Re:世界を修正する戦隊   作:ガンダムラザーニャ

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今回は黒い幻想さんのリクエストの転生者とバスターギアを書かせて頂きました。

また活動報告のリクエスト募集も続けておりますので、皆様のリクエストをお待ちしております。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=267359&uid=99940


あざみは忍者

「この特異点のどこかに、その転生者がいるんだよな」

 

ジョーたち三人は特異点に着いてから、散策をしていた。

 

一見何の異変もない様子ではあるが、ひなからの事前の情報では、この特異点ではどういうわけか子供が異様に少ないようで、これは転生者に関係しているのではと考えて調査することになったのだ。

 

「…さっきまで聞いた人たちの話から察するに、夜とか暗い所で子供たちが消えたって言うんだよな」

 

「それに、警察でも捜査は難航してるって。

…だけど、子供が誘拐された場所にはクモの糸みたいなのがあったって」

 

「そう考えると、それは偶然ではないのかな」

 

「なら、その現場に行ってみよう」

 

そうして三人は子供が誘拐されたという現場に向かった。

 

「あった」

 

「本当に、クモの糸があるのか」

 

「クモなんてそこら辺にいるが、これじゃ見分けがつかねぇな」

 

「だから解析する必要がある」

 

『アナライズモード!』

 

あざみはブレスを操作し、ボタンの横のカメラ部分が写したクモの糸を解析していく。

 

「…うん、やっぱりこれ、転生者の特典の反応がある。

データを、ひなたちに転送する」

 

「そうか。

…ひな、今あざみがそっちに転送したから、そちらで転生者の反応を追えるか?」

 

『うむ、任せろ!』

 

あざみがデータをひなたちに送ってから、すぐにひなたちがそのデータを元に案内をされ、辿り着いた先は大きな廃墟だった。

 

「この中に転生者が」

 

『あぁ、反応から察するにな。

じゃが、中に誘拐された子供が居るやもしれんから、慎重にな』

 

「なら、ここはあざみが。

…里の掟 42条 謎は謎のまま捨て置くな」

 

「んっ、それは?」

 

「あざみの故郷に伝わる108の掟の一つ。

あざみは日々忍者として、この掟を守ってる。

では、何かあり次第連絡するから、これにて御免!」

 

その場から飛び上がり、あざみは姿を消した。

 

「…前々から思ってたけど、あの身のこなし、本当に忍者なんだ」

 

「関心してる場合かよ。

あいつが中に入ったんなら、俺たちは外から調べるぞ」

 

「わかった」

 

そうしてジョーと不破も、廃墟の外を調べるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

廃墟に入ったあざみは、暗い通路や天井裏などを通りながら進んでいた。

 

「…っ、あれは!」

 

天井裏のダクトの蓋の隙間から、子供たちが監禁されているのを見つけた。

 

見た感じは食糧などを提供されてるようで、無事ではあるようだが、その顔は怯えている。

 

中には家族に会いたくて泣いている子供もいた。

 

「ひどい…、早くあの子達を解放しなきゃ『待って、あざみ!』…ウサダ、どうして!」

 

蓋を開けて助けに行こうとした途端、ウサダからの通信で止められる。

『君の言う通り、あの子達を助けるのは優先すべきことだよ。

でも今ここで動いたらマズイ!

この建物自体が特典の反応があってわかりにくいけど、もしかしたら、近くに転生者がいるかもしれない!』

 

「じゃあ、一体どうすれば…」

 

『待って、この建物をスキャンしてみる。

…あざみ、その通路の先にある部屋に、鍵がある。

それにその部屋には警報ボタンもある。

幸いここは電気が通ってるみたいだから、鳴らせるはずだよ』

 

「なるほど、それで敵の注意を引くってわけだね。

承知!」

 

直ぐ様通路を通って、指示された部屋へと入るあざみ。

 

「あった、鍵!

…後はこれを、ポチッとな!」

 

部屋にあった警報ボタンを押すと建物全体にけたたましいサイレンの音が鳴り響き、すぐに出て子供たちが閉じ込められている部屋へと駆けつけ鍵を開ける。

 

「ひっ!?

だ、誰!」

 

「落ち着いて!

私はあなたたちを助けに来た!

急いでここから出て!

外に出れば私の仲間がいるから!」

 

突然のことで困惑している様子だが、子供たちは覚悟を決めたのか、互いに首を縦に振って、ドアから急いで出る。

 

「あうっ!」

 

だが、その最後に残っていた女の子が躓いてしまい、足を擦りむいてしまう。

 

「うぅ」

 

「大丈夫!?

…待ってて、すぐに手当てするから」

 

すぐに袖口から包帯を取り出し、それを足に巻いて治療を終える。

 

「うん、これで大丈夫なはず。

さ、早くここから出よう」

 

「う、うん!

ありがとうおねーちゃん!」

 

あざみが女の子の肩を担いで出ようとした時だった。

 

『あざみ、後ろだっ!!』

 

「っ!」

 

「君も『家族』だ!」

 

ウサダからの通信もあって、後ろにいたフードを被った男の攻撃を防いだ。

 

「何奴!」

 

『気を付けろ、そいつは転生者だ!』

 

「はぁ、せっかく子供たちを集めてたのに、どうしてこんなことをしちゃうのかな?」

 

「…その言動から察するに、子供たちを誘拐していたのはあなた。

何故こんなことを!」

 

「誘拐?

ひどい言い分だなぁ。

俺はただ子供が大好きなんだよ、子供で遊ぶのがな。

だから子供たちを集めて、俺の『家族』にして、ここを俺の楽園にするんだ!」

 

「子供で遊ぶ?

何を言っている!」

 

「ふふっ、決まってるじゃないか。

君たち子供でもわからないことさ。

でも、生前でもやってた、とっても楽しいことなんだ!

だからここ数日掛けて子供たちを集めて、楽園を築いて、そうして延々と楽しむんだ!

ここに集めたたくさんの子供たちで遊ぶんだ!

んんん~楽しいぞ、生前の百倍は楽しいぞ!

子供たちで遊んで、気持ちよくなって、まさに一石二鳥だ!」

 

「こ、この人何を言ってるの?

怖いよ…」

 

「下がって!

…あなたの言っていること、よく分からない。

けど、あなたのそれはこの子達にとって絶対に良くないことだってことには変わりはない!」

 

女の子同様に、男の言っていることを理解できないが、少なくともここに捕まっていた子供たちにとって良くないことだと理解したあざみはクナイを構え、女の子を庇うように立つ。

 

「はぁ、しょうがないな~。

子供はちゃんと綺麗な状態で捕まえたいけど、わからせるってことなら、良いよね?」

 

「…っ、危ない!」

 

すると、男の手首から糸の束が飛び出し、二人に覆い被さろうとするが、あざみは女の子を庇いながら避ける。

 

「大丈夫?」

 

「う、うん!」

 

「ここは危ないから、後ろに下がって!」

 

「わかった!」

 

『イッツモーフィンタイム!』

 

「レッツモーフィン!」

 

あざみは女の子が下がったことを確認し、変身してから攻撃を仕掛ける。

 

「ふっ!」

 

男の指先から出た糸をブレードで斬ろうしたら弾かれる。

 

直ぐ様身を翻して避けると、床に鋭利な刃物で斬られたような切り口ができていた。

 

「この糸、ただの糸じゃない!」

 

「ふふっ、そうだよ?

俺の特典は鬼滅の刃の累やその家族の力を使うことができるんだ。

だから、こんなことも」

 

「…っ!」

 

周辺から、人間の頭を持つ蜘蛛たちが姿を現した。

 

「この蜘蛛たちは!」

 

「あぁ、今まで君みたいに侵入してきたバカな連中に毒を打ち込んで蜘蛛に変えてあげたんだ。

…あっ、でも君は子供だからそんなことはしないよ?

せいぜい足止めのつもりでね?」

 

「人を蜘蛛に変えるだなんて、何たる外道!」

 

「ひどい言い分だなぁ、俺はただ俺の楽園を作りたいだけなんだよ。

それを邪魔するバカな奴らには当然のことをした、それだけだよ。

…さっ、おしゃべりは終わりだよ」

 

瞬間、蜘蛛たちの口から針の付いた糸が飛び出し、あざみを捕らえようとする。

 

あざみは周囲から来るそれを避けていく。

 

「あっ、そうだ!

さっきから後ろに隠れている君は、先に捕まっちゃおうねー!」

 

「えっ?」

 

瞬間、女の子に目掛けて、糸の束を飛ばした。

 

「…っ、危ない!」

 

「きゃっ、おねーちゃん!」

 

あざみが女の子を突き飛ばし、糸の束の繭に閉じ込められてしまう。

 

「あーあ、自分から捕まっちゃうだかんてバカだなぁ。

…まぁいいや、その中には溶解液があるから、その服が溶けるまで待っててあげるよ」

 

「そんな時間、あなたにやる必要はない!」

 

「えっ、ぐはぁっ!?」

 

振り返るとそこには閉じ込めたはずのあざみが、男の顔面を蹴り飛ばした。

 

「ど、どうして、君はさっき閉じ込めたはず!」

 

「これぞ、望月流・変わり身の術!」

 

「まさか」

 

繭がバラけると、そこには溶け掛けの小さな丸太があった。

 

「あの子を庇ったからって、あざみは捕らえられない!」

 

「くっ、仕方ないな。

少し、痛い目にあってもらわないと、わかんないみたい、だっ!!」

 

そう言うと男の背中が割れて、その下から体の筋肉が膨張し蜘蛛の顔をした異形の怪物になる。

 

「ひっ、化け物…!」

 

「悪いけど、この姿になったからには加減はできないんだよねぇ!!」

 

「どんな姿であろうと、倒すべき敵であることに変わりはない、覚悟召されよ!」

 

『あざみ、これを使ってくれ!』

 

「承知!」

 

『トランスポート!』

 

音声と共に、あざみの手には一振のナイフが握られていた。

 

「これは」

 

『それはエターナルナイフ、君の技量なら使いこなせるはずだ!』

 

「そんな短いナイフで何ができるのかなぁ!?」

 

男の拳が、あざみに目掛けて振り下ろされる。

 

その瞬間にあざみは跳び、男の腕を切り裂いた。

 

「がっ!?

…そんなものぉ!!」

 

腕を再生させながら、あざみを捕らえようとするも、その流れるような動きによって切り刻まれる。

 

「くっ、おいクソ蜘蛛ども!!

お前らは俺の道具なんだ、見てないで役に立て!!」

 

「この人たちに、そんなことさせない!

望月流忍法…奥義!

無双手裏剣!!」

 

周囲から這い寄ろうとする蜘蛛たちが全て、手裏剣によって壁に突き立てられるがその全てが手裏剣に刺さっておらず、枷になるようになって動きが止められた。

 

「この役立たずどもが!

仕方ない、これでも喰らえ!」

 

両手であや取りの形をした糸を飛ばし、続けざまに引きずり出すように足場から糸を上げる。

 

それを目に止まらぬ速度で、その全てを切り裂いていく。

 

「ふっ、あのさ?

糸の硬度がこれで限界だなんて思わないでよね?

…血鬼術・刻糸牢!

からの、殺目篭!」

 

「むっ!」

 

『イッツタイムフォーバスター!!』

 

すぐさまナイフを操作し、二重に迫り来る赤い糸を突っ切るように切り裂く。

 

「なっバカな!?

この糸は最高硬度の糸なんだぞ!?

こうなったら、殺すしかない!

血鬼術…」

 

「遅い!」

 

「は?」

 

構えるよりも速く、あざみはそのまま男の体を素早く切り裂いた。

 

何が起こったのか分からず、男はそのまま後ろに倒れ、元の姿に戻った。

 

そして、あざみはそのままブレスを操作して、男から特典を回収した。

 

それと同時に蜘蛛にされた人たちも元に戻った。

 

「うん、これで一件落着。

もう大丈夫だから、出てきて」

 

「は、はい!

それと、良いかな?」

 

「えっ?」

 

呆けていると、女の子があざみに抱き着いてきた。

 

「ありがとう、忍者のおねーちゃん!

すごくかっこ良かったよ!」

 

「えっえぇっ!?

あ、あざみ、そんなに忍者に見えたのかな?」

 

「うんっ、さっきの変わり身もそうだし、ぴょんぴょん跳び跳ねたり手裏剣飛ばしたりして、まるで時代劇に出てくる忍者みたいだった!」

 

「そ、そうなんだ…、そうなんだ、ふふっ♪」

 

あざみは嬉しさのあまり、ジョーと不破が来るまで女の子を抱き止めるのだった。

 

解放した子供たちは、駆け付けたジョーと不破が見つけて、警察に保護してもらい、あざみが助けた女の子も保護してもらった。

 

蜘蛛にされ元に戻った人たちも、すぐに病院に搬送された。

 

そして、今回の事件の犯人である男は、そのままジョーたちが警察に引き渡し、逮捕された。

 

特異点から戻ってきてから、あざみはすぐに拠点を飛び出し、大好きな饅頭を買いに行く。

 

(誠十郎、おじいちゃん、皆…、あざみはここでも、ちゃんと忍者としてやってるよ)

 

心の中で、かつて所属していた帝国華擊団の皆や育ててくれた頭領にして祖父・八丹斎に今回のことを報告し、その誇りを胸に、足を早めるのだった。




バスターギア エターナルナイフ
使用者:イエローバスター
元となっているアイテム:コンバットナイフ
仮面ライダーエターナルのアイテム、エターナルエッジを再現したバスターギア
使用者の能力を反映させる事が可能。

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