東方狂想録 作:トムハチ
俺の名前は金城優人。何処にでも居る大学生だ。
ある日のバイト帰りに
「ちょっと、そこの君。」
黒いローブでフードを深く被っている怪しい男に声をかけられた。
「ん?なんだ詐欺師か?」
「ハハッ、初対面の相手をいきなり詐欺師扱いか。」
「そんな怪しい格好してるからだろ。」
「はははははっ、違ぇねぇ!」
しばらく怪しい男が笑った。
「で、俺になんの用?」
「おう。実はな、お前さんに見せたい物があるんだ。」
と言って、懐から錠剤の入ったビンを何個か取り出した。
「コレはね、吸血鬼だったり鬼だったり天狗になることができるお薬だよ。お前さん、見た感じ学生ぽいから安くしとくよ。」
「あっ、そういうやばい薬に手を出すつもりはないです。さよなら。」
「ちょっと待てェ。大麻とかそういうのじゃないから。」
「本当?」
「本当だよ。変な誤解させちゃったお詫びにもっと安くするから。ね!」
何だこの茶番と思いながら、吸血鬼やら鬼やらになれるなど信じる奴いるわけないので大麻とかじゃないだろうと思った。しつこいし、買ってみようと思った。
「それで1個いくらだ?」
「買ってくれるのかね?!よかった、よかった。おすすめはコレだよ。お代は1000円。」
怪しい男に進められた薬は真っ黒な丸薬だった。
「これはどういう効果?」
「それは秘密。呑んでからのお楽しみだよ。」
もっと胡散臭くなったが買う事にした。
「ほら1000円だ。持ってけ。」
「毎度あり。その薬は見た目通り飲み薬だからね。」
やっぱり飲み薬か。じゃぁ、早速全部飲んでみよう。
「う…おぇぇぇ。」
なにコレ。世の中の全ての苦いものを混ぜて濃縮させたような、俺の語彙力だと表現出来ない味だ。
「吐くなよ!吐いたら効果ないぞ!」
それくらい分かるって言いたいけど口の中がそれどころじゃない。
やばい。頭も痛くなって来し、体の中はめっちゃ熱くて外側めっちゃ寒い。
「お前さん、動けるか?」
「な、何とか。」
「なら早く帰って寝なさい。起きた頃には調子は戻っているはずだ。」
「そう、させてもらう。」
そう言いながら、家に向かって歩き出した。
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「はぁ、はぁ、はぁ、」
体調は相変わらずくそ悪いが、家まであと少しというところまで来た。
「ヒッ。」
「何アレ。」
「キャアア!!」
さっきからすれ違う人達が俺を見て、めっちゃ引いている。俺の顔は怖くないはずだ。この体調のせいで今にも死にそうな人に見えるのかな?……洒落にならないな。さっさと家に帰って寝たい。
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ガチャ
やっとの思いで家に帰ることができた。
「眠い、疲れた。」
と言い、ソファに倒れ込んだ。