あなたはウマ娘である。   作:サイリウム(夕宙リウム)

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日間一位という素晴らしき評価をいただいたので番外編としてスぺちゃんが編入してすぐぐらいの話とリトルココンが被害者になる話をします。ホープフルSはお嬢様プレイをしている”あなた”を想像しながらお待ちください。


「パクパクですわ!」



【番外編の1】あなたのやってはいけないことリスト

 

「会長~! この資料どこに持っていけばいいですか~!」

 

 

「あぁ、それは先ほどの机の方に持って行ってくれ。処分するものをリスト化してプリントしておいたからそれを見て分別してほしい。ビニール紐も置いてあるので縛ってもらえると助かる。」

 

 

 

 

どうも皆さん初めまして! 私、スペシャルウィークって言います! 今日はちょっと恥ずかしいんですけど……、オグリ先輩と食堂でフードファイトしちゃって食堂の皆さんを過労で気絶させちゃったんです。そのお詫びというかバツというかで今生徒会室の資料整理のお手伝いをしています。

 

あ、オグリキャップ先輩はトレーニングに必要な備品管理をエアグルーヴ閣下としているみたいですよ!

 

 

※なお、本来は食堂のお手伝いをするはずだったが、完成させた料理をすぐに自分の口に入れてしまう、もしくは食材をそのまま食べてしまう可能性があったため別のお手伝いになった。

 

 

「えっと、最初は“あ”から始まる資料で……、あれ、何だろうこれ?」

 

 

私が気になった資料。かなり分厚くて紐で縛られてるもの。タイトルは……、『あなたがやってはいけないことリスト』?

 

 

「え? なんですかこれ?」

 

 

「うん? どうかしたのかスペシャルウィ………、あぁ、これか……。

 

 

うわ! 後ろにいたルドルフ会長がこれ見た瞬間になんか真っ白に燃え尽きちゃったんだけど! し、しっかりしてください会長! まだ天に召されるのは早いですよ!

 

 

「あ、あぁ。すまないねスペシャルウィーク……。いやこれは私たち生徒会にとっての敗北の記録、汚点と言っていいものでね。先代のシンザン会長から続く私たちの胃痛の元なんだ。」

 

 

 

え、えぇ? なんだか聞いてる限りすごい大変そうなものなんですが……、大丈夫? 私これ見たせいで消されたりしない?

 

 

「確かスペシャルウィークはスピカに入ったのだな? 今あいつは海外遠征中だから知らないだろうが君と同じチームで先輩にあたる奴の犯行を陳列したものになる。」

 

 

「本来なら学園を守る私たち生徒会や風紀委員などが注意喚起を行い諫めるべきなのだろうが……、まぁ相手が規格外でね。もう苦し紛れにこうやってアイツのやらかしたことを書き連ねて掲示板に貼るしかできなくなったのだよ。」

 

 

わ、私の先輩!? スピカの一番上はゴルシ先輩だと思ってたけどまだ上がいたんだ……、というかさっきからその先輩を語る会長の目が凄い諦観というかものすごい目になってる……。

 

 

「まぁ君に解りやすく言うとすれば……、ゴルシ君が師匠と崇め奉るぐらい問題児だ。」

 

 

「あ、はい。なんだか無茶苦茶よく解りました。」

 

 

 

「なんだ、確か私が副会長を務めさせてもらった時から書き始めて、途中でもう諦めたのだったか? ……まぁ今の生徒会には必要のないものだし、あったとしても何の効果もない。良ければ持って帰るといい。」

 

 

 

 

 

 

 

 

と、そんなわけでお手伝い終わりに持って帰ってきちゃったスペシャルウィーク。田舎から出てきたとはいえ都会、というかこのトレセン学園にはちょっと頭のネジが外れている人が多い気がする、と自分のことを棚に置いた彼女は怖い物見たさでその資料を読んでみることにした。

 

 

 

〇あなたがやってはいけないこと 寮編

 

 1,あなたは全裸で寮内を歩き回ってはいけません。裸の王様理論は通用しません。

 2,あなたは自室に牧草を持ち込んではいけません。他人の部屋もダメです。

 3.あなたは自分の部屋が狭いからと言って隣の壁をぶち抜いてはいけません。

 4,開放感を得るために天井や床も破壊する行為もだめです。

 5,なら廊下側ならいいだろ、という理由にもなりません。

 6,ファンからの贈り物、という体でスイーツを各部屋の前に置くことは禁止です。

 7,そんななりでクソうまい菓子を作りトレセンを太り気味ばかりにしないでください。

 8、あと配布した菓子の中に外れと称してハバネロ入れるな。

 9,寮のロビーでゲート破壊ショーを開催しないでください。あと周りは面白がるな。

 

  ・

  ・

  ・

 

 

 

……えぇ? なにこれぇ???

 

 

しかもこれ三桁近く乗ってるし、しかもこれだけじゃなくて『トレーナー編』『レース編』『ゲート編』だとかいろんなパターンに分かれてる! しかも全部三桁超えてるし!

 

 

え!? えぇ!? もしかしてこれ全部やらかしたのが私の先輩!?

 

 

ふぁ! そういえば!? 今日会長が帰るときに!

 

 

 

『そういえばそろそろアイツの海外遠征も終わりなんだな……、私の安らぎの時間、思ったより短かったなぁ……

 

 

みたいなこと言ってた! え! ということは近いうちにこの人と会わないといけないってこと!?

 

 

 

 

お母ちゃん~~~!!!! トレセン学園は怖いところだべ~~~~~~!!!!!

 

 

 

 ーーーーーーーー

 

 

「あれ? ゴルシ先輩今日はいつもより機嫌よさそうですね?」

 

 

 

ところと時間が変わりましてスぺちゃんが絶望してから数日後、元気に学園を駆け回るゴルシちゃんが居りましたとさ。今日はスピカのメンバーと珍しくランニングしているようですが……

 

 

 

「おぉ~!? わかるかダスカにウオッカ! そうなんだよ~~! 今日はやっと海外遠征から師匠が帰ってくるんだ! もうウキウキのワクワクで心臓の動悸が止まらないぜ! うれしすぎてエアグルーヴのおでこに『肉』って書いちまったぜ!」

 

 

「え、大丈夫なんですかそれ?」

 

 

「いま追われてる。」

 

 

 

ランニングではなかったようです。ダスカとウオッカは、尊敬しているエアグルーヴ先輩の雷が自分たちに向かないよう、すぐに逃げ出せる体勢に移りながらゴルシの師匠について聞いてみることにしました。

 

この二人がスピカに入ったときにはゴルシ先輩しかおらず、彼女たちの先輩と言えば目の前にいるハジケリストなのですが……

 

 

「あ、そういえばスピカはいるときにトレーナーがもう一人上がいるけど、今海外遠征中だし気にしないでいい、って言ってましたよね。」

 

 

「そうそう、それそれ! ゲート三体を亜空間物質転送装置して呼び出せる手強い融合モンスターだ!」

 

 

「「え、それウマ娘なんですか?」」

 

 

 

 

 

なお、エアグルーヴに折檻されるゴルシを横目に興味本位でゲートを三つ用意したダスカ。ウオッカが厨二っぽい召喚は任せとけと意気揚々と口上を述べだしたところ、本当に召喚できたみたいである。

 

 

 

 

一応確認のために言っておくが、

 

 

あなたはウマ娘である。

 

 

 

 

 

たぶん、きっと、メイビー。

 

 

 

 





あなた

海外遠征という名前の海外旅行をURAの金を使って楽しんだウマ娘。ちゃんと結果は出しているからたちが悪い。なお海外でも問題を起こしまくった模様。一番楽しかったのは現地のウマ娘と一緒にしたリアルスプラトゥーン。なお、行った場所は世界遺産に登録されるような歴史的価値の持つ町。本人によると「クッソ楽しかった」らしい。


あなた

星12 攻撃力0 防御力0

属性 闇  ウマ娘族融合モンスター

全てのフィールドに存在する『ゲート』の名の付くモンスター及び魔法トラップカードを三枚除外することでのみ特殊召喚することができる。なお、このカードは融合召喚することができない。

またこのカードがフィールドに存在する限り『ゲート』の名の付くカードは存在できず、すべて除外される。

このカードの攻撃力及び防御力は除外された『ゲート』の名前の付くカードの枚数×1000となる。


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