あなたはウマ娘である。   作:サイリウム(夕宙リウム)

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あなたちゃんの秘密①

実はウマ娘であることを立証する特番が年に三回ほど放送される。





Seazon2
始まってしまった……


 

 

遥か彼方のあなたちゃん銀河系で

 

 

あなた銀河共和国には混乱が渦巻いていた。

砂糖プランテーションの星との角砂糖交易で課税の是非について意見が割れたのだ。

 

貪欲なあなた通商連合は恐るべき宇宙あなた戦艦の包囲で事態解決を図り小さい惑星アナターへの航路を封鎖してしまった。

 

この非常事態にあなた共和国議会はゲートの壊し方についての会議を繰り返すばかり。

あなた共和国最高議長は紛争解決のために平和と正義と狂気の守護者アナタの騎士二人を特使として秘密裏に派遣したのだった……

 

 

 

 ーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

時期は、一月。新年がはじまり、多くの人たちが気持ちを改め新しくやってくる年を迎え撃とうとする季節。サクラチヨノオーは雪が降りしきるターフの中特訓にいそしんでいた。

 

 

(私が去年までされていた評価は一言でいえば“優等生”。これじゃ勝てるものも勝てない。)

 

 

元々心優しく、言われたことはきちんとする彼女。諸悪の根源であるあなたちゃんに絡まれてもめげないしへこたれない。何故か目をつけられたゴルシにサンマ漁に連れていかれても、一緒に乗っていた船のおじさんの言うことをよく聞き、文句も言わずにサンマ漁に勤しむぐらいいい子なチヨノオー。

 

 

彼女はトレーナーさんの言うことを良く守り、頑張ってトレーニングを積んでいた。

 

 

ターフを走りなさいと言われれば走り、坂路を走りなさいと言われれば走る。プールと言われれば水着を持って来るし、あなたちゃんに『今からターフにサトウキビ埋めるぞ!』と言われれば頭の中にハテナが一杯になりながらもスコップを持って来る。

 

学業の方でも先生から言われたことをしっかりと守るもんだから担任の先生に『あのあなたちゃんに絡まれて大変ね。大丈夫! 何かあったときは先生が身代わりになるから!』と言われるぐらいである。ちなみにその先生はあなたちゃんにマグマ遊泳に連れていかれた。現在は火山の監視員をしている。

 

 

 

まぁ長々と語ったがとにかく彼女は何においてもいい子。優等生だったのである。普通ならばそれは喜んでいいはずのこと。通信簿に書いてもらえばハピハピハッピーなのだが……。

 

 

 

(このトゥインクルシリーズ。マルゼンスキー先輩やあなた先輩。あとゴルシちゃんを見て来たからわかることがある。……このシリーズで戦い抜いて一着を取るにはやっぱり“個性”がいる! どんな相手にぶつかったとしても戦える“個性”が!!!)

 

 

 

と、こんな風に悩んでいる次第。

 

マルゼンスキーが“影を踏ませぬ速さ”。あなたちゃんが“ゲートを遍く破壊”。ゴルシちゃんが“120億紙くず事件”だろうか。たしかに濃い面子だが見習わなくてもいい奴が二人ほどいる気がする。

 

まぁ確かに彼女が思い悩んでいることは間違いではない。

 

今の彼女の現状をアプリなどのステータスで表すとすれば全ステータスD~E+のキレイな横並びと言ったところだろうか。つまり彼女はこれだ! といえる武器を持っていないということである。

 

 

 

優等生”という言葉は聞こえがいいが、言ってしまえば平らで平均的。重賞級レースであれば勝ちを拾うことは難しくないだろうが、彼女が一番の目標に掲げる日本ダービーを勝つには“とんでもなく運が良い”“ダービーにかける情熱が人よりも何倍も大きい”なんてことが無ければ不可能だろう。

 

チヨノオーが求めるのは同じクラシック世代の中で自分が一番だと誇れるもの。スピード、スタミナ、パワー、根性、賢さ。どれでもいい。彼女だけが誇れる何かが欲しい。そしてそれがあれば自分の強さに自信が持てるだろうし、その強さを生かした戦法を取れる。逆にそれが長所となったせいで見えてくる短所もあるだろう。それをつぶすトレーニングもできるようになる。

 

 

(だから、言われたことだけをする今のままじゃ駄目なんだ。どんなことでもいい、私だけが一番だと証明できる何かが欲しい!)

 

 

クラシック三冠路線を重視したため出走しなかったジュニア級王者を決める三つのGⅠ。それに顔見知りの相手が勝っていれば焦るのは必然。同世代の友達であるメジロアルダンやヤエノムテキも調子を上げてきていると聞く。

 

そして最も彼女を不安とさせるのは地方からやってくるという一人のウマ娘。

 

 

 

名をオグリキャップ

 

 

 

 

普通は地方から来た、というだけでは警戒する相手にはならない。厳しい話になるが地方と中央の差は非常に大きい。中央で一勝もできなかった選手が地方では無双状態になったとはよく聞く話だ。そんな世界において外からの挑戦者は怖くないはずなのだが……

 

 

(あの、シンボリルドルフ先輩。いやシンボリルドルフ新会長が数少ない権利を行使してスカウトした相手。それが彼女。)

 

 

一応今学期で卒業なされるので前会長であるシンザン会長はまだ御在籍なのだが、あなたちゃんのストレスにやられたのか最近は彼女のトレーナーさんのために買った新居から出てこないらしい。そのせいでトレセン理事会が急遽ルドルフ先輩を会長に就任させたらしい。なおシンザン会長のトレーナーさんは現在行方不明である。

 

 

(つまり就任してすぐにスカウトの権利を行使した、つまりは普通は中央にいるべき強者なのに何らかの理由で地方に居なければならなかったということ。それにマルゼンスキー先輩やあなた先輩に土を付けた相手が推薦してるんだ。……強いに決まっている。)

 

 

 

「私は、絶対にダービーで勝ちたい。」

 

 

「マルゼンスキー先輩が走れなかったダービーを。」

 

 

「あなた先輩が負けてしまったダービーを。」

 

 

「絶対に、勝たないといけないんだ!」

 

 

 

トレーナーから指示されたものは休養。しかしながら彼女は雪の中ターフを走る。

 

 

前世の父、そして兄が成せなかった偉業。日本ダービー制覇に向けて。

 

 

自分だけの何か、桜吹雪が舞い散る景色を目指して。

 

 

 

 

「……あ、そういえばシンザン会長から渡されたこれどうしよう?」

 

 

 

その手にはシンザン会長と彼女のトレーナーさんが結婚するので結婚式を開くというお手紙。あんまり接点がないはずなのになぜか呼ばれたチヨノオーであった。

 

 

 

「しかもこれ卒業式の次の日だし、スピーチするの今失踪中のあなた先輩だよね。……大丈夫かな?」

 

 

地味に二人の仲を取り持っていたあなたちゃんはキューピッドであった。

 

まぁスピーチがまともなものにならないのは確定ですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん? あれどうしたのシリウス。こんな時間まで走り込み?」

 

 

所変わって寮の近く。シンザンさんちの暫定長女であるミホシンザンは夜中に何故か無性にアイスが食べたくなったので防寒具片手にコンビニまで行こうとしたところ、玄関口で汗だくのシリウスを発見した。

 

 

 

「あぁ、ミホか。……うん。そんなところ。」

 

 

「そと寒いのによくやるねぇ。まだ年明けて間もないって言うのに。」

 

 

「うん。ちょっと風にあたりたくてね、走ってきた。……あ、雪降りそうだから気をつけた方がいいよ。寒いし滑ったら危ない。」

 

 

「げ、マジ? じゃあわたしも走るとしますかね! 降る前にこのミホちゃんの神速をご覧に入れよう! っと、コンビニまで行ってくるけどついでに何か買って来るかい?」

 

 

「じゃあ適当にスポーツドリンクでも頼むよ。」

 

 

「あいあい、ラジャー!」

 

 

 

 

 

 

 

「…………ミホ。ちょっといいかな?」

 

 

「? どうしたのシリウス。そんなに改まって。」

 

 

「ミホはまだ…………、『領域』って使える?」

 

 

 

 

 






と言うことで第2シーズンはシンデレラグレイからスタートとなります。また長いお付き合いとなると思いますので応援の方よろしくお願いします。つまり感想と評価とお気に入り登録をください!

あなたちゃんがなんでもしますから!



あなた

なんかたくさんドロイドがいる場所にやってきたぞ! でも通された部屋の扉がなんかゲートみたいでうざかったから船ごと爆破したぞ! そしたらなんかナメクジみたいな人間がいるところに落下したし、顔が真っ赤なおじさんが追いかけてくるんだけどなんで???


サクラチヨノオー

第2シーズンの主人公かもしれない。現在“個性”を手に入れ“優等生”を脱却するために奮闘中。決してあなたちゃんのようにゲートを爆破したり、裸になったり、急にブチギレたり、地球を破壊したり、パリを火の海にしたりするウマ娘にはならないでね! お願いよ!
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