DQ11短編集   作:風亜

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 過去編の同棲の始まり。グレ主


一緒に暮らし始めて

「今日から復興したイシの村で、ジュイネと共に暮らすのだな⋯⋯」

 

 少なめの荷物を手に夕刻、感慨深げに玄関前に立つグレイグ。

 

 

「───お帰りなさい、グレイグ! お風呂にする? ご飯にする? それとも⋯⋯僕??」

 

 

「⋯⋯⋯⋯お前はいきなり何を言い出すのだ」

 

 

「だってロウじいちゃんが、グレイグが帰ってきたらそう言えって」

 

 

「(ロウ様⋯⋯孫に何を吹き込んでいるのだ)」

 

 

「真面目な話、どれにする? 美味しいシチューは作ってあるしお風呂は沸いてるし、僕はいつでもいいよ」

 

 

「⋯⋯ジュイネ、お前は三つ目の意味が判って言っているのか」

 

 

「え? 話し相手になるんじゃないの?」

 

 

「はぁ⋯⋯まぁそれでいい」

 

 

「じゃあ僕を選ぶ?」

 

 

「いや、先に風呂に入らせてもらおうか」

 

 

「うん、いいよ。⋯⋯浴槽そんなに広くないし、グレイグは体格いいから一緒には入れないかなぁ」

 

 

「共に入るつもりだったのか⋯⋯」

 

 

「え、だめ?」

 

 

「駄目ではないが⋯⋯何と言うか、これでは俺ばかりが世話になってしまうな」

 

 

「一日目くらい、いいじゃい。これから役割分担していくんだし」

 

 

「⋯⋯それもそうだな」

 

 

「はい、じゃあお風呂入る準備!」

 

 

「う、うむ⋯⋯それで、どうするのだ?」

 

 

「どうするって、まずは服を脱ぐに決まってるでしょ」

 

 

「それもそうだ⋯⋯」

 

 

「グレイグは先に入っててよ、僕も後で行くから。沸かしてはあるけどお湯の調節しないとだし」

 

 

「やはり来るつもりなのか⋯⋯!?」

 

 

「うん、背中も流してあげたいし」

 

 

「そ、そうなのか⋯⋯」

 

 

「もしかして、嫌かな」

 

 

「嫌な訳はない⋯⋯嬉しい、のだこれでも」

 

 

「ふふ、じゃあ後でね。お風呂場そこだから」

 

 

「うむ⋯⋯」

 

 

「(───確かに、浴槽はそんなに広くないな。俺の体躯ではすぐ溢れてしまいそうだ。それに⋯⋯ジュイネも共に入るのは無理そう⋯⋯いやしかし、俺の脚の間に入ればギリギリ余裕はあるのでは⋯⋯? と、何を考えているのだ俺はッ)」

 

 

「⋯⋯湯加減、どう?」

 

 

「ぬおッ、きゅ、急に戸を開けないでくれ⋯⋯」

 

 脱衣所で既に真っ裸だったグレイグ。

 

 

「一緒に暮らし始めたんだから、遠慮しなくてもいいじゃない」

 

 

「親しき仲にも礼儀あり、という言葉があってだな⋯⋯」

 

 

「もう、グレイグは頑固だなぁ。これから寝るのも一緒なのに」

 

 

「部屋は別⋯⋯ではないのか??」

 

 

「一緒だよ、ベッド隣同士」

 

 

「な、何と⋯⋯」

 

 

「⋯⋯グレイグは覚えてないだろうけど、僕らは二人旅してたことあるんだよ。その時だって、一緒に寄り添って寝てたし⋯⋯」

 

 

「お前がそう言うなら⋯⋯そうだったのだろうな(覚えていなくて済まないが⋯⋯)」

 

 

「そういえば湯加減は」

 

 

「あぁ⋯⋯丁度良いぞ」

 

 入る前に浴槽に手を入れて確かめるグレイグ。

 

 

「よし、じゃあ僕も入るね」

 

 戸を開けたまま脱ぎ出すジュイネ。

 

 

「おい⋯⋯せめて閉めてから入り直し───(相変わらず、男にしては華奢なものだ。それでいて剣の稽古は欠かさず、洗練された強さを兼ね備えているのだから勇者として生を受けたのも頷ける)」

 

 

「⋯⋯そんなに、見つめないでよ」

 

 

「す、済まん⋯⋯いや、だから戸を閉めろと⋯⋯」

 

 

「脱いでお風呂場に入ったら同じでしょ。⋯⋯じゃあ背中流すから風呂桶に座って?」

 

 

「うむ⋯⋯ん?」

 

 

「もう、今度は何?」

 

 

「お前の胸元⋯⋯、うっすらと黒ずんでいるようだが、どうしたのだ」

 

 

「あぁ、これ? ⋯⋯消えない傷跡のようなもの、かな」

 

 

「何に、やられたのだ。俺が仲間になる前の出来事か⋯⋯?」

 

 

「まぁ、そんなとこかな」

 

 

「そいつは、倒したのか。⋯⋯もしまだ倒していないのなら俺が⋯⋯!」

 

 

「お、落ち着いてグレイグ。そいつなら⋯⋯とっくに倒してるから」

 

 

「なら、いいのだが⋯⋯痛ましいな」

 

 

「醜い、かな」

 

 

「そういう事ではない。⋯⋯俺とて、闘いに身を投じてきて大小なり傷跡が残っている。傷は男の勲章とはよく言ったものだが⋯⋯お前に関して言えば、その消えない傷跡を残した者を憎いとすら感じる。お前の身体はただでさえ壊れてしまいそうな程だというのに、俺に護れなかった傷跡があると思うとな⋯⋯」

 

 

「ありがとうグレイグ、その気持ちだけで十分だよ。⋯⋯さぁ、背中流してあげるね」

 

 

「あぁ⋯⋯頼む」

 

 

「やっぱりグレイグの背中って大きいね⋯⋯筋肉もすごい」

 

 

「つつかれると、こそばゆいのだが」

 

 

「あ、ごめん、つい⋯⋯力加減、どお?」

 

 

「うむ、もっと力を入れてくれてもいいくらいだ」

 

 

「そっか、よーし⋯⋯!」

 

 タオルでごしごしと力強くグレイグの背中を洗うジュイネ。

 

 

「(ふむ⋯⋯気心の知れた相手に背中を流してもらうのは気持ちの良いものだな⋯⋯)」

 

 

「はぁ、はぁ⋯⋯」

 

 

「ん、おい⋯⋯大丈夫かジュイネ?」

 

 

「グレイグの背中って広いから、満遍なく力を入れてしっかり洗うと結構疲れちゃって⋯⋯」

 

 

「そ、そうか。もう十分だ。⋯⋯今度は俺がお前の背中を流してやるか」

 

 

「え、いいの?」

 

 

「勿論だ。さぁ、背中を向けてくれ」

 

 

「うん」

 

 

「(それにしても華奢だな⋯⋯よくこんな痩躯でこれまで闘ってきたものだ。それに胸元だけでなく背中にまで黒ずみが───まるで禍々しい力に貫かれたかのような傷跡だな⋯⋯。敵対していた頃に何度もこんなか弱い身体に剣を向けてしまった事が悔やまれる⋯⋯)」

 

 

「⋯⋯どうしたの?」

 

 

「いや、何でもない。⋯⋯では洗ってやるか」

 

 ゴシッとタオルでジュイネの背中を擦りにかかるグレイグ。

 

 

「───いたっ」

 

 

「ぬッ、すまん、痛かったか? これでも優しくしたつもりだが⋯⋯」

 

 

「へ、平気だよ。これくらい、痛くないし⋯⋯」

 

 

「強がらないで正直に言ってくれ」

 

 

「⋯⋯もっと優しくしてくれるとうれしいです」

 

 

「よし、判った。では撫ぜるように洗うか⋯⋯」

 

 

「(うーん、悪い意味じゃないんだけど今度は何だかぞわぞわする⋯⋯)」

 

 

「⋯⋯どうだ?」

 

 

「う、うん、いい感じ⋯⋯!」

 

 

「なら、いいのだが」

 

 お湯をゆっくりジュイネの背中に流すグレイグ。

 

 

「ふー、ありがとう⋯⋯。あ、髪も洗ってあげようか?」

 

 

「ならば俺もお前の髪を洗ってやるぞ。⋯⋯いやしかし、俺のデカい手でお前の髪を乱してしまうのは」

 

 

「グレイグになら、どんなに乱されても全然構わないよ」

 

 

「それは⋯⋯サラサラな髪にとどまらず、という事か」

 

 

「え、何?」

 

 

「すまん、何でもない」

 

 

「⋯⋯うん、じゃあこうしよう。お互い向き合って同時に互いの髪を洗う!」

 

 

「(どういう状況だ⋯⋯?)」

 

 

「えっと⋯⋯グレイグ、結構頭下げてくれないと僕の腕がつりそうなんだけど」

 

 

「こ、こうか⋯⋯? いやしかし、これではお前の頭が俺から見えなくなるのだが」

 

 

「そこは感覚で何とか」

 

 

「(あらぬ箇所に、触れてしまいそうな)」

 

 

「じゃあ、お互い洗髪剤を付けて⋯⋯」

 

 

 グレイグは頭を下にしたまま、手探りでジュイネの頭髪に触れようと試みる。

 

「⋯⋯ここか?」

 

 

「惜しい、それ僕の顔」

 

 

「では、ここか」

 

 

「⋯⋯ど、どこに触れてるのさっ」

 

 

「ならばここか⋯⋯!」

 

 

「あはは、くすぐったいよ⋯⋯っ!」

 

 

 

「───ふう、互いの髪を洗うだけで結構掛かってしまったな⋯⋯」

 

 

「⋯⋯くしゅんっ」

 

 小さくくしゃみをするジュイネをグレイグは気遣う。

 

「いかん、風邪を引いてしまうな。二人で湯せんに浸かろう」

 

 

「けどどうやってこの狭い浴槽に二人で浸かるの⋯⋯?」

 

 

「まずは俺が先に入って⋯⋯」

 

 

「僕はグレイグの脚の間に体育座りで入って、向き合えばいいのかな?」

 

 

「いや、背中を向けた方がよいのでは⋯⋯」

 

 

 ジュイネはグレイグと向き合って浴槽に入る事にした。⋯⋯そして、つい目線が下を向き“そこ”を見てしまう。

 

「─────」

 

 

「じゅ、ジュイネ⋯⋯余りそこを凝視しないでくれるか」

 

 

「ぁ、ごめん⋯⋯向き合ってるとどうしても視界に入っちゃうというか⋯⋯⋯そこも、大きいなぁ⋯⋯⋯」

 

 

「や、やはり背中を向けた方がよいだろう」

 

 

「僕は別にこのままでも⋯⋯グレイグが恥ずかしいんなら、背中向けるけど」

 

 ジュイネは体勢を変え、今度は背を向けてグレイグの脚の間に体育座りで挟まる。

 

 

「何か⋯⋯おしりにあたってる気がする」

 

 

「あてている、つもりはないのだが」

 

 

「⋯⋯⋯⋯」

 

 

「⋯⋯⋯⋯」

 

 

「そろそろ、上がるか。のぼせてしまいそうだ」

 

 

「そう、だね⋯⋯」

 

 

 風呂から上がり、夕食をとる二人。

 

「───はい、僕特製のシチューだよ!」

 

 

「おお⋯⋯野菜もだが肉もゴロゴロ入っていて美味そうだ」

 

 

「僕はお肉そんなに食べないから、ある分だけグレイグが食べていいからね」

 

 

「⋯⋯何だろうな、キャンプで食べていたシチューとはまた別の意味で格別に美味い」

 

 

「それはそうじゃないかな、旅のキャンプだと荷物かさばるから中々材料が揃わなかったりするし⋯⋯復興したイシの村だと近所のみんながお裾分けでいっぱい野菜とかくれるし材料に困らないからね」

 

 

「それもそうだろうが、何というかな⋯⋯こうして自宅となった家で、心許せるお前と二人で食べるシチューが特別なのだろうと思う」

 

 

「何だか恥ずかしいけど、そう言ってもらえるとすごく嬉しいな⋯⋯」

 

 

「俺は幸せ者だな⋯⋯お前とこんなにも穏やかな時を過ごせるとは、敵対していた頃は夢にも思わなかったよ」

 

 

「それは僕だって⋯⋯けどグレイグのことは初めから、実直で融通が利かないだけで悪い人じゃないのは分かっていたよ」

 

 

「そうか⋯⋯お前にそのように見抜かれていても何も不思議ではないな。俺も⋯⋯正直な所お前を本気で悪魔の子と思った事は無くてな。何かの間違いだと感じつつも、親代わりも同然だった王に逆らえず、言われるがままに行動していたからな⋯⋯本当に済まなかった」

 

 

「ほらまた謝るんだから⋯⋯もう謝罪は要らないって言ってるでしょ?」

 

 

「あぁ⋯⋯そうだった。つい、な。───ご馳走様、腹一杯頂いたよ」

 

 

「うん、じゃあお片付けするね」

 

 

「いや、それくらいは俺にさせてくれ」

 

 

「そう? なら僕はグレイグの分まで寝る準備しておくね」

 

 

 

「───片付け終わったぞ」

 

 

「こっちも寝る準備整ったよ」

 

 

「所で、ジュイネ⋯⋯」

 

 

「何?」

 

 

「お前は、その⋯⋯ごにょごにょ」

 

 

「これから一緒に暮らして行くんだし、はっきり言ってもらわないと困るんだけど」

 

 

「む、ムフフ本は⋯⋯! どんなものを嗜むのだ?」

 

 

「───⋯⋯は?」

 

 

「(何だ、この冷たい反応は⋯⋯ま、まさかッ)」

 

 

「ごめん僕そういうの一切持ってないから」

 

 

「な、何と⋯⋯流石は生粋の勇者⋯⋯そのようなやましい本とは無縁だったか⋯⋯も、申し訳ない」

 

 

「はぁ⋯⋯、昔男友達にそういうの無理矢理見せられたことあるけど、到底直視出来るものじゃなかったから⋯⋯すっごい苦手なんだ。ロウじいちゃんに時々勧められてるけど断ってるし」

 

 

「そうだったか⋯⋯すまん。男の誰もが通る道だとは思い違いも甚だしいな。実は、お前の為と思ってとっておきの一冊を持って来てしまったが⋯⋯後で処分しよう」

 

 

「人の趣味までどうこう言うつもりはないよ、持っておきなよ」

 

 

「いや、俺の良心が咎める⋯⋯」

 

 

「ならロウじいちゃんにあげたら? 喜ぶよ」

 

 

「うーむ、それを孫であるお前にまた勧めるような事があっては元も子もない。やはり後で処分しよう」

 

 

「ふふ⋯⋯本当にグレイグは生真面目だなぁ。⋯⋯とにかく、もう寝ようか」

 

 

「そうだな⋯⋯」

 

 

「グレイグは壁際とそうじゃない方、どっちのベッドで寝る?」

 

 

「⋯⋯ジュイネはいつもどちらで寝ていたのだ」

 

 

「壁際じゃない方かな。小さい頃はよく母さんと一緒に同じベッドで寝てたけど」

 

 

「そうか⋯⋯なら壁際じゃない方にするか。その方が、万一何者かに侵入されても即対応出来て、壁際を背にしてお前を護れ易くなるしな」

 

 

「はは、ほんとに真面目なんだから。⋯⋯それじゃ、お休みなさいグレイグ」

 

 

「あぁ⋯⋯お休み、ジュイネ」

 

 

 

 静寂の夜、暫くして。

 

 

「(──⋯⋯ん、何だ、もぞもぞと何かが)」

 

 

「⋯⋯ごめん、一緒に寝てもいいかな」

 

 グレイグの寝ているベッドに入り込むジュイネ。

 

 

「お前がそう望むなら、構わないが」

 

 

「ありがとう。⋯⋯二人旅してた時も、こんな風に一緒に寝たことあるんだけどね」

 

 

「⋯⋯⋯⋯」

 

 

「覚えてないよね、ごめん⋯⋯」

 

 

「いや⋯⋯謝るべきなのは俺なのだ。お前が大切にしてくれている記憶を、俺は殆ど思い出せないのだからな」

 

 

「仕方、ないんだよ。それが、代償みたいなものだもの」

 

 

「(代償⋯⋯ジュイネは一体どれだけの重荷を背負っているのだ)」

 

 儚げなジュイネを離すまいとするように、グレイグは優し目にジュイネの身体全体を抱き包む。

 

 

「あったかいなぁ⋯⋯何だか悲しくて、寂しくて眠れない時⋯⋯よくペルラ母さんに抱きついて眠っていたっけ。母さん、ふくよかだから抱き心地柔らかくて安心出来たんだよね」

 

 

「俺は何と言うかその⋯⋯堅いだろう」

 

 

「ふふ、そうだね。ペルラ母さんに比べると堅いけど⋯⋯しっかり護られてる安心感があるよ」

 

 グレイグの大胸筋にぴったりと顔を寄せるジュイネ。

 

 

「なら、いいのだが」

 

 

「眠ってから、このまま翌日なんて来なければいいって、何度思ったか」

 

 

「ジュイネ⋯⋯?」

 

 

「先代勇者の生まれ変わりとかである前に、僕は一人の人間に過ぎないんだよ。───それに僕は今だって、自分を勇者だとは思ってない。眠る時くらい、勇者であることを忘れたいんだ」

 

 

「⋯⋯⋯⋯」

 

 

「グレイグも⋯⋯せめてこの時だけは、勇者の盾ということも忘れてほしい。互いに一人の人間として、一緒に眠ってほしいんだ」

 

 

「⋯⋯判った、共にとことん眠ろう。何ならどれだけ寝過ごしても構わない。ここは俺とお前だけの、安らげる空間なのだからな」

 

 

「うん。⋯⋯そういえば、グレイグと一緒に暮らすことになったら、みんなすごい祝福してくれたよね。まるで村で何度か見たことのある、結婚式みたいな盛り上がり方だったよ」

 

 

「結婚式、か⋯⋯ふむ。今はまだ俺達は同棲の段階だと思うんだが。“正式に結婚していない者同士が同じ家で一緒に暮らす事”を意味するからな、同棲は」

 

 

「結婚は、また別ってこと?? うーん⋯⋯このまま結婚したってことにしてもいいと僕は思うんだけどな」

 

 

「それは、まぁ⋯⋯いやしかし、流石に邪神を倒して真の平和が訪れてからの方が良くはないか。奴は黒い太陽の中に未だ引きこもっているようだが、いつ中から出て来て暴れるか判らんしな」

 

 

「じゃあグレイグは⋯⋯邪神を倒して真の平和が訪れたら、僕と正式に⋯⋯その、結婚してくれるの?」

 

 

「───お前がそれを望むなら」

 

 

「その言い方はずるいよ、グレイグ自身の気持ちはどうなのさ」

 

 

「⋯⋯正直、俺ではお前に相応しくないと思っていたが、今となっては俺以外の誰にもお前を渡したくないというのが本音だ。だから、真の平和が訪れたら───改めて俺から告白しようと思っているよ」

 

 ジュイネの指通り滑らかな髪を愛しげに撫ぜ優しく囁くグレイグ。そしてジュイネは、お返しとばかりにグレイグを強く抱きしめる。

 

 

「⋯⋯⋯。やっぱりずるいよ、グレイグは」

 

 

 

end

 

 

 

 

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