あなたはウマ娘である。   作:サイリウム(夕宙リウム)

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葦毛参上と言ったな……


すまない、それは次回になる。思いついてしまったら、やるしかないのだ。





ウマ娘にUMAを持ち出す邪悪

あなたはウマである。

 

 

 

……そう、ウマである。

 

 

 

 

 

 

もっと正確に言えば自作の着ぐるみを身にまとったウマ娘である。昨日徹夜で作り上げた前世のあなたをモデルにした着ぐるみは、継ぎ接ぎだらけで傍から見たらゾンビ馬であるが、誰が何と言おうと前世のあなた(ウマ)である。

 

あなたは自然の中で生きることを好むため、基本的にお天道様が生活リズムを決めているため徹夜はとてもつらく、現在ネムネムであるが、着ぐるみが完成してご満悦のようである。

 

 

 

まぁなんで徹夜してまでこんなもの作ってるのかと言うと、今日がファン感謝祭だからだ。そしてそのことを知ったのが昨日の放課後だったからである。

 

 

普通であれば担任の先生から『○○の日に感謝祭ですよ~』だとか、『○○の日感謝祭だから出し物の準備しよう?』などのお声がけがあってもおかしくないのである。しかしながらそこは“あなた”クオリティ。先生のお話なんてほとんど聞いてないし、誘われようにもお友達は同期の二人のみなのだ。

 

皐月賞が控えるミホ&シリウス(一応あなたも)であるため、普通は出し物などせずに感謝祭を息抜きとして楽しむのみ。二人とも同じチーム内での付き合いとかもあるし、『まぁあいつのことだし誘わなくても勝手にやってくる、もしくは好き勝手問題起こすでしょ。』と思っていたためお誘いなし!

 

同じクラスの面々や美浦寮の仲間たちも『いや誘うのはいいけど絶対ヤバイこと起きそうな気がするんで……』ということで話題にすら挙がらず!

 

 

やっとこさ昨日の放課後に最近保護者となりつつあるマルゼン先輩に、『そういえば明日感謝祭だけど誰かと行くの? 一人だったら一緒に行きましょうか?』と言われて、初めてそこで感謝祭の存在に気が付いたわけである。

 

 

 

あなた、大失態である。

 

 

こういったお祭りは、基本的にみんなのテンションの基準値が高くなるため、いつもならガチ叱りラインぎりぎりのイタズラが『ま、まぁお祭りだし……』でちょっとだけ許されるようになるイベントである(あなた主観)。それなのにあなたは全く準備をして居なかった。これを失態と言わずになんと言おうか。

 

 

と、言うわけでマルゼン姉貴に教えてもらった直後にホームセンターに直行。前世のあなたを再現するべく資材を買いあさった後に、一晩掛けて着ぐるみを作成したわけである。ちなみにその日の練習はバックレた。

 

 

 

完成したものは当初の予定とは違い、リアル寄りデザインからデフォルメされているし、いつの間にか四足歩行から二足歩行になってるし、あなたの髪色の生地が途中から足りなくなったせいでウマにありえないような色も使われているデフォルメUMAが誕生してしまったがあなたはご満悦である。朝日が目に沁みますねぇ!

 

 

 

 

 ーーーーーーーーー

 

 

 

ファン感謝祭。文字通りファンに感謝するお祭り。

 

一応それ以外にも役目は存在しており、トレセンの文化祭的な面も持っており、四月前半に開催されるという関係から新入生に対する各チームのオリエンテーションみたいな側面も持っている。

 

ウマ娘たちとファンたちとのゆったりとした時間が流るはずなのだが……

 

 

 

「びぃにゃァァァァァァ! ママァ! あれコワイィィィィィ!!!!!」

 

 

「だ、ダメよ、失礼でしょ! それに風船さん配ってるみたいだしもらいましょう?」

 

 

「ヤダァァァ!!」

 

 

 

今年は校門前に魑魅魍魎の類の着ぐるみが待ち構えていた。

 

 

もちろんあなたである。

 

 

 

ネズミの国から秘密裏に入手した着ぐるみのマニュアルを読み込んだあなたは完璧なお客様ファーストでお出迎えしており、風船も配っているのだが……、いかんせん見た目がヤバい。

 

この世界に存在しないウマを模した着ぐるみ。しかも配色がちょっと生物として受け付けられない濃いピンクや黄緑を使用。主となるカラーがあなたの髪色に合わせているせいで余計にヤバくなっている。

 

 

まぁそんなお化け屋敷から熱烈なオファーが来そうなUMAに小さいお子さんが気に入るわけもなく、このように大号泣である。

 

 

申し訳なさそうにその場から離れる親御さんに風船一つ。泣きながら退散するお子さんに一応手を振っておいたが逆効果。さらに泣かれてしまった。

 

 

なぜ怖がられるのか? しょんぼりるどるふ、です。

 

 

 

「いや、それはそうでしょ。」

 

 

む! その声は、我が友、李徴子(シリウスシンボリ)ではないか?

 

 

「なんか変なルビつけられた気がするけど……、まぁ見るからにホラーな生き物だよね? 何がモデル?」

 

 

UMA!

 

 

「うーま? ユーマ(UMA)じゃなくて?」

 

 

まぁ詳しく知ろうとするとお上がキレる可能性もあるからそのぐらいで……。それにしてもちゃんと来れて良かったね。なんだかお家の事情が大変なんでしょ?

 

 

「なにそれこわ……。うんまぁそっちはね……。」

 

 

良かったら聞くけど? この着ぐるみ結構暑いし、そろそろバレそうですしお寿司。

 

 

「……まぁなんてことはないちょっとしたお家騒動。私の家は“シンボリ”だけどルドルフ先輩とは違って分家筋の方でね……、ちょっと上の世代の人たちが揉めてるみたいなの。」

 

 

……必要とあらば友のためにすべて吹き飛ばす所存であるが?

 

 

「はは! ホントにやりそうで怖いや。……ま、子供の私たちには解らないことも多いし、仕方ないのかな?」

 

 

そっか……、んじゃま気晴らしに感謝祭楽しんで! 風船二つもあげちゃう! なんかあったらいつでも相談するがヨロシ! まともなミホもいるしね!

 

 

「……うん、ありがと。」

 

 

 

 

 

 

「あ、いました会長! あの不気味な着ぐるみです!」

 

 

……きょ、今日ぐらいはゆっくりさせて……

 

 

 

 

あ、ヤベ。会長と風紀の人も来ちゃった。早く逃げねば!

 

じゃあね、シリウス~!

 

 

 

 

 

「うん、じゃあね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「出たかったなぁ……、皐月賞。」

 

 

 




あなた

プロット時には沖野氏のクレジットカードを盗み出し、着ぐるみ製作費に当てる予定だった。『お金はレースで勝って返します』と書置きを置いておく、という感じにしようと思ったけどちょっとダメかなぁ、ってのと書置きネタ一回使っちゃったからお蔵入り。




(史実に対してとやかく言うつもりでは)ないです。でもシリウスはダービーで絶対に活躍させる。あと名一杯笑わせてやるのだ。ウインディちゃんなのだ。



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