幸せにありふれた世界を築くために   作:Yunice

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はじめまして、Youniceと申します!
ありふれが好きすぎるが故二次創作に手を出しました!処女作で投稿は不定期ですがどうぞ宜しくお願いします!


プロローグ
プロローグ〜過去の絶望と未来の希望〜


トータス南雲暦紀元前2794年

 

オルクス地下大迷宮最下層

オルクス邸にて

 

 

 

「…君が何者で、なんの為にここに来たのかはわからない。ただ知ってほしかった。君に私の力を授ける。どう使うかはすべて君の自由だ。願わくば、悪しき心を満たすための力には振るわないでほしい。話は以上だ。聞いてくれてありがとう。君のこれからが自由な意思の下にあらんことを………っと、よし、これで記録映像は撮れたかな、後は魔法陣の最終チェック…と」

「この映像、エセ紳士の癖に妙に紳士ぶりっているな、到達した奴らに失礼じゃないのかクソ眼鏡」

「眼鏡を揶揄するのはやめていただこうかこの無駄マフラー」

「あ?」

「お?」

 

三階建の無駄に大きくきらびやかな洋館の一室。眼鏡をクイッとする黒衣の青年と自身のマフラーを口元にクイッとする色黒の筋肉質な青年が目線のみでドンパチしている中、種族の異なる6人が語り合う。

 

「相変わらずあなた達仲いいわねぇ」

「お姉様…」

「また始まったか…」

 

二人の様子について次々に話し出すのは顔の笑っていない海人族の女性にとその様子に心配する森人族の女性。そして赤髪の寡黙な大男。

 

「しかし暗い場所で暗い雰囲気で未来へ伝えるよりはずっといいかもな、シャルムもそのように言っていた」

「そうだね、私達が最悪の雰囲気で未来に伝えるより笑顔で伝えたほうがきっと私達の想いを引き継いでくれる!」

「フッ、さすがはうざいで名の知れるミレディ殿であるな」

「おいこらゴンちゃん、その杖かち割るぞ」

 

顎に手を添える禿頭の男性と、今年で18歳となる金髪のフリフリスカートの女性がみんなを勇気づけようと持論を語る。

それを茶化すようにゴンちゃんと呼ばれた袴を着た初老の男性は英国ステッキを床に突きフッと笑う何ともカオスな姿に彼女は真顔でキレる。

 

そんな中、耳がヒレのような水着の海人族女性が水をリング状にしたものを何となく見つめながら会話に参加する。

 

リングの中には今までの戦い、自分達の仲の良さそうにじゃれ合う姿、そして自分たちが守るべき者たちによる襲撃の記録映像。それを喜怒哀楽すら見せずただひたすら、時間の許す限り何回も見返す。自分達が愛した多くの友が見境なく解放者を襲う姿。いくら神による洗脳を受けたとはいえ、その様子は地獄以外のなにものでもない。これらの過去の凄惨な出来事に彼女は精神が擦り切れてしまい、感情が麻痺していた。

 

「メル姉…」

「お姉様」

 

それを辛そうに見つめる二人。今や世界の敵と認定され、できることは何もなくなってしまった。そんな中で自分たちの想いを未来に繋ごうと奮闘したは良いものの、である。

 

「メイル、そう気負うな、私達は確かに負けた。最後の7人となった今でもできることはあるだろう。シャルムも神の眷属となってしまったがそれは意図してのこと。未来に繋ごうと努力しなんとかしてその土台となる国、ハイリヒ王国を築き上げたのだ。我が息子にできて我らにできないのは決してあってはならん!そうは思わんか?」

「えっ…ぁ…」

 

禿頭の男が海人族の女性に優しく問いかける。すると彼女は大きく狼狽え無くしたはずの感情に僅かだが炎が宿る。

 

「そうですわ、あの邪宗教の悪神の眷属になってまで己を押し潰して神を倒すための下準備をまだ年端もいかない子がたった独りで頑張っている。そんなのお姉様は黙ってみていられるほど良い性格をしていらっしゃらないのではなくて?」

 

彼女の前にしゃがみ込み目を合わせる長耳の森人族の女性。

 

「そうさ、ここで諦めるのはシャルム君に失礼何じゃないかな?」

 

さっきまで目で喧嘩していた黒衣の彼も彼女の横に座り語りかける。つづけて袴の初老の男性が語りかける。

 

「執念を以って耐え難きを耐う。それが我々に課された使命である。そして何より希望をを捨てないことが、世に太平をもたらすことに於いて最も重きをおくのだよ。」

 

「そうね、このまま腐って海の藻屑になるより未来に希望を持たないと何も始まらない。ミレディちゃんの言う通りだわ、ゴン君もありがとう。皆、士気を下げてしまって本当にごめんなさい。みんな辛いのもわかってたのに…」

 

「良いんだよメル姉!辛いのは身にしみるほどよくわかるよ、だってあのクソ野郎のせいでこんなことになったんだから!辛いときはこの抱擁の女神ことミレディちゃんが優しく頭を撫でてよしよししてやるぞぃ!」

「ミレディの言う通りだ。たまには俺たちに甘えたって文句はない。苦しみを分かち合えるのは俺たちだけだ。」

 

さっきまで黒衣の青年と目で喧嘩していた色黒の筋肉質の男性が彼女のもとに来て語りかけた。

 

「メル姉は諦めるなんて言葉知らないとか言ってたじゃん、あ、もしかしてついこの前知っちゃっt「〆るわよ」…え?…え?」

 

突如海人族の女性は煽ってきた彼女に対して強気な眼差しで見つめた。

 

困惑する彼女を視界の外に追いやり何やら詠唱を始める。

 

「傷を癒やす力よ、時に干渉せしその力の神髄を顕現せよ。我は再生すなわち時を司る魔を操るもの、我の行く末を見据える者よ、この先我が場に訪らん者共をここに再生せよ!予現推録!!」

「メ、メル…姉?」

 

突如詠唱し始めたことに驚きを隠せない彼女。次の瞬間8人のいる部屋が海人族の女性を中心に強い光を発し部屋全体を覆う。

 

 

「な…なにが、おこって…?」

「お、お姉様!一体これは…」

 

彼女は答える。

 

 

「みんな、私達の想いを受け継ぐ子達、見たいと思わない?」

 

 

「「「「「「「え…?」」」」」」」

 

 

 

 

彼女…メイルはそんな女であった。




まだ主人公出てきてませんがどうぞこれからも宜しくお願いします!
そして、8人目のゴンちゃんと呼ばれた初老の男性とは…?
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