ー生徒会室ー
(コンッコンッコンッ)
「失礼しまーす!」
中等部のハルウララが元気に入室してきた。
「来てくれて、ありがとう。ハルウララ」
「カイチョーさん!何でわたしを呼んだの?」
「学園に来た赤ん坊の事は知っているだろう?」
「うん!昨日はスペちゃん達が面倒を見てあげてるのを見たよ!」
「今日はハルウララに赤ん坊の事を任せたいんだ」
「えー!いいの!?」
「ああ」
「やった!やった!お世話してみたかったんだ!」
「フフ…嬉しそうで何よりだ。赤ん坊はトレーナーの部屋にいるから。お世話の方を頼んだよ」
「うん!任せて!カイチョーさん!」
ートレーナーの部屋ー
(ガチャッ…)
「おはよー!トレーナー!」
「ん?…ウララじゃないか。どうしたんだ?」
「今日のお世話係だよ!」
「そうか!今日はウララか!よかったね」
「うん!今はなにやってるの?」
「ミルクをあげてるんだ」
「わたしもやってみたい!」
「いいよ」
トレーナーが赤ん坊とミルクをハルウララに渡す。
「あぅ…」
「わー!かわいい~!」
ハルウララが赤ん坊を見つめ、目を輝かせる。
「ゆっくり、口に近づけるんだぞ」
「わかった!よし、よ~し」
「ちゅぱ…ごくごく」
「みて!飲んでるよ!」
「ああ、沢山飲んでるな!」
「そういえば、トレーナー!あれは何?」
ハルウララが言っているのは、今まで、皆が買ってきてくれた、赤ん坊の為に集めた物。よだれカバーやぬいぐるみ等の物だ。
「赤ん坊にあげた物さ。今日は整理しようと思ってね。そんなに時間は掛からないから、待っててくれ」
「わかった!」
トレーナーが整理をしている間、ハルウララは赤ん坊と遊んだ。
~しばらくして~
「ふぅ~、終わった。お待たs…」
「すぅ~…」
ハルウララと赤ん坊がソファに座って、寝ている。
「寝ちゃったか」
トレーナーは隣に座る。
(ほっこり)
「(2人共、かわいいな。娘ができたみたいで嬉しいな…)すぅ~」
2人を見守るうちにトレーナーも寝てしまった。
(コンッコンッ)
「んぁ…ん~!」
トレーナーがノック音と共に起きる。
「失礼するわよ、トレーナー」
入ってきたのは中等部のキングヘイロー。
「やあ、キング」
「あら?ウララさんもいたのね」
「ふわぁ~むにゃむにゃ…あっ!キングちゃん!」
ハルウララが立ち上がりキングヘイローに近寄る。
「キングちゃん!みてみて!」
「あぅ…」
「赤ちゃんね。前に会った事あるわ」
「そうなの!?」
「ええ。スカイさんがお世話をしてたわ」
「へぇ~、スカイちゃんもお世話してたんだ!」
「なあ、キング」
「なにかしら?」
「君も一緒にお世話を見ないか?」
「え!私!?」
「いい考えだね!ねー!一緒にお世話しようよ!」
ハルウララがキングヘイローにさらに近づく。
「ちょ、ちょっと、近い!わかった、わかったわ!」
「やった!ねぇ、トレーナー!お出かけに行こうよ!」
「お出かけか…。どこに行こうか…」
「その…お出かけではないのだけど、実は今日、宝塚記念に出走するの。この一流の私の走るレースをこの子に見せてはいかが?」
「そうだっけ!?」
「忘れてたの!?あなた、本当にトレーナー!?他にグラスさんとスペちゃんにフクキタルさんもでるじゃない!」
「グラスワンダーとスペシャルウィークにマチカネフクキタルも!?」
「このヘッポコ!ちゃんと担当ウマ娘達のレースの予定なんか、ちゃんと確認しときなさいよ!」
「最近、赤ん坊のお世話ばかりで把握してなかった!まずい!準備しないと!車出すから待ってて!」
「私は3人を呼んでくるわ。ウララさんはトレーナーと一緒に車で待ってなさい。わかった?」
「うん!レース頑張ってね!」
「もちろん!私が勝つわ!」
ー阪神レース場 控え室ー
「よし、4人とも準備できたか?」
「ええ、とっくのとうに終わってるわ」
「はい!キングさん、グラスちゃん、フクキタルさん!私が勝ちます!」
「私も1着は譲りません!私が勝ちます」
「今日のレース結果は吉と出ていたので、勝つのは私ですね!」
「気合いが入ってるな!4人とも頑張れ!応援してるよ!」
ー阪神レース場 観客席ー
「あっ!トレーナー!」
「待たせたね」
「いいなぁ~、わたしも走りたいな」
「出れるように頑張ろうな!」
「うん!あっ!キングちゃん達入ってきたよ!」
出走ウマ娘達がどんどん、控え室から出てくる。ウマ娘達がゲートに入り、レースがスタートした。
(この宝塚記念のレースはアニメの一期に再現されているので是非、見てみて下さい!YouTubeにあります!)
「ゴールイン!!勝ったのはグラスワンダー!2着にはスペシャルウィーク!3着はキンイロリョテイ!」
「はぁ…はぁ…。」
キングヘイローが空を見上げる。
「キングちゃーん!頑張ったねー!!」
「きゃっきゃっ」
「わぁ!赤ん坊も楽しかったのかな!笑ってるよ!」
「本当だ!この子もいつかは走るからな…。この子の走る姿を早く見てみたいな」
「そうだね!」
「俺は皆の所に行ってるよ!ウララは車で待っててくれ!」
「わかった!」
ー阪神レース場 控え室ー
「おめでとう!グラスワンダー」
「はい、勝ちました」
「皆もよく頑張ったね」
「はい…、グラスちゃんはやっぱり強いですね!」
「グラスさん、おめでとうございます」
「占いが外れたのでしょうか…。私の負けです。おめでとうございます!グラスワンダーさん!」
「うふふ…皆、ありがとう!」
「お疲れ様、疲れがとれてからで大丈夫だから、俺は車で待ってるよ。ゆっくり来なよ!」
「わかったわ」
ー車 帰り道ー
「「「すぅ~…」」」
スペシャルウィーク、グラスワンダー、マチカネフクキタルが寝ている。
「皆、寝ちゃったね!」
「疲れたんだろうな、今日は皆頑張ったからな。ゆっくり休んでくれると嬉しいよ。」
「皆、凄かったよね!私も走りたいな~!」
「ウララは今週にはレースに出れるよ」
「本当!?やったー!絶対、1着取るよ!」
「取れるさ!頑張ろう!」
「…」
キングヘイローが外を眺める。
「キングちゃんも頑張ったね!」
「そうね…」
キングヘイローが落ち込んでいるのがわかる。
「そうだ!海に行こうか」
「え?」
「海!やった!やった!」
「赤ちゃんに海を見て貰いたいし」
トレーナーはトレセン学園から海に行き先を変えた。
ー海ー
(ザァー…ザァー…)
「ほら~!海だよー!」
「きゃっきゃっ」
ハルウララが赤ん坊を海に触れさせる。
「…」
キングヘイローが海に足をいれて、考え事をしているようだ。
「キング?」
「なにかしら?」
「やっぱり、悔しいか?」
「当たり前でしょ…私は一流のキングヘイローを名乗り続ける為にレースには勝たなくてはならないの…」
「勝たせられなくて、ごめん…」
「なぜ、謝るの?負けたのは私の実力が足りなかったからよ。トレーナーのせいではないわ」
「でも、俺からしたら…君はもう一流だよ」
「そうかしら?」
「君の努力は周りの人に尊敬されてるし、向上心は誰よりも強いし、自分の中の一流になるという高い目標がある。俺はこれからも君の作る道を見守っていきたいと思ってる。それに赤ちゃんにはキングヘイローみたいな、どんな時にも努力を欠かさないで、どんな事にも全力で、他人に尊敬されるような人になってほしいんだ。」
「そ、そう…」
キングヘイローが照れた様子で顔が見えないように隠す。
「キングちゃん!どうしたの?海、楽しくない?」
「いいえ…、楽しいわ」
「トレーナー!赤ちゃんの事、お願い!」
ハルウララが赤ん坊をトレーナーに預ける。
「そーれ!」
(バシャッ!)
ハルウララがキングヘイローに水をかける。
「ちょ、ちょっと!ウララさん!やりましたわね!」
(バシャッ!)
「きゃ~!あはは!」
楽しむ、2人。
「トレーナーさーん!ずるいですよ~!」
「私達抜きに…ひどい人ですね」
「ご、ごめん!寝てたから…」
「あっ!スペちゃん達、起きたの?」
「はい!今起きました!」
「ほら!スペちゃん!」
(バシャッ!)
「うわぁ!もー!ウララさん!やり返し!」
「そうはさせないよ!スペちゃん!」
「隙ありですわ!」
(((バシャッ!)))
「ん?」
(((バシャーン!)))
3人が飛ばした、水しぶきがグラスワンダーにかかる。
「「「あっ」」」
「3人共?」
「あわわ…」
(バシャッ!!!)
「「「ギャァァ!!」」」
「やっぱり、グラスは怒らせたら、怖い…」
震えながら、グラスワンダーに水をかけられる、3人を眺めるトレーナー。
「海なんて、久しぶりです!あっ!にゃーさん!」
マチカネフクキタルのにゃーさんが海に流されていく。
「見た目の割に軽いな!?」
「にゃーさん!今助けます!」
マチカネフクキタルがにゃーさんを助ける為に海に飛び込む。
(バシャッバシャッ)
「危ないってー!」
帰りはびしょ濡れになった、5人を連れて帰る。トレーナーであった。
(続く)