とあるウマ娘ディスコードサーバーにて、うづうづ様(https://syosetu.org/user/364521/)が仰っていた「古代あなた文明」に着想を得て執筆いたしました。ブラックプロテウスちゃんかわいいからみんなもみよう!
皆さんは『古代あなた文明』という言葉を知っているだろうか?
もちろん三大超古代文明の一つであり、ムー文明やアトランティス文明と並ぶものである。
先日、フランス西沿岸に浮かぶ孤島。古代あなた文明の発見の発端となったアナティテァアン島にてとあるミイラが発見された。もちろんあなたのミイラである。
発掘された彼女は、砂糖水を与えると復活し我々に好意的な態度を取った。
本日は古代を生きた彼女の話とこれまでに解明されてきた事実を織り交ぜてお話していこうと思う。
Q:それではインタビューを始めさせていただきます。まず自己紹介の方を出来るだけ詳しくお願いいたします。
(※専門家によって古代あなた言語を用いた筆談が行われています。この番組では吹き替えを放送させていただきます。)
『はい、私はこの島で破壊用のゲートを作る仕事。その現場監督を行う役人でした。名前はあなたと言います。まぁ名前みんな一緒なんで役人のあなた、とでも。』
Q:なるほど、ありがとうございます。それと初めにお聞きしておきたいのですが、ミイラで埋葬された、ということですのでかなり御身分の方が高かったと推察いたします。
『あぁ、いえ。たしかに私がいた島では一番身分が高かったですが、王国全体を見れば真ん中ぐらいですね。そこまで気になさらなくても大丈夫です。』
この時点で、すでに驚くべき事実が判明している。
まず彼女たちが作っていた“ゲート”の存在である。
日本群馬県の山中に残されている古代あなた文明の壁画によると、非常に現代的なゲートを住人たちが全力を持って破壊している様子が描かれている。日本のみならず世界各地に同じような壁画が残っており、この文明の支配領域の大きさと、それを統治していた可能性が今まで語られていたがそこには大きな疑問があった。
それすなわち『このゲートどうしているんだろう?』である。
ウマ娘の住人たちが破壊するのに時間を書けている描写が発見されていたことから金属製、もしくはそれに準じる耐久力を保有していたゲートをほぼ毎日全世界破壊しているのである。
現代においても同規模の生産ができるかどうか怪しいレベル。歴史家はそろって『畑からゲートでも作っていたのではないか』と冗談をこぼしながらその生産地や方法を探し続けていた。
その答えが目の前にあるのである。
Q:あなたのお仕事について詳しく教えてください。出来るだけ詳しく、そしてやさしく。幼子に教えるような感じでお願いします。我々が理解できるように。
(※ここで古代あなた言語のミスがあったらしく、役人のあなたが解読に時間がかかる。)
『……あぁ、なるほど。説明ですね。といっても簡単ですよ? 職人の手により手作りで一つずつです。効率性を持たすために職人一組に作る部品を限定させまして、後は組み立て専門の職人が組み立てて完成。もっと詳しく? わかりました……』
彼女の話を詳しくまとめると、
まず最初に職人たちのグループ、3人ほどのものが作られる。この職人たちはゲートに必要なパーツ一つのみを作るのだそうだ。このグループを作業チーム、確認チーム、休養チームの三つ用意しこれで一つのパーツを作る団体が完成する。
その後、この団体をゲートを一つ作れるだけ用意する。そして組み立てのグループを新しい人員で結成しそれを決められた手順によって行う。またこの組み立てのグループも作業、確認、休養の三つのチームが用意されており、個人が行う作業が単一になるように努められていたという。
つまり一人の職人が行うことは単にネジを締める、だとかパイプを作る、だとかに固定されているということだ。
思い起こすのはアメリカ1920年代より大規模化したフォード方式、ベルトコンベアで作業を単純化させた方式や、古代ローマで行われ、現代でも使用されているオーパーツ制度である分業と休養の重要さ。それが彼女たちの手にあったということである。
古代あなた文明が存在していたのは残された壁画などを調べると、大体今から1万年前~1万2千年前と推察されている。つまり彼女たちの文明は現代に劣らぬ製作技術と作業方式を持っていたということだ。
全く持って恐ろしい。
また、さらに恐ろしいことに。
Q:こちらは私たちの文明が作り出した鉄をパイプ状にしたものです。これはあなた方の文明のものと比べてどうでしょうか。
『(パイプの厚さや質感を細かく調べたのち)失礼、これは壊してもいいものかな? (現地研究員たちが承諾、その後ほとんど力を入れずにへし曲げたのちに小さな笑いがこぼれた)いや失礼。1万2000年と聞いていたものだからてっきり私でも壊せないのかと思ったよ。』
『まぁ時間の流れは残酷だしね、技術が失伝したとしても仕方ないのだろう。』
と、述べていたことから彼女たちがもつ製鉄技術は我々の文明よりも進んでいた可能性が存在している。この会話の後、現地研究員が
『これは量産品ですから』と説明するも
『ははは、もちろん承知だとも。てっきりアニャータヨワヨワジャ(彼女たちの文明における粗悪品を意味する)かと思ったじゃないか! もしかしたらそれよりも、さ!』
とあったからだ。
(このあと淡々とインタビューが進み、そのたびにナレーターの解説が挟まる。)
では、最後の疑問。
『古代あなた文明』と『あなた』の関係性についてみていきましょう。
もちろん『あなた』とはみなさんご存じのお騒がせ凱旋門ウマ娘の彼女。先日自衛隊所属の戦闘機を二機落とし、無事200億近い負債を手に入れた彼女のことです。
現地の研究者たちはその借金の一部を建て替えるのを条件に、『あなた』に研究の協力及びその間人や物を破壊、もしくはあなたちゃんにしないなどの契約を取り付けました。
それにより実現した古代あなた文明人と『あなた』の対談です。
これより、生放送でお送りいたします。
(※フランスのアナティテァアン島に建設された仮設住宅で椅子に座っている役人のあなたと現地研究員が映し出される。)
Q:では、役人のあなたさん。あなたに会って頂きたい人物がいまして、大丈夫でしょうか? もちろん通訳の方はこちらで行わせていただきます。
『あぁ、それはどうも。』
Q:お入りください。こちら日本の……
『陛下!!』
(※役人のあなたが急に立ち上がる。)
『ん~? あ! 役人のあなたちゃんじゃん。復活おめ~~。』
(※軽く返すあなたちゃん。なお我々には発生できない言語だが何故か内容が理解できる。)
『ご無沙汰しております!! アナティテァアン島にてゲート製作の任を授かりました役人でございます!! 陛下に置かれましてはご壮健のようで何よりでございます!!!』
(※その場で跪いき、大声を挙げる。)
『うむうむ、よきにはからえ。』
『ははぁ!!!』
な、なんと! あなたちゃん! 実は古代あなた文明の王様だったようです!!(知ってた。)
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トレセン学園 初夏を迎えたあたり。
春のクラシック大一番も終わり、次はダービーに向けて物語は進み始めている。
「これは……、説明しておいた方がいいかもしれんな。」
「どうしたんですか六平トレーナー? さっきから同じレース何回も見返してますけど。」
「ん? ベルノか。」
トレセン学園とある部室。そこではこの部屋の主でもある六平トレーナーが備品のテレビで何度も今年の皐月賞を見返していた。オグリキャップのサポーター的役割を担っているベルノライトはお手伝いにと部屋の整理をしていたのだが、何度も何度も同じレースを見ていたので『まさかボケてしまったのではないか?』という考えが頭に過り、聞いたのが先ほどである。
「あぁ、ちとな。」
バン!!
「おわったぞ、ろっぺいトレーナー。」
そこにドアを叩きつけて帰ってきたのがオグリキャップ。着ているジャージが少々汚れていること、体からなんかやばいオーラが出てるの見るに練習帰りなのだろう。
「ムサカ、だ! ……はぁ、そんなとこまで似なくていいのによぉ。」
「あはは……。」
キョトンとするオグリ、ため息をつくお爺ちゃん六平、愛想笑いをするベルノ。よく見る光景である。
「まぁ終わったのならちょうどいい、ちょっとこれを見てくれ。」
そうやってもう一度再生しなおすのは皐月賞、その最後のスパート部分。サクラチヨノオーがヤエノムテキを差し返した瞬間のところだ。
「これを見て何か感じたことはあるか?」
「……すごい?」
「……はやい?」
頭にハテナを浮かべながら、首をかしげてそう答える二人。残念ながらトレーナーの求める答えではなかったようで手で顔を覆っている。
「はぁ、じゃあ最初からだな。お前らは『領域』って現象、まぁ限られたウマ娘が引き起こせる現象は知ってるか?」
「あ、知ってます! 確か前生徒会長のシンザンさんについて書いてある雑誌で見ました!」
「……???」
ベルノの方は思い当たることがあったようだが、オグリの方は別にそういうことはなかった模様。
「まぁ簡単に言ってしまえば“すごく速くなる”だ。」
「なるほど。」
「まぁ正確なことはウマ娘しかわからんらしいから俺も聞いた話なんだが……」
そうやって話される『領域』の話。
『領域』を扱うウマ娘が現れた時、時代が変わる。
絶対数が少ないため存在が疑問視されていたが、シンザンの自身の精神世界を完全に現実世界へ反映する領域、【神はここに在りて】のおかげで『領域』が実在していることが証明された。
「いわゆる“英雄級”。GⅠを複数勝ったり、まぁ速すぎて伝説になった奴なんかは大体そう呼ばれる。『領域』を得ずにそれに至る奴もたくさんいたらしいが、今そう呼ばれる奴らは大体持ってる。英雄のような強く伝説になるようなウマ娘が持っている基本装備みたいに思えばいい。」
「シンザン前後の奴らは大体例の結婚騒動で大体引退しちまったが、今残ってる奴でいうと、マルゼンスキー、ミスターシービー、シンボリルドルフの“三強”。ミホシンザン、シリウスシンボリ、それにあなたの“御三家”がそれに当たるな。」
“あなた”と言われて『む! 私か!』と反応するオグリ。すぐにベルノに『そういう名前のウマ娘……? まぁウマ娘さん。』と訂正される。そんなことしてたらあなたちゃん寄ってきますよ?
「つまり、この皐月賞で『領域』とやらをつかうウマ娘がいた。ということかトレーナー?」
「そんな感じだ。まぁ普通は『領域』を外に発動するなんて二人ぐらいしかできないが、まぁ外から見ても急な加速や不自然なスタミナ回復。それを確認することで俺たち観客もそれを目で見ることができる。」
「んで、問題はここ。チヨノオーがヤエノを差し返すところ。よく見てみろ。」
そう言いながらスローモーションで再生し始めるトレーナー。その映像はチヨノオーがヤエノムテキを追い抜かそうとした瞬間。加速が二段階にわかれて急加速しているように見えた。
つまり一度目の加速が通常の加速、二度目の加速がおそらく『領域』を使っているとトレーナーを言っているのだ。
「た、確かにすごい加速してる……。」
「チヨノオーはオグリの次走である日本ダービーに出走すると言っている。つまりオグリ、お前さんの相手は“英雄級”、もしくは英雄になりかけてる雛鳥、ってことだ。」
つばを、飲み込む音。
「それはすごく、楽しみだな。」
後書き
今回と次回は前後共につながったお話になります。つまり古代あなた文明編の後編と平和なトレセン学園ダービー前の後編をやります。それが終わったら久しぶりシンザン会長を出したいですね。んでダービー。