「……………………」
「……………………」
何も知らない人から見たら、異様な光景だろう。
中世的な学生2人が睨み合っている。それも至近距離で、文字通り目と鼻の先で。
「…………黒乃、久し振りだね」
「ひ、久し振りだね。シャルロット」
「ちょっと話がしたいから、一緒に来てくれる?」
「…………」
黒乃は無言で、先を歩いていくシャルロットについて行く。
場所は変わって、地図上に存在しない場所。
「…………君の事は分かったけど、本当にやるつもりなのかい?」
「当たり前だ。俺はあいつの為なら何だってする。それが俺の生きる意味だからな」
「それだけ大切に思っているなら、こんな所や協力者の所ばっかり行かずにさ、くろちゃんの所に行ってあげなよ」
「束博士、そうしたいのは山々だ。だけど俺はあいつの為に何もしてやれない。俺がしてやれるのはこれぐらいなんだ」
ふーん、と納得したかのように束は頷いた後、パソコンの前に移動する。
「スパロウ、君が来た理由は簡単にわかるよ。くろちゃんに依頼した黄金の女の情報でしょ?」
「話が早くて助かる。空亡のデータにもあった【破滅の願い】を持つ者、黄金の女。俺の予想ではあいつがラスボスだ」
カタカタとパソコンを叩いていた束が、指を止める。
「…………一つだけ聞くよ」
「何だ?」
「「君の知る黒乃が、私達の知るクロノとは全く別の人間になっていたとしたら、君はどうするつもりなんだ(なの)?」
「「…………えっ?」」
「…………どういう事なの?黒乃」
「言葉そのままの意味だ。シャルロットの知る黒乃と、私が全く別の人間だったとしたら、シャルロットはどうするつもりなんだ?」
再び場所は変わり、とある喫茶店。
「…………そうだね。君と僕の知る黒乃が別だったとしても、僕は君の為なら可能な限り手伝うつもりだよ」
シャルロットの言葉に嘘は無い。彼女の眼が、その覚悟を語っている。
だからこそ
「なら、その偽善はここで終わりだ」
「えっ?」
「シャルロットが私の為に手伝う事など何も無い。私のやっていることは、私だけの問題だ。誰にもこの問題は解決させない。誰にも関与させない。
スパロウは、何かしてるみたいだけどね」
そういってクロノは席を立つ。
シャルロットの方を見ようとせず、目を伏せ、出口へと向かう。
「ちょっと待って‼︎」
シャルロットが駆け寄る。
「何でそんな事言うの!私は本気だし、命を捨てる覚悟も決めてる!それなのに何でなの?…………なんでなの黒乃‼︎」
見てみればシャルロットの眼は潤んでいる。
「言っただろ、これは私の問題だ。それに…………」
「お前は私の事を全く知っていない。私がここまで来る為に払った犠牲も、殺した人間の数も、何も知らないんだ」
「何も知らない君が‼︎私の為に何をするつもりなんですか‼︎
はっきり言います、目障りでしかない。君が命をかける必要何て、何処にも無い‼︎」
明らかに激昂しているように見えるクロノだが、その言葉にシャルロットは違和感を感じていた。
「…………ちょっと待って、今なんて言ったの⁉︎【君】?【敬語】?おかしい、おかしいよ黒乃‼︎」
「何がだ」
「……………………そうか、そういうこと何だ」
シャルロットはそう言って店から出て行った。
残ったのは、周りの視線を集めるクロノだけ。
決戦の日は近い。
最後に何が残るのか、それは誰にも分からない。
これは一つの伏線を張る為の話。
中身がすっからかんでも、文章がめちゃくちゃでも、
私は気にしません、
全ては想像外のラストの為に…………