幸せにありふれた世界を築くために   作:Yunice

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誤字訂正誠にありがとうございます。
こちらでも誤字があればその都度訂正していきますが、これからもどこかに見落としがあれば訂正宜しくお願いします!

さて今回は解放者メインです!
それではどぞ!


悠久の絆

南雲暦紀元前2394年

 

「へぇ、この子が私達を繋いでくれる子達かぁ。私達の行いは無駄じゃなかったんだね…」

「あぁ、継承する者の可能性があるだけでも行幸だ。しかし…」

「だけど…」

「それにしても…」

「「「「いくらなんでも長すぎる!!!」」」」

 

そう悲嘆に満ちた顔をするのはミレディとラウス、そして黒衣の青年オスカーである。7つの試練を作った者たちは気がかりだったのだ。作ったのはいいものの、辿り着ける挑戦者が来れるのかどうか。その疑問を解消し自分達の行いが無駄ではなかったことに安心したはいいものの、彼らはすぐに落胆した。なぜなら彼の者が現れるのは2794年後という途方も無い年月を要するからだ。数百年単位ならまだわかる。自分たちのような強力な者たちが今の時代にいないのは理解していたから。だがまさか4桁の年数になるとは予想していなかった。8人はしばらくする思案すると、赤髪の大男、ナイズが口を開けた。

 

「まあ何にせよその可能性のある人物は数千年後に現れることは確かなんだ。それを前提において今後を話し合うしかないだろう」

「そうね、でも当然私達はその時まで生きることはできないからアーティファクトをひたすら作るという他ないわね、オスカー君?」

「HAHA...体がいくつあっても足りなそうだ」

 

ニヤリと笑うメイルに眼鏡をキランとさせて四つん這いになるオスカー。そこにラウスが割って入ってくる。

 

「悲嘆になっている所悪いんだが、出来るぞ、延命」

「「え…?」」

「ラーちゃん!?そ、そんなこともできるの??」

「あぁ、前に解放者の初代リーダーを生き返らせたといったろう。それを応用すればいい」

「もう何でもありなんだなラウスは」

 

どうやら彼はそんなこともできてしまう何らかの秘術があるようだ。それを延命にどうにかして応用できるはずだと踏んでいるらしい。

 

「だけどそんなのどうやってやるんだい?いくら方法があっても僕らはそんなことできないよ、しかも8人分」

 

「そのためにゴン、お前の力がいる。」

「なるほどな、私の固有魔法で理論を構築しラウスとメイル、そしてオスカーが量産するのか。よく考えたな。」

「相変わらず凄まじい洞察力だ。だが私にも限界がある。アレを使ったとしても意識を保っていられるかどうか…」

「そこはメイルお姉さんにまかせなさい。そのくらい時間をちょっと戻せばいいだけだし」

「わかった。」

 

一通り話が終わると今度はミレディが口を挟む。

 

「みんななんで当然のことのように延命を選ぶの?こんな薄暗い中で何千年もの間彼らを待ち続けないといけないんだよ?みんなが残ってまでそんな辛いことさせたくない!!さっきのメル姉みたいに精神が擦り切れるだけじゃ済まないんだよ!?そんなになってまでつらい思いをしてもらう道理は私にはない!!!」

 

「……さすがはリーダーといったところね」

「全く、ミレディというやつは」

「ふむ、これは重症である…」

「ミレディたん健気ですわ…」

ミレディはこの解放者という集団のリーダーだ。みんなのことを常に配慮し統率することが彼女の役割。そんな彼女だからこそわからなかった。なぜ死ぬことすらも許さない延命という途轍もなく辛い宿命をみんなが果たそうとするのか。

 

「あまり僕達を見くびらないでもらいたい。ミレディ、僕は最初に言ったよね、"地獄の底まで付き合う"って」

「そ、それは言葉のあやで…」

「そうよ、あなたは私がいないと寂しんぼのショボショボミレディちゃんになっちゃうんだから。」

「メル姉も…」

「一人ボッチだと死んじゃう生き物なんだよとも言ってましたねお姉様!」

「そういうことだミレディ。我々は8人揃って初めて力を発揮する。今までもそうだっただろう。それとも我々に死んでほしいとのたまうのか?」

ミレディが考えるよりもっと単純なだった。友達と一緒にいたい。そんなどこにでもありふれた感情。そんな彼らの思いが彼女にも伝わり、感謝すると同時に申し訳なく思った。

「でも!みんなは本当にこれでいいの!?数千年っていうのは途方も無い年月なんだよ?人が踏み込んではいけない禁忌の領域なんだよ?そんな、この世界の、自然の摂理から大きく外れたことを私達はやろうとしているんだよ?そんな…もう人ではないナニカに私達はなろうとしてるんだよ?本当にそれでいいというの?」

 

ミレディは再度警告する。これ以上は人が決して踏み込んではならない禁忌の領域。それを踏み越えてしまったらもう後戻りはできない。今後、今までにない災がいくつも降り注ぐに違いない。本当にそれでもいいのか?と…

 

すると彼らは、そんな重苦しい雰囲気がまるでなかったかのように平然と答える。

「「「今更だな」」」

「「今更ね」」

「神を倒そうということ自体が既に禁忌に触れてると思わなかったのか?ライセン(笑)の駄目君」

「な!ちょっおいヴァン今笑ったろ、あと何が駄目君だ、黒天窮ぶちかますぞゴルァ!?」

魔人族の男、ヴァンが煽りそれを彼女が静かにキレる。そんなどうでもいいやり取りに思わず全員が笑ってしまう。そして思う。私は…なんて素晴らしい親友を持ったのだろうと。

「みんな…。ほ、本当にごめんなs「そこは謝るところではないぞ」え?あ…うん……うんっ、そうだよね!ヘヘッ!みんな…ありがとう!!」

 

そして、ミレディは自分の頬を両手でパチンと叩き啖呵を切った。

 

「私は、私達は!2千年先の未来でまつ挑戦者に用意するアーティファクトを用意し!来たるべき神との決戦に彼らと共に再び臨む!我らが求める自由な意志のためにっ!!!!よぉしお前ら!私と地獄の底までついてこぉい!」

 

「「「「「「「「おう!(えぇ!)」」」」」」」」

 

その後、暗黒のオルクス大迷宮は少し明るくなったという。




ミレディは健気でいいなぁ…
うざいけど
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