あなたはウマ娘である。   作:サイリウム(夕宙リウム)

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どれだけお腹に置いてきたんでしょう?

 

と、いう夢を見たのだ。

 

あなたからすれば、夢の中のあなたは少々おふざけ・イタズラにキレがないし、最終的に真面目になってしまうとかそれはもうあなたではない。

 

あなたは「悪い夢を見た……」なんて言いながら寝床を出る。まぁでも周りからすれば夢のように少しでも反省して真面目になってくれればなぁ、って思われてますよ?

 

 

 

さて、今日はホープフルS前のインタビューの日である。枠番の抽選とレースに向けた意気込みのインタビューを同時に行う日であり、あなたの珍妙さが世間に広まる瞬間でもある。先日あなたの両親に「今度ホープフルSでるねん」と報告した所、「絶対に真面目にやれ!」と怒られてしまったところである。

 

まぁあなたとしては実家で暮らしていたころのように「外に出るときはせめて服を着なさい!」だとか、「寝室に干し草引くのやめなさい!」だとか、「甘いお菓子ばっかり食べないでもっとまともなの食べなさい!」と怒られることもない、寮暮らしなので!

 

たとえあなたにとっての家判定が寮全体に及び、寮内を裸で徘徊していたとしても! 同室に誰もいないのをいいことに二つあるベッドのもう片方を干し草の山にしていたとしても! 先日夕食としてスイーツバイキングでたらふく食って体重増加したとしても! あなたの寝床と食事を人質に取り! 「ちゃんとしなさい!」と怒ってくる親御さんはいないのである!

 

 

しかもコイツ、ゲート破壊運動とかもしているからタチが悪い。親御さんから学園に「うちの娘が本当にすみません!」と謝りつつも、学園側が「いえいえ、お互い大変ですね。というかよくこれまで押さえつけられましたよね。どうやったらできるんです?」となるぐらいあなたは凶悪な学生である。

 

まぁ今後、トレセン食堂の悪魔一号、二号だとか、でちゅねの悪魔だとか、不沈艦などの色々な問題児シスターズが入学する予定である。しかもここであげない以外にももっとたくさんいる。トレセン学園は泣いていい。

 

 

 

 

 

 

まぁ、そんなわけで、どんなわけで? インタビューの日である。あなたにとって初のメジャーデビューみたいなものだ。やはりインパクトがないといけないということで、あなたは何を仕出かそうか思案中である。

 

隣にいるあなたのトレーナー、最近自身の愛バにゲート練習をもう一度させようとしてまたターフで埋められた沖野は「あ、またこいつなんかしようと企んでる」と思ったが何も言わないことにした。ある程度の付き合いで何か注意したり止めようとするとそのハジケ具合がさらにひどくなると理解しているからだ。

 

 

「そ、そういえば、さ? 勝負服のほうサイズ確認したか? 一応見ておいてくれ。」

 

 

ふむ、そういえば勝負服の確認をして居なかったとあなたは気が付いた。前世では勝負服、といってもあなたではなく騎手の奴が着ていたものであるためなじみがない。

 

あなたは前世であなたの前を行く馬が騎手を振り落として楽しそうに走っていくのを見、自分もしてやろうと思ったところ「お願いですから落とさないで! 落とさないで!」と叫ばれたことを思い出しながら黒い袋に包まれてハンガーにかけられている勝負服を手に取った。

 

 

 

どんな勝負服だったのかについてはこれを読んでいる方々の想像にお任せしたいところであるが、あなたはとても気に入ったようである。あ、必要なら考えるのでいる方は感想欄の方で「勝負服求む!」と書いてください。ジョバンニが一晩で用意してくれるはずです。

 

 

「お! 気に入ってもらえたようで何よりだ。」

 

 

あなたは早速着替えるために、今着ていたトレセンの制服に手を掛けた。

 

 

「ちょ! ちょっと待てぃ!」

 

 

 

? どうかしたのかトレーナー?

 

 

 

「いやいやいやいや! 俺! 俺ここにまだいるんですけど!」

 

 

???

 

 

 

「いやいやいやいや! なんでそんな『こいつ何言ってるのかわかんねぇ? 異星人か?』みたいな顔しないでも! 普通着替えるから席を外してくれとか! そういうのないの!?」

 

 

 

??? たしかにあなたは他人の前で服を脱いではいけない、まぁ全裸になってはいけないと両親に教育された身ではあるが、もうトレーナーは他人ではない。だから大丈夫であるとあなたは高らかに宣言した。ママンとパパンに怒られないね☆

 

 

 

「え? えぇ? 他人だよ? 俺トレーナーだけど言ってしまえば他人だよ!? 家族とかじゃないからね?」

 

 

 

????? そもそもあなたは前世で服を着る習慣なんてなかったし、その全裸を騎手とか調教師とか馬主とかファンとかに見られている。調教師であるトレーナーに見られたとしてもあなたは何も思わないのだが……?

 

 

「いや羞恥心とかは!? 足触る俺が言うのもなんだけどお前さんウマ娘だよね?」

 

 

 

羞恥ってナンダァ? あなたはウマ娘ではあるが、そういった人間に必要そうなものを母親のおなかの中に置き忘れて、穴開いた部分に前世の記憶を埋め込んでいるがごときウマ娘である。言ってしまえばほとんど馬である。タイトル詐欺なのである。

 

 

 

 

 

 

 

結果、トレーナーが「着替え終わったら呼んでくれ」とため息をつきながら自主的に退室することでこの件は収束した。なお、沖野トレーナーは後年スペシャルウィークの勝負服の時にゴルシとダスカとウオッカが「出ていけ!」としたことにより「あ、やっぱり俺間違ってないよね。あいつやっぱりおかしいよね」と一安心したとのこと。その場にいたあなたは盛大に首を傾げたそうだが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そういえばあなたは最近ギャップ、落差というものを勉強した。

 

今回はそれを試してみたいと思う。

 

 

「インタビューは滅茶苦茶丁寧で礼儀正しくしてたけど実は学園では……!、しかもレースで!」というものだ。これを実践してやろうということである。ちょうど両親から言われた「ちゃんとしなさい」のオーダーにも当てはまるのだ。素晴らしいものである。

 

 

 

あなたはとっても、そうとってもいい笑顔になった。

 

 

 





あなた

羞恥心以外にも色々大事なものを置いてきてしまったウマ。最近作者は娘つけなくてもいいんじゃないかと思い始めている。なんやかんやでスぺが入部した時にも居合わせ、アニメの勝負服のくだりを目撃したが「なんで出て行けとトレーナーは追い出されたんだろう?」と真面目に不思議がった。なお、その後「うちの先輩の羞恥心がないのはトレーナーに騙されたせいである」と勘違いされて沖野が折檻されたのはまた別のお話。


スピカトレーナー(沖野)

どこまで行っても残念ながら被害者である。悪癖である足を勝手に触る行為がエスカレートしてしまった原因にあなたが足を触られながら褒めると喜ぶ、という習性を持っていたせいかもしれない。


勝負服

最初は幼稚園児が着用するような水色スモックにしようかと考えていたがあえてここまであなたの名前をあなたにし続けているのに容姿や勝負服を固定してしまうといけないのではないかと思いやめた。もし容姿が必要な場合は、性格がド天然・ハジケリストになったリトルココンが幼稚園児スモッグを着用して喜んでいる姿を想像していただければ。


……でちゅねさんが寄ってきそうですね。
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