自称ヤニカスはアストルフォの容姿でガラルを舞う 作:賽振り狂
書き溜め()を投稿。次からは不定期(1か月以内)です
駆ける駆ける駆けるーーー
彼は10番道路を街とは反対方向に駆けていた。街から離れているとはつゆ知らず。
隅々までトレーナーを探しながら駆けるものの、怯えて隠れているトレーナーしか見当たらず、そんな連中にバトルをふっかけるのも気が引ける。
しかし、身体が軽い軽い。前世では武術を嗜んではいたが、タバコのせいで肺が弱っていたから激しい運動は出来なかった。しかし、今の身体はアストルフォのものでもあるからでもあるが、肺が弱っていないのが大きい。それでも身体はタバコを欲しているのだからヤニカスであるのだろう。
山の中腹くらいで思い悩んでいるような、重い足取りで歩いている渋いおじさんが目に入る。こちらには気づいていない様子なおじさんはパッと見、結構金持ってそうに思えた。しかし、何か悩んでそうなおじさんにバトルをふっかけるのは……
少し悩んだ末、バトルをふっかけることに決めた。思い悩んでいるところ悪いけどバトル頼むッ……
「おじさん、少し悪いけどポケモンバトルしない?」
「あ…?ああ、いいよ。おじさんなんかで良ければね。でも、おじさん手は抜かないよ?」
「あれ?悩んでいる様子だったけど大丈夫?」
おじさんの方は少し動揺したけど、すぐにモンスターボールを構える。それに合わせてモンスターボールを取り出して、投げる。
「行ってこい、サザンドラ!」
「頼むよ、ヒメ!」
おじさんはサザンドラを、こちらはヒメを出す。おじさんは相性的な問題で一瞬顔を歪ませるも、慣れているのか、
「サザンドラ、空を飛べっ!」
「行こうかヒメ。まずは舞おっか?」
すぐにヒメの射程外に出て行くサザンドラ。それと同時にヒメはつるぎのまいを使う。それに焦りを覚えたおじさんはサザンドラが使え、クチートに効果的な技を使おうとする。
「サザンドラ!だいm「ふいうち」なっ!?」
上空を飛ぶサザンドラが技を放つ瞬間、ヒメはサザンドラの後ろにいた。自らの顎を用いて高く飛び上がったのだ。そしてそのままガブリッ。サザンドラは地面に沈み、気絶していた。
「あらら、おじさんの負けか…お嬢ちゃん強いんだね〜」
「おじさんまだ手持ちいるのに諦めるの?」
「ハハハ、経験上わかるのさ。おじさんお嬢ちゃんには勝てないってね。」
どこか哀愁漂うその言葉と同時にボールの中からクロロンが出てくる。そして期待したような眼差しでこちらとおじさんを見る。
「ああ、クロロンもバトルしたかったのね…でもおじさんとは…「ちょっと待ってくれ!」うん?」
おじさんが希望に満ちた顔でこちらを見てくる。えっえっえっ?まって一体全体どういうこと?
「お嬢ちゃん他にどんなポケモンをゲットしているんだい!?」
「えっ、えっと、フライゴンのピポ、ラプラスのスイスイ、シビルドンのウナとかですかね…?」
それを聞いて、さらに目を光らせるおじさんに恐怖を抱きつつ、シュシュはバラしちゃ不味いだろうから言わない。ポケモンのどこの地方か分からない……多分剣盾の地方なのだろうけど、悪の組織とかにバレちゃ大変だからね。
「なあお嬢ちゃん……」
急に肩を掴まれ、身体が跳ねる。クロロンが威嚇するが、そんなことはお構いなしに、絶対にこちらを逃さないようにして口を開く。
「おじさんの後継者になってくれないかな!!!」
「えっ、えっ、ファッ!?」
「ハロンタウンに後で来てくれ、いや今すぐ来てくれ!頼む、おじさんの代わりにうちのスタジアムを…ハロンタウンに活気をくれっ!!!」
伝家の宝刀、DO☆GE☆ZAを敢行してまで……だと?
「お願いお嬢ちゃんッ!!!」
何!?DO☆GE☆NEに移行しただと!?
っく、Noとは言えない日本人の感覚がっ……
「うっ、わっ、わかった。いいですよ。」
「なら早速!」
おじさんに手を掴まれて引っ張られる。おじさんはすぐにカラスみたいなポケモンを出して2人はそれに乗る。ヒメとクロロンは仕方なしに彼のボールに戻っていった。
ー・ー・ー・ー・ー
side クサギ
10番道路を歩く中、今日はトレーナーがいないことに気づく。いつもは何人か、こちらがマイナーリーグだということもあり、舐めてかかってくるトレーナーもいるのだが……
山の中腹くらいでいきなり声をかけられる。男とも女とも取れるその声の主は、バトルをしたいようだ。少しおじさんと呼ばれてショックだが、こちらはいい歳したおじさんなのだ。寛大に寛大に……
ポケモンバトルだが、負けた。瞬殺だった。ありゃ、チャンピオンと互角くらいの技量だなと思う。こっちではなかなか見ない格好だったから観光客なのかと思う。ってかそんな薄着で大丈夫かいお嬢ちゃん!?
そんな時だ。お嬢ちゃんのボールから、黒いオノノクスが出てきた。
「ちょっと待ってくれ!」
えっ?まさかと思い、持っているポケモンを聞く。すると、ドラゴンタイプが被っている以外では全体的にタイプがバラけているではないか。これはもしかすると……
後継者になってもらう他ない!そう考えたらお嬢ちゃんの肩を掴んでいた。絶対に離せない、結構な力が入っていたと思う。
「おじさんの後継者になってくれないかな!!!」
お嬢ちゃんならマイナーリーグからメジャーリーグに。下手すればチャンピオンになれるような存在だとおじさんの感が言っている。絶対に逃がさんと、気づいたら顔を地面に打ち付けていた。