こんな多くの人に見てもらえるなんて思いませんでした!
今日は宿屋のオリジナルストーリー、談話室での語らいです!
南雲暦紀元 ハイリヒ王国 王室指定宿場町のある一角の宿屋にて
教皇による話を一通り聞いたクラスメート一行は召喚された場所である神山の麓に位置するハインリヒ王国指定宿場町の超高級宿屋に宿泊した。そして彼らが各々の一室にてくつろいでいるさなか、中村兄妹は談話室を借りて、そこに鈴、南雲、八重樫、白崎、遠藤を招いた。フロントから鍵を入手し我々と途中で居合わせた南雲と共に部屋に行く。
部屋に着き鍵を開けると見事なL字型の肘掛けソファが置いてあり、正面には暖炉が設置されている。
「これは凄い、グリ○ィンドールの談話室だな」
「うわあ、僕テンション上がってきちゃったあ!」
「こういう雰囲気本当にラノベの世界に入っちゃった気分だ」
3人が部屋を見て、別世界に入り込んだような妙なわくわく感を覚える。まあ本当に別世界なんだが。
「それで、まだ揃ってないけど、どうする?」
「うーん、今思ったことを話すと、教室にいたときなんで急に話しかけてきたの?」
「いやだった?」
「そうじゃないけど、何でかなって」
「それはねえ、僕が話しかけてこいって言っていったんだよ~。ゆー君ったらね、友達全くいないからねえ、それであきれた僕が救いの手を差し伸べたってわけ!」
「そ、そうなんだね...」
「そんな目で見つめないでくれ」
「そんなことしてないよ、僕も同じようなもんだから気にしないで、それにもう友達なんだから関係ないよ!」
「南雲君...」
「はじめでいいよ。」
「ありがとう、な、はじめ君...ならお、俺のことは佑輔でいいよ」
「わかった。それにしても佑輔君さ、一人称俺って言うのなれてないでしょ」
「な、なぜわかった,,,」
「そんなの誰にだってわかるよ、どもってるし」
「」
「まあ色々訳があるんだろうけど、一人称って結構重要で、自分を表現するための一種の暗示だから。少し代えるだけでも自身の精神状態がかなり変わるから」
「へーそうなんだ。良くそんなこと知ってるね。」
「僕の母親からの受け売りだよ。少女漫画家やってるからそういうの良く教えてもらうんだ」
「ほえー、そうなんだ~!じゃあ将来は漫画家って事??」
「いや、将来は父親のゲーム会社に行こうかなって思ってる。現にそれ関連の手伝いとかしてるしね。」
「すごいな、もう将来のビジョンが明確になっている人なんてそういないよ。」
「ありがとう。話がそれちゃったけど、僕が言いたいことは、無理に一人称を換えなくてもいいんだよってこと。」
「うん。じゃあそうしてみようかな。」
「というか、小さい頃は僕だったよね?なんで急にかえちゃったんだろ。僕が一人称僕なのは、ゆー君の影響なのに」
「そ、そうなの?しらなかった」
「全く、これだからごみいちゃんって言われるんだよ」
「おい急にコマチるのやめろ」
はじめとの意義のある話からいつのまにか身内のどうでもでもいい話に変わったことに気づくと八重樫と白崎が入ってきた。
「3人ともおまたせ!雫と鈴とお風呂入ってて少し遅れちゃった!」
「悪いわね、少し待たせたかしら」
「あ、えりりん!ゆー君ももういたんだね!」
そう言って入ってきた3人の髪の毛から湯気が出ており、少し濡れていた。
自然と溢れでる色気に佑輔とはじめは息をのむ
「いや大丈夫だ、はじめ君と色々話しててそれなりにいい時間を過ごさせてもらったよ。」
「え!そんなのずr...そ、そうなんだ~ははは...」
「香織、あんたまさか佑輔君に嫉妬してんじゃ」
「そ、そぉんなこと無いよ~!ね!鈴?」
「え、あ...え?「そうだよね?ね?」は、はいぃっ!」
八重樫に対する白崎の返答になぜか巻き込まれる鈴。彼女は南雲に対するすさまじい執着心の片鱗を垣間見た気がした。
そんな和やかな雰囲気にはじめは居心地の良さを覚える。
佑輔のパチンとした手の平を鳴らした音と共に雰囲気の酔いから冷める
「それじゃあ始めますか。まずはどこから話そうかな」
「まあ普通にエヒトによる召喚からでしょうね」
八重樫の淡々とした返答にうなずき話を始める。
「そうだな。教皇曰く人間族が魔人族に滅ぼされそうになったから僕らを召喚したって言ってたけど、すでにそこからおかしいのはわかる?」
「え、そうなの?」
「どういうこと!?はじめ君わかる?」
「え、白崎さん!?え、えっと、国が危険だとしても赤の他人に力を求めることは国の恥になって国の威厳を損なうことになるし、あと神が実在するなら自らが救うはずだから...かな?」
「すごいな、大正解だ。はじめ君の言ったように異界から勇者を召喚すること自体が国のあり方としておかしい。しかも武器すら手にしたことのない平和主義国家の一国民が」
「言われてみれば確かにそうね」
「なるほど?」
答えを言わずして解答したはじめに驚嘆し、その説明により理解した八重樫は静かに納得し、鈴はもうついてこれていないようだった。
「それで、佑輔君はそのことから何がわかるというの?」
鋭い白崎の言葉に恵理は少し顔を歪めたが、佑輔は真剣な眼差しで全員を見やり、言った。
トータスと呼ばれるこの世界
何かがおかしい
と...。
***
「おかしいってどういうこと?鈴にも分かるように教えて!」
「そうだね、簡単に言うと、この世界の人間族の国は全て聖光教会の影響下にある。というのも、僕たちが召喚された神山の麓に、ここ、ハイリヒ王国があるだろう?」
「うん、確か神の眷属?のシャルムバーンさんが建国したんだよね」
そう、この王国は数千年も前に神エヒトの眷属、シャルムバーンが築いた国である。伝説によると彼は、魔法を使わないいくつもの発明や、人々の生活水準を向上させることにより文化的にも経済的にも大発展させた。それ故に千年以上かかるはずの文明レベルをたった1年で昇華させたと言われ、今やこの国にとって歴史上最も偉大な人物とされている。因みに王女のリリアーナ様の本名はリリアーナ・S・B・ハイリヒであり、そんな誉れ高き人物の名をミドルネームの頭文字としてつけたという。その国の王様が教皇に会ったときに手の甲に口づけをしていたのを佑輔は見た。これは王である国の最上位の人物がする行為では決して無い。だが実際そうしていると言うことは聖光教会教皇の地位は国王よりも上だと言うことだ。
「そうなんだ、でもなんでだろうね」
「神が実在するのを考慮すると、創世神であるそれを信仰する聖光教会がこの世界を牛耳っているのは自明だろう。教皇は神託によって異世界召喚の事を知ったと言っていたことから、神と直接交信できる何らかの手段を有している。」
なんとなく聞いた鈴はその後の佑輔の返答を重く捉えた。予想以上に深刻なのだと。
「ということは神は世界に干渉する力があるということかしら」
「いや、直接干渉できないから我々をここへ召喚したんだと思う。」
「なら神は世界にどう干渉してきているというのかしら」
「神託だよ、神と人の連絡手段。おそらくそこで神が教皇たちに何か命令するということもできるだろう。教皇や周りの司教達の発言から神に対してかなり依存しているのが見受けられた。」
「そうね、それは私も思ったわ」
雫と佑輔と解釈の議論を重ねる
それにはじめが付け加える。
「ということは国がどうあるべきかも神様が決めてる...なんてこともあると言うことか」
はじめの呟きに白崎が反応する。
「じゃあさっき言っていた佑輔君の、この世界をおかしくしている何かって言うのは....」
「ま、まさか...」
「なっ、まさかそれって!?」
今まで静観していた恵理と八重樫が声を揃える。
それに対して佑輔は静かに言う
「そうだ、神だ」
※シャルム君の功績はオリジナル設定です
※遠藤います