SSSS.DYNAZENON二次創作ボイスドラマ   作:無楽

9 / 18
第α回「友達と蟹」

「あ、いた」

 

ガウマ

「お!暦じゃねえか。こんなところで何してんだ?」

 

「いや、ガウマさんがどんな快適な空間で過ごしてるか様子を見に…」

 

ガウマ

「揶揄ってんのか?1人寂しく、寒い師走を過ごす俺を揶揄いにきたのか!?」

 

「冗談ですよ。ガウマさん卑屈になりすぎ」

 

ガウマ

「だってよ!ここ冬になるとめっちゃくちゃ寒くて死にそうになるんだよ!」

 

「そりゃあ、橋の下ですからね」

 

ガウマ

「だから、なんとかしようと街に出ると、カップル達がイチャコライチャコラしてて…こちとら、姫一筋だから誰にもなびかねえんだよ!なびかねえんだよ…なびかないけど…寒くて…」

 

「それでイライラしてるんですね」

 

ガウマ

「ああ…蓬と夢芽が寝袋とカイロをくれたのはありがたかったんだけど、それでもまだな…」

 

「そうなんですね」

 

ガウマ

「そうなんだよ!暦!一生の頼みだ!一晩だけでいいから泊めてくれ!このままじゃ、また死んじまう!」

 

「いいですよ」

 

ガウマ

「そうだよな…やっぱ、ダメだよな…っていいのかよ!!」

 

「だから、そう言ったじゃないですか。こんなところで友達に、野垂れ死なれたら、嫌ですよ。法事が増えますから」

 

ガウマ

「暦〜!ありがとうな!流石俺のダチだ!」

 

「俺今一人暮らしなんで、ガウマさんの持ち物何持ち込んでもいいですから。全部持って俺ん家行きましょう」

 

ガウマ

「暦…!いや!暦様!恩に着るぜ!でも、一晩以上厄介になるわけには…」

 

「明日から東京は雪が降るらしいですよ。多分外は氷点下です」

 

ガウマ

「……やっぱり、しばらくお願いしますっす!」

 

「はい。じゃあ、持っていきますよ。荷物。夕飯の買い出しもありますから」

 

ガウマ

「おお!!夕飯か!何にするんだ!」

 

「うーん。普通に鍋ですかね」

 

ガウマ

「おお!じゃあ、蟹鍋にしようぜ!」

 

「ガウマさん。流石にそこらへんの沢蟹はダメですよ?」

 

ガウマ

「ちげえよ!蓬の母ちゃんから、蟹の切り身を分けてもらったんだよ。この前の北海道物産展のお礼だとよ」

 

「なんで家ないのに、普通の家より良いもの食べてんですか??」

 

ガウマ

「しょうがねえだろ!くれるんだからいただかなきゃ勿体ないし!」

 

「そういうところは律儀なんだよなぁ…。早くマスクしてください。行きますよ」

 

〜〜暦の家〜〜

 

ガウマ

「おおおー!ここが暦の家か!割と普通だな」

 

「文句言うならつまみ出しますよ」

 

ガウマ

「あっいや、そう言うのじゃなくてだな?なんか普通の家で、落ち着くって言うか…なんと言うか」

 

「その言い方誤解を生むからやめたほうがいいですよ。まぁ…ガウマさんなんで信じますけど」

 

ガウマ

「悪いな。上手い表現思いつかなくてよ。なんて言うか蓬ん家と似てんだよ」

 

「蓬くんの家と?」

 

ガウマ

「ああ…あいつのうち、普通の家だけど、風呂も温かいし、飯も美味くて、母ちゃんや婆ちゃんも優しくて、勿論蓬も。そう言う家。良いなって思うんだよ」

 

「まぁ…確かに落ち着く部屋って言うのは同意しますかね。これから多少煩くなるかもしれないですけど」

 

ガウマ

「誰見て言ってんだよ!」

 

「1人しかいないでしょ」

 

ガウマ

「暦!てめえ!このやろう!」

 

「はいはい。鍋の用意しますよ」

 

ガウマ

「よっし!バリバリやる気出てきたわ!」

 

「空回りしないでくださいよ?」

 

ガウマ

「わかってるって!」

 

〜〜鍋の支度終了〜〜

 

ガウマ

「おおー!鍋できたな!」

 

「ですね。でも意外でした。ガウマさん料理できたんですね」

 

ガウマ

「暦は俺のことなんだと思ってんだよ。料理くらいは普通にできるわ!5000年前も自炊くらいしてたし」

 

「久しぶりに聞きました。5000年前」

 

ガウマ

「あ?そういや最近は言ってなかったな…結構この時代に馴染んでたからな」

 

「もしも…ガウマさんが蘇らなかったら、多分俺しばらく無職続けてたかもしれませんね」

 

ガウマ

「いや、それはねえだろ。暦は暦だ。髪型は変わったかもしれねえけど、目つきも、顔つきも、出会った頃と一緒だ」

 

「それは一緒じゃないと困るんじゃ?」

 

ガウマ

「後、蓬や夢芽、ちせをちゃんと見てる優しいところも、心の内に熱い気持ちがあるところも、変わってねえ。俺が出会った時と変わらない『山中暦』だ」

 

「…そういうもんですかね」

 

ガウマ

「おう。そういうもんだ。さて!鍋食うか!!」

 

「ポン酢はお好みで使ってください」

 

ガウマ

「何から何まで悪いな。この借りは必ず返す!」

 

「はいはい。期待しないで待っておきますね。さて、食べますか」

 

ガウマ

「おう!いただきます!」

 

「…いただきます」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。