!w
ではではっ! 二番手お見事でした♪ 砂原さまグッジョブ☆
(管理人)