自称ヤニカスはアストルフォの容姿でガラルを舞う   作:賽振り狂

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なんか筆が乗ったので投稿。チャンピオン戦です。


自称ヤニカス vs ダンデ

 ものすごい歓声。もう、うるさくてものすごいって感想しかでない。あっ、うるさいも感想か。

 向かい側に立つのがチャンピオンだからそうであろう。ハッキリ言ってうるさい。マジで。

 ボクは力を抜いて、軽く跳ぶ。そして……笑った。チャンピオンも笑っている。肌で感じているんだ。相手は自分と同格だと。ボクが手に入れた才能と同じ位に才能があると。

 

「キャアアア!!!」

「チャンピオン頑張って!!!」

「熱いバトルを!!!」

「頑張ってください姉御!!!」

「がんばれアストルフォちゃん!」

「アストルフォきゅんハァハァ」

 

 聞こえてくる歓声にさらに笑みが深くなる。昨日の不良に、一部変態もいるが。

 

 

「さてっ、覚悟はいいかいチャンピオン?」

「ああ、俺も負けるつもりはないぜ?」

「ふっ、ボクだって負けたくないさ!ボクだって男だもんね!いくよクロロン!」

「いくぜオノノクス!」

 

「「グオォォォッ!!!」」

 

 時が止まる。お互いに睨み合う。歓声すら聞こえぬボクとチャンピオンとポケモン達だけの世界。そして、お互いにお互いのポケモンを見つめ、頷く。

 

「「ドラゴンクロー!」」

 

 ぶつかり合う一撃。その一撃は黒い衝撃波となって、お互いのトレーナーを襲う。お互いの服を揺らし、そして……僅かだが、黒いオノノクス。クロロンが一歩引いた。

 いじっぱりオノノクスかっ!このポケモン世界、バトルがアニメ版のこの世界では最速と準速の間には確かに大きな差がある。だが、今ここに立っているのは同格のトレーナー。その差は些細な話であり、そして、準速であるオノノクスのパワーが最速のクロロンを上回った。ただそれだけである。

 

 

「クロロン!そのままドラゴンクロー!」

 

 だが、こっちだって負けちゃいられない。クロロンが自分の判断で一旦下がる。そしてすぐさま、ボクが指示すると同時に突っ込む。技を積んでる暇はないっ!

 

「オノノクス!ドラゴンクローだ!」

 

 2度目の撃ち合いは、クロロンがすぐさま引いた(ダメージを抑える)ことで衝撃波も出ずに終わった。

 

 

 だが、ダンデはオノノクスに迫る黒い一撃に反応が遅れた。

 

「オノノクス!」

「グオォッ!?」

 

 反応が遅れたせいで満足に撃ち合えなかったこともある。だが、今確実に、クロロンの方が攻撃の力が上だった。

 

「なっ!?オノノクス!」

「クロロン!ドラゴンクロー!」

 

 4回目の撃ち合いは圧倒的にクロロンが上を行った。重たい一撃がオノノクスに入る。感覚では削り切った。

 

「オノノクス!ドラゴンクロー!」

 

 だからこそ、そして、ゲーム時代の癖が抜けていなかった。レート戦やバトルツリーばかりをやっていた弊害がここで出る。

 

「なっ、クロロン!」

 

 絆耐え。ゲーム時代では懐いていれば時折、トレーナーの為にポケモンが意地で耐える。ゴルゴのオクタン……あれはちょっと違うが、あれと同じようなものだ。

 ふらつくクロロン。だが、その目はまだ強く輝いている。

 

「クロロン!じしん!」

 

 力強くじめんに足を撃ちつける。たったそれだけの動作。そして巻き起こるじしん。

 

「オノノクス!すまないな。」

「クロロン!っ!ありがとうね。」

 

 そして2人のオノノクスは力無くして倒れる。ボクらはすぐにボールに戻すと、有無を言わさず、ボクは頬を叩いて、チャンピオンは少し下を向いて切り替える。

 

 

「まさか、クロロンだけでいけるかなって思ってたけど、そうじゃないっぽいね。」

「当たり前だ!チャンピオンタイムはこれからだ!」

「翻弄しよう!ウナ!」

「こっちもだ!バリコオル!」

 

 相手はバリコ……バリアード!?なんか知ってる姿と全然違う!リージョンの進化ってことか!なんかこおりタイプっぽい見た目してんなオイ!

 

「ウナ!かえんほうしゃ!」

「バリゴオル!かえんほうしゃだ!」

 

 お互いにはなった炎はぶつかり合う。そのまま消えてしまった。

 

「ウナ!みがわり!」

「バリゴオル!同じくみがわり!」

 

 ちょこん、と置かれる人形がふたつ。この時点でボクはバリゴオルが何をしたいのかがわかった。

 

「すぐさまギガドレイン!」

「こっちもギガドレイン!」

 

 お互いに人形から体力を奪う。

 そういえばなんでみがわり人形からギガドレインしても体力を奪えるんだろう?みがわり出した時のコストで?

 

「ウナ!使ってない技を使え!」

「!?バリゴオル、やり返せ!」

 

 ウナがはなった10万ボルトはバリゴオルが真似る前に当たる。そして、遅れてバリゴオルの10万ボルトがウナ目掛けて飛んでくるが、ウナは逆にそれを利用して、

 

「ウナ!そのまま10万ボルト!」

 

 10万ボルト+10万ボルト。合計20万ボルトの1撃がバリゴオルを襲う。それでも、バリゴオルは立っていた。

 そこからは混戦だった。同じ技を同じ技で返してお互いにダメージが蓄積されていく。ただ、食べのこしを持たせていたウナの方が有利であっただけで、一歩間違えれば負けていた戦い。最後まで立っていた(?)のはウナであり、倒れたのはバリゴオルだった。

 

 いやぁ、セチアちゃんに言われて10万ボルトの練習しておいてよかった!

 

「仇をとるぞ!ドラパルド!りゅうのいぶき!」

「ウナ!かわしてかえんほうしゃ!」

 

 しかして、普段はかわせるようなものでも、疲れていれば話は別。かえんほうしゃは掠めた程度に止まり、ウナはかわしきれずに当たってしまう。

 

「ッ!ウナ!意地を見せるぞ!ギガドレイン!」

「ドラパルド!ドラゴンアロー!」

 

 今度は知らない技。それに判断がまたしても遅れる。ウナの一撃も決まるが、倒すまでには至らない。そして、ドラパルドの頭の方からはなたれた小さな子供に撃ち抜かれたウナは倒れてしまった。

 

 

「ありがとうウナ。じゃあ次はピポ!速攻で決めろ!」

「かわせドラパルド!」

 

 出てきた瞬間、だいもんじをすぐさま2回はなつ。1回はかわされたものの、2回目は当たった。そして、

 

「ピポ!

「ドラパルド!

 

 

            りゅうせいぐん!!!」」

 

 

 2体のポケモンのりゅうせいぐんがぶつかり合う。トレーナーどころか、観客席にまで届く砂埃にけたたましく響く轟音。観客達は相打ちだと感じてるだろう。だが、ボク達2人は確信している。ピポもドラパルドも耐えていると。

 

「ドラパルド!ドラゴンアロー!」

 

 経験の差でチャンピオンが先を行く。そして砂埃が晴れる。そこに映るのは地面に転がりながらも、闘志を燃やすドラパルドと、その身体をドラパルド目掛けて突っ込ませるピポがいた。とんぼがえり。ピポが覚えている唯一の物理技であり、下がった特攻を戻すためのもの。さらに手持ちと入れ替わる技。だが、入れ替わらない。

 

「ピポ……」

「ドラパルド……」

 

 そして、2体はその場に崩れる。お互いにお互いの最後の一撃が決まり、気絶したのだ。お互いの残りは2体ずつ。2人は戦ってきたボールを撫で、次の一手を探る。

 ここは……シュシュ。任せたぞ

 

 

「任せたぞシュシュ!」

「頼む!ギルガルド!」

 

 

『どんとこいでしゅ!』

「ああ、エアスラッシュ!」

「シェイミか!ギルガルド、キングシールド!」

 

 チャンピオンはシェイミに一瞬驚くも、すぐさま指示をする。だが、当たらない。

 

「セチアちゃんが手持ちに持っていたからねっ!」

「成る程……だが!せいなるつるぎ!」

「遅い!エアスラッシュ!」

 

 素早い一撃でギルガルドに攻め込むシュシュ。だが、ギルガルドはその一撃を盾で防いでいた。ボクはそれを見て、ヒメも応用できそうだと思いつつ、BD150の脅威を考える。ギルガルドはキングシールドと攻撃を巧く使い分けるポケモン。相手より遅い方が強く、ABCD150とか、合計種族値創造神とか色々強いポケモンだ。だが、弱点もある。それは、遅いことだ。遅くないといけないポケモンの悲劇とも言えよう。シュシュの実質すばやさ400越えには決して及ばない。

 

「シュシュ!縦横無尽に駆け回れ!」

「なっ!?」

 

 それを生かせばいい。セチアちゃんとの戦いで生み出した戦術。ギルガルドは隙のないように見えるが、攻撃するときはBD50になるし、盾で守っている時でも後ろがガラ空きだ。

 

「シュシュ!隙を見てエアスラッシュだ!」

『任せるでしゅよ!』

「ッ!ギルガルド!耐えてくれっ…」

 

 だが、誰の目をしても、今の状況が不利な方は一眼でわかる。隙を確実に、正確に攻撃していくシュシュと、防戦一方のギルガルド。だが、一撃一撃は軽い。それでも確信にダメージを蓄積させていく。そして、感覚では3割程度を削った頃、

 

「ギルガルド!キングシールド!」

「シュシュ!エアスラッシュ!」

 

 ギルガルドの反応が一瞬遅れた。その隙を突き、シュシュが重たい一撃を当てる。

 

 

 

 

 

 

『でしゅ!?』

 

 ギルガルドからはなたれる凄まじいエネルギーの光線。思わず目を瞑ってしまうほどのそれは、シュシュを吹き飛ばした。

 

 

「てっていこうせんか!シュシュ!」

 

 隙を突いた筈が、完全に隙を突かれてしまった。シュシュは目を回して気絶していた……

 

「ありがとうシュシュ。ボクらのエースがどうにかするから。」

「……ギルガルド、警戒するぞ。」

 

 

「チャンピオン、ボクはね、負けたくないんだ。」

「……ああ、俺もだ。」

 

 チャンピオンの獰猛な笑みを同じ位獰猛な笑みで返す。負けたくないんだ。ボクがこの世界に来て、初めてのゼンリョクのバトル。

 

 

「でも、ボク達にはダイマックスという武器がない………Zクリスタルは用意できなかったけどね。もう一つの方を見せよう。いこうかヒメ。ボク達のキズナを みせつけよう! メガシンカ!」

 

 ヒメを包む進化の光。その光が収縮した瞬間、強い足取りでふたつの顎をもつ1体のポケモンが現れる。

 

「最終幕の始まりだッ!!!ヒメ、つるぎのまい!」

「ギルガルド!ねむるだ!」

 

 ヒメが舞う中、ギルガルドは眠って起きる素振りを見せない。だが、ボクの勘が言っている。ギルガルドは起きていると。大方、攻撃する瞬間、キングシールドを使うつもりだろうが……

 

「ヒメ、つるぎのまい」

 

 油断しているわけでも、失敗なわけでもない。確実に……そして切り札すらねじ伏せるッ!

 

「ヒメ、つるぎのまい」

 

 世間話でもするような、でもどこか真剣に言う。だからこそ気づかない。いや、直前でバレてしまったようだが関係ない。これは……全てを突き破る槍だ!

 

「!?ギルガルド、キングシールド!」

「……行けッ、ヒメ!!!」

 

 僅かにキングシールドを展開する方が早かった。だが、それだけ。攻撃6段階アップ(4倍)ちからもち(2倍)きあいパンチ(威力150)の暴力には耐えられない。

 ギルガルドはスタジアムの中央から一気に端まで吹き飛ばされ、一撃で気絶する。

 

「なっ、どうしてギルガルドにかくとう技がッ!?」

「チャンピオン、いいこと教えよう。ギルガルドは実態を持ってるんだ。それに、キングシールドも。それをヒメがおもいっきし吹き飛ばしただけさ。」

 

 攻撃実数値、約1000の暴力を喰らえッ!(なお、手助けすればさらに上がる模様)

 

「・・・そうか……でも、まだまだ チャンピオン タイムは終わらない! 終わらせないッ!!いくぞリザードン!

 

 

リザードンの 本気を みせよう!

キョダイマックス タイム!!」

 

 一度ボールに戻ったリザードンは、大きく、キョダイになって現れる。

 

「グオォォォ!」

「クトッ!」

 

 キングシールドによって2段階攻撃が下がったが、それでも一撃は十分、

 

「ヒメ!ふいうち!

「リザードン!キョダイゴクエン!

 

 ヒメのふいうちが先を行く。ポケモンのゲームも、アニメも相手が攻撃技なら絶対先行を取れる摂理。そして……

 

 

 

 キズナという不確定な摂理。一撃で刈り取られるはずだった体力は、絆耐えと言う目に見えない大切なものによって僅かに残る。

 

「リザードオオオオオオオオオン!!!」

 

 そして、リザードンの口から飛ぶ火の鳥は確実にヒメを包み込んだ。

 

 

 

「ヒメッ!」

 

 だが、見えない大切なものはこっちにもある。そうだ、ボクは信じなくちゃいけない。だって、仲間だから。

 

「クトォォ!」

 

 こちらも熱いと思うほどの熱を、炎を耐え、ヒメは立ち上がる。だけど………

 

「ヒメ、ありがとう。そしてごめん。ボクまだ弱いや。」

 

 

 

 

 

 

 リザードンが巻き起こした熱で気絶しそうになる程熱いスタジアム。そこを、立ち上がったまま気絶したヒメのもとに駆け寄る。

 ボクはすぐにヒメをボールに戻し、そしてげんきのかたまりを使う。

 

「クト……」

「気にしないでヒメ。だってほら……」

 

 徐々に聞こえ始める歓声。集中している中では聞こえなかった外野の声。そのどれもがお互いを称えるものであった。

 

「チャンピオン。おめでとう、君の勝ちだ。次はボクも負けないからな!」

「ああ!」

 

 そして、チャンピオンは両足を開き、左手の指を3本立て、腕をまっすぐ上に伸ばす、噂に聞くリザードンポーズをする。

 

 瞬間、爆発する歓声。

 ボクはそれを聞いて、ふっと、糸が切れたように気絶した。

 

 

 

ー・ー・ー・ー・ー

 

 

 

 ボクが目を覚ますと、そこはクサギのおじさんの家であった。クサギのおじさんと、セチアちゃんが居た跡があり、メモ書きがあった。

 ふふっ、あの2人も喜んでるみたい。なんでも今回の活躍でメジャーリーグの候補に上がったようだ。

 

 

 ボクはなんでも丸一日寝ていたらしい。その間に3位決定戦は流れたけれど、相手とは今度機会があったら戦うことになった。カブさんって言う人らしいんだけど、人格者らしいね。クサギのおじさんと聖人勝負してた。

 

「みんな、今日はゆっくりしよっか。」

 

 ボクはみんなを連れて、ハロンタウンの外れの森に入る。

 野生のポケモンと少し戯れつつ、森の奥深く、古びた剣と盾の元に向かう。

 

「ごめんね、君たちの邪魔はしないから。」

 

 森のさらに奥深くから、2体の、パッケージにいたポケモンに似ていて違うポケモンに出会うが、ボクの持つ“12”個のボールを見て何か察したのか、木の下でこちらを見張りながら寝転ぶ。

 

「みんな!出ておいで!」

 

 いつものメンバーに、サブの手持ちである、ミミッキュ、フシギバナ、ラティアスを出す。そして、ボクは一応森の守護者らしい2体に手持ちのこの3体を出していいか聞く。天候に関してはこっちでどうにかするからと、断りを入れ残りの3体も出す。

 

「今日は存分に遊ぶぞ!」

『おー!でしゅ!』

 

 みんなも元気そうに返事してくれた。

 

 

 

 後で、時間を忘れて遊びすぎて、ボクが行方不明扱いになりかけていたことを知り、探し回っていたクサギのおじさんとセチアちゃん。そして、ボクのお見舞いに来ていたらしいチャンピオンが迷子になりかけるとかなんとか。




>不良
→半舎弟化。後日登場する。



>絆耐え
→廃勢ほどあまり見ない光景。アストルフォの前世は廃勢に近かったので計算外だった。



>バリゴオル
→つまり(主人公の手持ちは)そういうこと。



>ウナ
→10万ボルト覚えた。(意地で)今、ウナは5つ技を使える状態。



>ギルガルドBD150
→アストルフォはギルガルドがまさかの種族値弱体化を喰らったことを知りません。強化こそあれど、弱化はギルガルドが初ですしね……
3割削れてる計算でしたが、実際は4割以上5割未満です。



>ヒメvsギルガルド
→ギルガルドは実態を持っていると知ったからやりたかった。ゲームではできない。原理は実態を勢いよく押し出し、その衝撃と壁にぶつかった時のダメージで気絶させるというもの。なお、USUM時代では6段階上がったメガクチートがきあいパンチを撃った場合、水タイプに変化したB特化B252H252ギルガルドを約2,5回倒せる。急所に入れば3回超える。



>ヒメvsキョダイマックスリザードン
→相性が悪すぎる。絆耐えしても確実に殺してくるキョダイゴクエン。ヒメは泣いていい。



>古びた剣と盾
→例のアレ。これ持たせない変態構築結構楽しい



>サブの手持ち
→友人とのエンジョイ対戦でヒメとクロロンのトラウマを避けるよう懇願され使っていたパーティ。それぞれの変態さは出した時に……残りの名前出てない3体はガチ構築。天候云々とか一体どこの伝説なんだ?
それぞれの選抜理由は、
ミミッキュ→むっちゃ好みのポケモン。
フシギバナ→毒枠を考えたら自然と。
ラティアス→本来は入ってなかったが、ある人物との絡みを用意するため。
天候変える奴ら→趣味だよ悪いか?



>ダンデ方向音痴
→公式設定である。


 もう一度言おう。公式設定である。
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