ー生徒会室ー
(コンッコンッコンッ)
「会長さん、失礼します」
「来てくれたか、ナイスネイチャ」
「はい(うひゃー、なんで会長に呼び出されたんだろう…なにかした覚えはないんだけどなぁ)」
「何やら、緊張している様だな」
「はい…そのぉ、アタシって何かしちゃいました?」
「?…どうやら、勘違いをさせてしまった様だな。すまない、先に伝えるべきだったな。実は今日の赤ん坊のお世話係をナイスネイチャ、君に頼みたくてね」
「(なんだ、びっくりしたぁ)はい、大丈夫です!」
「それでは、頼んだよ」
ートレーナーの部屋ー
(コンッコンッ)
「失礼しますよー、トレーナーさん」
「ん?今日のお世話係はネイチャか?」
「そうだけど…。トレーナーさんは心配?私がちゃんとお世話できるか」
「いいや、全然。むしろ、安心するよ。それじゃあ、赤ちゃんを頼んだよ。今日は出張で、一緒に面倒を見れなくて、ごめんな」
「まあ、出張なら仕方ないよねー…まあ、このネイチャさんに任せて下さいな!」
「それと念の為に財布を渡しておくよ!」
「えっ!」
トレーナーがナイスネイチャに財布を渡す。
「いや、大丈夫だよ!トレーナーさん!」
「これはお礼だよ。お出かけとか行くんだったら。好きなの買っていいぞ!」
「いや…私なんかが持ってて大丈夫?」
「大丈夫だよ。急いでるから、それじゃ!頼んだよ」
(ガチャッ…ガタン)
「うぅ…それほど信頼されてるって事だよね…?」
ナイスネイチャが赤ん坊のベットに近づく。
「あぅ…」
「どうも、ナイスネイチャで~す。今日はお姉さんがお世話するからねぇ~」
ナイスネイチャが赤ん坊を持ち上げる。
「かわいいね~」
赤ん坊がネイチャの髪を触る。
「きゃっきゃっ」
「…!(かわいぃ…)」
笑う赤ん坊に心打たれた、ナイスネイチャであった。
「…?」
「うぅ…」
赤ん坊が落ち着かない様子。
「お腹が減ったの?それじゃあ、ミルクを飲みに行こうね~!」
ナイスネイチャは食堂に向かったのだった。
ー食堂ー
「(どうしよ…食堂に来たからはいいけど、赤ちゃんを抱いて、ミルクの準備なんてできないじゃん!)」
ナイスネイチャが困っていると…
「どうしましたか?ネイチャさん」
「イクノ!」
同じ中等部のイクノディクタスが困っているナイスネイチャに近づいてきた。
「今日はネイチャさんがお世話係ですか?」
イクノディクタスが赤ん坊に気づく。
「実はそうなんだよね~」
「1人だと、大変でしょう。手伝います」
「えっ!大丈夫なの、イクノ?」
「問題ありません」
「それじゃあ、甘えてちゃおうかな~」
イクノディクタスとナイスネイチャが話していると…
「やっほー!話してる所、悪いね!席空いてるかなぁ?」
「大丈夫ですよ。タンホイザさん」
彼女も同じ中等部のマチカネタンホイザ。
「あぅ…」
「可愛い!その子が噂の赤ちゃん?」
「そうだよ」
「私も抱っこしていいかなぁ!?」
「うん、全然大丈夫だよ」
ナイスネイチャがマチカネタンホイザに赤ん坊を渡す。
「うへへ…間近で見てみると更に可愛く見えちゃう!よし、よ~し」
「(タンホイザさん、まるで…)」
「(お母さんみたい…)」
脳内でそう思う。ナイスネイチャとイクイディクタスであった。
「そうだ。しばらく、その子を見ててもらっていいかな?ミルクを作ってこないと…」
「問題ないよぉ~」
「私達が見守っておくので大丈夫です」
「ありがとね!」
ナイスネイチャはそう言うとキッチンに向かい、ミルクを作りに行った。
「イクノ~!」
「何ですか?タンホイザさん」
「イクノも抱っこしてみない?」
「いえ、私は大丈夫ですよ」
「まあまあ、そう言わずにぃ~」
マチカネタンホイザがイクノディクタスに赤ん坊を渡す。
「あぅ…」
「…。タンホイザさんの言う通り、間近で見るともっと可愛いく見えますね…」
イクノディクタスが赤ん坊を見つめる。
「(赤ちゃんを見守る、お母さんみたい)」
先ほどの2人も同じ事を思ったマチカネタンホイザだった。
「イクノっ~!!」
イクノディクタスの名前を叫び、走ってくる姿がある
「あれは…」
「ターボだ!」
同じ中等部のツインターボが近づいて来た。
(ドタタタタ…キキー!)
「ターボさん、どうしたのですか?」
「イクノとマチタンが楽しく話してたから、ターボも混ざりたいって思ったの!」
「私達だけじゃないよ!」
「?…2人しかいないぞ?」
「あぅ…」
「えっー!?赤ちゃん、イクノの!?」
「違います…。」
「じゃあ、マチタン?」
「違うよ!?それにまだ私達、中等部だし!」
「違うのか…なんだ!びっくりしたぞ!」
「こっちがだよ!」
~しばらくして~
「お待たせー」
ミルクを作っていた。ナイスネイチャが戻って来た。
「あっ!ネイチャ!」
「おっ?ターボ来てたんだ」
「ミルク?まさか!」
「違いますよ、ターボさん」
「なんだぁ~」
「ん?何の話?」
「あはは、気にしなくていいよ~」
「それより、ネイチャさんありがとうございます。ミルクは私があげます」
「ほんと?助かるよ」
ナイスネイチャがイクノディクタスにミルクを渡す。
(ごくごく…)
「よく飲んでるな!」
「ほんと!元気な証拠だね!」
「ネイチャさん、この後は予定とかありますか?」
「えっ?特にはないけど…」
「それでは、皆でお出かけに行きませんか?」
「いい考えだと思うよ!赤ちゃんもきっと楽しんでくれるよ!」
「うわぁ~!楽しそう!ターボも行きたい!」
「(そういえば、トレーナーさんから財布を貰ったんだった…)それじゃあ、行きますか!あと、ベビーキャリーを持ってくるから、校門前で待ってて」
「分かりました」
ー街ー
学園に出る前にナイスネイチャがベビーキャリーを付け、赤ん坊をベビーキャリーに入れた。街の中を歩く。
「あぅ…」
辺りを見渡す、赤ん坊。
「周りを見渡してるね!」
「新しい光景にびっくりしているのでしょう」
「あっ、ネイチャ!あれ!」
「ん?どうしたのターボ?」
ツインターボが指を差した先には、ショッピングモール。
「赤ちゃんの為に何か買おうよ!」
「そうですね、いい考えだと思います。」
「もう少しおっきくなった時の為に買っといてあげよう!」
「でも、なに買う?」
「そうですね…。転倒防止クッション、よだれカバー、お座りクッション、後はプラスチック製のプレートとスプーンでしょうか。」
「詳しいね!イクノ」
「もし、お世話係になった時の為に色々調べたので」
「準備がすごいね…」
「これぐらいの事、自分にとっては普通の事です。それではショッピングモールの中に入りましょう」
「「おおー!」」「おおー」
ー街 ショッピングモールー
ショッピングモールで赤ん坊グッズを取り扱っている店に行く。
「それでは先ほど言った物を買うとしましょう」
「わかった!ターボはプレートとスプーンを探してくる!」
「私はかわいいよだれカバーを探すよ!」
「じゃあ、アタシはお座りクッションを探そうかな」
「それでは皆でそれぞれ探しましょうか。私は転倒防止クッションを探します。」
皆で手分けして、決めた物を探しに行ったのだった。
~数分後~
「(これにしましょうか…。クッションの柔らかさ、耐久性、取り外しのやり易さ。この中にあるもので一番いい物です。デザインも可愛いですし…)」
イクノディクタスが選んだのは、熊の耳が生えた、耐久性などもしっかりした物。
「イクノー!」
「どうしたのですか?ターボさん」
「これ!どう思う?」
「…悪くないですね!これでいいと思います」
ツインターボが選んだものはT字に区分されている、蹄鉄柄のプレートとスプーン。
「ネイチャさんやタンホイザさんが気になりますね、確かめに行きましょう。」
「わかった!」
まず、マチカネタンホイザのもとに向かう。
「タンホイザさん」
「あっ!イクノ!」
「よだれカバーは見つかりましたか?」
「うん!見てみて!」
マチカネタンホイザが広げて、星柄のよだれカバーを見せる。
「かわいい!」
「いいと思いますよ、タンホイザさん」
「えへへ…これにしよーっと!」
次にネイチャのもとに行く。
「これ、めちゃかわじゃん!猫のクッション!しかも、3種類!黒猫か虎柄猫、白毛猫!どれもいいなぁ~」
「ネイチャさん、決まりましたか?」
「!?…い、いいや!まだだよぉ」
「ネイチャは猫が好きなんだな!」
「皆…もしかして、見てた…?」
「恥ずかしがる事ないよ~。かわいかったよ!」
「わ、忘れて!」
ナイスネイチャは虎柄猫のクッションを選んだのだった。
ー街ー
買い物を終えた4人はトレセン学園の方へと向かっていた。
「楽しかったね!」
「そうですね、今日は本当に楽しかったです」
「ターボも!」
「また行きたいね~。アンタも楽しかった?」
「あぅ…」
「返事したぞ!」
「楽しかったって事なのかな?」
「そういうことでしょう…きっと」
「この子が大きくなったら、また一緒に行きたいね」
そんな話をしながら歩く。
「この子が大きくなったら、どんな子になってるかな?どんな風に走ってるのかなぁ~?」
「ターボみたいに大逃げするのかな!」
「あれをできるのは、ターボ位だよ」
「それか、ネイチャさんの様な差しかタンホイザさんの様な追込かもしれませんね」
「楽しみだね!この子がどんな風になるか!」
そんな話をしながら、トレセン学園に帰っていった。
ートレセン学園ー
「それじゃあ、私は赤ちゃんを返してくるね」
「気を付けて下さいね。ネイチャさん」
「先に寮に帰ってるぞ!」
「先に戻ってるねぇ~」
ートレーナーの部屋ー
(ガチャッ)
「ふぅ…疲れた~。でも、楽しかったなぁ」
ナイスネイチャがベットに赤ん坊を寝かせる。
「アンタも楽しかったよねぇ~」
「ふゎ~…」
「あはは、疲れちゃったか!お休み…」
「すぅ~」
~夜~
(ガチャッ)
「あっ、ネイチャ」
「お帰り、トレーナーさん」
「今日は大丈夫だったかい?」
「うん、全然大丈夫でしたよ」
「ありがとう、ネイチャ」
「べ、別にお礼なんていいって!あっそうだ…これ…」
ナイスネイチャが財布をトレーナーに渡す。
「実は赤ん坊の為に色々買っちゃったんだ…。その…結構使っちゃったんだけど…」
「この子の為に使ってくれたんだろ?嬉しいよ。今日はどこに行ってきたんだい?」
「ただ街を歩いたり、ショッピングモールで買ったりしただけだよ」
「きっと、この子も楽しかったと思うよ。今日は本当に助かったよ。またお世話係になった時は頼むね」
「うん。それじゃあ、寮に帰るね!お休みなさい、トレーナーさん」
「ああ、お休み」
(ガチャッ…ガタン)
「さて…寝るかな」
トレーナーは眠りに入ったのだった。
(続く)