今回はスキルの一つが発動します
後半は、遂に主人公が武器を手にします
それではどぞ!!
「ここは...どこだ?確かメルド団長に休息を言われて部屋まで行くときに誰か二人に肩貸してもらってそれから....」
辺りには辺り一面が金色で正面には煌びやかな扉があった。恐る恐る開けるとそこには王立図書館より広い膨大な数の本棚があった。しかしそれらのほとんどには本が収納されていない。これは一体どういうことなのか。しばらく探索を続けることにした。扉を開けて正面には50組ほどの本棚が縦に並んでおり、壁に沿って20段はある本棚がずらっと並んでおりある。一定の間隔ではしごが並び、さらに階段も置いてありその上に続いている。そこにもまた同じように20段もの本棚が同様に並んでいた。再度言うがこれだけ多くの本棚があるのに本がほとんどない。さらに奥へ進むと5つほどの扉が現れた。一つを開けるとそこには本がびっしりと詰まった本棚が部屋の輪郭に沿っておいてあった。本の一つを見るとそこには自身に起こったことすべてが載っていた。生まれてすぐに重度の病気にかかったこと、親が放任主義で小学生の時に恵理がいじめられ、学校の屋上から飛び降りようとしたこと、中学でピアノコンクールの全国で優勝したことなど、本当にすべてが載っていた。他にも、恵理について、両親について、そして先祖についてまで詳しく載っていた。しかしどれも知っているものばかりで知らないことが書かれているわけではなかった。それに少し肩を落とし部屋を出る。隣の部屋には賣讀新聞の1年分を閉じた画板のように大きな本が16冊置いてあった。新聞を読み始めたのは10歳からだが、新聞にハマり自分が生まれたころから順番に全部読んでいた時期があった。続けるのはかなり大変だったが、こうしてみると感じるものがあるな。
部屋を出てきた場所へ戻る。その途中に今まで読んできた本が一角にあった。
『ソー〇アー〇オ〇ライ〇』、『ようこそ〇〇至上主義の○○へ』
懐かしいこんなのもあったな。ラノベは高校受験が終わった時に読み始めたんだが存外面白く最新刊まで一気読みしてしまったものだ。そしてふと目をやると、とても懐かしい本が出てきた。それは、『すてきなさ〇に〇ぐみ』、『も〇も〇の木』
だった。な、懐かしすぎる~~~!昔図書室の読み聞かせで見たやつだーー!
そんなことを思っていると何やら声が聞こえて来た
「――君――て」
「お―て」
「起きろおおおおお!!!!!」
「うあっ!?」
気づくと目の前には恵理と雫の姿が。自身はベッドの上に寝ていた。周りを見るにどうやら寝てしまっていたらしい。すると恵理が、
「もう、何回も起こそうと耳元で声出してるのにびくともしないんだもん」
「さすがにかわいそうと思ってたけどここまで起きないとは思わなかったわ」
「そんなに寝てたのか?」
「2時間寝たら少しはすっきりすると思ったからそのままにさせてたけど4時間たってもびくともしないんだもん~てっきり死んじゃったかと思ったわぁ」
「そんなにか」
「ところでなんの夢見てたの?懐かしいって言ってたけど」
「寝言まで行ってたとは...本を読んでたんだ」
「本?」
「そう、知ってるだろ?『すてきなさ〇に〇ぐみ』,『も〇も〇の木』とか」
「うわあなっつかしい~、てかなんでそんな夢見るのww」
「多分だけど僕のスキル、精神の宮殿に行ってたからだと思う」
「ああ、あの謎スキル?」
「よくわからないけど一度読んだ書物をそこに保存して好きな時に読めるみたい」
「なにそれすごい、じゃあ忘れることがないってこと?」
「そういうこと」
「もし使いこなせればこの世界についての知識をこの戦争で生かせるかもしれないわね」
「そうだね」
「そうだ、起きたらメルドさんの所へ行くんだったわよね、今暇みたいだから言ってきたら?」
「あの人暇になってるところ見たことないよなあ、仕事に戻ってしまう前に会っておく必要があるな。じゃあ行ってきます!」
「「いってらっしゃーい」」
そうしてメルド団長の所へ向かうのだった。
***
コンコン「メルド団長に呼ばれ馳せ参じました、中村佑輔です」
「入れ」
「失礼いたします。」
「おう来たか、まずはゆっくり茶でも飲まないか少し時間があるんだ」
「ではお言葉に甘えて(忙しかったんじゃないのか?)」
そうしてメルド団長は佑輔を自室に招き入れメイドにお茶を注がせる。
「ここの茶は飲んだことあるか?ここは王室のおひざ元だからな、逸品を取りそろえているんだ」
「ルームサービスのTea bagなら飲ませていただきました。我々の故郷とはまた違う味わいでとてもおいしかったです」
「そうかそうか!そらよかった!!」
トータス自慢のお茶を褒められてとてもご満悦のようだった。
「それでお話とは?」
「まあそう焦るな。なあ佑輔、最近はどうだ?」
「まあそれなりに。図書館でいろいろ調べているのですがまだこの世界の知識がほとんどないのでまだ生活は手探りでして...」
「そうか、そこまで俺たちの世界とは勝手が違うんだな。姿はそっくりなのに」
「ええ全くです」
少し笑みをこぼしながら返事をしてみると、メルド団長は軽く笑みを返しまた真剣な表情に戻す。
「それで、これから君たちは戦いの訓練に参加するわけなのだが...先ほどお前が寝てる間に他の者たちには宝物庫を開放し、そこから武器を与えた」
「その節は本当申し訳ありません...」
「いや、お前に言いたいのはそこじゃない。お前には少し特殊な武器をやる手はずが整っている」
「どういうことですか?」
「お前の天職『学者』ってのはな、記録上今までに一度も出現ことがないんだよ」
「な...」
驚愕した。非戦闘職じゃないからてっきりありふれたものだとばかり思っていたがどうやらそうじゃないらしい。
「この王国を建国したものは誰か知ってるな?」
「はい、シャルムバーンと教わりましたが...」
「そのシャルムバーンの晩年、ある遺言書を残した。それは、『この世界で唯一、学者の天職、というスキルを所有したものだけにこれを所持することを許可する』というものだった。それに当てはまるものはお前だけであると私が判断しそれを陛下に申告した。普通だったら申告者及びその内容を教会に申告せねばならんのだが…あろうことかその存在は王家に代々伝わるもので、教会には知られていない。なぜ私が知っているのかというとその存在を該当者に手渡す義務が、勇者召喚時における今代の近衛騎士団団長の俺だったってだけの話だ。もしこのことを誰かが漏らせば処刑される手筈になっている。だから心して受け取れ。いいな?」
なんだか急に壮大な内容になってきた。あまりに大きな事柄だったため少し躊躇するが深呼吸をし気持ちを落ち着かせた。
「承知しました。このことは今後一切のだれにも口外しないと誓います」
「そんなにかしこまるなよ、気をつけろといったのは俺だがな」
メルド団長は軽口をたたいた後、少し開けるといい部屋を出て行った。
それから30分後、何か長い黒い箱を、なんと王女リリアーナと共に戻ってきた。
「以前皆様とご挨拶させていただきましたね、改めましてハイリヒ王室第一王女リリアーナ・S・B・ハイリヒと申します」
「わ、私は創世神エヒト様より召喚され馳せ参じました、中村佑輔と申します。こうして再びあいまみえたこと誠にうれしく存じ申し上げます!」
深くお辞儀をし慣れない謙譲語で王族に挨拶をする。
「そんなにかしこまらないでください!私はあなたともっと近い距離でお話ししたいのです。そして、メルド、あなたにはこの者を導いてくれたこと深く感謝します。しかしこれからすることは、王族でも秘匿された国事行為。したがって退出を命じます。何から何までやってくれたのにほんとうに申し訳ありません…」
「いや良いんだよ、姫さんにはいつも感謝してるし、姫さんのおかげでここまでやってこれたんだ。お二人の邪魔はしないでとっとと立ち去りますよ!」ニヤア
「もうメルドったら!!」
いつもやっているようにじゃれ合いメルドは部屋から立ち去った
「仲がいいんですね」
「ええ、メルドには私が小さいころからお世話になっているんです。とても尊敬しています」
リリアーナ王女は両手を胸に当て瞼を閉じながら言った。
「さっきの話、それで良いとおっしゃるのなら...どうかな?」
「ありがとうございます、それでですね佑輔さん、あなたのステータスプレートを拝見しましたところ、あなたを、わが王家に伝わる遺言書の該当者と認定しましたのでこれをどうぞお受け取りください」
そういってリリアーナ王女は細剣が入っていそうな黒い長箱を手渡す。
「そんな国宝級の凄いもの、本当に頂いてよろしいのでしょうか」
「これを受け取らないのは建国の父を裏切ることと同じことですがよろしいのですか?」
自身の祖先の冒涜だといわんばかりに佑輔を煽り立てる。
「わかりました。謹んでお受け申し上げます」
両手を箱の下に沿わせ再度深くお辞儀をした
「ふふ、これで教会からの重圧から解放されたというものです!」
「まさか責任を押し付けてきたというのか...」
「そんなことはありません!ささ、さっそく開いてみてください!」
箱を開くように促され恐る恐る開けて見る。教会に隠し続けてきた王家に伝わる秘宝とは一体どんな代物なのか。
「これは...英国ステッキ!?なぜこんなところに」
中にあったのは、数百年前に西洋人が携えていたようなおしゃれな杖だった。その反応を見て気分が上がったのかリリアーナ王女は続ける
「ただのステッキじゃありませんよ~、ここを回すと...」
持ち手の金属部分の少し下を捻ると半回転しカチと鳴り引き抜くと、細剣が出てきた
「おお、仕込み杖か!シャルムさんはいい趣味してるなあ」
「そしてなんとなんと、この細剣は刺したものの魔力やスキルを吸収してしまう魔剣なんです!すごいでしょう!」
「ふおおおおお!!(なんで彼女が誇ってるんだ?)」
「喜んでいただけましたか?これはアークマナスの杖と呼ばれ、シャルム様が8人の反逆者の一人、ゴン=アークマナスという人物から頂いたものだそうです。」
「な!建国の父と反逆者がつながっていた...だと!?」
「これは王家に代々伝わる口伝なのですが、反逆者というのは元々解放者という名の集団でした。その集団の一人があるとき、我々が崇める神が遊戯として意図的に戦争を仕掛けていることを知ったのです。それから教会に異を唱えつづけ、やがて神との決戦に挑みました。しかし神に戦わず敗北してしまったのです。その理由は神による洗脳じみた人々の扇動でした。それにより守るはずの人々が解放者に牙をむき、反撃することもできず、世界の果てへ敗走することになったのです。残ったのは中心メンバーの8人で、これでは神を打つのは不可能だと判断し、7つの試練とそれを管理する施設を作りました。それが7大迷宮と呼ばれるものなのです。」
「なんともまあ...とてつもなく壮大な話ですね...しかしそれを管理する施設とは?」
「それはわかっていません。王室直属の探索班を秘密裏に出したのですが未だ見つかっておらず…」
「そうですか...でその解放者とシャルムさんはどのような関係なんでしょうか」
「彼は解放者の一人であるラウスバーンのご子息のようです」
「ラウスバーン...聞いたことがありませんが失伝した迷宮の製作者の一人なんですかね。なるほど、では元々シャルムさんも解放者の一員で、その最後の戦いの時に神の眷属にされてしまったと...。しかし神の眷属ということは重度の洗脳を受けているのではないのでしょうか」
「シャルム様は、どのようなものかは存じませんが固有魔法をお持ちで、それが関係しているものと思われます」
「なるほど。赤の他人である私にこんな貴重なお話をしてくださり感謝いたします。」
「もう赤の他人ではありませんよ!あなたはこの世界で唯一
「姫様?最初からそのつもりではなくて?」
「テヘペロ」
王女はどうやら最初からその気らしい。まあ条件は悪くないのでありがたく条件を飲むことにした。
「ありがとうございます!それとこれからはリリィとお呼びください。友好の証です!」
「わかったよ、ありがとうリリィ」
そういって二人は部屋を出て行った。
ついにゴンちゃんのフルネームが明らかに
解放者、しゅきぃ....