あなたはウマ娘である。   作:サイリウム(夕宙リウム)

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あなたちゃん
「そういえばシーズン2どころかシーズン3も放置したままだったな……、久しぶりに進めないとどっかから怒られそう。ということで……。」

スペシャルウィーク
「えっと、次はアルスぺの撮影……、なんで立ち塞がっちゃうんですかあなた先輩。」

あなたちゃん
「あなたちゃんの撮影をするぞ! 拉致!」






アナートゥはご存じか?

 

 

 

 

チームスピカ。そこにはあなたちゃんが異物混入したせいで原作よりもだいぶ進化し、様々なウマ娘が所属している。

 

あなたちゃんを筆頭として、そのブレーキ役のマルゼンスキー。気が付いたら所属していたサクラチヨノオー。あなたちゃんと師弟関係にあり、一番近くで師匠を観察できるからという理由で出現したゴルシ。癖強ウマ娘が跋扈しているトレセン学園の中でも上から数えた方がいいウマ娘達だ。

 

そしてそこに原作通り沖野氏のクソださチラシに惹かれてやって来たダスカとウォッカ。ゴルシに拉致されたけどスイーツのことに関してはあなたちゃん並みに化け物になるマックイーン。そして成績だけ見ればエライことになっているスピカについつい入り込んでしまったテイオー、それと先頭を走ることしか興味がないスズカが所属している。

 

ダスカとウォッカは自分たちの意思で入ってきたので特筆することはないが、マックイーンは減量中にあなたちゃんが所有していたスイーツの香りに惹かれてふわふわ宙に浮いていたところをゴルシに確保。テイオーはリギルのような徹底的な管理主義を嫌い『他によさそうなところないかなぁ?』といいチームを探していた時に、成績だけ見ればとんでもないスピカに興味をもって見学に行ってみれば捕まってしまったという感じだ。かわいそ。

 

え、スズカさん? 彼女は先頭さえ走れれば文句ないから……。

 

 

「まぁそんな場所に所属してしまったスぺちゃんですが、現在のお気持ちをどうぞ。」

 

「あの、えっと。そろそろ私の話をやったのが一年前ぐらいになっちゃいそうなんですが……、次走皐月賞、ってことでいいんですか?」

 

 

はい、大丈夫です。

 

そんな魑魅魍魎がダース単位でタップダンスを踊ってるような場所に所属したスぺちゃん。最近というか昨年の四月ぐらいからあなたちゃんが暴走を始めストーリーと全く関係ないことをしまくった結果、世界の時間が皐月賞前で止まったまま放置されるというかわいそうなことになってました。

 

しかしながら、安心してください。今日から再開です。

 

 

「あ、はい。どうも? ありがとうございます?」

 

 

というわけで現状を確認しましょう、現在スペシャルウィークことスぺちゃんは弥生賞を快勝し、皐月賞への切符を手に入れています。今回はそんなスぺちゃんのために練習と皐月賞対策を進め、アニメや史実では為せなかった皐月賞勝利を目指していく、ってわけですな。

 

ちなみにライバルとなりそうなのは史実と同じ、セイウンスカイとキングヘイローの二名となります。スぺちゃんはお二人と仲良くされているとのことですが、やっぱり強敵になりそうですか?

 

 

「そ、そうですね。二人ともすっごく強いので頑張らなきゃ、って感じです。……あとなんでずっと虚空から声が聞こえるんですか!?」

 

 

そりゃ私ナレーターですから、それにあなたちゃんに汚染された世界においてこのレベルで驚いていたら後々大変なことになりますよ? 心を開いて受け入れた結果死んだ目が標準装備になってしまったチヨちゃんみたいになりたくなければ、そういうもんだと受け流すのが良いかと。

 

さて、話を戻しましょう。

 

セイウンスカイは史実において皐月賞を勝利したウマ娘なだけあり、非常に強力なウマ娘です。サイレンススズカやダイワスカーレットの様な『先頭! 先頭!』とか『私が一番じゃなきゃヤーなの!』みたいなタイプではなく、様々な策をもって後続全てを絡めとっていくタイプのウマ娘です。彼女の策に嵌らないように、賢さを上げていく必要があると言えます。

 

そしてキングヘイローですが、こちらは若干の適性不安がありながらも油断できないウマ娘となっております。全体的な能力はセイウンスカイに少々劣る、というものですが別に彼女が一着をとってもなにもおかしくないウマ娘です。彼女の強さはそのガッツ、根性とも呼べるでしょう。セイウンスカイの策に嵌らず対応できる賢さ、勤勉さからくる情報の蓄積に、何が起ころうともくじけない心の強さは正に強敵。彼女と競り負けないためにも根性を鍛える、ということは間違いではないはずです。

 

 

「なるほど、賢さトレーニングに根性トレーニング。……根性は私も負けてない、って思いたいですけど賢さはちょっと……。苦手だべ。」

 

 

ちなみに史実では海外馬ということで出走できなかったエルコンドルパサーとグラスワンダーですが、あなたちゃんが過去URAに『オグリキャップのクラシック出走』に関して不満を持っていたため本部に直接襲撃を行ったことにより規定が変更、クラシックの規定どころか海外ウマ娘も自由に出走できるようになっています。……かわりにURA本部は塵と化しましたが、

 

ですがエルコンドルパサーはNHKマイルカップに出走するため皐月賞は回避、またグラスワンダーは今年一月に骨折してから休養中のため回避ということになっています。つまりセイちゃんとキングちゃんとのガチンコバトル、ってことですね。

 

 

「よ、よーし。けっぱるべー!」

 

 

そう、その息です!

 

ですがやはり二人とも非常に強いウマ娘のため、スぺちゃん一人だけで練習を進めては本番での苦戦は免れないでしょう。そのため! 今回はスぺちゃんを栄えある皐月賞ウマ娘にするために各部門の先生方に集まっていただきました! それでは先生方、よろしくお願いいたします。

 

 

 

「あなたちゃんです。」

 

「あなたちゃんです。」

 

「あなたちゃんです。」

 

 

 

 

「三人合わせて!」

 

 

「逃げ切りシスターズです!」

 

 

 

 

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

 

「ゴルシ~、何見てんの~。」

 

「ん~? ウチのトレーナーがアメリカ上院議会に召集されてるからそれ見てる~。」

 

「…………あんたのとこのトレーナー何やったん?」

 

「いや単に師匠の管理者としての意見聴取だってさ。……お話し聞かせてチョ~ダイ~、ってわけ。」

 

「おぉ、なるほど。」

 

 

食堂でそんなことをだべっているトーセンジョーダンとゴールドシップ。さっきから真剣そうにスマホを眺めているからまたトンチキなものでも見ているのかと聞いてみたジョーダンだったが、返ってきたのはよくわからないけど文字の強さレベルからして、なんかヤバそうな雰囲気。アメリカってついてるし。議会ってついてるし。上院が何か解らんけど上ってことはなんかヤバいってことは解る。

 

 

『トレーナー・オキノ、貴殿も理解しているだろうが現在アメリカ。いや世界は彼女という存在によって非常に危険な状態に陥っている。彼女が存在する限りこの星に安心して眠れる環境はないのだよ。人類の英知であった核の力は効かないどころかごはんとして吸収され、どんな軍隊も彼女には敵わない。』

 

『我々アメリカには多くの国家と協定を結んでいる、もちろん防衛協定もだ。つまり我が国には多くの国と協力し、安全を守っていくために彼女への反攻、もしくは無効化する手立てを探し続けているのだ。……トレーナー・オキノ。長年にわたって彼女のコーチを務めてきたのだろう? なにか、そう何か方法はないのかね。』

 

 

 

 

「ゴルシ、翻訳。」

 

「アメリカ、師匠怖い。だからどうにかしたい。でも方法解らん。だからウチのトレーナーに聞く。んで回答が、」

 

 

「『こっちが知りたい。』」

 

 

「なるほど、わかりやすい。」

 

 

アメリカ語がちんぷんかんぷんのジョーダンのために、かなりかみ砕いて教えてあげるゴルシ。実際、画面の中の沖野氏がもうどうしようもない顔をしているから解るが、あなたちゃんを止められるのは本当に数少ない人物または存在だけである。それこそあなたちゃんを産んだ、ということで彼女に対する完全耐性と特攻を手に入れたリアルマミィやこの世界の守護神である三女神くらいのものだ。

 

そんな神様レベルの奴らでも肩で息をしながら止めている、もしくは復旧を頑張っている相手に、人類の範疇を出ないアメリカさんが人類の英知を結集させようとも、沖野氏がどんなに頑張ったとしても、無理なものは無理なのである。

 

だってできるのならトレセンで毎日ゲートが爆発しないし、気が付いたらお盆の上に載ってる食べ物すべてがあなたちゃんに成ったりしないし、急に空からあなたちゃんの形をした隕石が落ちてきて、アルマゲドンならぬアナタゲドンが起きるはずないのである。

 

 

「あ、そういえばさ。あのクソ不味い緑のジュース、……なんて名前だったけ?」

 

「ロイヤルビタージュース、通称RBJだな。」

 

「そうそれ! あれはどうなん? たしかこの前ぶっかけたら断末魔上げながら消滅してたけど。」

 

 

そう、一時期人類の希望としてもてはやされていたロイヤルビタージュース。ライトハローというむちむちな成人ウマ娘の登場によって一気に使用される頻度が下がった物品ではあるが、それでもその効能は未だ驚異的である。苦味という味覚情報が苦手なあなたちゃんにとって劇物なそれは、彼女が摂取した瞬間残機の大半が消し飛ぶという劇薬だ。……まぁ毎秒全回復しているそうなので焼け石に水みたいだけど。

 

 

「何やってんのオメー。」

 

「いや私のネイル食おうとしてて、手元にあったからつい……。」

 

「何してんの師匠……、まぁいいわ。あれもアレで効果はあったんだが……。」

 

 

RBJの効能は、体力を100回復する代わりに調子を一段階下げるというもの。ゲームの中だけの存在であれば単に便利な回復アイテムなのだが……、実際に存在するとすればとんでもない物質である。ウマ娘の体力の一般的な上限が100であり、それが全回復。そして“必ず”調子が一段階下がる。

 

普通に考えればわかるだろうが……、まぁ危険薬物である。体は異様に元気になるだろうが精神が蝕まれるドリンクとか誰も飲みたくないのである。そんな物質を毎回ぶっかけられたあなたちゃんがどうなったか……。

 

 

結果を述べると、適応してしまった。

 

 

国家防衛のために放水車でRBJをぶっかけられていたあなたちゃんはついに、RBJに適応してしまったのである。全身のあなたちゃん細胞がRBJを吸収し、異常に元気になる。体力の上限などないあなたちゃんが体力を無駄に回復させ、余剰エネルギーを成長に回す。自然と、細胞たちは増殖を始め。肉体は隆起する。

 

そう、緑のジュースによって進化してしまった存在。

 

 

あなたちゃんハルクの誕生である。

 

 

『あなたちゃんスマーッシュッ!!!!!』

 

 

ニューヨークで暴れまわる緑のあなたちゃんの映像を見せてあげるゴルシ。もちろんこの個体だけでは終わらない。あなたちゃんは本体の下に大量の分体が存在する社会を保有する生命体。それすなわちあなたちゃんは一人だけではない。各国で共有されていたRBJでのあなたちゃんの撃退はさらなる悲劇を呼ぶ。

 

 

「ほら、世界各国で師匠が暴走してるだろ? あなたちゃんハルクスマッシュシスターズってわけだ。」

 

「……この星大丈夫?」

 

 

大丈夫じゃ、ないです。

 

 

「おっとジョーダン、もしかしてゴルゴル星への移住希望者か!? 今ならゴルシちゃんのお友達ってことで安くしとくぜ!」

 

「その星にあなた先輩は?」

 

「…………クソ大量にいる。」

 

「逃げ場ねぇじゃんか!」

 

 

というわけで三女神様、後は何とかしてくださいね?

 

え、次のシナリオでの出演が決まってその準備で忙しい? あ、そう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と、言うわけでスぺちゃんが皐月賞に勝てるために逃げ切りシスターズ、もとい緑色になって虹色に全身が発光しているガチムチマッチョマンの変態あなたちゃんを三人ご用意しました。この人たちに教われば皐月賞なんて簡単に破壊できるでしょう! さぁスぺちゃんも一緒に、レッツ凱旋門爆破!

 

 

「いやしませんよ! というか私逃げじゃないから意味ないです! 差し先行です! というかなんでまたよくわからない感じに進化してるんですか! もうただの化け物ですよソレ!」

 

 

「何言ってるんだスぺちゃん。」

 

「あなたちゃんは元々バケモノだぞ。」

 

「然り然り。」

 

 

「そうでしたッ!」

 

 

頭を抱え、天を仰ぐ彼女。そういえば元々この人バケモノでした! 巨大化したボーノことヒシアケボノと限定スイーツをめぐって全長60mで相撲取り始める人でした! それを見たウルトラな人が登場して逆に退治しちゃったせいでこの星にウルトラな兄弟が全員集合しちゃうような人でした!

 

 

「というわけで今回はあなたちゃんハルクがとっておきのトレーニング。パワートレーニングを指導していくぞ!」

 

「やはり時代はパワー、パワーはすべてを解決する。パワー、パワー、あBeautiful Powerだ。今ならヤー! もついてくる。」

 

「然り然り。」

 

 

「あ、そこはちゃんとしてくれるんですね。……さっき根性とか賢さとか言ってましたけど。」

 

 

沖野トレーナーもなんかアメリカ出張に行っちゃいましたし、トレーニングどうしようかと考えていたスぺちゃんでしかたらとりあえずそこには一安心です。スズカ先輩に「走りましょうスぺちゃん、走るのってとっても楽しいのよ。走るから。」というよく解らない言葉と共にスピードトレーニングしかしてなかった彼女からすれば『よ、ようやくスタミナが上がる!』練習なので大助かりです。

 

あと差し戦法を使うのでパワーはいくらあっても困りませんからね、パワートレーニング自体に文句はありません。さっきまでのお話しは何だったのか、と思わない訳ではないですが、あなたちゃんが出現した以上彼女の進行方向を変えるのは不可能です。

 

 

「ちなみにどんなトレーニングなんですか?」

 

 

「全身に強化ギプスを付けてダンスを行う!」

 

「激しくシェイクアップすることで適切な場所に適切な筋肉をつけるのだ!」

 

「然り然り!」

 

 

「おぉ、なんかそれっぽい。」

 

 

 

「というわけでスペシャルウィーク。」

 

 

 

 

「「「アナートゥをご存じか?」」」

 

 

 

 

 

「…………RRRでも見ました?」

 

 

『見たぞ、あれは素晴らしい映画だった。』『まさにインドが誇る名作、胸が熱くなるな。』『然り然り。』と口々に感想をいうあなたちゃんたち。よくよくその服装を観察してみればいつものトレセンジャージや制服ではなく、明らかにサリーなどのインドを意識した服装である。全身が緑色で発光していたせいで気が付かなかった……!

 

 

「実際あのダンスを両足交互にやればよいトレーニングになると思うのだ。」

 

「そのためにバックダンサーの皆さまもご用意してある。」

 

「然り然り。」

 

 

あなたちゃんならぬ然りちゃんがお手元のボタンを押すと、先ほどまでいた部室のセットが発破解体。四方に倒れた壁の向こう側には100人近いバックダンサーの皆さまが煌びやかな服に身を包んで待機していらっしゃる。しかも音楽隊も今か今かと指示があるのを待っている。

 

 

「も、もしかしてこの方々って私のために来てくれた感じですか……?」

 

 

 

「そうだとも! スペシャルウィークのためになるならと集まって頂いた猛者たちだ!」

 

「皆ボランティアで集まってくださっている! この場を借りて感謝を!」

 

「然り然り!」

 

 

スペシャルウィークがぐるっとあたりを見渡せば、皆人のよさそうな方々ばかり。素敵な笑顔を浮かべて『一緒に踊ろう!』な雰囲気を醸し出している。しかも一部の人たちはレースやライブ会場の観客席で見たことがある人。明らかに私のファンで、応援のためにわざわざ来てくれた人だ。

 

 

「…………ッ! わかりました! わかりましたとも! 踊ってやりますとも! 何でも来いです!」

 

 

 

「よく言った! それでこそスペシャルウィーク!」

 

「では早速ミュージックスタートと行こう!」

 

「然り然り!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その時、ふと閃いた!

このアイディアは、スペシャルウィークとの

トレーニングに活かせるかもしれない!

 

スペシャルウィークの成長につながった!

 

スタミナが10上がった

パワーが5上がった

根性が5上がった

 

ライブ曲【アナートゥはご存じか?】を入手した

 

 

 

 









そのころ他のスピカメンバーは?

〇マルゼンスキー
たっちゃんとドライブ

〇サクラチヨノオー
あなたちゃんは衰退しましたというクソコラを見せられていた。

〇ダスカ&ウォッカ
食堂でいつもの

〇ひょわぁぁぁあああああ!
それを見てた

〇メジロマックイーン
あなたちゃんハルクとメロンパフェの取り合い

〇トウカイテイオー
ワケワカンナイヨー!

〇サイレススズカ
トレセンから出発し、現在海を越えてモンゴルを疾走(失踪)中



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