幸せにありふれた世界を築くために   作:Yunice

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半年ぶりに再開しました!
待っていた方、本当に申し訳ございません!!
このように不定期に更新するので、推しの小説の傍らに読んでいただけるとありがたいです!


それぞれの戦い方

翌日、バーン王立競技場にて

 

朝の訓練の時間、メルドはクラス一同に号令をかけた

「よし、訓練用の武器での演習はここまで!

これからは各個人の武器の扱い方を近衛騎士から各自教わりスキルを磨く!それぞれのレベルの上がり方が上下しやすいからスキルが上がらなくてもあまり塞ぎ込まないよう毎日訓練に励め!以上!」

今まで練習してきたのは基礎である剣術スキルである。これはどんな属性であっても必ず磨かなければならないスキルで同じ訓練をすればだれでも上達させることができる。レベル5までは剣術によりステータスを底上げさせることができるので、それまではメルド団長の師事の下訓練に励んできたのだ。

しかしこれからは実戦を控えているため各自の武器での訓練となる。そのことに皆は待ちに待ったと言わんばかりに武器を取り出し早速訓練を始めた

 

「うーん、これどうやってやるのかなぁ?えいえい!」

「うわ、ちょ、おい!杖を振り回すな危ないだろう!」

「だってどうやんのかわかんないんだもん!」

「いやいや顔面が一文字に青痣できるところだったぞ!」

恵理は杖の使い方がよくわからないのか周囲の目を憚らず縦に横に八の字にしてぶん回している。

すると騎士のひとりが優しげな口調で声をかけた

「そんなに振り回さなくてもすぐに習得できますよ、まずは光を出してみましょう」

すると彼はおもむろにメモ用紙を取り出し幾何学模様を書き始めた。

「まずこれを頭の中に思い浮かべて詠唱してみて」

「うお、ガチ中二病乙のやつだ!…えっと?我が見据える先を照らさん、光粒!」

唱えた瞬間、手元に小さな光の粒が出現した。これを見た恵理は高揚した顔を佑輔に見せた。

「一発でできるなんて凄いな!やっぱ素質があるんだよ、そうだと思いませんか?騎士さん」

「佑輔殿のおっしゃる通り、これはとんでもない才能です、この調子で魔法がどんどん扱えるようになればすぐにでもオルクス大迷宮に挑戦できますよ!」

「本当!?やったぁ、これからは私がお兄ちゃんを守る(キリッ」

「最後の擬音語がなければ頼もしい限りだよ…」

「ところで佑輔殿の属性は何なのでしょうか?恵理殿の兄上ですからさぞ素晴らしいし職業なのでs「学者です」…いまなんて?「学者です」…」

暖かな春の陽気な雰囲気を一瞬にして極寒の猛吹雪にした瞬間であった。

 

「…ごほん、改めまして、あなたの職業は?」

「学者です、非戦闘系の職業ですが細剣のスキルを磨きたいと思っています。」

「そうでしたか、それは失礼致しました。では手合わせを交えながら技術的なことをお教えしましょう」

「よろしくお願いします!」

そうして佑輔と恵理はそれぞれ異なる騎士のもとで訓練を受けることとなった。

 

一方光輝は光魔法にかなりの才能を見込まれ、メルド団長が直々に教え、香織や雫、鈴もそれぞれの属性に伴った訓練を開始した。しかしその中にはじめの姿は無かった。

 

 

✻ ✻ ✻

 

それから一週間が経過した。

光輝は実践で使える光魔法の光刃や光爆、更には最大級魔法である天翔閃までも使えるようになった。香織は光属性の回復魔法が得意らしく、周天、回天、焦天などを扱えるようになった。雫は幼い頃から習っていた八重樫流剣術を応用した剣術スキルを磨き上げ、鈴は結界師としての才をなし、光絶や天絶、そして最大級結界魔法、聖絶を扱えるようになった。メルド団長もこんな短期間にここまで成長するとは思ってなかったらしく、一時間ほど自室に引き籠もっている。なにか作戦を立てているんだとは思うが彼もつらそうだ。かくいう僕も、リリィから頂いた仕込み杖の剣で鍛錬を重ね、大分ものにできたんじゃないかと自負している。恵理も最初は魔法より物理的に殺されそうになったが今では光闇両属性を扱えるようになり、降霊術師として降霊術を行えるようにもなった。全員が成長し喜んでいる一方、一人だけ全く上達しないものがいた。はじめである。彼はこの一週間どうすれば錬成師として成長できるか図書館に籠もって練習していたのだが一週間前と比べて全く上達しなかった。メルド団長にも相談したが原因は全くわからず途方に暮れていた。

 

談話室にて

 

「…なるほど、それは少し問題だな」

「うん…」

「単に成長しにくい体質とかなんじゃないのかな?」

「それはわからないけど、このステータスが維持されたままだとオルクス表層でも戦うのは厳しいかもしれない」

「ですよねぇ…」

佑輔と香織ははじめの途方に暮れた現状を聞き原因を探っていた。

「メルド団長でもわからないとなると今までそういった人は一度もいなかったってことよね、スキルも増えてないの?」

怪訝な表情をしている雫がはじめに聞く

「今は地面の隆起を引き起こしたりする錬成くらいかな?それも自在ってわけじゃなくて30cmくらいだけど」

「剣術とかはどうなの?」

「練習はしてるけど全くスキルは上がらないよ」

「レベルだけじゃなくすべてのスキルも上達しない、かぁ…この世界は数値が全てだから自力での鍛錬だけだとちょっと無理があるかもな、まあ一応雫に剣術を教えてもらってそれでなんとかスキルを補填しよう」

佑輔はこれからの方針を決め今回はそれでお開きになった。

「ねぇ、ねぇはじめくん!」

「何?香織さん」

「むぅ、さんはいらないんだよ!」

「う、うん…それで、どうしたの?」

「えっとね?うん、そんなに落ち込まないでって言いたくて」

「大丈夫だよ白崎さん、僕に才能がないのはわかってたから」

「そういうことを言いたいんじゃないの、はじめくんは戦う素質がないんじゃなくてそういう体質に恵まれなかっただけ。だって才能がないって言いながらも南雲くんあんなに一生懸命だったでしょ?」

「み、見てたの!?」

「うん…諦めない心の持ち主が戦う素質がないわけがない!それどころか、そういう人こそが戦って勝つ才能があるんじゃないかな?」

「…そっか、白崎s「香織!!」…かっ、香織さんは本当に優しいんだね…うん、たしかにその通りだね。みんなも僕の相談を必死に考えてくれたしそんなこと言ってちゃだめだよね。スキルは伸びないけど僕は僕にしかできないことをよく考えて戦えるようにしてみせるよ!ありがとう香織さん、君のお陰で頑張れそうだよ」

「そう思ってくれると私も嬉しい。あとさんは本当にいらないからね?ね?」

「は、はい…」

 

こうしてはじめは立ち直り、自分の戦い方を探していくことになった。

 

 

この時、あの白い悪魔に変貌する大きなきっかけとなったことはまだ誰も知らない。




悪魔いつになったら誕生するだろう…
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