IS〜有限に憧れし者〜   作:クロノ9696

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有限 伍

「………見事ですね。右足と左手を切断したのに、まだ立ち塞がるんですか」

「………勿論…だ。お前を…止めるのが………私の役目だから…な」

 

目の前に立つ長身の少女は、右足と左手を無くしても、動じること無く、その場に立っていた。

 

「………武士道精神と言うやつなのかわかりませんが、そこを通して貰わないと困ります」

「なら………その困り顔を肴に酒でも飲みたいな‼︎」

「生憎、私はワイン派です」

 

言葉と共に笑みを浮かべる。

 

「まぁ、どうでもいいんですが。どうせ貴女はあと数秒で死にますから」

「何だ(ザシュッ)………と………」

「はい、死にました」

 

いきなり身体中から血が噴出し、桜はそのショックで意識が飛ぶ。

 

「言い忘れていましたが、貴女の体内に私の血が入っていました。その時点で貴女の負けは確定してましたわ」

 

身体中から大量の血が噴出したのだ。ショック死したか、生きていても血が足りなくなって死ぬ。

 

鮮血を身体に浴び、エリザベートは微笑む。

 

「やはり少女の血が一番美味しいですわ」

 

コツコツと足音を立てながら血の匂いを辿る。

逃げた男には既に血が付いている。

あとは臭いを辿るだけ、星の樹も見つけれて一石二鳥だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………追いつかれたって事は」

「そういうことですわね」

「桜…………、済まない」

「謝る必要はありません。貴女も直ぐ其処へ………ああ、すみません。私達は転生者、恐らく2度と会うことは有りませんわね」

 

エリザベートの言葉が胸に刺さる。

その言葉が間違いじゃないからこそ、胸が抉られたように痛かった。

 

「一つ聞かせてくれ、お前は星の樹に何を願うつもりなんだ」

「願い………ですか。まぁ教えてあげても良いですわ」

 

 

 

 

「私の願い、それは神になることですわ」

「………………神だと?」

 

 

「ええ。私達をこんな無限地獄に落とした神に成り代わり、新しい神になる。それが私の願いです」

 

 

エリザベートの願いを聞いたスパロウは絶句する。

考えている事が違いすぎるからだ。

クロノやスパロウの願いは転生というシステムを破壊して輪廻の輪を回し、魂を浄化する事。

それに対してこの女は、

 

 

あろうことか神に成り代わろうとしている。

 

 

 

「貴方達の願いでは、貴方達は救えますが、世界そのものは救えませんもの」

「………何が言いたい」

「転生のシステムを無くすのであれば、この世界や他の世界、私達が転生するのに使った全ての世界の人々を殺す事を意味しますわ」

「………………」

「だから私は、全ての世界を私の意思で管理しますわ。全ての人々を幸せにして見せますわ」

 

 

スパロウ達の願いが叶えば、世界全てを滅ぼす結果になる事は気づいていた。

それでも転生し過ぎて心が死んだ人達や、絶望している者達の為にシステムの破壊を願った。

 

 

改めて分かる。

俺達とこの女は絶対に相容れない。

 

 

「そうか。それで、俺も殺すのか?」

「ええ。貴方も殺して、彼女も殺して………、全員殺して新しい世界で可愛がってあげますわ」

「………それは困るな。俺は鳥に生まれ変わりたいんだ。また人間になるとか面倒だ」

「あら?別に鳥でも良いですわよ。ただし、家畜ですが」

 

エリザベートの言葉を聞いて、スパロウは鼻で笑った後に話し始める。

 

「一つ言わせて貰うと、お前がやろうとしているのは全人類の家畜化でしかない。結局はお前の自己満足だろ?」

「間違いではありませんわ。私こそが、全世界で一番尊い存在ですもの」

 

 

そう言って、エリザベートは血を弾丸の様に放つ。

しかし血の弾丸はスパロウの前で止まり、床へと落ちる。

 

 

「空気の壁?………いや、反射壁みたいなものですか」

「まぁ、半分当たりだ。でも、これはただの壁、反射はもう出来ない」

 

元々スパロウが持っていたのは、某一歩通行の力ではなく、反射出来る壁を精製する力。

 

しかし、今のスパロウに出来るのは何も通さない壁を作る事だけだ。

 

「この壁は、一度作れば俺が消そうと思わないと消えない。だから………………」

 

今いるのは狭い通路、スパロウの後ろには星の樹の部屋。

後ろの部屋を傷つける訳にはいかない。

 

 

「………壁を、俺とお前の後ろに設置する」

「………私とタイマンするつもりですか?余程死にたいみたいですね」

「ああ、でもタダでは死なないぜ」

 

 

そういうとスパロウは着ていた上着を脱ぐ。

其処には、大量のダイナマイトが括り付けてあった。

 

「………貴方まさか⁉︎」

「さあ、心中といこうぜ」

 

 

 

スパロウがダイナマイトを起爆し、爆裂音が響く。

壁に阻まれ行き場を無くした衝撃は、やがて上へと上がっていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

背中にパイルバンカーを突き付けられたクロノが覚悟を決めた時、足元から鮮血の噴水が上がり、同時に足場が吹き飛んだ。

 

 

「何があったんだ?」

「地下で爆発でもあったんじゃないの?」

「何故地下がいきなり爆発するのだ」

「よく分からないけど、嫌な予感がしますわ」

「………てかシャルルは大丈夫なのか⁉︎」

 

 

一夏達が騒ぎ始めた時、クロノは地下から上がってきた血を見て、悲しくなった。

 

地下での爆発は、恐らく三人のうち誰かがやったのだろう。

だが桜はそんな事をしない。

だとしたらやったのはスパロウ。

 

考えられるのは、誰かを倒す為に爆弾を使った………だ。

 

確実に倒す為に、相手を密閉空間に追い込んで爆発。

 

 

しかし、作戦開始前のスパロウはそんな物を持ってなどいなかった。

身体に巻きつけていたのなら、隠し通せる。

そしてそれを使ったという事は………。

 

「………スパロウ」

 

クロノは生死不明な仲間の名を呟く。

 

 

そしてクロノが気付く。

 

 

爆発によって巻き上がった土煙の中に、人影が動いている事に。

 

 

クロノは希望を抱くが、その希望は一瞬で絶望へと変わる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「少し焦りましたが、アレを奪っておいて良かったですわ」

 

 

 

「順序は狂いましたが、やることは変わりません。

皆殺しです」

 

出て来たのは鮮血の令嬢。

黄金の女こと………エリザベート。

 

 





はい、意味不明ですね。
ラスボス登場です。



あっ、次作ですが。


ぶっちゃけ主人公の名前以外全て変わってます。

ISじゃありませんし、





ポケモンっす。
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