IS〜有限に憧れし者〜   作:クロノ9696

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とある日の話

「シャルロット…………」

 

黒乃が呟くのはかつての友の名。

これから敵対する相手の名前。

 

思い出すは約96000年前、初めての転生で、このISの世界にやって来た時のこと。

 

 

今思えば、黒乃は彼女が好きだった。

好きだからこそ、彼女を傷つけたくないが為に、黒乃は彼女を拒絶しようとした。

 

しかし、黒乃を理解しようとし、受け入れようとしてくれたのは、彼女が始めてだった。

 

だから、彼女が私を殺してしまい、とてつもなく大きな傷を受けてしまった筈だ。

 

 

だから次のIS世界に転生した時から、彼女には近づく事をせず、一人気ままに生きた。

 

 

今回はそうはいかない。

敵対しなくてはならない。

はっきり言って、彼女と勝負はしたくない。

 

「…………考えるのはやめよう。虚しくなる」

 

そう言って、黒乃はその場から移動し、ベッドへダイブする。

 

(……………………カタッ)

 

「ん?おいクロノ、何か落ちたぞ」

 

落ちた物を拾いながらスパロウは話しかける。

どうやらUSBのようだ。

 

「…………あぁ、それは私のIS【空亡】のデータ」

「データ?」

「私の心臓と、空亡のコアが融合しているのは前に話しただろう?融合していてもIS自体は徐々に消耗していくんだ」

「だからデータにして、消耗している箇所を調べるのか」

「まぁそんな感じ、それに今まで調べて来た情報とかも入ってるし、案外大事な物なんだ」

 

「…………成る程。なぁクロノ、ちょっとだけコレを貸してくれないか?」

「…………別に良いが。何に使うんだ?」

「お前の調べて来た情報の中に、効率良く掃除をする方法とかあるかもしれないからな」

「…………無いと思う。一応コピーもあるから、それはあげる。私のISのスペックを見て、驚くと良い」

 

クロノはドヤ顔をした後、布団に潜り込んだ。

 

 

 

「…………空亡のデータ、か。もしかしたらだけど、空亡という人格のデータもあるかもしれないな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とある学園の屋上

 

 

「…………黒乃。君は今何処で、何をしているのかな」

 

男装の麗人が、ボソッと呟く。

呼んだ名前は、記憶の奥底にあった、とても大切な人の名前。

 

何故覚えているのかは分からない。

ただ一つ言えるのは、

 

 

彼女もどうやら、覚えている人物の一人のようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とある研究所

 

 

「束様。話がしたい、と人が訪ねて来ました」

「ん〜?誰だか分からないけど、とりあえず通して」

 

ここにいるのは、篠ノ之束とその娘クロエ・クロニクルだけだ。

そもそもこの研究所は特殊なバリアが貼られており、普通なら近づくことも出来ない。

 

だから、此処まで来た人物に興味が湧いた。

 

 

「分かりました。それでは入ってください」

 

その言葉と共に、一人の男が入って来る。

 

 

 

束はその人物が誰なのか、直ぐには分からなかった。

何故なら、身体のほぼ全てが機械だったからだ。

 

いや、ちゃんと皮膚はある。

目の前にいるのは見た感じちゃんとした人間だ。

 

だが篠ノ之束は、見ただけでその人物の身体が機械である事が分かった。

 

「…………誰かな?私の知り合いに、君みたいなのは居ないんだけど」

「一応、あったことも話したこともあるんだけどな。まぁしょうがない、姿も形も変わっているからな」

 

そう言った後、男は懐からUSBを取り出す。

 

「…………クロノが持つ全ての情報がこの中に入っている」

「…………⁉︎」

 

「俺が調べた所、ほぼ全てのデータは閲覧出来たがある一つのデータだけ、見ることが出来なかった」

「…………そのデータのロックを解いて欲しい訳だね」

 

「ああ、俺は知りたいんだ。データは奴の転生人生、約96000年全てのデータが記されてあった。その中に、何度か自分のISに身体を乗っ取られる記述があった」

「…………」

 

「俺の予想が正しければこのデータは、クロノのISが持つ人格が書き込んだ物だ。何故身体を乗っ取ったりしたのか、それら全ての情報が、IS目線で打ち込まれている筈だ。俺はそれが知りたいんだ

 

 

 

 

おなじ、転生者として」

 

 

 

 

 

 

目の前の男は、財前黒乃を助けようとしているのだろうか。

いやそんな事はどうでも良い。

だが、束も知りたい。

約96000年の人生と、目の前の男は言った。

私が財前黒乃の事を覚えていることも、何か分かるのではないか。

 

「…………分かった。今すぐ解析を始めるよ」

 

束は男からUSBを受け取る。

 

「そういや、君。名前は?」

 

 

 

 

「俺の名はスパロウ。

 

 

 

 

その昔、織斑秋十として転生したこの世界には居ない筈の人間だ」

 

 





次の話は、前作「インフィニットストラトス・努力チート参ります‼︎」の最終章の内容に触れます。

知らなくても、覚えて居なくても大丈夫なように書くつもりですが、もしかしたら分からなくなるかもしれません。


その時は、素直に文句を言ってください。
コピーも取らずに削除した、作者が一番悪いのですから。


空亡が語るは古の記憶。

空亡の行動の意味とは、何故身体を乗っ取ったりしたのか。

何故束とシャルロットは黒乃の事を覚えているのか。


いま、この世界の真相が明らかになる。
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