轟轟戦隊ボウケンジャー Return−White.adventure   作:竜の蹄

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新作が出来ました。
同時に連載している仮面ライダークウガの方は、ゆっくりと書いていきますので、そちらも応援宜しくお願いします。

では、高丘映士の活躍を乞うご期待下さい!


task19 Positive Relife

「高丘映士?」

 

 とあるビルの一室内にて、ジョルダーナ会長が紅茶を飲みながら聞き返す。側では、秘書のレーブが控えていた。

 

「はい。旧ボウケンジャーのメンバーにして、かつてはボウケンシルバーと名乗った男。素性は、かの忌むべき種族『アシュ』を代々、監視する高丘流の最後の末裔にして……」

「そのアシュの血を引き継ぎし男……」

 

 会長は呟く。レーブから渡された書類には、高丘映士の顔写真と情報が記されていた。

 

「……奴も厄介な男だ。財団の裏の顔を知り過ぎている。明石暁が財団幹部の座を蹴り、その行方を眩ましてからは、奴も自ら財団を去った……。しかし、その数年後には、ネガティヴの被災者の救助ならびに支援を題目とした組織……何と言ったかな?」

「確か、Positive Reliefとか……」

 

 レーブが応える。会長はクックッと笑った。

 

「そう、ポジティブリライフだ。ネガティヴ()に対抗して、ポジティブ()とは……中々、洒落たネーミングだね……」

「会長……冗談を言っている場合では、ありません。高丘は、一度はサージェスに反発した男。にも関わらず、サージェスへの当て付けと言わんばかりに、ポジティブリライフを立ち上げ、数々の実績を手土産に、疑念を抱くサージェスに自ら近付き、サージェス傘下組織としての地位を確立、堂々とサージェスの中枢に探りを入れられる立場を手にし、また我々が下手に手出しの出来なくした……。ある意味では、明石暁以上の危険人物です」

 

 レーブの発した言葉に、会長は肩を揺らして笑った。

 

「……何か可笑しい事でも?」

「いやいや……可笑しいのでは無い。寧ろ、喜ばしい限りだ。巷では、サージェスに対するアンチが後を絶たず、サージェスこそネガティヴ以上の盗人だと批判する連中も居ると聞き及ぶからね。

 そんな中で、ポジティブリライフの存在は有難いものだ。ネガティヴの起こした事件によって出た民間人への被害からの救済を謳う存在を、サージェスは抱えていると言うのは、民間への好感をアピール出来る」

「……しかし、会長……。万が一、高丘の背後に明石暁の存在があったとすれば……例の計画が、知られてしまう恐れがあります……」

 

 レーブが告げると、会長は笑いを止めて紅茶をデスクに置いた。

 

「……例の計画……レプリカ・プロジェクトか……。確かに、プレシャトピアが見つかる前に、あの計画が露見するのは具合が悪い……。

 明石暁め……悉く、私を不快にさせてくれる……。奴の腹心であった“あの者”を抑えれば、問題無いとしたが……高丘をも手駒にしたか……。だが、私が下手に手を出せば……事態は……」

「悪くなる……でしょうね……」

 

 会長とレーブは顔を曇らせる。そして会長は顔を上げた。

 

「……と、なれば……B.E……か……。レーブ君?」

「はい」

 

 会長はレーブに向き直りながら言った。 

 

「彼等に伝えて欲しい。明石暁の探索は一旦、中止だ。代わりに、ポジティブリライフの周辺を監視し、高丘映士の身辺を探らせたまえ。それと……“奴”にコンタクトをとってくれないか。明石暁を捕らえる為に、二重に釘を刺す必要があるかもしれん……」

「了解しました……」

 

 レーブは短く応える。ジョルダーナ会長は立ち上がり、背後にある顔に巨大な窓に映る自分を見た。

 会長のモノクルを嵌めた右目が開く。

 

「……この目には未来が映っている……。私がプレシャトピアを征服した未来……しかし、その過程で起こる予想外の事態は解らぬ……。

 しかし、イレギュラーな出来事も予想を覆す様な結果も……其れ等があるから、冒険は楽しくて仕方がない……」

 

 会長は小さく微笑んだ……。

 

 

 

 その頃、サージェスランドでは…

 

 

「この、バカポンタン‼︎」

 

 ラアナは、ツルギとドゴランを叱り付けていた。

 

「全く関係ない子供を攫って来て、どーするのよ‼︎ 小僧の方を連れてこないで、小娘の方なんか連れて来て‼︎」

「落ち着いて下さい、ラアナ様」

 

 ツルギは、ラアナに殴られて出来たタンコブを摩りながら嘯く。

 

「娘は囮です。ボウケンジャーもいる以上、人質は取っておくに越した事はありません」

「むゥ……」

 

 ツルギの最もな意見に、ラアナは口籠った。確かに、ボウケンジャーと対峙するからには、民間で人質を取っておいて損はないからだ。

 

「……で、アンタの自慢のツクモロボは何処にあるんだい?」

「ご安心下さい。既に遊園地に向かわせました。何しろ、今回はプレシャス探しでは無いので、持ち運ぶ訳には行きませんし……」

「大丈夫なんでしょうね? 毎回、ボウケンジャーに良い所で負けてしまうんだから……。これ以上、醜態を晒したら、マスターDに、どんな仕置きを受けるやら……」

「……思い出させないで下さい……。先日は敗北と情報漏洩の罰ととして三徹もさせられて……! これ以上は負けは許されませんよ……」

「ドゴラン‼︎」

 

 話し込む2人を余所に、ドゴランが叫んだ。すると、3人の前に雪歩と旭真が現れた。

 

「来たわね、小娘‼︎ 今日こそは、その小憎らしい顔に敗北の文字を刻み込んであげるわ‼︎」

「毎度毎度、懲りないなァ……。もう若くないんだから、無理しない方が良いよ?」

 

 雪歩は呆れた様に、ラアナに嫌味をぶつけた。ラアナは顔を赤く染めた。

 

「黙らっしゃっい‼︎ 私は、まだまだイケてるわよ‼︎戦隊シリーズの 悪の女幹部は、美人だと相場が決まってるからね‼︎」

「……うわァ……自分で美人だって言った……。正直、痛いね……」

「……何、あのオバさん……。新手の変態?」

 

 雪歩と旭真は冷めた口調で毒吐いた。ラアナは、怒り心頭で地団駄を踏む。

 

「きいいィィィッ⁉︎ 相変わらず、ムカつく小娘だね‼︎そっちのガキも、大人を舐めんじゃ無いわよ‼︎

 こちとら、アンタの倍以上に生きてきたんだ‼︎ これだから、最近の餓鬼は嫌いなんだよ‼︎」

「大人が小学生に舐められてる時点で終わってんだろ?」

 

 旭真の痛い所を突いた言葉に、ラアナ達はグウの音も出なくなった。

 

「……あ、あ、あ〜〜〜!!!」

 

 ラアナは奇声を上げながら、奇妙な動きをした。

 

「ラアナ様、大丈夫ですか? いよいよ、更年期障害が……」

「違わい‼︎ わたしゃ、そこまで歳を食ってねェよ‼︎」

 

 心配したツルギに、ラアナは喚き散らした。

 

「……なァ……アンタ等、あんな変な連中とも友達な訳?」

「……友達じゃ無いよ。唯の変な人達」

 

 ラアナとツルギは漫才さながらのやり取りを見ながら、雪歩と旭真は会話した。

 其処へ、紺亮と菖も合流した。

 

「雪歩‼︎ やっぱり、ネガティヴの3馬鹿か⁉︎」

「全く……勤務外にまで、大概にして欲しいですわ……!」

 

 紺亮と菖も、ラアナ達に対しての感情は、かなり軽いものと言う認識であった。

 

「3馬鹿とは、無礼千万‼︎ 我々、新世代のネガティヴの急先鋒、ネオ・クエスターズ‼︎ 毎回、貴様等に負けっぱなしでは、沽券に関わるのだ‼︎ 今日こそは貴様等を倒し、これまでの雪辱を晴らしてくれる‼︎」

 

 ツルギが、紺亮の『3馬鹿』発言に対し、立腹しながら大仰に言い放つ。だが、雪歩達は呆れ顔だ。

 

「今まで散々、負けた癖に、いい加減に諦めたら?」

「フッフッフッ……ハァーハッハッハッハッ‼︎」

 

 ツルギが高笑いを上げた。菖は冷たい口調で…

 

「何ですの、馬鹿笑いなんて下品な……。とうとう、頭に来ましたの?」

「違う‼︎ これは勝利を確信した時の笑いだ‼︎ 貴様等は勝つ事は出来ないからな‼︎ あれを見ろ‼︎」

 

 ツルギが指を差す。すると、サージェス・キャッスルの3階バルコニーに釣られている物が見えた。

 

「も、桃花ちゃん⁉︎」

 

 それは、ロープで拘束され、バルコニーから吊るされた桃花だ。ツルギの眠り薬が効いている為、未だに気を失っている。

 

「貴方達、桃花を人質に⁉︎ 卑怯ですわ‼︎」

「 オーッホッホッホ‼︎ 何とでもおっしゃい‼︎ 私達はネガティヴ・シンジケート‼︎ 卑怯な手でも平気に使うわ‼︎」

「そして……このスイッチを押せば……ポチッとな‼︎」

 

 すると、ツルギの後ろにあった箱が燃え上がり、城のバルコニーに続く長いロープに火が付いた。

 

「この火が導火線を伝って、娘の居る3階に到達した時……娘は、サージェス・キャッスルもろとも、木っ端微塵‼︎ ロープの長さから言って、30分だな‼︎」

「ふざけんな‼︎ 子供は関係ないだろ‼︎」

 

 ツルギの勝ち誇った笑みに、紺亮は激怒した。無力な子供を盾にするとは、相手がネガティヴだとしても卑劣極まりない。

 

「そんな事を言ってる場合か⁉︎ 早くしないと、城ごと娘はドッカァァァンだ‼︎」

「……助けなきゃ‼︎」

「おっと‼︎ そうは行かないよ‼︎ カース、出番だよ‼︎」

 

 ラアナが指をパチンと鳴らすと、カース達が大勢、出現した。

 

「ツルギ‼︎ ツクモロボはまだなの⁉︎」

「今、到着しました‼︎ 吾輩が腕に寄りをかけて開発した最新型ツクモロボ! イタッシャ・ツクモをご覧あれ‼︎」

 

 ツルギは声と共に、園内を暴走して来る一台の車が見えた。其れは、ネガティヴ達の真横に到着した。

 

「な、何だ、ありゃァァ⁉︎」

 

 それは黒いボディの大型の車だ。しかし、ボンネットにはラアナの顔が、右のフロントドアにはツルギが、左にはドゴランが、屋根には『ネオ・クエスターズ』とペイントが施された所謂『痛車』だ。

 

「何だい‼︎ 最新型なんて偉そうに言っといて、唯の痛車じゃ無いか‼︎ こんなもので、どうやって戦うのよ⁉︎」

「フッフッフッ‼︎ 痛車に見えるのは、敵を油断させる為の見せかけ‼︎ さあ、イタッシャ・ツクモ‼︎ 変形するのだ‼︎」

 

 ツルギの掛け声で、イタッシャ・ツクモは変形し始めた。運転席が迫り上がって、両サイドのフロントドアが下に開く。すると左右から機関砲が出現し、後部座席が前後回転し、両サイドに分離して足を成した。

 そして屋根が左右に開くと、ロボットの顔が出現した。

 

「さあ‼︎ 初の小型化に成功したツクモロボ、イタッシャ・ツクモの威力を見せてくれる‼︎」

「なーにが、最新型だよ! これまでのと変わらないじゃねェか⁉︎」

「トランス○ォーマーのパクリ?」

 

 雪歩と紺亮には鼻で笑われる。だが、ラアナ達はイタッシャ・ツクモに乗り込んだ。ドゴランは巨大なので、イタッシャ・ツクモの背部に立つ形で搭乗しているが……。

 

「さあさあ、ボウケンジャー‼︎ 今日こそ、私達が勝たせて貰うからね‼︎」

 

 ラアナは得意げな顔で叫ぶ。だが、雪歩達もスーパーアクセルラーを取り出した。

 

「私達も変身するよ‼︎ レディ…‼︎

 

 ボウケンジャー・スタートアップ‼︎」

 

 雪歩の掛け声と共に三人はボウケンジャーに変身した。

 

「真しき冒険者! ボウケンホワイト‼︎」

「明るき冒険者! ボウケンネイビー‼︎」

「逞しき冒険者! ボウケンバイオレット‼︎」

 

「果てなき冒険魂!

 

 轟轟戦隊! ボウケンジャー‼︎」

 

 3人の名乗りと共に、ボウケンジャーとネガティヴの戦いが始まった。

 

 

 

 その頃、旭真は単身でサージェス・キャッスルへ向かっていた。その際、後ろを振り返ると、ボウケンジャー達の姿があった。

 

「あの人達、父さんと同じ……!」

 

 旭真は思い出す。まだ、幼い頃に父親に見せて貰った事がある。かつて、父と母がサージェスに身を置いていた際、ボウケンジャーとして戦っていた事を……。

 旭真は胸が高鳴るのを感じた。彼にもまた、ボウケンジャーの熱い血が流れているからだ。だが、旭真は首を振る。

 

「冒険なんか嫌いだけど……桃花を助けなきゃ‼︎」

 

「1人でかい?」

 

 突如、声がした為、振り返ると、蒼太と菜月の姿があった。

 

「菜月ねえちゃん⁉︎ 蒼太さんも、何で⁉︎」

「子供1人で助けに行くなんて危ないよ?」

 

 菜月に諭されるが、旭真は怒った。

 

「子供扱いするな‼︎ 俺は不滅の牙『明石暁』の息子、明石旭真だ‼︎親父に出来て、俺に出来ない事なんかあるか‼︎」

 

 そう叫ぶ旭真に2人は、かつて自分達を率いたリーダーの姿が重なった。父親を嫌いながらも、反発しながらも確かに彼の熱い信念は受け継がれていた。どんな苦境にも負けない『熱き冒険魂』を……。

 

「……そうだね……。君は間違いなく、明石チーフの息子だ‼︎」

 

 蒼太が言うと、旭真は顔を赤くして背ける。

 

「……アイツは俺が助ける‼︎ だから、アンタ達は……‼︎」

 

「菜月達は、君をサポートするよ‼︎」

 

 その際、旭真の前で光が迸る。再び見てみれば、青いボウケンスーツを身に纏った『高き冒険者』ボウケンブルーと、黄色いボウケンスーツを身に纏った『強き冒険者』ボウケンイエローの姿があった。

 

「この姿になるの久しぶり〜‼︎ 蒼太さん、鈍ってない‼︎」

「問題無いさ! 菜月ちゃんこそ、無茶はしない様に!」

「分かってるよ〜‼︎」

 

 旭真は目の前に現れた2人の冒険者の姿を釘付けになる。冒険なんて、ダサいと思っていた。夢を見るなんて、子供みたいだと馬鹿にしていた。しかし、さっきからある胸の高鳴りは抑えられないでいた。

 

「よし! 行くよ、旭真くん‼︎」

 

 ボウケンイエローに促され、旭真は走り出した。

 

 

 

 その頃、サージェス・キャッスル前では、大乱戦となっていた。迫り来るカースを倒しながら、イタッシャ・ツクモの銃撃を防ぐ。

 ホワイトは隙を探すが、ツクモロボの防御は盤石であり、攻めいる場所が見当たらない。

 

「オーバーヒート……クラァァッシュ‼︎」

 

 ホワイトのボウケンアームズ、ボウケントンファーが煙を噴きながらカースを蹴散らす。

 其処にネイビーが、バイアスワインダーでカースを一気に締め上げる。

 

「ラウンドサイクロン‼︎」

 

 巨大な竜巻を発生させながら、カースを一気に吹き飛ばしていった。バイオレットが、フリーズライオットのトリガーを引いた。

 

「フルショットブリザード‼︎」

 

 放たれた冷却弾が、カース達を瞬く間に凍り付かせ、粉々に砕け散らせた。

 カースは全て鎮圧したが、イタッシャ・ツクモは無傷のまま、ボウケンジャーの前に立ちはだかった。

 

「さあ、ボウケンジャー‼︎ この、イタッシャ・ツクモの鉄壁に防御と火力の前に、どう対峙する⁉︎」

 

 ツルギが勝ち誇りながら、ホワイト達を追い詰めた。ホワイトは、サバイバスター・カスタムどで狙い撃つが、ドゴランの放つ火炎砲で相殺され、イタッシャ・ツクモに掠りすらしない。

 

「くそッ‼︎ 接近させ出来りゃ、サバイブレードで斬ってやるのに‼︎」

 

 ネイビーは悔しげに唸る。しかし下手に接近すれば、イタッシャ・ツクモの砲撃で狙い撃ちにされ、頭上から攻めても、ドゴランの攻撃で叩き潰されるのがオチだ。

 

「オーッホッホッホ‼︎ 流石のボウケンジャーも形無しの様だわね‼︎ さァ、ツルギ‼︎ さっさと始末しておしまい‼︎」

「ハッ‼︎」

 

 ツルギがスイッチを押すと、イタッシャ・ツクモの両腕の機関砲に加え、胴体から巨大なバルカン砲が出現した。

 これで一斉砲撃し、ボウケンジャー達を一網打尽にするつもりだ。

 

「……今回は相手が悪いですわ‼︎ サバイバスター・カスタムでは、さしたダメージは見込めませんし……‼︎」

「まだだよ‼︎ 私達には、これがある‼︎」

 

 バイオレットの警戒する言葉の後、ホワイトはアプリから転送したデュアルクラッシャーGを取り出した。

 

「デュアルクラッシャーGか……‼︎ 確かに当たりさえすれば大ダメージだろうが、後の反動が……‼︎」

「それに当たると分かっていながら、自分から当たりに来るとは思えませんわ‼︎」

 

 ネイビーとバイオレットは、デュアルクラッシャーGのデメリットを知っている。

 強大な破壊力を持つ反面、発射するまでに時間が掛かる。更に撃った後の反動も考慮すれば、今このタイミングで使用するのは危険だ。

 

「でも……‼︎」

「どうやら、打つ手無しらしいね‼︎ ツルギ、やっておしまい‼︎」

「了解‼︎」

 

 再びスイッチを押すと、イタッシャ・ツクモの両肩からミサイルが発射された。

 ミサイルは、ボウケンジャーにでは無く、サージェスランド内の各地に落ちて、爆発を引き起こした。

 

「な、何をしてるの‼︎ 狙いは私達でしょう⁉︎」

「ハッハッハッ‼︎ それでは、我々の気が済まんのだよ‼︎ ボウケンジャーの守るべき民間人共にも、巻き添えにしてやらねばな‼︎」

 

 ツルギは下卑た笑みを浮かべた。ネイビーは憤る。

 

「……コイツ等……‼︎」

「さァ、ボウケンジャー達‼︎ これ以上の被害を出して欲しくなければ、大人しく武器を捨てる事ね‼︎」

「……どこまで卑怯ですの……‼︎」

 

 バイオレットも口惜しげに呻く。ホワイトは少し考えたが、サバイバスター・カスタムとボウケントンファーの持つ両手を上げた。

 

「ホワイト⁉︎」

「2人共、此処はアイツ等に従おう⁉︎ サージェスランドのお客さんや、桃花ちゃんに罪は無いよ!」

 

 ホワイトの言葉を聞いて、ネイビーとバイオレットも手を上げた。

 

「く、クソッタレ‼︎」

「……止む終えませんわね……‼︎」

 

 そうして、2人は武器を手放した。そして、ホワイトも両手から武器を手放し、下に落とした……。

 だが、次の瞬間、ホワイトはその場に屈み込み、落ちる寸前のサバイバスター・カスタムを掴み……トリガーを引いた。

 放たれた一発の光弾は、ドゴランの顔に衝突した。

 

「ド…ドゴラァァァァァァッ!!!」

 

 ドゴランは顔を抑えながら痛みの余り、暴れ回った。突然の事態に、ツルギも混乱した。

 

「や、止めろ、ドゴラン⁉︎ 暴れるな‼︎」

「ちょっと、何をしてるんだい⁉︎」

 

 ドゴランが暴れた事で、イタッシャ・ツクモの動きは混乱をし始める。ホワイトは、この瞬間を狙ったのだ。

 

「皆、今だよ‼︎」

「やるじゃねェか、ホワイト‼︎」

「ファインプレーでしたわよ‼︎」

 

 ネイビーとバイオレットもすかさず、サバイバスター・カスタムを拾い上げる。そして、3人は同時に構え

 

「「「ジ・エンド・シュート!!!」」」

 

 サバイバスター・カスタムからの一斉射撃が、イタッシャ・ツクモを狙撃した。全弾がヒットしたイタッシャ・ツクモは大きく揺らいだ。

 

「「ぎゃあァァァァァァァァァッ‼︎」」

 

 ラアナとツルギの悲鳴と共に、イタッシャ・ツクモは爆発と共に倒れ伏した。両腕の機関砲は、その際に破壊された。

 

「やったァァァッ‼︎」

 

 ホワイトが勝利を確信する。イタッシャ・ツクモは倒れたまま動かない。

 

「今の内に、桃花を助けなければ!」

 

 バイオレットが2人を促す。ホワイト、ネイビーは頷き、サージェス・キャッスルへ走り出した。

 だが、イタッシャ・ツクモは急に稼働し出し、側にいたホワイトに新たに出現した多数のコードがホワイトを捕まえた。

 

「ホワイト‼︎」

「く…‼︎ 離せェェ‼︎」

 

 ホワイトはもがくが、もがく程にコードは複雑に絡まり身動きを制限された。

 

「オホホホ‼︎ 小娘が‼︎ お前だけでも絞め殺してやる‼︎」

 

 ラアナが血走った目で叫ぶと、コードがホワイトを更に締め付ける。

 

「アアアアッ!!!」

 

 ホワイトは苦しげに叫ぶ。ギシギシと嫌な音がした。

 

「この‼︎ ホワイトを放しやがれ‼︎」

 

 ネイビーはサバイバスター・カスタムを向け、コードを狙う。だが、バイオレットが制した。

 

「やめなさい、ネイビー‼︎ ホワイトに当たったら、どうしますの⁉︎」

「だけど、このままじゃ…‼︎」

 

 ネイビーの腕を疑う訳では無いが、コードのみを撃ち抜くにはかなりの技術を要する。それこそ、戯曲のウィリアム・テル級の腕と視力が無ければ、ホワイトに当たってしまう。

 

「……紺くん……菖ちゃん……。私は良いから……桃花ちゃんを……ウグァァァッ‼︎」

 

 ホワイトが2人に語り掛けるも、コードがホワイトの首をも締め付けた。

 

「あ……が……‼︎」

「オーッホッホッホ‼︎ いい眺めだ事‼︎ ツルギ、さっさと小娘を締め潰して、ハンバーグにしておしまい‼︎」

「了解‼︎」

 

 ツルギは再びスイッチを押し、コードが更に強まる。このままでは、アクセルスーツの強度限界を超えて、雪歩にもダメージが受けてしまう。

 ネイビーは何も出来ない事に、歯軋りするしか無い。

 

「チクショー‼︎ 雪歩〜‼︎」

 

 ネイビーは絶望に苛まれながら叫ぶが最早、打つ手は無しと思われた。と、その時、後ろから複数発の光弾がコードを射抜いた。

 コードが切られた事で、ホワイトは解放された。

 

「ホワイト! 大丈夫ですの⁉︎」

「だ…大丈夫…‼︎ ちょっと、ヤバヤバだったけど……」

「だけど、誰が…⁉︎」

 

 バイオレットが銃撃した人物を探すと、遠く離れた場所に立つ人物に気が付く。

 それは茶髪を肩まで靡かせ、銀色の隊員服を着用した青年だった。手には見慣れないライフル状の武器を構えている。

 

「あ、あんな離れた場所から⁉︎」

「な、何者ですの⁉︎」

 

 ネイビーとバイオレットは騒めくが、青年は意に返さずに近寄って来る。

 青年は3人は見下ろしながら、鼻で笑った。

 

「あの程度のネガティヴに遅れを取るとは……野菜を食べてるか? 最近のボウケンジャーも随分と小粒になったもんだ」

「ああ⁉︎」

 

 いきなり喧嘩腰で言われた事に、ネイビーが目鯨を立てた。

 

「助けてもらった事は礼を言いますけど、仮にもプロに対して不遜では無いですの?」

「気に障ったか? だが、あまり怒ると綺麗な顔が台無しになるぜ? 植村財閥のお嬢さん?」

「な⁉︎」

 

 バイオレットの素性を言い当てた青年は、ニヤリと笑ってみせる。

 

「な、何で私の素性を⁉︎」

「サージェスの情報量を甘く見るな。今のサージェスは、世界中に目と耳を張り巡らせている。

 知られたく無いなら、情報の取り扱いには気をつけな。特に、ジョルダーナ会長にはな……」

 

 青年は笑みを消し、厳しい口調になる。

 

「あ、アンタ、何モンだよ⁉︎」

「俺は高丘映士。お前さん達の先輩さ。そして『Positive Relife』の責任者でもある」

「ポジティブ? ネガティヴと、どう違うの?」

「‼︎ 貴方、まさかP.Rの人⁉︎」

「知ってんのか?」

 

 バイオレットが何かを察した様に叫ぶ。ネイビーが怪訝そうに尋ねた。

 

「ええ……。『Positive Relife』とは……ネガティヴの起こした事件の二次災害から人々を守る為に組織された救助組織ですわ……。

 噂には聞いていましたが、こんな若々しいリーダーだったなんて……」

「俺様の事も中々、気を入れて御披露目されてるみたいだな……。まァ、お前等がプレシャスを追い求める傍らで、俺様が活躍してるって訳だ。宜しくな」

「……一々、鼻につく奴だな……」

 

 映士の言葉に、ネイビーは嫌悪感を募らせる。その時、ラアナ達が喚き始めた。

 

「ちょっとちょっと‼︎ 人の戦いに横から茶々を入れるんじゃ無いよ‼︎ ポジティブだが、シンキングだかしらないけどさ‼︎ ネオ・クエスターズの邪魔をしようってんなら容赦はしないよ‼︎」

「そうだ‼︎ 我々、新世代ネガティヴの崇高な行いは何人たりとも邪魔はさせん‼︎」

 

 ラアナとツルギの言葉を映士は鼻で笑った。

 

「崇高? あまり、笑わせるな。寧ろ、お前等みたいな連中が居るから、俺様が必要になるんだ。

 それにしても、お前等がネガティヴだって? 昔の方が強かったくらいだ。ボウケンジャーとネガティヴのレベルも随分と落ちたもんだ……」

「ねェねェ。ネガティヴの事、低レベルだって」

「俺達も下げられてるけどな……」

 

 映士の嘲りを無邪気に捉えるホワイトと、自分達も貶められてる事に腹を立てるネイビー。

 ラアナは激怒する。

 

「かァ〜‼︎ 低レベルだって⁉︎ 薄々、気づいていた事をハッキリ言ってくれるじゃ無いの‼︎

 なまじ良い男なだけに、余計にムカつくよ‼︎」

「我々も侮辱されたものだ‼︎ ならば、低レベルが否かを、その身に叩き込んでくれる‼︎

 イタッシャ・ツクモ‼︎ 標的変更だ‼︎ あのムカつく男を叩き潰してしまえ‼︎」

 

 ツルギの命令にイタッシャ・ツクモは再び、動き出した。映士が前に立つ。

 

「お、おい‼︎ アンタ、戦えんのかよ⁉︎ ネガティヴと闘うのは、俺達の仕事だぞ⁉︎」

「黙って見てろ。ボウケンジャーの戦い方を後学の為に見せてやる! ゴーゴーチェンジャー・ネクスト、スタートアップ‼︎」

 

 映士が右腕の裾を捲ると、其処にはスーパーアクセルラーとは異なる変身ブレスが装着されていた。

 そして、キーを押していくと、映士の体を眩い光が包み、銀色、オレンジ、黒を基調にしたボディスーツを纏う。更に頭部には同じ銀色でアンテナの様な角の付いたヘルメットが装着、更には両肩にショルダーアーマーが出現した。

 そして胸部にはサージェスのマークの上にP.R.のアルファベットが記されていた。

 

「変身完了! 眩き冒険者! ボウケンシルバー、参上‼︎」

 

 高丘映士改め、眩き冒険者ボウケンシルバーが姿を現した。

 

「ぼ、ボウケンシルバー⁉︎」

「マジか……⁉︎」

「この方が、私達の前に戦っていたボウケンジャーの一員⁉︎」

 

 3人は驚いていた。しかし、ラアナは余裕綽々としていた。

 

「はッ! そんな使い古した変身スーツで、私達に勝てると思ったか‼︎ ツルギ、ドラゴン‼︎ やっておしまい‼︎」

「アラホラサッサー‼︎ ……って、紛らわしい言い方しないで下さい、ラアナ様‼︎ 我々はネオ・クエスターズであり、ド○ンボーでは無いのですぞ‼︎」

「ドラゴン……!」

「細かい事は良いんだよ‼︎」

 

 漫才みたいな掛け合いをするネオ・クエスターズに対して、ボウケンシルバーは自身の武器を構えた……。

 

 

 

 次回予告‼︎

 

 参戦してきたボウケンシルバーは圧倒的な強さを見せる‼︎ しかし、それとは別に、旭真達の前には謎の敵の襲撃が襲った。

 果たして、ボウケンジャーは桃花を救えるか⁉︎

 

 次回! 轟々戦隊ボウケンジャー

 Return−White.adventure

 task20 闇の襲撃者、現る!

 

 ???「ウゥゥ……オレハ……オ前ハ……⁉︎」

 菜月「……貴方、一体⁉︎」

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