IS〜有限に憧れし者〜   作:クロノ9696

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刺激

 

 

転生者とは、転生する前の記憶を持って転生するのがよくある。

 

そう、記憶を持って転生するのだ。

 

逆に言えば、いままでの記憶を全て持って生きてゆくのだ。

 

黒乃の場合、約96000年の記憶を持って生きている。

その一分一秒を全て記憶して生きている。

 

つまり、黒乃は長い時の中でこの世に存在するほぼ全ての刺激を体験した。

 

飽きているのだ。

 

今、この瞬間に飽きている。

 

だから彼は、刺激を求めて各地を回る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最初の転生を終えた後、黒乃は黒乃を転生させた者に話を聞かされた。

 

その内容は、【転生者がハッピーエンド以外の結末で人生を終えた時、再度転生しなくてはいけない。なお、ハッピーエンドの基準は天上界によって決められている】というものだ。

 

それから数十回の転生は、死ぬ気でハッピーエンドを目指したが、転生を終えることは出来なかった。

 

世界中を幸せにしても駄目、悪の化身を倒しても駄目、魔王を倒しても駄目、ヒロインと結婚し幸せな家庭を築いても駄目。

 

黒乃は思いつく限りのハッピーエンドで人生を終えたが、転生を終える事は今だにできていない。

 

 

そんな時黒乃は思いつく。

 

誰も死ななかった世界がハッピーエンドではないのか、と。

 

黒乃は次の転生先で実行したが、失敗に終わる。

 

黒乃は再度思いつく。

 

誰も死ななかった世界。

 

黒乃がオギャーと生まれたその瞬間から、黒乃が寿命を終える迄、誰も死なない事がハッピーエンドの条件なのでは?

 

絶望的な答えだ。

 

無理に決まっている。

 

 

これが転生の正体。

 

転生は救いなどではなく、地獄なのだ。

 

永遠に人生をやり直させ続ける。

 

 

 

だから黒乃は諦めた。

 

永遠に絶望し、有限の美しさを追い求める。

 

寿命以外で死ねない人生を、充実した人生にしようと決めた。

 

 

約90000年前の事だ。

 

 

勿論、直ぐに飽きてしまい。

 

今となってはほぼ世捨て人だ。

 

 

 

だから黒乃は電話をかける。

 

 

相手はスコール・ミューゼル。

 

新たな刺激を求めて、あるはずのない刺激を求めて、黒乃は電話をかける。

 

 

 

 

 

 

 

 

数年後、ドイツのとある森の中。

 

 

「…………着いた」

『着いたのね。それじゃ、任務開始よ』

「りょー…………かいー」

 

黒乃は亡霊企業にはいり、スコールの元で働いていた。

 

 

『今回の目的は、廃棄予定の遺伝子強化素体の回収よ。一人でもいいから、必ず連れて帰って来なさい』

「…………むっ…わかった」

『最近出来たドイツ軍のIS部隊の隊長も、遺伝子強化素体という話よ。必ず役に立つわ』

「…………私は…………四人で…………十分だけど」

 

スコールの部隊はスコール、オータム、マドカ、クロノの四人だ。

黒乃自身は嫌がっているが、統一する為にカタカナで登録してある。

 

 

しかし問題がある。

オータムとスコールはカップルで、イチャラブしている率が非常に高い。

マドカは家事も何も出来ない為、任務以外の時はゴロゴロしている。

 

そう、家事全般は黒乃の仕事なのだ。

 

女が三人もいるのに、誰一人として家事をしようとしない。

マドカなんて、着れたらいいとか言って服を洗おうともしない。

 

黒乃は改善しようと頑張ったが、直ぐに諦めた。

それぐらい酷いのだ。

 

 

ここへ一人追加されたら、流石に黒乃も怒るしかない。

 

しかし任務は任務。

連れて帰らない訳にはいかない。

 

そんな事を考えながら、黒乃は最後の研究員を刻んだ。

 

 

 

「(カタカタカタカタ…………)んっ…………発見」

 

全ての研究員が死に、静まり返っている研究所の中で、黒乃はコンピュータを調べていた。

 

「…………惨い…………鬼畜の…所業」

 

そんな中、実験記録を見つけた。

 

どうやらこの場に残っている遺伝子強化素体は、一人しかいない。

そしてその一人を、研究員全員で改造していたみたいだ。

 

「スコール…………こいつで…………いいよね?」

『一人しかいないのなら、その子で決定よ。それだけ改造してあるなら即戦力ね』

「…………とりあえず…………最初に家事を…………覚えさせる」

『…………そうね』

 

黒乃はその場を後にし、連れて帰る予定の子がいる所へ移動する。

 

場所は地下。

 

真っ白な部屋の中に、その子はいた。

 

 

 

ほぼ裸同然の姿で、部屋の隅で体育座りをしている。

実際の年齢は分からないが、見た目は10歳ぐらいだろう。

 

「…………助けに…………来た」

「…………」

「…………出来れば…………反応が…………ほすぃ」

「………………………………zzZ」

「…あっ…………寝てる」

 

反応が無かったのは寝ているからだろう。

そう思い、黒乃はその子の元へと近づく。

 

「…………女…………か」

 

体育座りをしている子は女だった。

実験記録は文章だけだったから、気づかなかった。

 

自分が着ていた返り血で真っ赤に染まったローブで女を包み、ISを展開する。

 

 

次の瞬間、研究所は跡形もなく消え去る。

爆発などの類ではない。

まるで灰になったかのように、その場から消え去った。

 

 

 

 

そして黒乃は帰路に着く。

 

 

 

 

 

 

「…………おにーさん、何者ですか?」

「…………私は…………黒乃」

「クロノさんですかー」

「…………あなた…………は?」

「自分ですか?名前は考えた事無かったですね」

「…………なら…スコールに…付けてもらうといい」

 

 

そんな雑談を繰り広げながら、クロノは隠れ家へと帰宅した。

 

 






駄文です。

さて、この女ですが名前が決まってません。

考えるのもだるいです。

ですが、この女は重要人物。

重要な役割を担っている訳です。

さて、名前はどうしようかな?

あっ、黒乃は強さの次元が違います。
片手で千冬を圧倒出来るレベルだと思ってください。
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