D.C. AKB49   作:非健康者

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  D.C.AKB49-①

神様の推し人

 

二次創作で主人公をTSさせるのは初めてなので、これが初投稿です。

 


 

 

 気付けばオレは、美しくも流動的な空間に居た。

 

(………あっ…?……………どこだ、ここ…)

 

 

 目の前……いや、正確には足もと………更により言うならば周り…は(きら)びやかでありながら、どこか(はかな)い感じの光で(あふ)れている。

 

 オレはその空間で(ただよ)うように立っていたのだ。

 

 

(どういう事だよ……これ…)

 

 今まで生きてきた中でこんな光景、1度も見たことが無い。

 その恐怖感で段々と冷や汗が出てきたオレだったが、何処(どこ)からともなく頭に(ちょく)(せつ)文字が叩き込まれて(あせ)ることとなる。

 

 

浦山(うらやま) (みのる)…………()(なた)は死んだのだ……】

 

(…ぐあ………頭に……文字が………………………………………えっ…?オレが死んだ……?…ぐ……………一体、どういう…)

 

()(まま)の意味だ……。…………()(かい)出来(でき)ぬと()うのならば、()せてやろう…】

 

 

 文字はそこまで続いてから途切(とぎ)れ、次の(しゅん)(かん)から脳内に映像が再生され始めた。

 ズキズキと、通常では有り得ない使われ方をされる頭に痛みを感じながら、オレはそれが何処(どこ)かの駅のホームの映像であることに気付いた。

 

 __そしてオレは、その映像に(みちび)かれるように、(さい)()()(おく)を思い出し始めたのだった__

 

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 __オレの罪の……全てを(さら)け出したあの日から冬が過ぎ、春が過ぎ、夏が過ぎて__

 

 たくさんの季節が過ぎた頃、オレは大学へと向かう電車に乗ろうとしていた。

 かつて共に肩を並べ、笑いあった少女達の声をイヤホンで聞きながら、オレはホームの最前線で少し肩を(ふる)わせながら電車を待っていた。

 

 だから………オレのその、(つみ)も裏切りも…何もかもを忘れてのうのうと()らしているような、そんな(たい)()が気に食わなかったんだろう。

 

 

 ドン、と。

 

 

 電車が来る直前、オレは電車の線路へと体を押されてしまった。

 

 少女達の他愛(たわい)もない会話を聞きながら、オレは線路に崩れ倒れた。

 

 

 耳から聞こえる平穏(へいおん)な声が、判断を(にぶ)らせる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 利き手の方から振り向いたオレが最初に見たのは電車のライトだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 (にぶ)った思考のまま、後ろを振り向こうとするが…電車のライトはスグそこまでやって来る。

 

 

 そのままオレは、誰がやったのか見えず………

 

 最早イヤホンで防げないほどの轟音(ごうおん)と衝撃に飲み込まれて意識が消えた。

 

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

 

(……………っ、はぁっ!はぁっ!はぁっ……!はぁっ……)

 

【どうだ?()(かい)出来たか】

 

(……っ、あ、ああ………()(かい)出来た…………………オレは死んだんだな………………)

 

 

 そこまで言ってから、オレは改めて戻ってきた周りの視界に思考を張り巡らせる。

 

(…てことは………ここは死後の世界…って事か…?)

 

如何(いか)にも。我は死に絶えた()(なた)(たましい)をすくい上げ、此処へと(いざな)ったのだ】

 

 

(………はぁ………………てことは、…なんか、アンタは(えん)()様とか神様みたいな感じなのか…?)

 

 未だ頭に直接来るダメージに慣れる事は無く、頭を抑えながらオレは聞く。

 

【うむ。その認識(にんしき)で良い………(われ)其方(そなた)の死に際に憐憫(れんびん)(じょう)を抱き……ならば、と()(なた)に第二の人生を与えてやろうと考えついたのだ】

 

(第二の人生ぃ……?なんだそりゃ…)

 

 

【む…(てん)(しょう)を知らぬのか………文字通り、其方には第二の(せい)。つまり、生まれ変わる権利をやろうという事だ】

 

(第二の(せい)…………生まれ変わり…か)

 

 

 

 正直果てしなく()(さん)臭い。

 ……だが、ああも死の映像を見せられ。

 

 それによってオレの記憶が呼び起こされた。

 少なくとも、超常(ちょうじょう)的な存在であるのは間違いないのかもしれない。

 

 

(分かった。生まれ変わり…がなんなのかよく分からないが、お願いしても良いか?)

 

【あい分かった………では、()(なた)の記憶を探らせて貰う】

 

 記憶?まあ良いが……

 

 

 そう答えようとした頃には、既にオレの頭はこの文字に侵食されていた(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)

 

 

(ぐ……があああああ…!!!!)

 

 頭の中を容赦(ようしゃ)なく剣で突き刺され、ぐちゃぐちゃにかき混ぜられるような感覚にオレはのたうち回った。

 

 

 視界はぐるぐると回り、口からは意味のなさない(ぜっ)(きょう)が辺りに散らばる。

 神経が焼き(ただ)れ、自らの首を締めようとしても出来ない現実に絶望しかけて、思い留まり。

 

 かつて憧れた最推しの同級生(・・・・・・・)にギリギリで自我を保ってもらって…ようやく頭の痛みが引いてきた。

 

 

【ふぅむ…………成程……困った…………実に困ったぞ…】

 

(………ぁぎ………ぐ……)

 だが、未だに痛み続ける頭に、全身に……口から言葉をダラダラと垂れ流すことしか出来ない。

 

 

(しか)して、(これ)()(なた)の望みならば……叶えるのが(どう)()か………………………。………良し。()(なた)(てん)(しょう)先が決まった…】

 

 

 

(…ぐ、く…………ようやく、この痛みが終わるのか…)

 

【……()(なた)に問う。今より生まれ直し(・・・・・)を行うが、其れには()(なた)の大切な物を代償とする必要がある。その覚悟は良いか?】

 

 

 代償…大切な物…………。

 

 そこまで聞いて、オレの痛む脳裏(のうり)にあの少女が浮かんだ。

 ………オレの全てを輝かせてくれた、同級生のあの少女。

 

 オレはあの少女と今から、別れるのだ…。

 ……いや、そもそも別れの挨拶すら出来なかったから、コレはその【横槍(よこやり)を入れるが、その少女は其方の物(・・・・)ではない。(ゆえ)に、(だい)(しょう)とはならぬ】…………………アッ、ソッスカ…

 

 

(じゃあもう。覚悟なんてとっくに出来てるよ…)

 

 

【では、(てん)(しょう)を始める………………其方の未来が、今度こそ明るい物となる事を望む】

 

 その文字を最後に、辺りに散らばっていた流動的な空間は前へと進み出す。

 

 

 いや、これは前ではなく後ろ?それとも、上か?

 

 取り敢えず動く方向性が漂いから変わった。

 

 

 ぐんぐんと進んでいき、世界が段々と暗くなっていく。

 

 

 

 そして視界が完全に黒に染まるその瞬間。

 

 

 

『他ならぬ、この(われ)()(なた)を好きなのだ。こんな結末は認めぬぞ』

 

 誰かの声がした、気がした。




適当に更新していきます。流し読み程度でお付き合い下さい
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