無個性でアーマー纏ってヒーローしてもいいですか? 作:サイリウム(夕宙リウム)
「んでさぁ、思うんだけどなんでアタシ名義で株やってんの? しかもいつの間にかに個人情報抜かれてるし。」
「別にええじゃん、姉貴。納税分と勝手に使用してる分の使用料、しかも手に入れた金は店に落としてるからいいじゃろ? そもそも姉貴株なんてやらんやろ?」
「いや、よくないのだけれども。……はぁ、まぁ言っても止めないだろうしどうにもならんか。」
「人生諦めが肝心ってやつですな。」
「誰のせいだよ。」
あ、ども。イスズです。
今日は姉貴の店で勝手にホログラムのプログラム書いてます。それと今日は梅雨ちゃん一緒じゃないよ!
「なんだっけ? このAI。ジャック?」
「そうそう、『ジャックと豆の木』からジャック。株という金を産む鶏の飼育人ちゃんです! ま、イヴみたいに話とかできない単なる作業用のAI君なんだけどね。」
「わざわざ株なんかで稼がなくてこっちの特許やらなんやら出した方が儲かる気がするんだけどねぇ。」
「ま、私がヒーローなるまでお待ち、ってとこだね。それに今の社会にこれだしてもうまく対応できずに色々と問題起こるだろうしね。……うし、できた!」
話ながら書いていたプログラムを起動させ、青色の光が空中に映し出される。
「ほへ~、何作ってるかと思ったらこんなもんできたのかい。お前さんバカだけど頭の方はいいんだよねぇ、全く不思議なもんだ。」
「ま、技術バカなのは否定しないけどね! ということでアークリアクターのプレゼン、やっていきましょう!」
急遽ここでプログラム組んでたのは姉貴がリアクターに興味を持ってくれたから。まぁ急に私がパラジウム用意して、って言ったら欲しがる理由気になるよね。
「ま、簡単に言うと熱プラズマ反応炉。パラジウム君と水素君が永久的に電力を発電してくれる素晴らしい機械。……まぁパラジウムの消耗があるんで半永久ですけどその発電力は驚異の3億J! 火力発電所一つじゃ足りないぐらいのバカ力だよね!」
「……普通にヤバいね。」
「でしょでしょ。完成出来たらまさにオーパーツ。科学が魔法も個性も超えた瞬間になるわけ! なんでも人生50回分の心臓を動かせるとか言ってる人もいたし、こいつで5000年分先に行ったと言っても過言だね!」
「それで、これを作るのにパラジウムが必要、ってわけだ。」
「そゆこと。一応パラジウム以外に必要なものあるけどうちの父様の個性のおかげで比較的簡単に手に入れそうなんだよね。私個人で買おうにも、そうなると親が間に入っちゃうから姉貴に頼んでるの。」
「ということはこれかなり危険なのか?」
「モチロン! だって3億Jだよ! 失敗して暴発したらこの辺り全部消し飛ぶよね! もちろん実験してる私もろとも!」
「……それニコニコ顔で話すことじゃないだろ……。親御さんに心配かけたくないからパラジウムの入手と制作はこっちで、んで起動するときは周りに危害加わらないような場所見繕ってくれ、ってことか?」
「そゆこと。」
「……………ハァ、どうせ止めたら勝手に自分でし始めるんだろ。解ったよ、用意してやる。」
「さっすが姉貴! 頼りになる~!」
「だけど、危ないことになったら絶対手を引くんだぞ。」
「解ってるって!」
ま、実はシミュレーションで失敗しまくってるから若干にゃあムキになっての実験なんですけどね。
「んでさ、前から言ってる音声データの件だけど……。」
「なんか恥ずかしいからヤダ。あと勝手にやったら出禁にする。」
「残念……。」
(『音声データが規定量を達成しました。収集した音声データを元に私の声の変更が可能です。』)
バレなきゃ罪じゃないんだよなぁ……!
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「はい、はい。そうです。今度動力源の実験をするとかで……」
「いえ、そこらへんは私で用意しますのでお手を煩わせるわけには……、あ、大丈夫なんですね。」
「はい、ちゃんと作りたい物を教えていただきましたのですぐにリスト化して送らせていただきます。……はい、思ってたよりも多かったので……、はい、録音してあるのでちゃんと確認してからお送りいたします。はい、ちゃんと消しますので……」
「はい、いつもありがとうございます。では………」
分けてある方の携帯をきる。姉山さんもいい仕事してるよねぇ。最初はもっと早めに処理しようと思っていたけどイスズちゃんが思ったよりなついてるみたいだし、延長、かな? まぁ好きに動かせる駒は多い方がいいし、言うことちゃんと聞いてくれればそれでいいか。
にしてもアークリアクター、熱プラズマ反応炉、ねぇ?
一体どこでそんなもの思いついたんだか。相変わらず私のデータベースを覗き込んだ形跡もないし、まるっきり自分で思いついたってことなら私の遺伝子も捨てたものじゃないのかも。
ヒーローに飽きたからうまい具合にリタイアしようと色々したけど思ったよりうまくいった。彼女はほとんど私のクローンみたいなものだけどこんなにも私と変わってくるなんてビックリ。最初は単なるカバーの家族ごっこだったけど子供はかわいいし、その子供は私の思っていた以上に成長している。
最初の私の遺伝子から生まれた子はどうなるかの実験から私の思考パターンが母親の方に寄せられている、その経過観察みたいになってきている。
こんなすばらしいイレギュラーがあるから実験はやめられない。
……あぁ、そろそろ”お父さん”のメンテナンスしておかないと。
家庭を保つってのは難しい、ねぇ。
「母様、ちょっとよろしいでしょうか?」
「あ、イスズちゃんお帰りなさい! どうかしたの?」
でもまぁ、娘はかわいいし、この難しさもいいものと思う母親の私がいる。
科学者としては……
余興にしては、いい出来じゃない?
あとがき
主人公:重威イスズ
名言、迷言? である。なお、無事に発覚し2週間ほど出禁になった模様。試験管ベイビーっていいよね。
姉貴;姉山幸
勝手に自分の声を使われるのに抵抗があった模様。当たり前である。なお、この人も公になったら色々大変になりそうなのでバレなきゃ方針。