あなたはウマ娘である。   作:サイリウム(夕宙リウム)

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「あぁ、ここにいたのか。……正直聞きたくはないが何をしている?」


「お、シンザン会長じゃん! 今石炭からダイヤモンド作ってんの!」


「??? …………そうか。まぁほどほどにな。あぁそれと今日はお願いがあって探していたのだよ。君の凱旋門でのレース。とても素晴らしかった。出来ればその本気を私たちの目の前で見せてほしくてね。今度の模擬レースに出走してくれないだろうか?」


「あぁ、あれね~。ルドルフ先輩やらシービー先輩やら日本の時代を作った人たちが出てくる奴でしょ? ほら大学に行ってるセントライト先輩も出るって話聞いたし。」


「知っているのか、なら話は早い。私も出るのだがぜひとも君の本気を見せてほしくてね。」


「ん~。でも無理だよ、本気出すの。」


「……どうしてだろうか?」


「そもそも私の固有、フランスのロンシャンでしか使えないし。あと引っ張り出すのに必要な勝負服全部あっちでファンのみんなにあげちゃったからない。」


「いや『領域』は勝負服によって出るものでは……、それにライブ用の予備などないのか?」


「あれオーナーがくれた一着だけ~。……あとたぶん私が出走したらお歴々がSANチェックすることになるけどいいの? 最近、格が上がったから1d10/1d100だけど。」


「…………やめておいた方がいいか?」


「賢明な判断ですな。」









キャラに作者が喰われると収取が付かない

 

 

 

 

凱旋門で化け物であるあなたちゃんがパリを火の海にして居るころ、日本ではミホシンザンが秋の天皇賞で頑張っていた。シニア級で格式高いレースであるため出走者のレベルは総じて高いものとなっているが、そこはミホシンザン。

 

神様から名前を頂き、そしてプラナリアのように増殖するお化けと鎬を削っていた彼女である。あのシンザン会長を『え、なにその領域。こわ……。私を太陽として見立てて神楽? というか天照大御神に申し訳ないんだけど』と言わせるまでの『領域』を扱う彼女である。

 

 

まぁバッサリカットしてしまえるぐらい圧倒的な勝利であった。

 

 

ちなみに国内で最初の春秋天皇賞連覇というとんでもない成績を残したのであるが……、まぁ彼女が主人公のお話ではないのでご容赦願いたい。

 

 

さて、ミホシンザンが勝利したことで今現在のあなたちゃん世代。所謂御三家世代がどのようなものか見ていこうと思う。

 

 

まず現在序列一位のあなたちゃん。なんと言っても彼女は凱旋門勝利ウマ娘である。いかに彼女が気が狂ったUMA娘であるとしてもその実績だけは認めてあげねばならない。ホープフルS、皐月賞、ジャパンダートダービーとジュニア級からクラシック級の夏までは、シリウスシンボリに日本ダービーで負けた以外はパーフェクト。菊花賞、この世界では存在していないはずのJWCでともに二着と本当にこいつ実力だけはすごいのだ。

 

まぁその後のルドルフ、マルゼン、シービーとかち合うという事故としか言えない有馬で6着、フェブラリーステークスで4着と年末から新年までは少々気が抜けたものとなってしまったが、その後の宝塚記念ではミホシンザンとの激しい叩き合いの後に勝利している。

 

そのまま圧倒的な凱旋門勝利を飾った彼女であるが、いまだ底が見えていないと言うのが恐ろしい。というか底を見ようとしたら喰らい尽くされるのが彼女である。ちなみにこの作品の初期では最初に『あなたはウマ娘である』と書かせていただいていたのを最近やってないのは、ウマ娘であるかどうかが作者でも解らなくなってきているからというのは秘密である。

 

 

 

さて話を戻そう。御三家における序列二位、ミホシンザンだ。主な勝ちレースとして菊花賞、大阪杯、春の天皇賞、秋の天皇賞が挙げられる。秋天は御三家のうち二人がいなかったためあっさりと描写されてしまったがそれでも天皇賞完全制覇である。とってもスゴイ。彼女が掲げていたシニア期の三冠、その春の方はあなたちゃんによって破壊されてしまったが、秋の方は最初の天皇賞を無事勝利。トモの張りも最上級で調子はこれまでにないほど。序列を塗り替えるためにもジャパンカップ、有馬記念に向けて調整中である。

 

また彼女、領域に深く潜り過ぎたせいで前世の記憶を保有し、あなたちゃんがどのような存在かも認識している珍しい存在。まぁ深く知り過ぎてしまったせいか、それとも過去の自分と同化しすぎたせいかは解らないが、一時的狂気に陥ったこともある子。初期は関西弁だったが、タマモクロスの登場とあなたちゃんにエセなのをいじられまくったのでやめた子でもある。

 

 

続いて序列三位に甘んじているシリウスシンボリ。主な勝ちレースは日本ダービーのみ。まぁのみと言っても上に書いた人たちがヤバすぎて感覚マヒしているだけである。決してアプリ育成で出来上がった『クラシック三冠+シニア級完全制覇+有馬・JC連覇したマチカネフクキタル』とかと比べてはいけないのだ。彼女の強さは積極的に海外遠征を行っていることである。GⅠ級となると国内のダービーでしか勝てていないが、GⅡ・GⅢレベルであれば彼女に敵う者などおらず、無双状態と化している。まぁつまり現在日本ウマ娘最多の海外受賞制覇者であり、その記録はいまだ更新中であるとなると末恐ろしく感じる。

 

前走、前々走とダンシングブレーヴに敗北してしまったが、その強さは本物である。今現在はいったん帰国してジャパンカップと有馬記念に向けて調整中のようだ。なんでも『アイツに負け続けなのは気にくわないし、そろそろミホと直接ヤリあいたい』だそうだ。

 

 

 

 

ま、こんな感じで今現在のシニア級は大変楽しいものになっている。聞いた話によると現在クラシック級では葦毛のウマ娘が最近伸びてきているらしいし、ジュニア級ではあなたちゃんによって鍛えられてしまったサクラチヨノオーが頭角を現し始めている。ちなみにゴルシちゃんは2010年代までゴルゴル星のゴルシ級に挑戦するらしいので当分彼女の活躍はお預けだそうだ。

 

 

 

 

で、なんでこんな話をしたかと言うと……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………え? “YOU”でないの?」

 

 

 

 

日本某所。BCターフを難なく勝利したダンシングブレーヴはその足で強行軍。日本のジャパンカップに出走するために来日し、英語翻訳された日本勢の資料を宿泊先のホテルで眺めていたのだが……。

 

 

「ご、ごめんなさいぃ。さっきURAに電話したんですけど違うレースに出るとかいって今行方不明みたいですぅ。」

 

 

とのことである。このダンシングブレーヴ、わざわざあなたちゃんにリベンジするために日本までやってきたのに張本人がいないのである。ちなみに今『ごめんなさいぃ』と言っているのはブレーヴの地元であるアメリカから付き添いとしてやってきたアメリカの“YOU”である。皆様には“YOUの名は”で出てきたウマ娘と言えばわかりやすいだろうか。

 

一応“YOU”の名に恥じない素晴らしい活躍をするウマ娘なのだがこの時点ではまだデビューもしていないウマ娘。さすがに勇者さんにすごまれたら小っちゃくなって謝るしかないのである。

 

 

「あ、ごめん。あなたの事じゃないの……。にしても行方不明って……。」

 

 

まぁなんであなたちゃんがこの世界線に今いないかと言うと、あなたちゃん自身が四月辺りに言っていたのですが、すでにジャパンワールドカップへの出走登録を済ませているからなんですよね。

 

 

 

そんなわけであなたちゃん不在のジャパンカップ。ミホシンザンにシリウスシンボリと日本勢が立ち向かいますのはアメリカ生まれイギリス育ちの淑女、勇者ことダンシングブレーヴ。はてさていったいどうなりますことやら……。

 

 

 

 

 

 ーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

え~、と。皆さんお久しぶりです。サクラチヨノオー、って言ったらわかりますかね? ほら、あなた先輩と一緒に夏合宿に参加して、ゴールドシップさんに追いかけられてたウマ娘です。うん、そうそうそれです。

 

最近寒い季節になってヒートテックをそろそろ出さないと凍えちゃうようなので、皆さんも防寒とかしっかりしてくださいね。あと師走、って言うぐらいですからお忙しい人もたくさんいると思いますけどお体に気を付けてください。一応私たちアスリートみたいな感じですので健康の大切さと言いますか、ケガをしないことの大事さをよくよく考えさせられる身ですので……、まぁ皆さんお体に気を付けて、って奴です。

 

 

 

あ~、それでなんで私が皆様に話しかけているかと言うと、ちょっと知恵をお借りしたいなぁ、って思いまして、はい。

 

 

ちょうど今朝の事なんですけど、フランスにいるはずのあなた先輩が急に私の部屋の扉を蹴り破って入ってきたんです。まぁ同室がまだいないですし、いつものことだからそれはいいんです。基本的にあなた先輩は身内と認めた人たちには利になる行動をしてくれることが多いですから。

 

 

それで『あぁ、今日もまたどこかに連れていかれるのかな? この前はイースター島で自分の顔のモアイを作りに行ったけど今日は何だろ。』って呑気についていったんですよ。『出来上がったモアイ像、とんでもなく似ていたし数十体ぐらい作って放置して帰ったから現地のニュースで「宇宙人の仕業だ!」って取り上げられてたなぁ。まぁ先輩宇宙人みたいなもんですけど』なんてアホなこと考えながら引きずられてたわけです。

 

 

で、到着したのは学園の三女神様の像がある広場だったんですけど……、まぁ案の定変なのがありました。紫か黒か解らない発光をしてる円形のゲートみたいなものがそこにあったんです。後日ゴルシちゃんから聞いたんですけど『時空と時空をつなげる門』だったみたいです。

 

そこには私以外にもゴルシちゃんやマルゼンスキー先輩。それに沖野トレーナーやたづなさんの後ろに隠れて震えている理事長とかもいました。

 

ここで私聞いたんです。『あなた先輩、これは何の集まりですか?』って。

 

 

 

 

 

そしたら『ジャパンワールドカップに向かうための出発式』だそうです。何でも違う世界にはあなたちゃん先輩のような気の狂った方々が出走するレースがあるらしくて、わざわざ世界の壁を飛び越えてそれに挑むみたいです。なんでも首を回転させながら走る人や、普通に走るよりもカニ歩きの方が速い人。ダンボールを被って走る人だったり、ターフを縦に転がりながら走る人がいるみたいです。アタマあなたちゃんですね。

 

まぁ一応そのレースGⅠに分類されるそうで、さすがにウマ娘ファーストのちびっこ理事長も最高位のレースなのだから、という理由で出発式に参加なされたようです。まぁ震えてますけど。

 

 

 

 

『ではでは! 今から行ってくるであります! この門を通った先には……、ん? 門?』

 

 

 

 

普通ならそのゲートの先に行っておしまいなんでしょうけど、まぁそこは先輩でした。自分で目の間にある巨大なゲートのことを言語化した時に、“門”という単語に行きつく。そして気が付く。目の間にあるのは巨大なゲートだと。そして拒否反応が出るわけですね。

 

 

 

『縺カ縺」谿コ縺励※繧!k縺薙!繧ッ繧ス繧イ繝シ繝茨シ!シ!シ!シ!シ!!!!!!!!!』

 

 

 

 

はい。先輩は自分で作ったらしいゲートを自分で破壊。そしてゲートが暴発。時空と時空をつなげる物だったそれはワームホールのように近くに居たあなた先輩と私を吸い込んだわけです。

 

 

 

それで出てきた先が…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

《え~、最近行き過ぎた表現、公式に定められた規約に触れそうな暴挙、凱旋門の破壊やパリ市街への放火。浅草雷門でのURA職員との戦闘など。もとからゲートを爆散させたりなどと、これまでの行動がさらに激化しているように思えるのですが、どのような考えをお持ちなのでしょうか。》

 

 

 

「それはですね。ぜひとも皆様に楽しい時間を送っていただくため、そして私自身の獣性をどうにかして収めるために必要なことだったと考えております。それと門やゲートは存在するだけで害悪ですのですぐさま撤去、もしくはあまねく破壊を実行すべきだと考えています。」

 

 

 

《確かにゲートはウマ娘にとって精神的ストレスの大きいものと聞き及んでおりますが、破壊までする必要はないのでしょうか。それを作った方々に申し訳がないとは思わないのでしょうか? 職員の皆様の負担になるとは考えないのでしょうか?》

 

 

 

「はい、ごもっともなご意見だと思います。たしかに私の安易な考えによって不利益を被ってしまった方がたくさんいらしゃるとは思いますが、トレーナーの沖野氏を通じまして金銭的な支援となってしまいますがそれをさせていただいております。」

 

 

 

《それはすべてお金で解決するということでしょうか!》

 

 

 

「申し訳ありません。それについては発言を控えさせていただきます。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あ、ども。サクラチヨノオーです。これ二度目ですね。

 

なんか気が付いたらたくさんスーツの着た人がいるところに居ました。

 

 

 

「え、どこここ……。」

 

 

 

よくよく周りを見渡せば皆さんボイスレコーダーやら、カメラやら。手にはびっしりと何かが書かれたメモ帳を持っている人ばっかり。パソコンもってる人もいるし……。それにやっぱり目につくのは私が座っていたパイプ椅子の正面にあるお立ち台。私がデビュー戦で勝てた時に立ったことがあるインタビューの席だ。

 

 

「しかも私までスーツ着てるし、体もちょっと大きくなってる? あとメモ持ってるし……。」

 

 

なんだか私まで記者さんになったみたい。というかなんで私大人みたいになってるの? 私まだ中学一年生なんですけど……。

 

まぁもっと注目すべきことはあのあなた先輩が真面目にスーツなんか着ながら記者会見を受けてることなんですけど……。普通海外遠征行くときは一応国際試合なのでスーツとか着ることが求められるんですけど、凱旋門に私服で行ったあなた先輩ですよ! 記者会見とかでもよくて勝負服、悪くて下着一歩手前だったあのあなた先輩がスーツを着てるなんて……。明日地球滅びるのか?

 

 

 

《では、他の質問をさせていただきます。先日投稿なされたタマモクロス実装のお話に関してなのですが、安易にパロディに走り過ぎではないでしょうか。烈海王だけでなく、ダークライ、ヴェノム、ハガレンの真理の扉など多くのパロディがなされていますがどういったおつもりなのでしょうか。》

 

 

 

「はい、それはですね。単純にそうした方が面白いかと思いまして。」

 

 

 

《では面白ければ何でもよいと? 読者の方々がついていけないのも考えずに?》

 

 

 

「いやまぁそれは頑張ってついてきてもらうしかないかな、と。そもそも私自身イレギュラーの存在でありますし、何をやっても怒られない感じになってきましたので……。もうできるところまでやってしまおうかと。」

 

 

 

 

 

 

 

「う、うわぁ。先輩が真面目だぁ……、怖い。」

 

 

 

 

 

「あ、でもやっぱり記者の質問うざかったから食べていいよ、ヴェノム。」

 

 

 

 

「ヤッパリユーハ、ワカッテル! ノウミソパーティ、ダ!!!!!!」

 

 

 

「あ、よかった。いつもの先輩だ。」

 

 

 

 

 

 

 

………もう何なんでしょうね。あなたちゃんって?

 

 





え~と。ではあなたの眼前には一人の少女がいます。頭頂部に二つの耳があることからおそらく人間とは違う生物でしょう。視界が暗く、詳しくは確認できませんがどうしましょうか? ちなみにPLの背後にはいつの間にか壁が出来ていて引き返すことはできません。


>と、とりあえず声をかけて見ます。挨拶みたいな感じで。



はい、挨拶をするのですね。

でしたら、あなたは口を開け、喉から声を出そうと試みるでしょう。しかしながら、それはできませんでした。意識を声を出すことに割こうとした瞬間、眼前には先ほどまで前にいた少女が鼻先まで顔を近づけています。金髪でウマ娘の少女ですが、あなたはその容姿。特に目に興味が行くことでしょう。だってあなたの目には彼女の眼しか映っていませんもんね。

深く、深く、引き込まれるような黒。塗り潰すような黒。空を見上げれば星の内世界のようにその目があなたの脳内に広がります。彼女の眼の中には何があるのか、そして彼女は何者なのか。あなたの頭の中にはずっとくらい何かが広がり始めます。

さ、ここで精神力で振ってください。


>うわぁ、マジか……。ダイスロールしまぁす


POW(18×5)1d100→92(失敗)


>うむむ


はい、では自分の脳が何かに侵食されていること、それに対抗できなかったということでSANチェック行きましょう。成功で1d10/1d100です。


>うわ。コイツ神格級かよ……、せ、成功してよ


SAN(90)1d100→24(成功)

1d10→3 SAN値90→87


>おぉ、何とかなった。



運がいいですね。では進めていきましょう。


あなたは何者かに見つめられ、その目の中に宿る深淵のせいか、脳が何かに侵食されていくような錯覚を覚え、取り乱します。しかしながら発狂には至らず何か行動をすることができるでしょう。


さ、どうします?


>と、とりあえず彼女から距離を置きたいですね



あなたは距離を置こうとします。しかしながらあなたの後ろには壁がすぐそこに。気が付けば背中に密接するほど壁が近づいてきていますね。そして目の前のウマ娘に逃げようとしたことが感づかれたのか、あなたの頭はがっしりとその両手で掴まれ、動かすことができません。


その時、あなたは違和感感じるでしょう。自身の頭部、その横側についているはずのものがないのですから。あるべき耳は横から上へ。そしてあなたは感じるでしょう、自分の体が徐々に変化していっていることを。


性別が変わり、種族が変わり、感じるのは脚に籠る爆発的な力とはじめての尻尾。視界の端に移る黒だったはずの自分の頭髪は目の前にいる彼女と同じ金色に変わっていることでしょう。


しかしながら不安を感じる必要はこれっぽっちもありません。





え、何故って?





だって…………















あなたはウマ娘である、ですから。

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