IS〜有限に憧れし者〜   作:クロノ9696

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青天の霹靂

 

「……………………」

 

黒乃は黒いペンを持ち、カレンダーにキュッと×を書く。

 

計画の実行は明後日に迫っていた。計画の失敗は許されない。

だが、余程のイレギュラーが起きない限り失敗はしないだろう。

黒乃には失敗しない自信がある。

 

一つ気掛かりなのは、最近スパロウがよく出掛ける事だ。

裏切り行為ではないとしても、何をしているのか気になる。

 

いや、そんな事はどうでもいい。

 

ただ…………

 

「寂しいなぁ…………」

 

やはり、一人は寂しい。

 

寂しさを紛らわせる為に、黒乃は布団に入り、眠る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わりとある喫茶店。

 

物静かな雰囲気を醸し出すその喫茶店の一角に、異様なスピードで皿が積まれていくテーブルがあった。

 

「…………さ、桜さん。どれだけ食べる気なんだよ」

「…………まぁ、数十人前ぐらいかな」

 

その言葉を聞き顔を強張らせるスパロウと、上品ではあるが人外じみたスピードで料理を食べる吹寄桜。

 

「…周りの客の視線が痛い。だが、それよりもこいつの食べるスピードより早く料理を作る料理人が人外じみてる…………」

 

さっきから厨房から奇声に近い唸り声が聞こえてくる。

恐らくその顔は鬼神の如く強張り、調理するスピードが早すぎて阿修羅みたいな残像が見えている事だろう。

 

「…………さて、本題に入るぞスパロウ。私に全てが視えていることは知っているな」

「ああ、知っているぞ」

「だが、一つだけ分からないことがある。何故お前が、何の関係もない筈の黒乃の為にそんなに必死になっているのか…だ」

 

桜の問いかけに、スパロウは表情を一切変えず、軽い笑みを浮かべたまま答える。

 

「確かに他人からしてみたら、変に見えるかもしれない」

「…………」

「だが、俺は思い出した。何故転生することになったのか、その理由を…………な」

「…………理由か」

「ああ、転生直後は何故かハーレムを目指していたが、本当は違う。本当の目的は、黒乃によって培養液に入れられている時に思い出した」

 

 

「…………俺と黒乃は、切っても切れない関係なんだよ。簡単に言えば、俺はあいつを助ける為に転生したといっていい。

 

なぜなら俺と黒乃は…………」

 

 

 

 

スパロウの口から語られたのは、信じがたいことであった。

 

 

「成る程、それなら納得がいく。しかし、それを黒乃本人に言わなくていいのか?」

「この事は、もし俺に何かがあった時に桜さんの口からあいつに伝えてくれ」

「…………私は別にいいが、黒乃が納得するかどうか」

「…………あいつはそんなに弱くないさ。大丈夫だろう」

「…………そうか」

「ただ、一つ気になるのはあの事件だな」

「集団殺人事件か」

「あの事件は、嫌な予感がするんだよ」

「…………確かに」

 

 

顔をしかめながらも、二人は席を立ち、会計へ向かう。

 

「お会計は155250円です」

「えっ、マジ⁉︎」

「では、私はここで失礼する」

「おいっ‼︎待てよ‼︎…………………すみません、カード払い出来ますか?」

「無理ですね」

「…………ちょっと銀行行って来ていいですか? 身分証は置いておきますから」

 

 

スパロウは、メロスの気持ちが始めて分かった気がした。

 

 

 

 

 

次の日。

 

黒乃は買い出しのために、買い物に来ていた。

 

「…………さて、今日の晩御飯は何にするかn(ドンッ)あっ、すみまぜっ⁉︎」

「こちらこそ申し訳あり…………ま」

 

黒乃がぶつかったのは、金髪の美少女…………そうシャルロット・デュノア。

 

 

言い換えれば、元カップルが偶然鉢合わせた。

 

 

まさに青天の霹靂である。

 

 






口調が心配やね。
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