「ここは・・・」アニメの世界に転生した俺は静かに見届けたいと思います。・・・って、なんでスペシャルウィークがここに・・・? 作:マシュマロ0828
「これは・・・?」
スペシャルウィークが持ってきた書類を見て、俺は言う。
「何って・・・契約書ですよ?
トレーナー契約を結ぶための」
「あぁ、それは理解しているんだけど・・・。
何でそれをココに持ってきているのかな?
沖野先輩は違う部屋にいるから、俺が連れて行ってあげようか?」
「えっ、何で沖野トレーナーの話がでてくるんですか?」
スペシャルウィークは不思議そうな顔で聞いてくる。
「何でって・・・。
沖野さんのところに行かないと、彼と契約できないぞ?」
「なら、行かなくて構いません。
私はあなたと契約したいので」
「・・・。
すまん、俺は聞き間違いをしてしまったようだ。
もう一度言ってくれるかな?」
俺は大袈裟に耳に手を当てる。
「もう、結構恥ずかしいんですよ・・・。
しっかり聞いてくださいね・・・///
私、スペシャルウィークはあなたとトレーナー契約を結びたいです!!」
「聞こえないなああああ!!」
聞こえたけど、聞こえないフリをして部屋を出て行った。
(マズイ・・・。
これはあってはならないことだ・・・)
とりあえず走りながら考えようとした俺だが
「聞こえましたよね」ニコッ
微笑むスペシャルウィークは俺を捕まえた。
(ウマ娘に、人間が走って勝てるわけないよね)
俺は、彼女に肩を掴まれながらそう思った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
翌日 夕方
「あのー・・・これから、何をするんですか・・・?」
夕日の校門前に、俺とスペシャルウィークは立っていた。
「これから試験を行う。
これに合格したら、お前との契約を認めよう」
「えっ、試験なんかあるんですか!!
どうしよう、お勉強は・・・」
スペシャルウィークは慌てる。
「安心しろ。座学の試験ではない。実技だ!!
これから、お前には目をつぶって、10秒数えてもらう。
その間に、俺は隠れるから、見つけ出してみせろ」
「えっ、ただのかくれんぼじゃないですか!?」
「まぁまぁ、これにはワケがあるから」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「・・・1・・・2・・・」
スペシャルウィークはとある看板の前で、カウントダウンをする。
とある看板とは、チームスピカのだ。
今日、俺はズタ袋を持った、沖野先輩を見かけた。
あれを持っているということは、あの人たちのチームメンバーがスペシャルウィークをさらって行くはず。
アニメの世界ではそうだったのだから。
「・・・7・・・8・・・」
何も知らないスペシャルウィークはカウントダウンを続ける。
その間に俺は、男子トイレに隠れた。
(かくれんぼでこんなところに隠れるのは卑怯だということは承知している。
だが、彼女をチームスピカに合流させるには止むをえないのだ)
「9・・・10・・・。
では、探しますよ、トレーナーさん!!」
カウントダウンが終わり、スペシャルウィークは動き出す。
(すまんな・・・。
捕まるのは俺ではなく、お前なのだ・・・)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
その後
(おかしい・・・)
時間は十分に経った。
しかし、スペシャルウィークがズタ袋でさらわれて出す、悲鳴が聞こえない。
それどころか
「トレーナーさん、どこですか~・・・」
涙声で俺を探す、スペシャルウィークの声がさっきからずっと聞こえる。
(どういうことだ!?
なぜ、スペシャルウィークは連れて行かれないんだ!?)
俺はパニックなっていた。
だが、そのとき
「スカーレット、ウォッカやっておしまい」
聞き覚えのある声がした。
(これは・・・)
俺はあわててトイレを出る。
「「「 えっほ、えっほ 」」」
サングラスをかけた3人が、ズタ袋を持って、走って行った。
(これはっ!!)
アニメではスペシャルウィークが彼女達に、この時間帯に運ばれていく。
「よっしゃあああああ!!!」
俺はガッツポーズをする。
(ついに彼女を、元の世界線に戻せたんだ・・・。
最初の出だしはおかしくなっちゃたけど、まぁ結果よければ・・・)
今夜はいいもので食べようと思ってたとき
「ここにいたんですか・・・!!」
「・・・えっ!?」
目の前には、今にも泣きそうなスペシャルウィークがいた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
泣きそうになっていたスペシャルウィークを俺はトレーナー室に連れてきた。
「もう一体どこに隠れていたんですか!?」
彼女は尻尾をブンブン動かし、俺に聞いてくる。かなりの興奮状態だ。
「それは言えないな。今後テストを受ける子もいるから」
今後こんなテストする予定なんてない。俺は適当なことを言っている。
アニメの世界と同じチームに入ってもらうためにしましたなんて言っても、俺の頭がおかしくなったとしか思わないだろう。
「はぁ・・・。なんかズルをしていたような気がしますが、もういいです。
トレーナーさんと契約できると思うとホッとします」
スペシャルウィークは胸をなで下ろす。
(やっぱり、俺と本気で契約するつもりなのか・・・)
彼女の言葉を聞いて、そう実感する。
(これではアニメの世界と大きく異なってしまうかもしれない。
もし彼女やその関係者にとんでもない被害を出してしまったら・・・)
もしものことを考えると、俺は冷や汗が止まらなくなった。
「なぁ、スペシャルウィーク・・・。
お前はサイレンススズカと同じチームがいいとは思わないか?
彼女は君がこの前会った、沖野トレーナーのところにいるんだよ。
彼のチームに入れば、メンバー同士で一緒に練習する。
それはつまり、一緒に走ることができるってことだ」
俺はチームスピカの良さについてプレゼンする。
なんとかして、沖野先輩にところに行って欲しいと願う。
「確かに、スズカさんは憧れの人です。
同じ部屋の私を気遣ってくれて、走りだけでなく中身も尊敬できる素晴らしい方でしょう。
ですが、私はあの日運命を感じたのです」
「運命・・・?」
「はい!!
まさか、あの日あんなところでぶつかった人がトレーナーさんだとは思いませんでした。
沖野トレーナーさんと話して、あなたがトレーナーと分かったとき、
ああ、この人が運命の人なんだなって・・・///」
スペシャルウィークは恥ずかしそうに言う。
(運命の人っ!? やばい、そんな風に思われてたのか!!)
俺は頭が真っ白になった。なんていえば、彼女がスピカに行ってくれるか、言葉が思いつかなかった。
ーーーーーーーーーーーーーーー
「えへへ・・・///」
俺がサインした契約書を見て、スペシャルウィークは顔がほころぶ。
(ついにサインしてしまった・・・。
まぁ、トレーナー契約はいつでも解除できる。
彼女をスピカに合流するチャンスはあるだろう)
俺は楽観的に考えていた。
しかし、過去の自分に教えてあげられるなら言ってあげたい。
この先ずっと彼女と共に、トゥインクルシリーズを駆け抜けていくことを。
Fin
収拾がつかなくなると困るので、ここで終わらせていただきます。ご愛読ありがとうございました。