幸せにありふれた世界を築くために   作:Yunice

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お久しぶりです。

久しぶりにありふれが再燃したので続きを書いていこうと思います。

よろしくお願いします。


オルクス大迷宮(前)

 

翌日、勇者一行はオルクス大迷宮の入口に到着した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やはりここは経験値を稼ぐには最も効果的な場所というものもあって、入口前の両端には屋台や露天商など、様々な商人で溢れかえり、真ん中には長い行列ができていた。行列の先を辿っていくと、イベントや集会などで使う白いテントが建ててある。

 

 

これから何をするのかとメルド団長に聞くと、彼らは入場チケットを購入してるとのこと。彼らの殆どは団体で挑むため割引が効く団体用チケットを購入してるんだとか。遊園地かよ…。

 

 

「なんか、ワクワクしてきたねゆーくん!」

 

「いやなんでだよ」

 

「いやだってみんな楽しそうにしてんじゃん。あそこのおじさんたちは『がんばろー!おぉー!』っていってたし!」

 

「言っとくけど僕たち戦闘経験ゼロだからね?あんまり浮足立つと割と本気で死ぬかもしれん」

 

「大丈夫だよ!だって私達主人公キャラじゃん!ねー鈴〜!」

 

「え??あ、う、うん!そーだよねー!(そんなわけねーだろ怖いって!)」

 

「鈴の目の輝きが完全に消えてるのは気のせいだろうか…

まあとにかく、僕たちが掲げた目標はせめて達成しよう。」

 

「そうだね〜。頑張ろうねはじめくん!」

 

「あ、ありがとう白s…香織!…うーんなんか調子狂うなぁ」

 

「次第に慣れてくるよはじめくん♡」

 

「わわ!!」

 

 

 

香織がはじめに抱きつきながら自分の頬を彼の頬にすりすりしてはじめが顔を赤らめる。

 

え、なに!?

もうこの2人できちゃったの!?

たった一日で、しかも会ったの昨夜のみなのに!!

マジで何があった!?

 

はじめ恐るまじ

 

はじめまじぱねぇ

 

 

そう思っていると予想した通り彼がはじめに近づいてきた。

 

 

「おい南雲、今度こそみんなの迷惑になるんじゃないぞ、いいな?香織には尚更だ。図書館に閉じこもってばかりだから全くステータスが上がらなかったんだ。今回お前に何があったとしてもそれは訓練を怠っていたお前が悪い。一応お前に当たりそうな攻撃はカバーしていくつもりだがダメージを受けたとしても俺や龍太郎、雫を恨んだりするなよ。あと勝手に香織を下の名前で呼ぶな。」

 

「う、うんわかったよ…ごめんね天之河君」

「おれにじゃなくて香織に謝れ」

 

やっぱ天之河君は白崎さんのことになると止まらなくなるな

怖い怖い。

 

「う、うん…ご、ごm「はじめくんに名前を呼ばせたのは私だから!」」

 

「ええ?!」

 

「だから光輝君に言われる筋合いはないよ!これからも名前で呼んで、はじめ君!」

 

「あ、うん…わかった。」

 

「ま、全く…や、やっぱり香織は優しいな…」

 

「(いや優しいとかじゃなくて香りが南雲くんのこと好きなだけでしょ。)…またうちの光輝がごめんね、南雲君」

 

「八重樫さん…いや、天之河君はただ白崎さんを考えての発言だから」

 

「あんたもわかってないのね…どうする佑輔君、あなたのバディ、本当にこのままやっていけるのかしら」

 

「んま、ゆっくりやっていきましょうや。な、鈴!」

 

「え、あ、う、うん!!(よくわからないけど返事しちゃった!さっきといい中村兄妹本当に何なのよ!)」

 

 

そんなことをしているうちにメルド団長は準備が整ったらしく、みんなに準備を促す。

 

いよいよ最初の実戦訓練、オルクス大迷宮へと足を踏み入れた。

 

 

 

✢ ✣ ✢ ✣

 

 

 

オルクス大迷宮(緑の大坑道)

 

 

 

 

 

迷宮の中に入ると

 

幅5m程ある通路には明かりもないのにぼんやりと発光しており、光の魔法具がなくてもある程度周りを見ることができるようだ。以前図書館から借りてきた『反逆者の爪痕』によると、この迷宮には緑光石という特殊な鉱物が多数埋まっており、この巨大な緑光石の鉱脈を掘って出来ているとされている。

 

 

 

 

 一行は隊列を組みながら進む。しばらく何事もなく進んでいると広間に出た。天井10m程の高さのドーム状の大きな場所となっている。その先には階段らしきものが見えている。

 

 

「いよいよこの下から魔物が現れお前たちを襲ってくる。気を引き締めて行動するように。いいな?」

 

「「「「「はい!!!」」」」」

 

 

メルド団長がそういうとクラス全員がそれに答える。しばらくクラスメート同士での会話がちらほら聞こえていたが、メルド団長の一声で空気が変わった。

 

やはりいくつもの修羅場をくぐってきただけのことはあるようだ。

 

一行は階段を降りるといかにも空気が重く、何か出てきそうな洞窟となっていた。

 

 

何かいそうだなぁと思いながら歩いていると急に毛玉のようなものが飛び出てきた

 

 

 

「よし、光輝達が前に出ろ。他は下がれ! 交代で前に出てもらうからな、準備しておけ! あれはラットマンという魔物だ。すばしっこいが、たいした敵じゃない。冷静に行け!」

 

 

間合いに入ったラットマンを光輝、雫、龍太郎の三人で迎撃し、その間に香織と鈴が詠唱を開始した。魔法の詠唱を開始して訓練通りの動きを取り効率的に相手を攻撃する。

 

光輝はこの前佑輔が睡眠不足でダウンしている間の宝物庫開放時にもらったという聖剣ウーアアルトで敵を切りつけ、雫はその補助、龍太郎は空手部らしく天職が拳士というのもあり、事な拳撃と脚撃で敵を盾役重戦士の如く殴りつける。

 

 

 

流石は光輝、やはり実力は口だけではなかった。後方にいる中村兄妹、おそらくいるであろう遠藤の出番すら必要ないだろう。

 

 

そうこう考えているうちに戦闘が終了した。

 

 

「ああ~、うん、よくやったぞ! 次はお前等にもやってもらうからな、気を緩めるなよ!

それと…今回は訓練だからいいが、魔石の回収も念頭に置いておけよ。明らかにオーバーキルだからな」

 

 

 メルド団長が少し呆気にとられながら注意をした。しかし、初めての魔物討伐に対する高揚感はおさまらない光輝達にメルド団長は肩を竦めたのだった。

 

そして前衛の光輝達が後方へ回り、今度は中村兄妹と鈴、遠藤、そしてはじめが前衛に回った。光輝達と比べて練度が低いためどうなるのかヒヤヒヤしたものだが、迷宮に入る前にメルド団長に直接頼み込み、その指導の甲斐あってこの5人の戦闘のフォーメーションを確立することができた。

 

 

僕、佑輔の武器はアークマヌスの魔剣だが、魔力を吸収したり敵の固有スキルを奪ったりした際に赤黒く発光するため教会側にその本来の性質を知られてしまう可能性がある。そのため、聖教教会の騎士団引率が終了する人類最高到達点の65階層まではその能力を封印する必要があることをメルド団長に指摘された。僕もそれまでは杖を使わず宝物庫の古びた大剣を使うことにした。

 

これもまあまあ歴史があるらしく、反逆者処刑介錯用の大剣で、サビもしないためよく切れるそうだ。いや物騒過ぎんか?

ワンチャン迷宮の主の首を落とした大剣をその迷宮で使うことになるんだぞ?いや本当勘弁してほしいって…

 

バチでもあたったらどうすんだよ……

 

 

 

 

また新たにラッドマンが襲いかかってきたのでその大剣で切りつけ、はじめが錬成で足元を固定。反撃できないようにしてから恵理と鈴が魔法を撃ち込んだ。

 

 

「「暗き炎渦巻いて、敵の尽く焼き払わん、灰となりて大地へ帰れ――螺炎」」

 

 

螺旋状に渦巻く炎がラットマン達を吸い上げるように巻き込み燃やし尽くしていく。悲鳴を上げながら灰へと変わり果てた。

 

 

「よし、その調子だ!あと南雲、お前の天職じゃ戦闘は不可能だとばかり思っていたがそんな戦い方があるなんてな。新しくて面白い、そして実に効果的な補助だった。もしかしたら錬成師には新しい可能性が見えるかもしれんな!この調子でお前も頑張ってくれ!」

 

 

「は、はい!ありがとうございます!」

 

「よし、この階層の魔物は倒した。次の階層へ降りるぞ。」

 

 

「良かったね南雲くん!南雲くんならやってくれるって、私は信じてたよ!」

 

「ありがとう白s…香織!」

 

「もう♡いい加減慣れてよね〜?」

 

「善処します…」

 

 そこからは特に問題もなく交代しながら戦闘を繰り返し、

3層、4層と順調に階層を降りて行った。

 

 

「ねぇ、僕たちめちゃめちゃ強くなったんじゃない?」

「まあ経験値は上がっただろうね。ステータス見てみれば?」

「その手があった」

ポンと手をたたきステータスプレートを取り出す

 

恵理のステータスは以下のようであった。

 

 

 

―・―・―・―・―・―・―

 

 

 

 

 

 

 

中村恵理 16歳 女 レベル:15

 

 

 

天職:降霊術士

 

筋力:450

 

体力:500

 

耐性:700

 

敏捷:650

 

魔力:1603

 

魔耐:3010

 

 

 

技能:洗脳・霊視・剣術・降霊術・闇属性魔法・光属性魔法・精神状態術・言語理解

 

 

 

―・―・―・―・―・―・―

 

 

 

 

 

凄いな、どれも以前の値より一回りも上がってる。そして何よりも魔力に対する適性が尋常じゃない…。

 

たったの4層目でこんなに上がるとなると65層まで行ったらどんな化け物に育つんだろうか…

 

「凄いな恵理!こんなに成長してるなんて、僕も嬉しいよ!」

 

「本当?お兄ちゃんにそんな褒められるのすごく嬉しい!(この調子で胸も成長させてお兄ちゃんをメロメロに!ボソッ」

 

「え、今なんて?」

 

「んーん、なんでもなーい!」

 

 

 

 

うん。

 

 

 

 

 

聞かなかったことにしよう

 

 

 

 

「お兄ちゃんはステータスどうだった?」

 

 

「あぁ、僕は恵理ほど上がりはしなかったかな、ほら、アレを使ってないし」

 

「あーね!」

 

 

アレとは例の魔剣である。まだ使うことを禁じられているので物理系のスキルが上がるのみだった。

 

 

 

 

・―・―・―・―・―・―

 

 

 

 

 

中村佑輔  17歳 男 レベル:10

 

 

 

天職:学者   

 

 

 

筋力:624

 

体力:713

 

耐性:11

 

敏捷:78

 

魔力:4150

 

魔耐:35

 

技能:u5$no*4w∇ζ・杖術・剣術(細剣)・魔力吸収・学術書Ⅱ・学術書Ⅰ・精神の宮殿マインドパレス・魔素操作

剣術・剛力・縮地

 

トータス語

 

 

 

―・―・―・―・―・―・―

 

 

 

 

やはり筋力と体力は倍近く上がっているのに対し魔力・魔耐は全く上がっていない。でもなんだろう…耐性だけ1上がるって…10と11って何が違うんだよ!さすがにおかしいでしょ…

 

 

と思いながら恵理に見せると

 

 

「わー!やっぱり剣術の訓練もしてたっていうのもあって凄い上がってるじゃん!他のみんなは物理攻撃と言ってもある程度魔力使ってるから凄いのはわかるけど、魔力とか一切使わず物理攻撃だけで倒しちゃうお兄ちゃんはやっぱ凄い!!!やだ、またお兄ちゃんを見直しちゃった♡」

チュッ

 

「ちょ、おい!人前でするなよ!」

 

「今度は人気のないとこでいっぱいしよーね!」

 

「いやそうじゃない」

 

恵理がいやんいやんと身体をくねらせながらとんでもないことを口にする。え、いや兄妹だからね?分かってていってるんだろうか…

 

だとしたら恵理の底が知れないぞ。

 

彼女が更に強くなったら僕はそれに対抗できるのだろうか…

 

 

 

 

そうこうしているうちに次々と魔物を討伐し下の階へ降りる。

 

 

「いいか、次は10層だ。敵の強さが一気に上がる。これまでの訓練を忘れず各自冷静に取り組むように」

 

 

「「「はい!みんな、メルドさんの言ったとおりだ。気を引き締めて各々行動するように」」」

 

 

 

メルド団長の命令と全く同じことを光輝がみんなに言う。

 

 

同じことを2度も言わんでいいと思いながらも僕を始めとする恵理、鈴、遠藤、はじめも次の階層へ進む。先頭には光輝、雫、香織がおり、香織がふいにこっちの方に振り向いた。そしてはじめに向けてウィンクをする。それを見たはじめはあははと苦笑いをしながらお互いにアイコンタクトをしていた。

 

 

絶対デキてる。

 

 

そんな姿に僕たちはほのぼのとした気持ちになりながら階段を降りていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その背後で歯ぎしりの音を回廊中に響かせる黒い影も同じく、共に階段を降りてゆくのであった。

 





【次回予告】

戦闘にも慣れ、25層でもいつものように敵を捌き切る俺たち!
はじめ達に忍び寄る影、彼らが闇に対峙したとき、物語は動き出す!一体はじめたちはどうなっちゃうのぉぉ〜!!??



次回、はじめ奈落へ堕ちる。


絶対見てくれよな!
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