まぁ、急に『今から皐月賞デス!』とはいかないわけで、あなたにも枠番の抽選やら、事前の記者会見やら、広告、ポスター、グッズ関連などに使う写真撮影など色々あるわけである。
今回はそれ関連についてお話しするとして、皐月賞のレースは次回にやらせていただくことにする。
ウマ娘。特に中央となれば所属している全員がエリートであり、何かしら被写体になる可能性が多くある。今までなら『まぁ必要な時に撮影すればええやろ、説明とかもそん時に』って感じだったのだが、あなたが入学する前に問題が起こった。
カブラヤオー逃走事件である。
カブラヤオー、とっても強くてはやーいウマ娘であり現在副会長。それだけ聞けばみんなの憧れなんですけど……、とっても他人が怖いのである。
他人が半径2mに入れば逃げ出し、視線を感じれば逃げ出し、トレーナーがスカウトしようとしても逃げ出した。
レースでも他人に近づかれるのが怖いからレース中ずっと逃げていたし、ライブも最近は何とかなっているが、他人に見られるのが怖すぎたので逃げ出した。
うん。そんなウマ娘が写真撮影なんてさせてくれるわけがないのである。
前々から『ちょっとスタジオとかの雰囲気とか流儀とかわかんない』『なんか失礼なことやっちゃってるかもしれない』という生徒の声もあったのでURAのお偉いさんは一念発起。
『と、とりあえずみんなで社会見学と称して実際の撮影を見に行きましょう。その時に現場の人から注意点とか説明してもらって対策しましょう! ……カブラヤオーさんは申し訳ないのですが無理やり連れて行ってもらって……』という企画が立案、実行されることになったわけである。
なお、カブラヤオーは自室で徹底抗戦の構えを取っていたが、シンザン会長の泣き落としによって頑張る以外の選択肢が取れなくなった。
そんなわけで始まりました新入生対象の『突撃! となりの撮影現場!』である。今年は新入生と2年生の親睦を図るために、ホープフルS、朝日杯FS、阪神JFで1~3着の写真撮影現場が対象である。
ま、なにも起こらない訳ありませんよね。
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あなたは先輩ウマ娘である。
新入生も入ってきたわけで、あなたは先輩という地位に成り上がった、成り上がり系主人公である。
今日は写真撮影。世代の集合ポスターや今後のクラシックレースの広告に使われる写真の撮影会であり、その様子を社会見学という体であなたの後輩たちがお邪魔している、というわけだ。
なお、今回の撮影対象者はあなたを含めて9名。数人被るところもあるが、大体一人の撮影に対して一クラスが割り振られ見学することになっている。
……あなた? あなたは勿論特別枠。一応見学に一クラスが割り振られているが、風紀委員から一名。生徒会からは先日あなたが作った着ぐるみを身に着けているカブラヤオー副会長がお目付け役として参加している。レース結果とその狂いようが新入生から何故か人気なので見学なし、というわけにもいかないし……、かといってこれまでがこれまでですから監視ぐらいは必要なわけで……。
カブラヤオー様が、何故着ぐるみを着用しているかというと『ふぇ……、新入生の子たちと会うの怖い……、でも会長に頼まれたんだし……、でも怖い……』とスタジオの隅っこで震えていらっしゃったので、『着ぐるみなら周りから見られない』ということで差し上げた。他人の目線を気にしなくてもよくなったため彼女は上機嫌である。カブラヤオーの外出着に着ぐるみがストックされた。
まぁそんなわけで写真撮影なわけだが、こうも観客が多いとあなたにやる気がもりもり湧いてくる。ホープフルSの時にもお世話になった撮影チームの皆さんに後輩たち一クラス+引率の先生。あとお目付け役二人。若干視線があなたよりもカブラヤオー先輩の謎着ぐるみの方に移動しているがあなたは気にしない。ここはなにかやらかさねばハジケリストの名が廃る!
ここはマルゼン姉貴直伝のバブリーダンスで場を温めねば! ミュージック・スタ……
「すみません。そろそろ撮影開始しますんでグリーンバックの方に移動お願いします。ダンスの方は他の方が終わった後に撮影させていただきますので。」
ア、ハイ。
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なぁ、お母ちゃん。ウチ来る学校間違えたかもしれん。
お母ちゃんが苦労して入れてくれた中央のトレセン学園やちゅうのは解ってはいるんやけど……。
ウチ間違えて芸能系の学校入ってへん? 真面目に不安なってくるんやけど。
あ、ども。タマモクロスっていうもんです。先日トレセン学園に入った新入生、なんやけど……。
「キレてる! キレてるねぇ! 今日も絶好調だねぇ!」
なんか怪しいひげのおっさん(たぶんカメラマン)におだてられながら結構きわどいポーズまで撮影している先輩見てるとちょっと心配なってきます。あれ大事なとこ見えとるよな? これレースの宣伝用撮影じゃなくてもうグラビア撮影やんな? お願いだから隣の奴『ほわぁぁ。』って恍惚な目で見んといてくれへん? 色々とヤバいんで!
うん、だから先輩もこっちの様子確認しながら、面白がってもっと胸元見えるよなポーズ取らんとって下さい! 隣の奴が鼻血だしとるさかい! いや、だめって言っとるやろがい!
この撮影だけじゃなくて、入ったばっかりの模擬レースでは、ゲートが壊れているって理由で野良レースみたいになって『ここホントに中央か? レースするところか?』と思ったし、同じクラスのゴールドシチーってやつはどくも?っていうモデルさんらしいし、極めつけは……
『あの子はちょっと特殊だから。私の時はもっと普通だよ!』
なんか引率してくれてる先輩やと思うんやけど、その人が見たことのないホラーな着ぐるみ着て。わざわざフリップボード使ってウチらと意思疎通してるのを見てると、マジで入った学校がそういう芸能系なんかと勘違いしてしまいそうや。
……勘違いやよな?
正直着ぐるみの撮影とか意味わからんし、もっと普通言われてもツッコミしきれんというか、そもそもその着ぐるみの時点で普通とはかけ離れてるというか、関西人にそこまで求められても困るっちゅうか、うん。
マジでなんやろ?
「あの~~、シチーはん? モデルさんとか競走者の人ってここまでやらないかんの? それやったらウチちゃんとできる気がせえへんねんけど……。」
「いや、大丈夫なはず。うん、あの人がヤバいだけだと思う。……たぶん。……あの先輩、出来る!……」
「そこは言い切って欲しかったなぁ……、あはは。」
お母ちゃん。やっぱウチ色々間違ったかもしれへん。
あなた
基本的に褒められると気分とテンションが上がる。羞恥心もないのでサービス精神旺盛! まぁもとウマだから仕方ないね! あなたは『小悪魔』のスキルを手に入れた!
カブラヤオー
他人が怖ければ私が常時壁を纏えばいいじゃない! ということで着ぐるみを気に入ってしまった子。シンザン会長の胃がまた荒れそう。そろそろ二人に申し訳なくなってきたからどっかで活躍させたい。
タマモクロス
運がなかったんだろうね、うん。たぶんゲート壊したのは目の前の先輩だろうし、隣の鼻血出してる子は知らないけど調子乗ってサービスしてるのは“あなた”ですしね。トレセン学園は芸能系の学校だった
? 確かにダンスと歌教えてるし一理あるかもしれぬ。