あなたはウマ娘である。   作:サイリウム(夕宙リウム)

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正月といったな、すまないあれは嘘だ。

ちなみに『領域』って公式設定でしたっけ? シングレが初出?



そういえば固有スキル考えてなかったな

 

「え! おチビちゃん私の領域見てないの!」

 

 

「み、見てないです……。」

 

 

 

時は若干戻って有馬記念の次の日。あなたちゃんは珍しくスピカの部室に来ていた。まったく練習しないし、放課後はどこかに遊びに行ったり、頭文字にⅮが付く方々と峠の最速を目指したり、シンザン会長のお腹にダイレクトアタックを仕掛けたりするため忘れがちであるがあなたはスピカ所属のウマ娘である。

 

なおスピカ所属はあなただけであるし、一応GⅠウマ娘なので晴れてスピカエースなのだが全くエースらしい風格など持っていない。あなたはあなたらしく好き勝手するだけである。

 

そんな沖野トレーナーにどれだけ言われても練習しに来ないあなたが何故部室に立ち寄っているかと言うとマルゼンスキー姉貴に呼ばれたからに他ならない。

 

なにかと面倒を見てもらっている仲であるし、何やら深い縁のようなものを感じるあなたはマルゼンにとてもなついている。どこかの赤い彗星が『私の母になってくれるかもしれない女性だ!』などと叫んでいる電波を受信した気がするが気にしないでおく。さっさと宇宙世紀に戻ってもろて。

 

 

「中盤までは何とか追いついてたけどそこでもう体力持たなくて……。」

 

 

「むぅ! 確かに全力でレース楽しんじゃったけど私が有馬記念に出たのはおチビちゃんに領域を見てもらうためだったんだよ! ちゃんと最終コーナーあたりまでついてきてもらわないと!」

 

 

いつもはお姉さん、というかもうお母ちゃんしてるマルゼン姉貴だが今日はちょっとだけぷんすかしている。本来の目的であるあなたに領域を教える、ということが達成できなかったうえに途中から楽しくなってきちゃってルドルフとシービーで全力で戦ったのに一着になれなかったのが原因だろう。……ぷんすかしてるマルゼンママもかわいいんじゃ。

 

 

「……そもマイマミィ? 領域って何?」

 

 

「ふぇ? ……え! おチビちゃん領域知らなかったの? もうてっきり知ってるかきっかけは掴んでるものかと……」

 

 

「知らないよ? もしかして最近流行ってる“じゅじゅちゅかいせん”てやつ? 髪白く染めて目隠しした方がいい?」

 

 

「? 何かのお話? まぁいいわ、領域って言うのはね……」

 

 

 

バブルな時を生きる姉貴には令和の漫画の話題は伝わらなかったようだが、ここでマルゼンスキーに代わり領域についての説明を行わせていただく、覚悟なされよ。

 

『領域』なるものは我々に解りやすく言えば『固有スキル』の事である。シンボリルドルフの【汝、皇帝の神威を見よ】やマルゼンスキーの【紅焔ギア/LP1211-M】がそれにあたる。特殊な条件下でそのウマ娘の持つ特殊能力が発動しレースを有利に進めるものだ。“あなた”が生活している世界でもその存在は『領域』と名を変えて存在し、効果を及ぼしている。

 

本来ならば『領域』は自身の中でのみ完結し、ターフの上では体力が回復したり速度が上がったりするだけだが、マルゼンやルドルフ、シービーなどの伝説級、『領域』を極めたものになると現実世界にもその『領域』が侵食しありえもしない幻覚や幻聴が現れたりする。

 

あなた三人衆(ミホ&シリウス)が控室で幻視していたのもその延長であり、ターフであなたが「雷怖い、ドラゴン怖い」となっていたのもそれ。最上位者でも自分のほんの付近しか影響を与えられないが、与えてる時点で化け物である。

 

マルゼン姉貴としては自身の『領域』を見せることで同じ逃げウマで仲の良い“あなた”に何かつかんでほしかったのだろうが……

 

 

「ほへ~、そんなのがあるんですねぇ~、知らなんだ。」

 

 

「いや、知らなんだって……、結構有名よ? ミホちゃんとかシリウスちゃんとか使ってなかった?」

 

 

「(そんなの見たことないし彼女らが使ってたら私も存在を知ってるだろうから)ないです。」

 

 

「それにある程度実力付けたらトレーナーさんから教えてもらうもんじゃ……、あ~! 沖野トレーナーもしかして教えてないな~! ぷんすか!」

 

 

「いやいやいやいや! 教えてる! 教えてるからね! 口頭で言っても聞いてもらえなかったら文章化して紙で渡したり色々したよね! ちゃんと教えてるからね!」

 

 

そういえば沖野氏、ここにいたのね。にしても“あなた”ちゃんにお話聞いてもらおうとか不可能な話なんですよねぇ。紙で渡されてもコイツ裏紙にして遊んでただけなんで……、ホント不憫だな沖野氏。こんどなんか奢らせてくれや……。

 

 

「お。そんなこと言ってたのか。私きいてないにゅ。」

 

 

「おまえな……、ほんとしっかりしてくれよ……。」

 

 

 

 

 

「あはは、ごめんなさいね。……そうだ! 有馬の時ほど本気は出せないと思うけどちょっと私の領域見てみる? ルドルフとかシービーのを見ただろうからある程度解るだろうけど……。ま! ドリームシリーズが始まるまで結構時間あるし『領域』に辿り着くまで手伝うわよ! じゃ! 行ってみよ!」

 

 

「お~!」

 

 

 

 

 ーーーーーーーーー

 

 

 

「それで、わざわざ来てくれたわけだね。ミホ」

 

 

「はい、シンザン先輩。……あんなの見せられたら嫌でも自覚します。」

 

 

 

有馬記念の後日。

意味の解らないドッキリのせいで死にかけたけどレースは全力で勝負した。けどどうしようもないほどに、何も出来ずに負けた。その時に見た現実世界に影響を与えるまでの『領域』。クラシックでは扱う子たちと会わなかったけどアレがシニアか、上の世代かと思い知らされた。

 

 

 

「今はまだ、届くことすらイメージできませんが……。アレがあればなんとかなる。むしろないと絶対に届かない。だから私にも『領域』が必要なんです。」

 

 

「ふむ……。」

 

 

「それに、どうせあの二人も次ターフでぶつかるときには覚えてくるはずです。私は置いて行かれたくない。あの二人に勝ったとはいえ結果は4着。これで実質三冠ウマ娘なんて笑われてしまいます。」

 

 

「では、今度はシニアで三冠を目指すのかい? クラシックの三冠でないとしても十分以上に偉業だ。それで私に追いついてくれるのかな?」

 

 

「はい……、それと。天皇賞連覇。春と秋、両方いただきます。」

 

 

 

私が『領域』と聞いた時、思い出したのは私の目標だった。『領域』の存在をオカルトから現実に引きずり落とした存在、“シンザン”。それまで到達したものがほんの一握りであり、現実世界に影響を与えるまで『領域』を強大化できたものはいなかった。だが彼女は違った。

 

ターフ全体に行き渡らせる『領域』、レース場全体を彼女の世界に変えてしまう『領域』。

彼女が神と呼ばれ続ける所以。

 

 

 

「そう、か。……よろしい。生徒会の業務の方もシービーに投げつけることが成功したし、ルドルフも海外遠征が終われば生徒会に参加すると快諾してくれた。アイツに邪魔されずにトレーナーさんと楽しい時間を過ごそうと思っていたが……、後輩に教えるのも悪くない。」

 

 

あ、シービー先輩にヒントもらえるかなって思って話に行ったらすんごい疲れた顔で『会長さん今ヒマしてるだろうからそっち行って』ってそういう意味だったんだ……。

 

 

 

「同じ名をもつもの同士、“シンザン”の『領域』。君も修めてみるといい。ま、簡単にはいかないだろうがね。その分厳しく行こう。」

 

 

「よろしくお願いいたします!」

 

 

 

 

 ーーーーーーーーー

 

 

 

冬の夜空。

 

有馬記念も終わり、ルドルフ先輩も私も年が明けるとともに海外に飛ぶことになる。先輩は初めて、私は二回目の遠征。この挑む感覚はいつだって武者震いが止まらない、自分の憧れを今為そうとしている感覚。

 

有馬を走る前はそうなると思ってた。

 

 

今の私にあるのはそんなワクワクしたものじゃない。

 

不安と恐れ。

 

 

 

嫌でも見せられたトップ層との差。見たこともない現実世界に影響を及ぼすほどの『領域』。今まで見たことが無かったせいで嘘だと思っていたものが本当だった。

 

未だにアレに勝つ方法が解らない。雷と共に走り去るルドルフ先輩、龍と一体化し蹂躙したシービー先輩。距離の差が遠すぎてはっきりと見えなかったけど、あの驚異的な加速からマルゼン先輩も『領域』の所有者なのだろう。

 

 

強い木枯らしが肌をくすぐる。

 

 

 

冬の空は好きだ。

 

 

 

身が凍る程の寒さの中、ただなにもせずに空を見上げる。

 

そこにあるのは私、私の名前が空に浮かんでいる。

 

 

おおいぬ座のシリウス、冬の大三角形の一つ。

 

 

私たちが住むこの地球から見えるすべての星の中で一番明るい星。

 

 

光り輝き、その光の強さからすべてを焼き尽くす魅惑の光。

 

 

 

「そう、なりたかった。」

 

 

 

日本の空も、海外の空も。変わらず“シリウス”は空に輝き続ける。

 

そんな星のような存在になりたかった。でもなれなかった。

 

 

 

ダービーでは勝てた、でも光が足りない。

 

海外で掲示板に乗った、周りはもっと輝いてた。

 

あの有馬で掲示板に残れた、でも私は他の光にかき消された。

 

 

 

 

もっと、もっと私は輝きたい。

 

私が掲げる、あの“シリウス”のように。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「シリウス、こんなところにいたのか。風邪をひいてしまうよ。」

 

 

 

「……あぁ、ごめん先輩。すぐ戻るよ。」

 

 

 

 

 

もっと光を。もっと輝ける私を。

 

 

私の名は、これまでも、これからも。

 

ずっとずっとシリウスなんだ。

 

 

 

 

 

 ーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

お、夢見てるんですねぇ。あなたちゃん。

 

夢の世界で何してるんです? え? ダークライ捕まえた? 今からこれで刺身作る?

 

あ、あの~、さすがに版権ものやっちゃうのはマズいのでやめていただけると……。

 

ほ、ほら。夢の中だけどバナナ上げるから、ね? ね? ちゃんと現実でも用意してあげるから、ね?

 

(ダークライ! 今のうちに逃げろ! あいつがバナナに気を取られてるうちに!)

 

 

 

 

あ、バナナ美味しかった? それならよかったです。

 

んでなんで今日は夢の中で遊んでるんですか?

 

 

 

ん? マルゼン姉貴から『領域』のこと聞いて自分の中身見てみたくなった?

 

『領域』は基本的に自分の中身であるウマソウルを爆発させて発動するスキル。あなたちゃんの場合はちょいとばかし自分のウマソウルを確認しに来た感じですか。

 

それでたまたま見つけたダークライで自分の中身を見るために夢の世界をいじるように強要した?

 

……いやそれでダークライ君刺身にしようとしてたの? ほんと頭大丈夫?

 

 

 

 

う~ん、にしてもこの夢の中扉が三つ存在してますね。

 

なんかそよ風ですぐ破壊されそうな扉と、あなたちゃんの実家の玄関の扉、あとハガレンで出てきそうな扉ですね。

 

うん、あんまりそういうパロディとかすると失敗しますよあなた?

 

というかボロボロの扉絶対ダービーの時、原始回帰した結果壊れた奴でしょ……、サイズ的にお馬さん通れそうだし、なんか蹄鉄で蹴とばされたようなあとがついてるし……。

 

 

 

あなたちゃん、『領域』手に入れたいんだったら実家の方の扉じゃないですか? もう片方の方は触っちゃいけなさそうですし……、うん。

 

 

え? 先私が中入るんですか!? 私ナレーターですよ!?

 

いやあなたちゃんがいくら非常識でもそう言うのはちょっと……、え? 尻尾の毛全部抜く?

 

ア、ハイ。ヤラセテイタダキマス。

 

 

 

で、ではお邪魔しますね。

 

 

 

 

 

お。扉の先は真っ白な空間で何故か入って数歩のところに巨大なガチャガチャの機械が置いてありますね。ショッピングモールの隅っこの通路とかに置いてそうなガチャガチャです、ま、サイズだけがおかしくて10mぐらいありそうですね。

 

とりあえず、回してみましょうか。

 

 

ぐるぐるっと。

 

 

 

カプセルが出てきまして……、中身はゲートですね。

 

 

 

ん? ゲート? あとなんだか急に暗くなりましたけど、一体何が……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お? どうしたのだ問題児君。なんだか機嫌が良さそうだね。」

 

「シンザン会長~。おはよ~。昨日いい夢見たの。」

 

「そうかいそうかい。私もシービーに仕事を投げつけたおかげか昨日は快眠出来て機嫌がよいのだよ。ちなみにどんな夢だい?」

 

「なんかでっかいガチャガチャの隣にゲートが置いてあったからまとめて踏みつぶす夢! あ、それと踏んだ時悲鳴が聞こえたんだけど何か知ってる?」

 

 

 

 

 








ミホシンザンが【神のまにまに、手向けの錦】のきっかけを入手しました

シリウスシンボリが【Σείριος】のきっかけを入手しました

あなたが【ガチャガチャぽんぽんゲート!?!?!?!?】のきっかけを入手しました。







ウインディちゃんなのだ。また勢いで設定増やしちゃったのだ。風呂敷広げ過ぎて爆発するのはもうこりごりなのでこれ以上広げないように頑張るのだ。あとちゃんと回収できるように頑張るのでぶたないで欲しいのだ。

それと感想は

『あ』

だけでも画面の向こうの作者が泣いて喜ぶので書いていただけるととってもありがたいのだ。マジで作者のガソリンなのだ。しかも環境にやさしいクリーンエネルギー。とってもエコなのだ。




ミスターシービー

シンザン会長から生徒会の仕事を投げつけられた。『レース成績は文句のつけようがないし、ドリームシリーズに移籍するのなら当分ヒマだろ? なら変わってくれるよね? ね?』と圧を掛けられたので断れなかった。生徒会業務が嫌いになりそう。

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