桜の最前世が明かされます。
「…………壊れろ」
「お前がな‼︎」
ドゴッ‼︎
先程からIS学園屋上にて繰り広げられている戦闘は、どちらも一歩も譲らず、拮抗していた。
だが、やはり元の実力差もあるのだろう。
ラウラが少しづつ押されていた。
「…………弱いな、ドイツの戦闘力の低さが目に視えてわかるぞ」
「貴様!我がドイツを愚r(バキッ‼︎)〜〜〜ッ⁉︎」
「…………挑発に乗ってくれてありがと」
ライトの挑発に対し、ラウラが言い返した瞬間、ラウラの顎に回し蹴りがヒットした。
常人なら一発で気を失うだろうが、相手は遺伝子強化素体。
そういう訳にはいかない。
口から血を流しながらも、ラウラは立ち上がる。
「…………私は…負けられないんだ‼︎」
「口ではなんとでも言える。力を示せ」
「言われなくても‼︎」
ラウラが眼帯を外す。
(ヴォーダン・オージェか!)
ヴォーダン・オージェ、簡単に説明するなら擬似ハイパーセンサー。
ライトに駆け寄るラウラ。
それに対しライトは構えるだけ。
(向こうから来るんだったら、カウンターを決める!)
しかし、次の瞬間ライトの視界からラウラが消え、顎に衝撃が走る。
「…………ッ⁉︎」
目の前にラウラの脚が見える。
(成る程。目の前で屈み、顎を蹴り上げたのか)
「私は、負けず嫌いだからな。とりあえず、一発返させて貰った」
得意げな顔で、ニヤリと笑うラウラ。
何とか受け身を取り、落下の衝撃を和らげたライトは、ラウラを睨んだあと、立ち上がる。
「…………私は、強者には敬意を払う。だから、お前に全力を見せてやる。ラウラ・ボーデヴィッヒ」
「…………やはり、今まで全力を出していなかったか」
「一つ、問いかける。何故私が【ライト】という名前なのか」
「…………?」
ラウラの目に映るライトが、次第に霞んでゆく。
いや、違う。
ラウラの本能が、全力で警報を鳴らしているのだ。
こいつはヤバすぎる、と。
「私の名前の意味、それは…」
ヒュッ、と風を切る音が鳴り、ライトが消える。
「後r「いや、前だ」なっ⁉︎」
IS学園屋上を中心に、衝撃波が走る。
「…………当たる瞬間にISを起動したか。素晴らしい判断力」
ライトの目の前には、ボロボロのISを纏い、体中から血を流すライトが転がっていた。
「…………一時的に光速まで速度を上げれる。 だから光、だからライト」
「ラウラ、お前は強い。だけど、私の足元にも及ばない」
その場を立ち去ろうとするライトだが、
「…………ッ⁉︎」
「見つけた」
屋上には、戦闘した形跡しか残っていない。
「ハアアァァァ‼︎」
ザシュッ‼︎
桜の刀が、今さっきまでクロノの頭部があった場所を通る。
そして、避けたクロノの頭部があった所に、刀が既にあった。
この間僅か1秒。
「どんな力で振り回したらあんなこと出来るんだよ…………」
「…………避けれるお前も大概化け物だな」
桜は刀を再度構え、クロノへ斬りかかる。
「…………ゼヤァ‼︎」
「くっ…………」
ガキンッ‼︎
クロノも刀を展開し、桜の刀を受け止め、その場から後方へ跳ぶ。
「お前も、刀を使うのか?」
「いや、武器の扱いはあまり得意じゃないんだ」
「…………へぇ、なら何故刀を取り出した」
「なんとなく」
クロノの発言に、桜は顔を顰める。
「…………なんとなく、だと?」
(明らかに今さっきまでと雰囲気が違う!)
「…そんな……そんな軽い気持ちで‼︎武士の魂である刀を使うのかっ‼︎」
ブゥン!、と桜は刀を振り下ろす。
すると…………、
「マジかよ…………」
クロノと桜の間には数10mの空間があったのだが
その空間が、消し飛んだ。
誤字に在らず、空間が消し飛んだ。
「…………なんなんだよその刀は」
「この刀は、別世界にて拝借した神具だ」
「神具だと⁉︎」
「銘は【蝕刀】。振り下ろせば、任意の範囲内を蝕み蝕す。
さて、今の私は非常にイラついている。だから、見定めるのは次の一太刀を避けれるのかどうか。これにしよう」
そう言って、再度刀を振りかぶる。
「任意の範囲内を蝕す。だから、お前を中心とした、半径1mを蝕すとしよう」
「避けるのに失敗すれば?」
「死ぬ」
「oh…………」
そんな事を言っている間に、どうやら準備は完了したらしい。
「さあ避けてみよ‼︎」
「…………っ」
ブンッ、と振り下ろされる刀。
クロノは…………。
ガンッ‼︎
「…………お見事」
「そりゃどーも」
空間を蝕す刀を、真剣白刃どりしていた。
「確信はなかったけど、あたりだったみたい…………だな」
「いかにも、我が蝕刀は最後まで振り下ろせば空間を蝕す。その途中で止められては、意味がない」
チャキッ、と桜は刀を鞘に収め。
「お見事、元剣豪将軍の太刀を止めたのだ。これにて見定めは終了。私は帰るとしよう。転生しはじめて5000年。これ程の強者は初めてかもしれないな。誇れよ、少女よ」
その場から消えた。
「…………えっ?剣豪将軍って今言ったのか⁉︎」
「…………まじかよ」
クロノ、驚愕を隠せない。
プルルルル…………
ガチャッ
「こちらクロノ、何かありましたか?スコール」
『ライトについて、何か知らないかしら?』
「いえ、何も知りませんが。何かあったのですか?」
『定期連絡がないのよ。今まで一回も欠かしたことなかったのに』
「…………」
ガチャリ
「嫌な予感が…………」
桜は存在が規格外です。
クロノ並に。
転生する時間は人其々。
何万年生きている転生者もいれば、同時期に死んでも数百年しか生きてない転生者もいます。
次回から最終章【転生の終と輪廻の再開】です。