無個性でアーマー纏ってヒーローしてもいいですか?   作:サイリウム(夕宙リウム)

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裏で何か起きてる。そう思ってくだされば。





磯野、試験開始の合図をしろ!

 

 

 

「はい、ヨーイスタート。」

 

 

なんかプレゼントマイクがbiim兄貴リスペクトでRTAでも始めそうな試験開始宣言をしたところで、どもども、イスズちゃんです。

 

 

話が大きく飛び過ぎて田舎のお侍様が明治の東京を見て「なんじゃこの面妖な町は! もしやこれがハイカラというもの!」みたいな感じで画面の向こうの読者の皆様は驚いているんじゃないですかね。

 

 

……画面の向こう? 読者? 何言ってんだ私。

 

 

まぁとにかく時間は流れてわたくし中学三年生。今現在試験中にて大空を飛び回っております。あの後、というかリアクター完成させた後色々ありまして。

 

廃棄されたまだ生きてる人工衛星を私物化したり、姉貴の店をAIのジャック君が儲けてくれた金で買い取ったり、リアクターの小型化に失敗して例の採石場が更地になったり、梅雨ちゃんの新しい家族の誕生を祝ったり、気づいたら中学に上がってヘビの友人が出来たり、マイアイアンスーツ第一号であるマーク1が完成したりと色々ございました!

 

 

うむ、マジで色々あったな。

 

ま、このこまごましたことは後々感想欄で頂いた意見とか見ながら読者様が見たいの書いたりしまして……、感想欄って何?

 

 

 

うん、まぁどうでもいいか。とりあえず現在試験中に搭乗して稼働させているマーク1ちゃんについてご説明いたしましょう。

 

 

外見はまんまアイアンモンガーです! MCU版であのハゲが乗ってたやつね。結局リアクターの小型化が最初にできた20cmの奴よりも小さくならなくて……、本家様と同じように胸にくっつけるタイプは諦めてランドセル型にしております。ま、背中にリアクター担いでマース、ってことで。

 

武装としましてはマーク1ちゃん高さ2.5m弱、横幅1.5mほどありますの結構ありまして……、肩に内蔵している5㎜のバルカン砲2門に、腕部に付けられた暴徒鎮圧用のスパイダーウェブ発射装置。あと危ないんで今日は乗っけて来てないけどミサイル用の発射口が50ほどついておりまする!

 

 

う~ん、単なる高校入試にしては過剰戦力。梅雨ちゃんにも「さすがにやり過ぎじゃないかしら?」って言われたけど何故か試験監督とかに咎められなかったのでヨシ!

 

あ、ちなみにスパイダーウェブ発射装置は急に「スパイダーバースに呼ばれたときのこと考えてなかった!」と思って付けときました。なんでその思想に至ったのかは私も知らん。レオパルドンに聞いてくれ。

 

 

 

『計測終了。全ターゲット及び生徒の位置情報を確認しました。簡易マップも作成しましたので表示します。』

 

 

あ、そういえば今試験中だったね、ありがとうイブ君!

 

 

『いえ、それよりもこのまま宙に浮いているだけなら不合格になるかと。ターゲットのロックオンは完了していますのでバルカン砲でもぶちかますのはいかがでしょうか?』

 

 

うにゃ、最初はスパイダーウェブで動きとめるにゃし。それでポイントもらえるし、バルカンはゴム弾だけど誤射が怖いのだ。

 

 

そうやってポンポンポンとロックオンされたターゲットに対してウェブを発射。何個あ避けられるけどまぁ気にせず撃っちゃえ! あ、それとこのマーク1。手足にリパルサーついてるけど背面にもジェット噴出機構が付いてるので姿勢制御もラクチン。ずっとお空に浮いていられるよ!

 

 

『それと現在開発中のマーク2に比べて着脱が簡単というものもありますね。それと永遠ではなくリアクターの電力が続くまで、です。』

 

 

ま、そりゃそうか。今んところ原作で社長が洞窟で作った奴よりも出力低いもんね。サイズこっちの方がデカいのに。

 

 

『それでも1億J。化け物発電力ですが……、それでもマーク1は大食いですので30分ほどしか全力戦闘は無理ですけどね。』

 

 

試験中十分持つから問題なーし!

 

 

 

 カチャ! カチャ!

 

 

ありゃ、ウェブ弾切れ?

 

 

『そのようですね。両腕合わせて合計100弾。後半になるにつれてこちらの攻撃に気が付いたターゲットに避けられ、命中率が下がっていたので改良が必須かと思われます。また現在の攻撃で合計64P分のターゲットを無力化しました。試験前に設定していたノルマ、50Pを達成しております。』

 

 

 

ガチャン、という音と共に使い切ったウェブのカートリッジを排出。本来なら新しいのに自動で交換されるんだけど今日は持ってきてないのでなし。まぁクモの糸の薬品まだ大量にできてないから仕方ないよね。

 

 

「じゃあ後はレスキューPでも稼ぎに下に降りて探索してみましょうかねぇ。」

 

 

そう言いながら高度を下げようとすると……

 

 

『新たな熱源反応を感知。動力源の大きさから事前に発表されていた0Pターゲットかと。』

 

 

 

 

轟音と共に崩れ落ちるビルの中から、現れた巨体。マイクがドッスンと表現した巨大ロボがそこにいた。

 

 

 

「Oh! 思ったより大きいね! それにこのイベントあるの忘れてた!」

 

 

『思い出されてから10年ほどありますし仕方ないかと。一応こちらで今後起こりうる出来事は記録しているので事件発生前にお知らせしますね。今回は私も忘れていました。というか優先度が低すぎてようやく引っ張り出してきたところです。』

 

 

「ま、研究三昧だったし私も忘れないように記録しておいただけだから致し方なし!」

 

 

『生徒の位置情報が対象から急速に離れています。その場で止まっているものも見受けられるのでパニックになっているかと。』

 

 

「うっしゃあ! なら高度維持。胸部リパルサーに全エネルギー集中! イヴ、対象動力源ロックオン!」

 

 

『警告、このままでは攻撃後電力切れを引き起こし、そのまま落下する可能性があります。中止を提言いたします。』

 

 

「却下! リパルサーのテストかねてついでに落下テストもしよう! 全身金属鎧だしこの高さだったら死なん死なん! せいぜいビルの7階!」

 

 

 

「それにこんな巨大ヴィランに後先考えない全力攻撃とか!」

 

 

『「大好き!」でしょう? かしこまりました。ロックオン完了。いつでも行けます。GOOD LUCK!』

 

 

 

 

 

全力砲撃

 

 REPULSOR RAY

 

 

 

 

 

胸部リパルサーに青白い光が集まり、瞬間。発光。

 

 

その胸部から放たれた眩い光線は0Pターゲットの動力源を貫き、沈黙。ゆっくりとその重心が崩れだす。

 

 

「よっしゃぁぁ! みたかスターク! あたしもまだまだ負けてねぇ!」

 

 

『警告、リアクターの電力が枯渇しました。復旧までに3分ほどお待ちください。あ、あと落下します。』

 

 

 

プスプスとなんだかヤバそうな音を高度維持のための背部エンジンが立てながらそのまま停止。

 

楽しい自由落下の時間である。

 

 

 

「うん、しまらないね! んじゃ皆さんまた来週!」

 

 

 

数秒後、とても鈍い金属音があたりに響き渡った。

 

 

 

 ーーーーーーーー

 

 

 

 

「それでイスズちゃん? テストの方はどうだったの?」

 

 

ヒーロー科の筆記試験が終わり、ただいま実技試験の説明会場。なんやかんやで幼小中と同じ学校だったイスズと梅雨は同じ学校で番号が振られているせいか、ここでの席が隣同士だった。

 

 

「ま、私にとっちゃ簡単でしたねぇ~。サポート科も同じく。変な自由筆記あったから縮退炉、科学技術だけでの実現について述べてやった。」

 

 

「ケロ。また難しいのやってるのね。」

 

 

「ま、私の存在証明みたいなものだしねぇ……、あと早急に動力の改善しないとすぐ燃料切れになる。」

 

 

「そういえば今日はあの大きいスーツで受けるの? 正直許可されるか怪しいと思うのだけれども。」

 

 

「いや、私もそう思って小物だけで行こうとしたら母様が『もったいない! ママに任せておいて!』ってどっかに電話かけたらなんか通った。」

 

 

「………たまにイスズちゃんよりもあかりおばさんの方が怖くなるわ。」

 

 

「いやなんでも後輩が雄英の教師してるって言ってたけどなんでこれ通ったんだろ? 明らかに個性とかそれ以前の話だと思うんだけどねぇ?」

 

 

「試験に軍隊連れて来てもいい、ってことになるものね。ケロ。」

 

 

 

 

エヴィリバディ セイ ヘイ!

 

 

 

「あら、始まったみたいね。」

 

 

「ホガ、ホノハハ? ホンデホタシホホホラフェテルホ?(あの梅雨さん? なんで私口抑えられてるの?)」

 

 

「だって全力でノッて騒ぎ始めるでしょ。説明終わるまで静かに。」

 

 

「ふぁい。」

 

 

 

 

 ーーーーーーーーー

 

 

 

『はい、はい! もちろんです! 頂いた指示をこなしました! ですので家族だけは……、えっ! 用なし!? ……まだ! まだ私はお役に立てます! 立てますから!』

 

 

 

先日、わざわざ文部科学省まで呼び出され、大臣から直接のお達し。『ヒーロー科試験の大幅な改正』。詳しくはサポートアイテムなどの持ち込みに関する規制緩和。

 

もともと対ロボット戦闘という対人向け個性の受験者に不利な試験は相澤君の好む合理性に欠けるとして高校側から見直しの要求はしていた。……していたが先ほどの会話。

 

急な変更を疑問に思い、処罰覚悟でわざわざ大臣の部屋に盗聴器を仕掛けたが当たりだったようだ。

 

 

 

 

規制緩和が受理され、ヒーロー科試験が終わった後にこの通話。そして……

 

 

『文部科学大臣! 不正発覚! 多額の教育費を横領していた疑い!』

 

 

今朝の朝刊。たとえボクの個性が「ハイスペック」ではなくとも解るだろう。

 

 

 

 

 

 

 

思い出してしまうのは17年前。アメリカにいたオールマイトや当時新人だったヒーロー、ミスター・マシンやA.I.Mのおかげで何とか壊滅まで追い込めた超巨大ヴィラン組織。世界各地の政府を裏から操っていたヒドラ。

 

多くの犠牲を払って、奴らのすべての拠点を破壊し、リーダーの捕縛まで、できた。出来たはずなのにいまだ残る不安。これ以上の犠牲を払いたくなかった、そんな思いのせいか無視していた不安。

 

 

 

まだ、アイツらは生き残っていたのかもしれない。

 

 

 

「根津校長、どうかしましたか?」

 

 

「あ、イヤ! 単なる考え事サ! じゃあ相澤君、彼女のことヨロシクね!」

 

 

「……解りました。」

 

 

 

 

今回のヒーロー科試験、急な規制緩和で得をしたものは一人だけ。

 

 

重威イスズ。自作のヒーローコスチュームを使い主席合格した彼女。個性【思考強化】。

 

そして、ヒドラとの戦いで活躍した二人の娘。

 

 

 

優秀な成績を収めたから、ということでわざわざ用意した特待生の席。主席、という席を彼女に渡さないようにするためだけの椅子。例年通りなら40人の定員を41人に。生徒を溺愛してしまう節のあるブラドキング君、管君から合理的に判断でき、そして届け出以外の個性だったとしても対応できる相澤君に。

 

 

 

正直に言う。迷った。しかしながら情報が足りな過ぎた。

ボクたちが持っている情報はないに等しい。

 

だから彼女の合格を認める必要があった。

 

 

 

 

 

 

 

 

二人の娘だから大丈夫。そう思えたのならどれほど幸福だったか。

 

考えたくもないが、もしボクの考えが正しければ、

 

 

 

あの時払った犠牲は全部無駄になる。

 

 

 

 




あとがき

主人公:重威イスズ

時間が飛んで急に入試試験! あといつの間にお前さんスーツ完成させたので? ちなみに現在マーク1を製作完了。マーク2を作成中らしい。たぶん入学前に完成させるんじゃないかな?

友人:蛙吸梅雨

ほぼ10年近く一緒に入りるため上の奴の対処法が解ってきた。なおイスズによってなんやかんやで梅雨ちゃん強化済みである。こうご期待。

母:重威あかり

雄英に後輩が教師として勤めているらしい。たぶんあの歩くR18さんだと思います。あと梅雨ちゃんがなんか怖いって言ってましたよ?






スーツ紹介

イスズ謹製アイアンマンスーツ マーク1

愛称:モンガー


イスズが製作した初めてのスーツ。本来なら原作マーク1形態はすっ飛ばしマーク2、もしくはマーク3を製作するはずだったが、動力源のリアクターの小型化に失敗。何とか制作できた20㎝の劣化リアクターを搭載させるために背丈2.5m、横幅1.5mほどのスーツの巨大化が余儀なくされた。
結果重心の問題から背面にリアクターを設置、防護のために大型のジェットパックでもあるランドセルを背負った形になる。完成したスーツの容姿が完全にアイアンモンガーなのでイスズからはよくモンガーと呼ばれている。

材質は原作と同じようにチタンと金の合金。塗装は原作のアイアンマンスーツよりもアイアンモンガーに近い色合いに変えている。

武装としては手足と胸部に設置されたリパルサーを主に、ランドセルに収納されている5㎜バルカン砲二門、全身に隙なく設置されたミサイル発射口50門、彼女が小学生の時に開発した暴徒鎮圧用の兵器を発射できる特殊弾薬発射機構が両腕に付けられている。今回出てきたスパイダーウェブ発射機構はこれと入れ替えられたもの。また、原作では胸部リパルサーではなくユニビームプロジェクターが設置されているが、イスズの開発力不足により実現しておらず口径、耐久力を向上させた胸部リアクターでごまかしている。本人曰く「絶対にいつかユニビームって叫んでやる」とのこと。

このスーツの欠点としては3点。
一つ目は動力源が原作よりも劣化しているため継続戦闘能力が低いこと。
二つ目はスーツの巨大化により機動性が失われていること。
三つめは背面に攻撃を集中された場合、リアクター及びジェットパックに爆発の危険性があること。

動力源の問題は彼女も理解しているが、今のところリアクターの数を増やすぐらいしか解決方法がない。機動性の問題や背面に設計上の問題があることはこのスーツに続くマーク2以降では改善される予定だが以下に述べるこのスーツの利点のすべてを捨てることになってしまった。


このスーツの利点としては3点。
一つ目はスーツが大型化したため着脱機構に避けるスペースが大きくなり、着脱が非常に簡単なこと。
二つ目は装甲が厚いこと。
三つめは電力さえ供給されれば非常に大きな馬力を持つこと

この利点のおかげでビルの7階あたりから落っこちても搭乗者は無傷だったし、パーティードレスを着ながら着脱もできるほど。また一番のネックである動力問題が解決されれば、その巨体を生かしたパワータイプになりうるスーツである。しかしながらこの利点は今後のスーツに継承されることはなく、もしされるとすればスーツの大型化を余儀なくされる時だが……



なお、設計初期の段階でマーク1よりスリムになったマーク2、マーク3の開発を予定していたため、今後のアーマー開発の基礎になるとともに原作マーク7以降のトニーが試行錯誤した時間を短縮するため、新技術などの実験に使用できるように設計、構造上に多くの空白が存在している。
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