あなたはウマ娘である。   作:サイリウム(夕宙リウム)

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出身地の話、正直そこまで関係ない

 

あなたはスピカ所属ウマ娘である。

 

あなた以外所属しているウマ娘はいないため、実質チームリーダー兼エースである。

 

 

 

あなたは、先ほど一番乗りしたトレーナーに担当してもらうことにした。まったくもって知らなかったし、あなたがしたいことを解ってくれたということでノリと勢いで決めてしまったが、元から注目していたスピカトレーナーとは知らず、あなたはとても運命を感じた。

 

 

「ま、お前さん以外いないからそこまで散らかってないが……、小さめだな。ということでここが我がチームの根城。スピカの部室ってわけだ。」

 

 

現在は、あなたの担当である沖野トレーナーにスピカ部室を案内してもらっている。誰かいた形跡は残っているが、言われたようにそこまで散らかっていない。触られていないロッカーも発見できたのですぐに活動できそうに思える。

 

 

「ん? そこか? おう、いいぞ。お前さん以外誰もいないから今のところは全部使ってヨシ、だ。まぁ今後増えるかもしれないけどな!」

 

 

というわけでここに並んでいるすべてのロッカーが一時的にあなたの物になった。あなたは脳内メモを広げ、どのロッカーに何を収納するのか考え始めた。

 

 

 

「お取込み中のところ悪いんだが……、足触ってもいいか?」

 

 

 

 

「いや、あんまりいい思いしないのは解ってるんだけどな。この前おハナさんに忠告されてせめて触る前に何かしら言っとけと怒られてな……。」

 

 

 

? あなたとしては別に思うところはない。トレーナーはあなたたちウマ娘の管理する職業であり、そのウマ娘の命といえる足を管理するのに触らなければ解らない、ということなのだろう?

 

 

「うん、まぁ、うん。そんな感じ。」

 

 

ならあなたとしては別に構わない。ちょうど今、あなたは半ズボンを履いているため触りやすいことだろう。存分に触るといい。

 

 

そう言いながらあなたは近くに在った椅子に座り、トレーナーに向けて足を投げ出した。

 

 

 

「……なんだこれ。……いや悪い意味じゃなくて……」

 

 

 

そこからはトレーナーからのあなたの脚に対する賛美が続いたためカットさせていただく。

 

 

まぁあなたとしても自分の築き上げたものを褒められているのでとてもうれしい。現時点の肉体は今の両親のおかげであるが、ウマ娘としての根源、馬の能力としては前世の牧場関係者、調教師の賜物である。前世は馬としてよく馬主や調教師、騎手に足や体を撫でられていたせいか今現在トレーナーに撫でられていると過去の記憶がよみがえってくる気がする。

 

 

あなたは、ウマ娘である。

 

正確に言えば、ウイニングポストで生まれた馬の魂を受け継いだウマ娘である。

 

 

あなた自身、前世の記憶は馬だったため正確にすべて覚えているわけではないが、とても多くの人に褒められた記憶がある。あなたとしては、褒められるのが大好きなのだ。

 

 

 

「……この筋肉の付き方、もしかして芝だけじゃなくてダートもいけるのか……」

 

 

 

 

ふむ、トレーナー。そんなに褒められると恥ずかしくなってくるのでそろそろやめていただけると助かりまする。

 

 

「あぁ! すまん!」

 

 

 

トレーナーはいい物見れたようであるし、あなたは褒められて満足だ。それで、疑問に思ったのだが今日から練習を始めるのだろうか? あなたとしてはいつからでも走れるし、このトレーナーであればたくさん褒めてくれそうなので早めにしたい。

 

 

「あ~、悪いんだけど見た通りウチは弱小なうえにお前さんしかいなくてさ、ろくな施設つかえそうにないのよ。これから頑張って新しい奴スカウトしてきてチームとしての体裁とれるようにするからそれまで、な。」

 

 

 

なるほど。チーム専用の施設はチームとしての体裁を保っていない現在使用できず、全員に開放されている施設は取り合いが激しいため新人のトレーナーには確保が難しい、というわけか。

 

ならあなたとしてはとりあえず山道を走ってくることにする。坂もあるためトレーニングには最適なはずだ。そしてあなたが走っているうちにトレーナーがスカウトを実行し、チーム存続に必要な残り4人をスカウトしてくる、という作戦がよさそうである。あなたは早速走りに行くことにした。

 

 

「いやいやいやいや! ちょっとちょっと! いやさすがに今日スカウトしたばっかりの子を一人で練習させるわけにはいかんでしょ! しかも学外でだし!」

 

 

 

大丈夫である。あなたにとって山道は走り慣れた道であり、この地域はよく知らないがお日様が出ている限りはちゃんと帰ってこれる。

 

 

「いやいやいやいや! お日様って何!? もっとハイテクなもん使おう!? あと危ないからね!?」

 

 

 

 

残念ながら、あなたの計画はトレーナーによって破棄されてしまった。仕方ないので今度バレないようにするつもりである。バレなきゃ罪じゃないのである。

 

 

 

 

後日、マルゼンスキーを筆頭にした走り屋たちの間に、日の出ている時だけに生身で参加してくる新たな走り屋のうわさが広まらなかったり広まったりした。

 

 

ちなみにあなたは車と対決するのが楽しすぎて一度だけ勝手に峠で夜を越した。マルゼン姉さんのおかげで大ごとにはならなかったが寮長にはしっかり絞られた様子である。

 




あなた

あなたの出身はウイニングポストである。あなたは馬だったため詳しい情報を知ることはできなかったが前世での父母はとても優秀であったらしい。そして、あなたの覚えている限り、あなたの前を走る馬はいなかったように思える。


そして実はあなたにはもう一つ秘密がある。あなたはもと馬、だった。


……まぁ言ってしまえば服を着るという習慣があなたにはない。

今世界のあなたの親によって何とか外に出るときは服を着るように教育されたが、実家、自室、もしくはすごくリラックスした時に気付けば全裸になっている可能性が非常に高い。今のところあなたに同室がいないため問題になってはいないが、今後クラシック、シニア期の夏合宿、もしくはあなたが急にリラックスしてしまう可能性もあるので、あなたの今世の親御さんは神に祈っている。「どうか問題になりませんように!!!」
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